Ozzy Osbourne.


2010年10月13日: 国際フォーラム>

「LOUDPARK10」のトリとして出演予定のオジーが、ついでに8年半ぶりの単独公演を
開催してくれるということで、「LP10」で見ることが確定しているにもかかわらず、
それだけでは物足りないとばかりに有楽町は国際フォーラムまで「メタルの帝王」の
ステージを見に行ってまいりました。いやオジーは歳が歳だけにね、こういうのは
きっちり抑えておかないと、次の来日があるかどうか正直分かりませんからね。

で、ライブ内容の方はというと、オープニングナンバー"Bark At the Moon"の
スラッシーなリフが鳴り出した途端に場内大爆発。老体だけにその衰えが心配されていた
肝心かなめのオジーも音程はずしはともかく声量はきっちり出てるし、棒立ちかと思いきや
意外と動き激しいわで、調子はかなりいい模様なので、まずは一安心。
でもって絨毯敷きの会場だからまずやらないだろうと思っていた「バケツ水撒き」が
"Mr. Crowley"でいきなり飛び出して、場内の熱気は更に上昇。
てか前方で場内スタッフやってる背広おっさんがもろに直撃浴びて完全にキレてるの見て、
悪いとは思いつつ笑っちゃってたら、2発目がまたオッサン直撃というねwww
流石オジー、まったく空気を読みませんよこのお爺ちゃん。

そいや楽しみにしていたサバス初期時代の曲もかなりふんだんにやってくれました。
ちょっとムーディでスタイリッシュなジャム要素含みの"Fairies Wear Boots"、
それからイントロのサイレンが鳴り出した途端に場内中がアガりまくった"War Pigs"。
勿論この曲にはお約束のオジーのカエル飛びもしっかりありました。いや跳躍的には
酷いものだったけど、ファン的にはこの姿を見れるだけで大満足というね。
で、ジャンプで体を動かしすぎて暑くなったか、ここでロングコートを脱いだんですが、
インナーとして着ていた黒Tシャツのバックに天使の羽が書かれていて、不覚にも還暦
過ぎのお爺ちゃんに対して「可愛い」と思ってしまったという。
 他のサバス曲としては、演奏隊のソロタイムとして"Rat Salad"が入っていました。
ここで感じた新ギタリスト・ガスの印象ですが、もっとランディ的なスラッシー系の
弾き方をする人かと思いや、ザック風の野卑溢れるアプローチもちゃんと出来る万能
タイプの優等生でしたね、まあ立ち振る舞い地味なのが玉に瑕でしたが、そこはオジーが
指揮者のごとく眼前でガスを鼓舞しまくって、きっちりフォローしていたので問題なし。
 でもってこのソロタイム後にサバスじゃ最もヘヴィなリフと言われている"Iron Man"を
演って本編のサバス・タイムは終了。トニーアイオミら本家サバスの面々がディオと組んでの
「Heaven & Hell」を活動させている今、初期サバスの再結成が絶望的なこの状況下においては、
この4曲をオリジナルの生声で聴けただけでも、今日きた甲斐はあったかなと。
(ところで曲間の休憩中にとる水分って、普通ペットボトルから直だと思うんだけど、
オジーの場合、ちゃんと専用カップが端に用意してあって、こういうとこイギリス人
っぽくてなんかいいなァって思ったり)

で、この後の"Killer Of…"と"Flying High…"で、疲れがピークに達したのか、
オジーの声がどんどん生気を失っていって、多少場内のムードが停滞したところで、
起死回生とばかりに投入された"…Change the World"、これで空気を一旦入れ替えて
「からの〜」"Crazy Train"キタ━━(゜∀゜)━━! 当然のごとく場内は凄まじい
盛り上がり様。てかステージ右端にいつのまにかバケツが何個も用意されていたのには
笑いましたね。案の定、バケツ水撒き5連弾が飛び出して、曲前のオジーのMC
「皆!死ぬほどクレイジーになろうぜ!」が、その言葉通りになったところで本編終了。

アンコール以降においても、まだまだ見どころ・聴きどころは続きます。
てか本編興奮がまだ醒めやらぬ中、"Mama,I'm Coming Home"に"Paranoid"という
オジー持ち曲の中でもバラードとアゲ曲、双方の最高峰を連続で持ってこられたら、
そらズルいしヤバいでしょと。そして前者でサビ大合唱大会、後者では総ヘドバン大会が
つつがなく開催された後に残されたものは、完全燃焼しきってステージ上で大の字になって
「ハハハハ…!」と空虚に笑うオジーの抜け殻のみだったといいます。

で、いやあ最高だった、じゃ帰ろうかなと椅子を離れかけてたら、急に立ち上がった
オジーが「ワンモア?」みたいな。もっと騒げばもう1曲やってやらんでもないぜ?
的な振る舞いを示されるものだから、必死こいて「ラウダー!」してたら、よもやの
"No More Tears"キタ━━━(゜∀゜)━━━! まさか"Miracle Man"と並んで
前任ギタリスト:ザックの象徴歌的なコレをやってくれるとはまったく思ってなかった
もんだから、嬉しさもひとしおでしたね。
いやもうホントに大満足です心の底からありがとうございましたじゃそろそろお暇を、
と再び踵を返しかけたら、またもや後方からオジーお得意の「ラウダー!」が…!
でもって奇跡の3rdアンコールとともにあの、メタル史上最もヘヴィな曲の一つと
言われている"Into The Void"が…!これこそ本家サバで聴くことは一生ないかも
しれない曲の筆頭格ですからね、興奮というより感動で思わず胸が詰まりましたよ。

というわけで蓋を開けてみれば、70分くらいで終わるかもというこちらの予想を
大きく裏切ってのトータル2時間14分!流石は「帝王」、その名に恥じぬ出し惜しみ
一切なしの体当たりエンタっぷり、フル堪能・フル満喫・フル満足のフルフル尽くしな
極上ライブだったと思います。


<今日の一枚>

 「Under Cover」/ Ozzy Osbourne

メタルの代名詞であるオジー、常に「ヘヴィ」のイメージがついて回るそんな帝王の
別の側面が垣間見える、オジーお気に入りの楽曲をカヴァーした、彼の音楽ルーツが
探訪できる一枚。特に、一般人とはかけ離れた破天荒ライフを長年積み重ねてきた彼
ならではの「枯れた」味が深く濃く堪能できるオジー版"In My Life"は必聴。


<今日の無駄T>



#たぶん今までのメタルTの中でも群を抜いてド派手な部類に入るオジー様T。
 と、同時に着こなし難度も超A級。コレどこにも着ていける自信ないわー



<セット・リスト>

01:Bark At the Moon
02:Let Me Hear You Scream
03:Mr. Crowley
04:I Don't Know
05:Fairies Wear Boots (Black Sabbath)
06:Suicide Solution
07:Road To Nowhere
08:War Pigs (Black Sabbath)
09:Fire In The Sky
10:Shot In the Dark
11:Rat Salad (Black Sabbath)
12:Iron Man
13:Killer Of Giants
14:Flying High Again
15:I Don't Want to Change the World
16:Crazy Train

17:Mama, I'm Coming Home
18:Paranoid

19:No More Tears

20:Into The Void


[ MenuNext ]