The Damned.
＜２０１２年１月２８日： 渋谷ＡＸ＞
2011年で結成35周年を迎えた「地獄に堕ちた野郎ども」ザ・ダムド、
アニバーサリー・ツアーの一環として2005年以来のツアーが決定！！
いや、まさか「平成」の称号もそろそろ終わりに向かいつつあるこの時代に、
ピストルズやクラッシュと並ぶ７０年代末期ののパンク創世記を華々しく飾ったバンドの一つ、
あの「The Damned」の単独を生で見れるとは思ってもみなかったです、というわけでダムドの
「35Year Anniversary Tour」日本公演を観に、渋谷は久々のＡＸまで行ってまいりました。
さて、そのライブの方。
バンドの名物キャラであり、本日のミー最大の目当でもあるキャプテンは、
シンボルの赤ベレーに赤白ボーダーのちょい奇抜な囚人服ファッションで登場し、
冒頭「We are Clash!!」とのたまって軽く笑いをとったかと思いきや、終始キレとスピードを
感じさせるギターラインを、躍動感溢れる弾き方でもって掻き鳴らしまくってくれていました。
いや歳をとっても断然カッコいいスねこの人は。
もし存命している著名のオールド・パンクスでスーパ・バンドを組むとしたなら、
この人は「CLASH」のミック・ジョーンズと並んでギタリストに絶対入れたい人かも。
他にも、「AKB48」の「ヘビーローテンション」サビを甲高い声で唐突に歌ったり、
紙袋を被っていた客に「ジョニー・ロットン？」と突っ込みを入れてみたり、
アンコールではセサミストリートのビッグバードみたいな格好で登場して更に笑いを誘ったりと、
演奏面でも大活躍していましたね。
もう一人のバンド・シンボルたるデイヴは、なんか普通の小太りオッサンに見えちゃって
なんかあんまりオーラを感じないなァとか思ってたら、これがすこぶるエネルギッシュで、
時折指揮者みたいに腕を振ったり、ムチを振るようにマイクコードを振り回したりと、
なかなかの好パフォーマンスを見せてくれていました。なによりも結構動いている中で
しっかり声が出ていたのが良かったですね。パンスプ０９の時みたいにキャプテンが全部
ボーカルとればいいのに、とかほんの少しでも思って本当にサーセンでした。
あ、キーボードのお爺さんはパンスプの時ほどはっちゃけていなかったけど
それでも要所でハイになりすぎたマッド博士のごときアクションを見せてくれました。
この人の鍵盤叩きながら小ジャンプ連発な動きは、その背の小ささと相まって妙に
可愛いというか眺めているだけで妙に微笑ましくなってくるから何気にファンだったり。
演奏面におけるハイライトとしては、序盤で早々と飛び出した代表曲"New Rose"、
ステージ側とフロア側との歌い出しにおける「アッ！」のシンクロ度合が気分を一気に
盛り上げましたね。で、サイケ色の濃い曲が続いた中盤のまったり感を瞬時にして
お祭りムードに変えたのが"Love Song"、ラフなベースラインの出だしを聞いただけで
気の早い若手パンクス共が早速荒ぶってました。ベースラインといえばこれまた代表曲の
"Neat Neat Neat"もヤバかったですね。思わず全力ステップしたくなっちゃうような
この躍動的ドライブ感がたまらないとでもいうか。
それから本編シメの曲となった"Ignite"ね、そんなに着目してなかった曲の筈なのに、
キャプテンのちょっ速なフレーズ回しと、途中の「オオオオー！」のシンガロングには
テンションあがりまくりました。やっぱり皆で歌える曲は抜群に盛り上がりますね。
いや、ミーは彼らの全盛期の姿をビデオでしか知らない世代ですが、
むしろ今が全盛期なんじゃ？といっても過言ではないほど、いいライブでしたね。
風貌以外は全然衰えを感じませんでした。いや、風貌もこういう風に歳をとれたら
最高だろうな的な、歳をくったなりの魅力に溢れていたし、何よりもラフでありながら
きっちりまとまっていた、これぞ「パンク」的な演奏が最高でした。
＜今日の一枚＞
「Machine
Gun Etiquette」 / The Damned７７年リリースのサード作。元々片鱗を感じさせていた音楽性の懐の広さを一気に開花させた作品。
にもかかわらずファーストとセカンドで見せた疾走感は微塵も失っていないところがこのバンドの凄さ。
当時巷に溢れていた、いわゆる「パンク」とは明らかに一線を画す、バンドとしてのモノの違いを
見せつけた一枚だと思います。勢い押しパンクに飽きてきたという方には特にオススメ。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃今回の３５周年記念Ｔを買ったら、なんともう一枚おまけについてきました。
この辺のぞんざいなビジネスっぷり、パンク・バンドらしくていいスね。