EUROPE.


<2005年1月7日: 東京国際フォーラム>

1987年ファイナルカウントダウンの大ヒットで世界中を席巻し、ロック不毛の地と
思われていたスウェーデンの重要性をインギとともに世に知らしめた北欧叙情メタルの
フロンティア、ヨーロッパが13年ぶりに新譜を発表して、それに伴う再結成ツアーを
やるというので、すごく好きってわけじゃないけどインギ絡み(ギタリストのジョン・
ノーラムはインギのおさなじみ)もあり、かつてはそこそこ聞いていた自分としては
とりあえずおさえておかねば的な微妙テンションで、有楽町は東京国際フォーラムまで
テクテク向かったわけでありまして。

で、館内に入ってふと周りを見渡せば、さすがに10年以上休眠していたバンドのライブ
だけあって年齢層はそこそこ高かったです。あ、だけど女の子スゲー多い…!と思いきや
ギャル属性にあらず「負け犬の遠吠え」ラインの限りなく一歩手前と思われる方々がそこらで
井戸端ってたり、もはや負け犬という哺乳類属性をも通り越した原生生物であるところの
僕みたいなキモオタどもが隅っこの方でゴンズってたり(ゴンズイという魚が群れをなして
いる様を表す形容詞)、はたまたお前自身がファイナルカウントダウンだろ!と突っ込みたく
なるような70オーバーのつわものはいたりで、会場内はたいへんよくわかんないことに
なってました。

そんなこんなしてるうちにライトが落ち、日本では約13年ぶりとなるライブがはじまった
わけですが、小学生時代インギと女を取り合った末、殴り合いのケンカをしたことがあると
いう逸話で名を馳せるジョン・ノーラムのギターソロが思ったより良くないわけですわ。
ワウ利かせまくってる上にチューニングもずれまくり。ゲイリームーア大好きなのは分かるけど、
それじゃ泣きのギターじゃなくてただの超音波だから。
リズム隊のふんばりとジョーイのハイトーンに加えた各曲の元々のメロの良さのおかげで
ステージはギリ成立しているものの、こりゃこのままいったらヤバいんじゃないのと思って
いたところで後ろの方から「ウェルカムトゥヤーパン!」というとてつもない奇声が!?
盛り上がっているならまだしもこの微妙なノリの中でそんなことやっちゃった日にゃ、まあ
その声の目立つこと目立つこと、しかもヤーパン? ついつい好奇心に負けて後ろを振り向いて
みちゃいましたら、案の定そこには僕を鏡写しにしたようなキモオタがその小太ったボディを
惜しげもなく周囲に晒しながら狂喜乱舞なさっている様が見てとれまして、それを見た途端、
よほどの自己嫌悪とあまりの自己憎悪に駆られまくった僕の頭は、早速そいつをライブの喧騒に
まぎれて撲殺してやりたい欲求で一杯に満たされました。

この辺りにきて狂っていたギターのチューニングがようやく復調の兆しを見せ、周囲のノリ
自体もそろそろエンジンがかかりはじめたかなと思っていたところで稀代のベタ曲"Ninja"が
流れだし、会場内は一気にヒートアップ。僕自身「ニンジャは生きてるよ」ってやる歌詞から
ノリからソロに至るまで全てがベタなこの曲が大好きでして遂にキターとか思いながらコブシを
振り上げようとしたその瞬間、またもや後ろの方から奇声が。
しかも今度は「アイムハイテンショーン!」ときたもんだ。それ聞いた途端、今度は僕自身の
顔があっというまにスーパハイテンション、よっぽど大上段からのマヒャド斬り辺りでソイツが
凍らせた空気もろともそのキモオタデブを真っ二つにしてやろうかと思いました。

(ROCKCITYより)

その頃ステージ上ではボーカルのジョーイが大ハッスル。いきなり観客の1人に話しかけて
そいつを死ぬほどキョドらせた上で「マイネーム!?ヨウイチ・キノシタ」と意味なく叫ば
しめる羞恥プレイをかましたかと思えば、客席の中ほどまでダッシュで走っていてその場で
クルクル回転した揚げ句セキュリティの人を死ぬほど困らせるというはっちゃけぶりを容赦なく
見せつけてました、というか国際フォーラムはイエス・パープル・ジャーニーと見てるけど
ステージからおりてきて中腹まで超速ダッシュかますヤツはじめてみたよ、その後も"Carrie"の
歌いだしミスったのを逆に利用してそのまま観客へのアオりに使うという強引きわまりない技
まで繰り出して、おおいに我々を沸かせてくれてました。ま、盛り上がってるしパフォーマンスと
して見れば全然アリだよね、よーしパパも一緒に合唱しちゃうぞーと声を張り上げようとした途端、
そこでまたキモオタデブの登場ですよ。

「ケリィィィィ〜 ケリィィィィィ〜」

アカペラで歌っているジョーイの声をほぼ掻き消すほどの凄まじい破壊力、すごい! 
でもその歌「ケリー」じゃなくて「キャリー」ですから。残念!(生まれてきたことに) 
ステージ上のロックスターみたいに飛びたかったかも知れないけど、あんたはただの飛べない
ブタの方ですから!斬り! ついでにそのセリフが僕にもマホカンタしてきてWで残念!全然
カンケーねーけどWで残念Wで残念って繰り返し言ってるとWでザーメンに聞こえてこない?
はードッピオドッピオー(キモオタデブの耳に向かってとぉるるるるるるとがなりたてつつ)

今回の格言: 飛べないブタはただのブタ
ライブの感想: ブタのことしか覚えてねえ。

前半のショボ展開を補って余りあるアンコール以後の盛り上がりにはちょっと感動したかな。
だけど一番おいしいとこ持ってったのは全部ブタ。やりきれねえ。

<その夜>
早速ソイツの声がダイジェス特集組まれてネット上で野晒されてましたー ああ無惨、かつ悲惨!
(おまけ:その音源をミックスしようとして5分で放り出した残骸 → 


<今日の一枚>

 「The Final Countdown」 / EUROPE

スウェーデンの星、ヨーロッパの名を全世界に知らしめた出世作。
リッチーもベタ誉めしたというタイトル曲は誰もが1回は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
北欧世界観を喚起させるかのようなジョーイ・テンペストの透き通ったハイトーンと、ノーラムの
ゲイリームーアーばりの哀愁ギター、それにミック・ミカエリのテンポのいいキーボードが加わり、
従来からの彼等の魅力の一つであった「ベタだけど最高にドラマチックな歌メロ」にますます厚みが
増した一作。分かりやすくノリやすいロックが主流であった時代、つまりロックがロックであった
80年代を語る上において避けては通れない作品。こういう華麗系もなかなかイケてますって。


<今日の無駄Tシャツ>



#たまには普段着れるもの買おうと思って無難なデザイン(それでもロゴ大きすぎ)
 のもの選んだら、今度はサイズがデカすぎてパジャマにしかならなかったというお話。
 外人のLってデカすぎだよ。



<セット・リスト>

01:Got To Have Faith
02:Ready Or Not
03:Superstitious
04:America
05:Wings Of Tomorrow
06:King Will Returns
07:Ninja
08:Hero
09:Wake Up Call
10:Keyboard Solo
11:Sign Of The Times
12:〜 Guitar Solo 〜
13:Girl From Lebanon
14:Start From The Dark
15:Carrie
16:Flames
17:Yesterday's News
18:Rock The Night

19:Seven Doors Hotel
20:Cherokee
21:The Final Countdown


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