Anthrax & Hellyeah.
＜２０１２年４月５日： 渋谷Ｏ−ＥＡＳＴ＞
「Metallica」「Slayer」「Megadeth」そして「Anthrax」、
いわゆるメタル界隈の「BIG 4」と呼ばれるこれらメンツの中じゃ「Anthrax」だけ単独で
観たことがなかったので、虎視眈々とそのチャンスを伺っていたのですが、昨年の５月に
予定されていた単独公演は例の地震のせいでキャンセル、その振り替えである昨年１２月の
公演もキャンセルと、２回続けてドタキャンくらったもんで流石にテンション落ちかけていたんですが、
こうなったら意地だと今公演もチケをキープ、３度目の正直とばかりに行ってきましたよ、
渋谷は最早お馴染みのライブ会場になりすぎたＯ−ＥＡＳＴまで。
＜Hellyeah＞
まずは元「PANTERA」の主軸ドラマー、ヴィニーと「Mudvayne」の個性派シンガー、チャド
によるスペシャルユニット「Hellyeah」が登場。初っ端から「PANTERA」時代を想起させる
"うねる"グルーヴでもってフロアをかき回しにきましたね。サビ辺りでともにシャウトできる
曲ノリの良さも手伝って、立ち上がりは上々といったところ。そのまま同系統の曲で繋いで
一気にラストまで突っ走るかと思いきや、要所要所に"Hell Of A Time"や"Alcohaulin' Ass"
といった変化球をもってきて、それまでのゴリ押し一辺倒な縦ノリにマイルドな変化を加えた
辺りのライブ展開の巧さもあって、最後まで飽きがきませんでした。
まあ「LP10」時に比べて少々あっさりめなＭＣだったり「PANTERA」曲を全然やらなかったこともあり、
とことん弾けきったかと言われると少し疑問符はつくけど、サポート的な位置づけとして考えたなら、
かなり良好なパフォーマンスだったんじゃないかと。
０１：Hellyeah
０２：Matter Of Time
０３：Stampede
０４：Goddamn
０５：Hell Of A Time
０６：Nausea
０７：You Wouldn't Know
０８：Alcohaulin' Ass
０９：Cowboy Way
＜Anthrax＞
さて、いよいよ本日のお目当て。「LP06」以来、単独としては初の観賞となる「Anthrax」が登場。
メタルというマイノリティ枠の壁を突き破った「Metallica」、逆にその枠をとことん突き詰めて濃縮
させきった「Slayer」、メタルの主要素たるリフに重きをおいた「Megadeth」、とこれら３バンドを
メタルの代名詞とするならば、残りのワンピースたる「Anthrax」の軸、その魅力とはどこにあるのか？
その答えが今ここに…！ ってそこまで気合いれて見てたわけじゃないんですが、実際にその生音に
触れてみてなるほどと。「Metallica」をメタルの純血種とするならコイツらはつまりハイブリッド種
なんだなという、音楽評論家がよく書いてるようなことを肌でダイレクトに実感できましたね。
音に多様性があるという点では「Megadeth」に似てるんですが、あそこまで洗練されていないというか、
要するにどこかバタくさくて、なんとなく垢抜けなくて、泥臭さをそこかしこに残した骨太サウンドが
こいつらの最大の魅力なんだなと。そんなことを"Caught in a Mosh"にて巻き起こったモッシュ渦の中
にて感じました。要するに切れ味鈍いハンマーなんだな、こいつらはと。
ライブにおける個人的ハイライトは、新譜からの"The Devil You Know"でのストップ＆ゴーな曲展開、
このちょいモダン風味なリフはとにかくカッケーなと。それから"Indians"、「ウォーダンス〜！」の
絶叫が上がる瞬間は彼らのライブの中でも一番の華ですよね、文句なくブチあがる。ただその後に否応
なく発生してしまう狂乱モッシュの中にて全身あますことなく殴打されるというおまけ付きだけど。
一番聞きたかった"Metal Thrashing Mad"もアンコールの最後辺りでしっかり聞けて、パフォ的にも
セトリ的にもかなり満足な内容だったと思います。
＜今日の一枚＞
「Among
The Living」/ Anthraxスラッシュ東海岸勢の筆頭格「Anthrax」、８７年リリースのサード。
"Caught In A Mosh"・"Indians"・"I Am The Law"等、「Anthrax」を知りたければ
まずこれを聞けと言えるくらい代表曲のオンパレード。極めて攻撃的かつ弾けるビート感に
溢れているのは勿論のこと、これだけヘヴィでソリッドなリフが揃っているにもかかわらず
スラッシュ的な湿ったダウナー感を微塵も感じさせないジョーイの漢汁迸りまくりな声も魅力。
スラッシュ入門編としては「METALLICA」の「Ride the Lightning」と並んで最適の一枚。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃新譜デザインをそのままあしらったフロント部は、あまり面白みないけど、
アンスラックスＴは一枚は持っておきたかったので、とりあえずは良しかと。