Eric Clapton & Steve Winwood.
＜２０１１年１２月６日： 日本武道館＞
今まで単独で１回、ベックとのジョイントで１回と、既に２回見ていることもあり、
いくら「ギターの神様」とはいえ、そろそろ次の来日辺りはスルーかなと（チケ代も
最高ランクだし）と思っていたら、今度はブルースロックの名シンガーソングライター、
ウィンウッドさんと組んでの、しかもステージ時間帯別々な競演じゃなくて真の意味での
「共演」ライブ実現？ ということでウドーさんの商売の上手さに脱帽しつつ、九段下は
日本武道館まで行ってまいりました。ミー同様、アラフォー以上の中年満員状態な場内の
様子を想像していたら、年齢層的にはわりとオールアラウンドな状態でしたね。
御大とウッドさんってファン層的にはかなりオールディズよりなイメージあったけど、
わりと世代にまたがった人気を持っていたりするんですかね、実は。
で、ライブの方。出だしの"Had to Cry Today"でのウッドさんの高音の伸びっぷりに
いきなり驚きましたね、いやホントいい声してるわと。もちろん先生の方も負けじと
"After Midnight"で若さ溢れる躍動感を披露。
と、ここでこれまでの陽気なノリから一転、飲めもしないスコッチが欲しくなるような
"Presence of the Lord"のホロ苦い美旋律にほれぼれしたかと思えば、次の"Glad"では
ピアノとギターが絡み合うセッションの妙、彼らのミュージシャシンシップの高さに再び
ほれぼれするなど、この序盤から相当いいグルーヴ出てました。
てかこの二人、ともに御大なだけあっていい意味で肩の力が抜けているというか、
互いに譲り合って引き出しあうみたいなシナジー効果の相性の良さを抜群に感じましたね。
中盤のハイライトを挙げるなら、ウッドさんの定番曲"While You See A Chance"と、
エリック先生の「Derek and the Dominos」時代のお約束曲"Key To The Highway"。
それから、これだけはやらなきゃ収まらない「Cream」時代のキメ曲"Crossroads"と、
ウッドさん渾身の泣きトーンがホール全体に染み渡った"Georgia On My Mind"辺りかなと。
この辺り、両巨匠の持ち味がしっかり活かされいて、非常に見応えある時間帯でしたね。
まあここで集中しすぎたせいか、この後のアコス・タイムじゃギター弾きながら足踏み
している先生のリズミカルな動き見てるうちに、ふと寝落ちしたりしちゃったわけですが、
それを瞬時にして目覚めさせてくれたのが"Wonderful Tonight"の渋み利きまくったテイスト。
聞きすぎて少し食傷気味になっている筈の曲なのに、生で聞いたらやっぱり最高でした。
で、今ライブ最大の見せ場にして魅せ場が、ジミヘンのカヴァー"Voodoo Chile"。
ここ近年はわりかしドライな音色で大人の渋みって奴を見せつけていたエリック大先生、
この時ばかりは１０代のギターキッズのごとき湿りまくったトーンではっちゃけまくり、
それに合わせるかのように背面モニター内じゃ巨大な瞳がグリングリンうねりまくるわで、
ラストはアンプから激しくフィードバック音を響かせまくっての堂々かつ轟々たる本編〆。
先生はかつてジミに対し「僕とジェフ・ベックが二人がかりでいっても適わないだろう」と
最大級の賛辞を贈ったことがあるそうですが、その言葉を裏付けるかのような渾身プレイを
前にしてもう感動しきりですよ。逆レイドバック、みたいな？いや、いいもん見たわー
（これで"Layla"もやってくれたら本当に完璧なライブだったんですが…）
＜今日の一枚＞
「Blind
Faith
」/ Blind Faith伝説のバンド「Cream」解散後、クラプトンが中心となって結成された短期ユニット。
その活動期間は僅か半年ながら、「Cream」を踏襲したジャム風味のオールドロックに
知性あふれるジャズ系のリズムを取り込んだそのスタイルが一世を風靡した名盤。
当時、既に頭角を現しつつあったウィンウッドの美声もさることながら、
同じく元「Cream」ジンジャー・ベイカーのドラムも聴きどころの一つかと。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃メタルＴのそれと比べると全然まともなデザイン。
スペシャル要素の強いツアーだっただけだけに、強く印象に残る無駄Ｔとなりそうです。