MGMT.


2011年2月24日: 新木場コースト>

アルバムたったの2枚で世界へ登り詰めたサイケデリック・ポップ・デュオ、
「MGMT」を観に、新木場はコーストまで行ってきました。
ミー的には今年2月頭に見た「Scissor Sisters」と同じく、
「フジロックのホワイト・トリだったが故、バス混雑が嫌で観たいのにスルー
してしまったアーティストへのリベンジ観戦」とも言います。

それにしても「サイケ」て?
パッと挙げるなら初期フロイドか初期ストーンズといった、今となっては
クラシック中のクラシックな大物系、もしくは「ゆらゆら帝国」みたいな
邦楽サブカル勢がまず思い浮かぶわけで、それと比べたら「MGMT」の曲って、
はるかに垢抜けてる上、もっと軽い感じの印象なんですよね。
先ほど挙げた元祖サイケ系みたいな、まとわりつくような陰気さがないというか、
かといってドアーズみたいな全てを拒絶するようなハードさもないしで、
んー、あえて彼等をこの枠に位置づけるなら「お気楽サイケ」?
そういう意味じゃ、少しずれたところに「Flaming Lips」がいる以外は確かに
ユニークな存在なんですよね。

ライブの方は序盤にプレイした代表曲の一つ"Time to Pretend"で、場の温度が
一気にこうガッとアガりましたね。優しくて、でもハリのある特徴的トーン全開の
"Weekend Wars"でもかなりグっとくるものが。そいやセンスの塊のようなこの曲、
サビがちょっと初期クイーンっぽいんですよね。その辺りも含めてかなり好きかも。

中盤の聴きどころとしては、サビでジワジワと昂ぶってくる"Flash Delirium"、
イントロの「YMO」感がツボった"Electric Feel"や、甘酸っぱさの中に混じった
微妙な切なさフィールが味の"The Youth"、この3連発の流れにはすこぶる引き
こまれました。その後の"Siberian Breaks"におけるプログレ的な曲質が、
高まりきったこの身に心地よい浮遊感を与えてくれて、さあここで仕上げの…!
と思いきや、よりにもよって一番のキメどころの"Kids"が何とカラオケ!?
いやーこれには萎えましたね、まあギャグでやったんだろうけどミー的には
完全に滑った感じ。いっそやらない方が印象的には良かったかも、というわけで
今回は「終わり良ければ全て良し」のもろ逆をいってしまったライブでした。
認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものがあることを…


<今日の一枚>

 「Oracular Spectacular」/ MGMT

如実に「新しい」と感じるセンスの良さを見せつけつつ、どこか懐メロ的な
フィールをも同時に感じさせる、奥行きの深いサウンドが魅力。
こう書くと、どこぞのプログレ大御所が作るような大作感に感じがちだけど、
音自体は至極軽い故、聞いていてあまり疲れないところもグーだと思います。


<今日の無駄T>



#メタル系のそれでは絶対見かけないデザインと色合い。
 今回は少し冒険して、安心かつ安定の黒から離れてみました。



<セット・リスト>

01:Of Moons, Birds & Monsters
02:Time To Pretend
03:It's Working
04:Weekend Wars
05:I Found A Whistle
06:Destrokk
07:Flash Delirium
08:Electric Feel
09:The Youth
10:Siberian Breaks
11:Kids
12:The Handshake
13:Congratulations

14:Future Reflections
15:Brian Eno


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