Lenny Kravitz.
＜２０１２年４月４日： ＴｏｋｙｏＤｏｍｅ Ｃｉｔｙ Ｈａｌｌ＞
本来なら０８年９月に予定されていた１０年ぶりの単独公演がうやむや気味に流れた際、
集客不評によるライブ中止のことを指す「レニクラる」という不名誉な造語まで出来てしまった以上
再来日はまずないんじゃないかと思われていた「Lenny Kravitz」の単独公演が再決定したとのことで、
二度目の正直とばかり、水道橋は東京ドームの裾にある東京ドームシティホールまで行ってきました。
前回の件があるので、正直客入りに関してはかなり不安だったのですが、とりあえずスタンドは満員、
アリーナもところどころ隙間はあるものの一応は埋まっているといった感じだったのでまずは一安心。
でもって久々すぎる来日のせいもあってか客ノリが序盤から異様に高かったもんで、バンド側も序盤から
かなりノリノリ気味。"Come On Get It"に"Always On…"と、のブラック系特有の跳ねてるリズム感に
大のジミヘン・フォロワーらしいプリミティブなリフでもって、ホール全体をダンス＆ファンク色に
塗り潰していく様はかなり圧巻でした。しかもファンクといったら普通どこか乾いた感じになるのに、
この人の音造りは根本がウェットなもんだからどこか色気というかエロティック臭がするわけですわ。
それがこの独特のノリに繋がっているのかなとか、なんとなく思ったり。
中盤においては"It Ain't Over…"にて「Spandau Ballet」的な甘いニューロマンティック臭を
漂わせてフロアをムーディな多幸感で満たしたり、"Stand By My Woman"のようなしっとり系の
大人バラードで場を切なさという名の静寂感で覆ったりと、「魅せる」より「聞かせる」プレイで
押してましたね。しかも両曲ともメロ秀逸。やっぱりこの人のソングライター力はパないすね。
でもって終盤、ここで畳み掛けるようにプレイされた４曲がマジ激熱。
まず、やっぱりロックはリフが命と思わせるに相応しい曲"Rock And Roll Is Dead"でもって
体の芯にくる奴をガツンとかましたかと思えば、次曲"Where Are We Runnin'?"ではホーン隊が
前に出張ってきてレニーとともにアクションかましまくり、フロアを一大ダンス天国へと牽引。
更に"Fly Away"の高揚感を煽るリフとリズムを起爆剤として観客のシンガロングを誘発した上で、
そのまま曲間を切らずにドラムで繋いで、あの例の超有名イントロへともっていくというね。
そう、"Are You Gonna Go My Way"。そりゃ盛り上がりますって。いや、ここ本当に最高でした。
アンコールの"Let Love Rule"においては、サビを客に合唱させつつ、自らはホール内を練り歩き。
しかもアリーナのみならずスタンド２階席まで行って子供を抱き上げるという過剰サービスっぷり。
まさかこんなにサービス精神旺盛な人だったとは。ここのアットホーム感は本当に良かったです。
こんなに盛り上がるなら、ちゃんと曲を聞きこんで覚えてくるんだったと少し後悔したくらい。
いやもう完全にファンになっちゃいました。メチャ楽しかったわー
＜今日の一枚＞
「Are
You Gonna Go My Way」/ Lenny Kravitz前作のヒットで得た勢いを更に加速させた１９９３年リリースのサード作。
タイトル曲におけるロック史の一大発明といっても過言ではない高完成度のリフが
象徴するかのごとく、ファンクなリズムに満ちた情熱的な佳曲がキラ星のごとく
詰まっている一枚。ロックと言うには少々メロウなベクトルへ傾きすぎているせいで、
そのキャッチーな部分がしばしば叩かれがちなのは不遇としか。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃普段通りのＬサイズを購入した筈が、アメリカンサイズということを考慮しても、完全にデカすぎ。
これほど寝間着代わりにしかならないＴもそうはないかと。