Nuclear Assault & Black Dahlia Murder.


2012年2月22日: 渋谷クワトロ>

「スラッシュメタル」なる大鍋に、パンク&ハードコアというキッツいスパイスを
ブチこんで煮込みまくった末、出来上がった「クロスオーバー・スラッシュ」というアングラ系ジャンル。
その始祖的存在である「Nuclear Assault」の再来日に関しては正直「スラドミ07」でたっぷり見ている
こともあり今回はスルー?とか思っていたのですが、その対バンがメタルコア・デスメタルの雄である
「Black Dahlia Murder」であることを知った瞬間、すかさずチケ抑えちゃいましたね。
いや、ライブが驚異的にアグレッシブらしいんで1回見てみたかったんですよ、彼らのパフォーマンスは。


Black Dahlia Murder

というわけで、まずは本日のお目当てである「BDM」のライブから。
自然と視線はこのバンドの名物ボーカルであるトレヴァーへ。
ロックバンドのフロントにあるまじき小太ったボディをブルンブルンとわななかせつつ、
空いてる片手を高々と掲げつつ、小刻みな小ジャンプを連発しながら全開シャウトというその
ファニー極まりない勇姿から受けたイメージは、まごうことなき「スーパーマリオ・ミーツ・デスメタル」でした。
ジャンプの度にめくれあがるTシャツの裾から見えるドテっ腹も手伝って、そのベクトルは完全に
コミカルな方向へ転がりまくりんぐ。
なのに鳴っているサウンドは超ハイスピードかつアグレッション剥き出しのメロデス系という
このアンバランスさがたまりませんなー あ、しかも2曲目で上を脱いだ!
更には中盤でフロアへダイブ敢行したかと思ったらステージ復帰時にはパンツ一丁になってました。
いやこの時点で圧倒的にキャラ勝ちでしょ、もう完全に笑いましたわ。

演奏の方も想像以上にアグレッシブ。若干長尺よりの曲が多めかつメロの起伏があまりなかったにも
かかわらず、全体を通してのダレがほぼなかったのは、このタイトな攻撃色と(特にドラム!)どこまでも
明るく楽しいおバカのりで、とことん突っ走ってくれたおかげでしょう。
盛り上がりのピークは"Miasma"かな。あとラストでサーフしてきた客を次から次へとステージ上へ引き上げつつ、
「ドモアリガット、ミスターロボットー!」と叫んでいるトレヴァーの楽しそうな笑顔も良かったですね。

 01:A Shrine To Madness
 02:Moonlight Equilibrium
 03:What A Horrible Night To Have A Curse
 04:A Vulgar Picture
 05:Malenchanments Of the Necrosphere
 06:Conspiring With The Damned
 07:Necropolis
 08:Den Of The Picquerist
 09:Carbonized In Cruciform
 10:Everything Went Black
 11:Miasma
 12:On Stirring Seas Of Salted Blood
 13:I Will Return
 14:Blood In The Ink
 15:Deathmask Divine
 16:Funeral


Nuclear Assault

30分程のセットチェンジを経て、元「nthrax」現「Brutal Truth」の長身ベーシスト、
ダン・リルカ率いる「Nuclear Assault」が登場。ボーカルをとるジョンが小人系なだけに
二人並んだ絵ヅラがまんま「進撃の巨人」的な様相を呈していたのには少々笑いました。
まあダンは見栄え利いてるので普通にカッコよかったですね。小人系なジョンの方も、
甲高いトーンと全力ピッキングの併せ技でもって、強引にカッコよく自己プロデュース。
ただMCの滑りっぷりは相変わらず。ただでさえ我々側は英語がよく分からないのに、
猛烈早口なうえ、しかもトークが無駄に長いアメリカンジョーク系て。無理だわー
あと開始時のフレーズを忘れちゃってる曲が幾つかあったみたいで、その場でおもむろに反復練習始めるとか、
正直プロとしてあるまじき失態の筈なんですが、「お!その音!」とダンに指差されて微笑む笑顔に和まされすぎて、
むしろ逆に「アリ!」な感じになってるところがなんかスゲーなと思いましたね。
スラッシュ系でアットホーム感は新しいかも。

演奏ハイライトはアゲ系の攻撃的リフからハイスピードで押しまくる"New Song"、
そこから代表曲かつヘドバン推奨曲"Critical Mass"、スラッシュ系にしては妙に知的かつ独特のイントロが
印象的な"Game Over"へと繋げた中盤辺りかな?
あとやっぱり弾いている姿が実に楽しそうなところがね、いや当たり前すぎる事なんだろうけど、
これ本当にライブでは重要だなーって殊更に思いましたね。あとノリが微妙だった「スラドミ07」と比べて、
今回は盛り上がってる感が常に途切れていなかったので、やっぱり前回の時はイベントが長丁場なせいで
みんな疲れきっていただけだったのかも。

 01:Rise From The Ashes
 02:Brainwashed
 03:F#
 04:New Song
 05:Critical Mass
 06:Game Over
 07:Butt Fuck
 08:Justice
 09:Sin
 10:Betrayal
 11:After The Holocaust
 12:F#(Wake Up)
 13:When Freedom Dies
 14:Trail Of Tears
 15:Price Of Freedom
 16:Great Depression
 17:My America
 18:Hang The Pope…
 19:Lesbians
 20:Technology


<今日の一枚>

 「Miasma」 / Black Dahlia Murder

「BDM」の正式なフルレンスとしては2作目、独特のスタイルを確立した一枚。
様々なエクストリームミュージックの特色をミックスさせてネアカ・テイストに仕立てた
その音造り、いわゆるありきたりのメタルとは完全に一線を画すヘヴィネス性は、
一応「メロデス」という枠にあるものの、その攻撃色だけを見ればグラインドコアか
ハードコアに近いものがあるのではないかと。とにかくハードな音を脳内にブチこんで
スカっとしたい時などにオススメ。


<今日の無駄T>



#これでもかー的な大暴れ系インパクトの強さが目立つ「BDM」T。
 すかさずラウドパーク専用Tという特殊ジャンルに入れておきました。
 

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