IHSAHN & The Haunted.
<2011年12月5日: 渋谷O−EAST>
「DOUBLE TITANS TOUR」と銘打たれた、ジャンル的にはデス・グラインドよりのジョイント
ライブを観に渋谷は「O-EAST」まで行ってきました。ちなみに過去の履歴及び今回のメンツは以下。
・Vol.1(2008/01):「The Haunted」「Dark Tranquillity」
・Vol.2(2009/12):「Converge」「Brutal Truth」
・Vol.3(2011/11):「Lockup」「Brutal Truth」
・Vol.4(2011/12):「IHSAHN」「The Haunted」
まあ正直「The Haunted」は3年前に見たこともあって少々聞き飽きてる感があったんですが、
かつてスカンジナヴィア・ブラックの帝王と呼ばれた「EMPEROR」の元シンガーであるイーサーンの
新規バンドがその対バン相手だったもんで、とりあえずこれは抑えておいた方が?的な物珍しさも
手伝って、迷った末に結局観にいっちゃいましたね。
<IHSAHN>
本当は「IHSAHN」のバックメンバーによるプログレ系バンド「LEPROUS」から見たかったんですが、
仕事の都合で結局「IHSAHN」からの観賞となっちゃいましたね。
で、初っ端の「IHSAHN」コールが「兄さん!兄さん!」に聞こえちゃっていきなり吹いたんですが、
オールバックにインテリ眼鏡という知的スタイルで登場したブラックメタルの帝王「イーサーン」を
見た途端、すかさず厳粛な気分になりました。その音の方はというとプログレ感強しとのことで多少
構えて聞いていたんですが、音のメリハリが分かりやすくて想像していたより全然聞きやすかったです。
そのハイライトはやっぱり激烈ビートと不協和メロとのカオス調和が俄然目立っていた「EMPEROR」
ナンバーの2曲かなと。それから進行が少し変わっていて面白かったラスト曲"Frozen Lakes…"も
かなり聞き応えありました。ステージング的にはシンガー専任がいないこともあってあまり派手な
動きはなかったんですが、キーボード担当がそれなりに頑張ってましたね。
なんてーか音的にはブラックメタルの範疇に入るんでしょうけど、神秘的なイントロや美しいメロが
本場のそれほど耳を疲れさせないというか、あえて言うならヒーリング・ブラックメタル?
まあそんな印象を受けましたね。メインディッシュには少し物足りないけど、軽く聞く分にはかなり
イケてるバンドなんじゃないかと。(とはいえやっぱり「EMPEROR」の方で見たいですけどね)
01:The Barren Lands
02:A Grave Inversed
03:Scarab
04:Emancipation
05:Invocation
06:Called By The Fire
07:The Tongue Of Fire(EMPEROR)
08:Unhealer
09:Misanthrope
10:Thus Spake The Nightspirit(EMPEROR)
11:Frozen Lakes On Mars
<The Haunted>
30分程のセットチェンジを経てメインアクトの「Haunted」が登場。
「IHSAHN」目当てな今日のミー的には本命が終了したこともあり、後方からゆったり観賞することに。
出だしの新譜ナンバーはともかく、アグレッション極まる"99"で凄まじく盛り上がった序盤、
ここから一気に押せ押せでいくのかと思いきや、収録曲に全て「The」が付く「The Dead Eye」からの
ナンバー&新譜ナンバーが続いたことで、場内のテンションは多少落ち着き気味に。
3rd「One Kill Wonder」からの"D.O.A."とか始まると、あっと言う間にノリが復活する辺りから見るに、
やっぱり5th「The Dead Eye」以降のアルバムはファン内で若干受け入れられてないように感じました。
序盤の立ち上がりを除けば、最大のハイライトは"Dark Intentions"から"Bury
Your Dead"を
2nd「The Haunted Made Me Do It」再現であるかのごとく、怒涛の勢いで演奏しきった辺りかなあ。
アンコール出だしの"Moronic Colossus"も、ここ最近のアルバムからのナンバーにしては驚異的に
盛り上がってました。その高まった場内テンションが彼らの最終兵器たる"Hate Song"にて、
「ダイブ」に「モッシュ」という名の連鎖爆発を次から次へと引き起こしていく様は、後方から見ていて
実に爽快でしたね。
ただ全体的な流れを振り返ると以前見た時よりパワーダウン… というか安定して"きちゃった"よーな。
まあ制御不能の圧倒的パワーに満ち満ちていた以前の状態が異常だったとも言えるので、今やシーンの
中核を担うベテラン・バンド的にはこれはこれで正しい進化のような気もするのですが、うーん。
(あ、そいやこの日のライブの様子がノーカットで上がってました。て、いいのか?)
01:The Skull
02:99
03:The Flood
04:The Medication
05:Unseen
06:D.O.A.
07:The Drowning
08:Trespass
09:No Ghost
10:No Compromise
11:The Guilt Trip
12:Catch 22
13:In Vein
14:Never Better
15:The Fallout
16:Dark Intentions
17:Bury Your Dead
18:Moronic Colossus
19:Hate Song
<今日の一枚>
「After」/
IHSAHN
ブラックメタルの帝王「EMPEROR」の元シンガーによるソロ3作目。
変拍子の雨あられが降り注ぐ中、驚異的バスドラが弾け飛ぶ、「EMPEROR」時代の
因子をしっかり踏襲しつつ、その過激色を薄めて、音楽性の幅を広げ、更に叙情性を
高めたような内容になっているので、従来のファンには受け入れやすし、
アンダーグラウンド系メタルの初心者にも入りやすしな間口の広い出来になっているんじゃないかと。
<今日の無駄T>
#背面のツアー先プリントがなんと日本語という親日仕様。
今日本ツアーの為に造られたオリジナル要素の濃い一品だと思うので、大切にしようかと。