Kasabian.


2012年1月16日: 新木場コースト>

2012年最初のライブに選んだのは、今やUKロックを牽引する若手の中心的存在、
「Kasabian」でした。まあデビュー当時から並のバンドではないとさんざ騒がれていた
彼らでしたが、ふと気付けば後輩である「Arctic Monkeys」に追い越されてる感ありで、
このまま一流バンド止まりで終わるのか、それとも超一流クラスにまで成り上がるのか、
その辺りの今後を占う意味も含めて、新木場はコーストまで行ってまいりました。

ちなみにこの日は「Champagne」という日本のバンドが前座で付いたんですが、
正直MC聞くまで日本人というのが皆目分からなかったくらい、向こうのオーラを
放ちまくっていて、更には演奏の方もド鋭く尖ってるわ、サービスで演ったと思われる
"Club Foot"は本家よりも上…は流石に言い過ぎだけど、そのくらい波動を感じたわで、
これは思わぬ拾い物をしたなと。フジかサマソニに来たらチェキってみようと思います。

で、メインの「Kasabian」。流石は傘、まだまだ錆びついちゃいないと思わせるに
十分足る新曲"Days Are Forgotten"から鉄板アゲ曲"Shoot The Runner"へと繋げて、
序盤からしっかり盛り上げてくれていました。
ステージ上においてはいつもクールに振舞っている感の強かったギターのサージが
メッチャ笑顔で弾けまくっていたのが印象的でした。VOのトムともかなり絡んでいたし、
バンド内の雰囲気が良好であることを思わせるシーンが結構目立ちましたね。

中盤以降のハイライトとしては、「カッコイイとはこういうことだ」的な尖った
イントロが場の空気を一気に変えた"Underdog"、今や傘の象徴曲たる"Club Foot"の
革命感を煽る煽動ノリ、このバンドの強いソングライティング力の象徴たる大曲
"Empire"がフロアにもたらした無敵の行進ムード、辺りが挙げられるんじゃないかと。
ほぼ全ての曲が緩〜く踊れる感じのダンス曲でもあるにもかかわらず、どの曲にも
確実に「カッケー!」と思わせる尖ったパートがあることを如実に感じた本編でしたね。

他には本編ラストを飾った"L.S.F"の余韻を惜しむかのように、アンコール待ちの時、
フロアがサビメロの「ラーラーララー」をひたすらリフレインしていたシーンだとか、
ブリブリ唸るベースラインの波動に体の芯から痺れまくった"Vlad The Impaler"から
"Fire"へと繋げて不穏なビートでじわじわとテンションを高めた末にドカンとキメてくれた
ラストのダンス天国辺りが、特に強く印象に残りましたね。
業界を席巻したデビュー作や2枚目に比べて不出来と言われた3作目「Lunatic Asylum」
ですけど、今ライブのキーポイントとなっていた"Underdog"や"Vlad The Impaler"、
ラストの"Fire"が収録されている辺りを鑑みるにもっと評価されてもいいのでは?


<今日の一枚>

 「West Ryder Pauper Lunatic Asylum」/ Kasabian

というわけでUKロック界隈に衝撃的インパクトを与えたデビュー作を差し置いて、
今回は3作目の「Lunatic Asylum」をオススメ。
確かに迸るパトスのごとき勢いは若干薄れたかもしれないけど、彼らの売りたる
デカダンス的なフレーズのカッコ良さはより鋭さを増していると思われる曲パーツの
秀逸作なので、むしろ一聴してイマイチと思われた方にもう一度聴いてもらって
再評価を願いたいスルメ系の一枚かも。


<今日の無駄T>



#最新作ジャケを前面にもってきた、よくありがちなデザイン。
 とはいえ、メタルTのそれよりは遥かに汎用的なので、普通に着ようと思いま。



<セット・リスト>

01:Days Are Forgotten
02:Shoot The Runner
03:Velociraptor!
04:Underdog
05:Where Did All The Love Go?
06:Man Of Simple Pleasures
07:Take Aim
08:Club Foot
09:Re-wired
10:Empire
11:Fast Fuse
12:Goodbye Kiss
13:L.S.F. (Lost Souls Forever)

14:Switchblade Smiles
15:Vlad The Impaler
16:Fire


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