Bryan Adams.
<2012年2月15日: 日本武道館>
「故きを温ねて新しきを知らば以て師と為すべし」、
ベストヒットUSA直撃世代には思い入れのある人もかなり多いのではと思われる、
温故知新アーティストの代表格たる「Bryan Adms」が7年ぶりの来日を果たすとのことで、
その圏内にあるミーも当然のごとく、九段下は武道館までいそいそと馳せ参じてきました。
ちなみに客入りの方、1階2階ともにかなり埋まってました。
あとステージ背面のスクリーンに「#BRYAN ADAMS」タグ付きのツイートが流れていく様を
映し出すという開幕前の工夫は、なかなかに面白いと思いました。
さて、ライブの方。
まずはほぼ全盛期同様の声のハリっぷりにいきなり嬉しくなっちゃったり。
何せ2曲目の"Somebody"時点にしてライブ終盤の大団円感・充実感が客席の
そこかしこから醸しだされちゃってましたからね、
序盤にしてこの波動はヤバいだろと。ホントそのくらい声がよく出ていました。
あと演奏陣を並列カットで映したり、マイク前のCCDで歌っている顔を大写しにしたり、
ステージの絵を階層的に重ねた上で縦横に揺らしてジェットコースター的な見せ方をしたり
といったスクリーン演出の凝りっぷりもその盛り上がりに一役買っていましたね。
全体を通しての個人的な盛り上がりどころを何点か挙げるとするなら、
まずは"Do I Have to Say the Words"、サビ部分に挿入されるギターの哀愁メロは
最高すぎるだろと。でもって"Hearts on Fire"でのブライアンとキースのギターバトル、
ここ「泣き」のフレーズ部分で実際に泣く真似まで見せてくれるというサービスっぷり。
そういえばキースは"It's Only Love"でもゾウの鳴き声みたいな音をかき鳴らした上で
ご丁寧にゾウの物真似まで見せてくれてたしで、ガテン系ムンムンな方向へ色気のあるギターを
弾くわりにはお茶目だなあと。
プロミュージシャン達の間で特に人気を誇ると言われるキースですが、今ステージ上での
いぶし銀な立ち回りを見て、なんとなくその理由が分かったような気がしました。
あと、前列の女性をステージに上げてともに歌った"When You're Gone"も、
その方のハモりっぷりが至極上手かったこともあってかなり盛り上がりましたね。
そいやこの人、ピアノの先生らしかったんですが、ブライアンに「さくら」を弾いてと
言われて、タメを作った上で"I Do It for You"のイントロを弾くというボケまでかまして
場内を笑わせてくれていました。あれで仕込みじゃないなら本当スゲーなって。
そこから先の終盤はミーのような世代にとっちゃもろ直撃なキラーソングの目白押し。
「Cuts Like a Knife」に「Reckless」という80年代を代表する名盤からのセレクト、
"Run to You"に"Heaven"、懐かしさ極まる"Straight
from the Heart"とかやられちゃったら、
そりゃー胸熱にもなりますよ。ちなみに"One Night Love Affair"もやってくれたんですが、
ここ本来なら"There Will Never Be Another Tonight"だったらしいですね。
前列のファンが掲げていた「Please One Night Love Affair!!」のプラカードを見て
急遽セトリを変えてくれたみたいで、ブライアンの優しさもそうだけど、それに即対応できる演奏陣も
「出来ておる喃…!」って思いましたね。
というわけで"This Time"がなかったことを除けば、素晴らしく満足しきったライブでした。
去年の「Daryl Hall & John Oates」の時も思ったけど、やっぱり80年台にチャート覇権を
とったミュージシャンってのは地力が違うなと。この「ベストヒットUSA懐古」シリーズ、
今後とも目ざとく続けていきたいなと思っています。
<今日の一枚>
「Cuts
Like a Knife」/ Bryan Adams
ブライアン起死回生の一撃にして全米制覇への道標となった出世作。
"The Only One"・"This Time"・"I'm
Ready"などの骨太メロの名曲がドカ盛りな上、
"Straight From The Heart"・"Let Him Know"・"The
Best Was Yet To Come"等の
心に染み入る名バラードも満載。「ストレート・ロック」永遠の名盤だと思います。
<今日の無駄T>
#ロゴがデカすぎるわりには、意外にスタイリッシュ…?
まあよっぽどはっちゃけた気分の時じゃないと、着用できないケド。