Dimmu Borger.
<2011年2月21日: 渋谷O−EAST>
今や真性のそれは限りなく絶滅したと思われる、本場ノルウェーのブラックメタル。
その中で商業的指向性を強く打ち出し、今や「Cradle Of Filth」と並んでこの手の
ジャンルの中では最も成功しているとされているバンド「Dimmu Borger」を見に、
渋谷はO−EASTまで行ってきました。かなり特異なジャンルであるにもかかわらず、
思ったより客が入ってることに少し驚きました。
まあ急な仕事が入ったせいで、その荘厳でありながら過激でもあるパフォーマンスを
観れたのはショーも半ば過ぎからだったんですけどね。このせいで一番聞きたかった
"Dimmu Borgir"を見逃してしまったのは残念極まりなかったです。
そんなこんなで結局"Born Treacherous"辺りからの参加と相成ったわけですが、
会場入り直後にパッと聴きした印象では、ダーレイの鬼ツーバスがやたらと目立って
いたような。流石元ベイダーと言うべきか、正直完全にギターやベースを差し置いて
突っ走りまくってました。
見れた限りでのハイライトとしては、ブラックメタル流のメロデス解釈とも
言うべき"Vredesbyrd"、導入終了後のブラスト炸裂とそれに重ねられる複雑な
リフがキモの"Kings Of The Carnival Creation"辺りが反応良かったですね。
アンコール以降は全編見せ場とでも言うか、多少長めにやってくれたこともあり、
フロア反応はほとんどの場面において本編を上回ってました。
その中でもあえて挙げるなら、"Puritania"の最中に垣間見えたヘドバン軍団の
本気っぷりとか、シンフォニックな部分を思いっきり前面に押し出した代表曲
"Progenies Of The Great…"の壮大感が場に振りまいた高揚カタルシスとか、
相当ヤバかったような。また系統的にモッシュ厨よりヘドバン組の方が多かった
こともあり、多少落ち着いて見られたことも良かったですね。もし次回があるなら
「Cradle Of Filth」とのカップリングでお願いしたいなあ。そしてその時こそは
ちゃんと頭から…!
<今日の一枚>
「Death
Cult Armageddon」/ Dimmu Borger
通産6枚目、彼等の強みである壮大かつ荘厳で幻想的な世界観が、
オケの起用により更にスケールアップ、シンフォニック・ブラックメタルに
おける円熟の極みを迎えたと言える一枚。
この手のジャンルの中では最大限に聴き易いというのも売りの一つにして
またマニアからバッシングを受ける理由の一つ。まあ似たような展開が多いので
正直飽きやすいという欠点もあるけど、ブラックメタル初心者にはお勧め。
<今日の無駄T>
#いかにもブラックメタル的なおどろおどろデザインが映える前面。
サテリコンのそれと並んで、アングラなメタルのライブに行く時、重宝しそう。