THRASH DOMINATION 10..
<2010年9月19日: 川崎クラブチッタ>
はい、今年も残暑著しい中、メタルの祭典として最早ファンの間ではお馴染みとなった
スラッシュ・メタルの祭典「THRASH DOMINATION」の開催時期がやってまいりました。
では早速おさらいの意味も込めて、過去メンツ&今メンツをざっと記述。
・04年:「FLOTSAM & JETSAM」「DEATH ANGEL」「OVERKILL」
・05年:「KREATOR」「LAAZ ROCKIT」「DESTRACTION」「TESTAMENT」
・06年:「DRAGONLORD」「ONSLAUGHT]」「SODOM」「DEATH ANGEL」
・07年:「NEVERMORE」「ANNIHILATOR」「DESTRUCTION」「NUCLER ASSAULT」
・08年:「FORBIDDEN」「VOIVOD」「TESTAMENT」
・09年:「HEATHEN」「KREATOR」「EXODUS」「TESTAMENT」
・10年:「AGENT STEEL」「OUTRAGE」「NEVERMORE」「OVERKILL」「EXODUS」← 今年
ちょ、よもやの5バンドて。
しかも超ゴリゴリ系の「OVERKILL」に「EXODUS」て、体力持つかー!(嬉しい悲鳴)
加えて地味に嬉しいのが「AGENT STEEL」のブッキング。この渋めかつ往年のコアなファンにゃ
感涙どころの絶妙チョイス、相変わらずスラドミのスタッグはいい仕事してくれてますねー
<AGENT STEEL>
というわけで残体力を考えつつのやや下がり目位置で、疾走スラッシュの先駆け的存在たる
「AGENT STEEL」を鑑賞。その容姿だけに着目すればどこをどう眺めても単なるくたびれリーマン
にしか見えない中年小男ジョン・サイリース、その小さな体から放たれる超絶ハイトーンたるや
まさに(若干くたびれかけた)ロブ・ハルフォードの再来…!というわけで基本的には終始その
美声…じゃないな、超声に聞き惚れてました。盛り上がり的には彼らの十八番たるメロディアスな
ド疾走が炸裂しまくった"Unstoppable Force"とか、あと原曲のツインギターラインが秀逸すぎる
擬似「ロブ様」顕現曲"The Ripper"辺りウケよかったんじゃないかと。だけど代表曲たる"Agents
of Steel"を演らない…だと…?そこだけはメチャ許せんなー
01:Bleed For The Godz
02:Unstoppable Force
03:Rager
04:Guilty As Charged
05:Children Of The Sun
06:Never Surrender
07:Nothin' Left
08:Machiavelli's Throne
09:The Ripper(JUDAS PRIEST)
10:Mad Locust Rising
2番手の「OUTRAGE」は何回か見てるのでスルー、この時間を利用して物販漁り。
スラドミってCDやTシャツ等の物販がフリーマーケットみたいな形式になっているんで、
回って眺めてるだけでも結構楽しかったりするんですよね。この辺の雑多的なアットホーム感も
スラドミの魅力の一つかなと。
<NEVERMORE>
そうこうしてるうちに時間になったので、今やメロデスの帝王たる「Arch Enemy」のギタリスト、
マイケル・アモットさん称すところの「ねじれたメロディの金脈」たる米はシアトル出身の技巧派
スラッシュ…というよりメタル寄りかな?@「NEVERMORE」を鑑賞。
看板ギタリスト、ジェフ・ルーミスさん紡ぎだす「華」「流」という二つの「麗」を全身に浴びて
しばしその浮遊感を楽しんでみたり。特に"Born"ね、いやこれ何度聞いても名曲だなーって。
事前に予告していた「SANCTUARY」時代からのオールドナンバーもそれなりに盛り上がってました、
が、どこか全体的に弾けきらない感も。やっぱりスラッシュとして聞いてしまうとどこか線が細い
フィールが否めないんですよね。なのでその醍醐味たる横隔膜強制振動的な音圧がどうしても不足
がちなんじゃないかと。まあその分、繊細なギターワークが楽しめたので個人的には満足しますた。
01:Inside Four Walls
02:Narcosynthesis
03:The River Dragon Has Come
04:Born
05:Emptiness Unobstructed
06:Beyond Within
07:Your Poison Throne
08:Taste Revenge(SANCTUARY)
09:Eden Lies Obscured(SANCTUARY)
10:Obsidian Conspiracy
11:Enemies Of Reality
<OVERKILL>
続けて「EXODUS」や「TESTAMENT」に並ぶ米スラッシュ界の重鎮「OVERKILL」を鑑賞すべく2階へ。
いや2階指定席チケットっていうのが場外で特別販売していて、そいやチッタの2階ってまだ行った
ことがないなーと思ってなんとなく。結果的にはこのチョイス失敗でしたね。
というのは彼らのパフォーマンスがあまりに良すぎて、2階で行儀よく見るにはそぐわなかったから。
いや本当カッコ良かったです。まずフロントをはるブリッツのムキムキな肉体美が半端ない。
同年代バンドの主要メンツの腹肉辺りはもうユルユルだというのに、アラフィフ真っ盛りでこの節制
っぷりは素晴らしいとしか。体型が締まってるもんだから普通ならダサい筈のエアギターアクションが
これまた見事に決まっていて、それ眺めてたら思わず「TESTAMENT」のチャック辺りにブリッツの爪の
垢でも煎じて飲ませてやりたくなる衝動に駆られることしきり。
そして曲構成ね、ギターとベースを交互に入れるタイミングの絶妙センスがメタルなんだけど、
ちょいハードコア寄りっぽくてこれがまた最高にカッコいいときたもんで、終始エキサイトしきり…!
…なんだけど2階席なもんで基本ノリが大人しいんですよね。だからその場で絶望に身をよじるしか…
一番のアガりどころを挙げるなら"Old School"かな。サビ部分におけるブリッツの「ヘイ〜フゥ〜〜」
シャウトとそれに被さる観客のレスポンスのマッチ具合にゃマジ鳥肌立ちました。もう熱烈に単独希望!
01:The Green And Black
02:Rotten To The Core
03:Wrecking Crew
04:Hello From The Gutter
05:Feel The Fire
06:Hammerhead
07:Ironbound
08:Necroshine
09:Old School
10:In Union We Stand
11:Bring Me The Night
12:Elimination
13:Fuck You〜Overkill(MOTORHEAD)〜Fuck You(Reprise)
<EXODUS>
でもっていよいよメイン。ベイエリア・スラッシュの頂たる「EXODUS」が満を持して登場。
のっけから豪雪地帯を全力疾走するラッセル車ばりの勢いでその圧倒的パワーを見せつけまくり。
このザクザク感、刻み速度が異常すぎでしょマジで。そしてこのヘドバンに最適なプリミティブ
極まったリズム、本当メタル者には最高すぎますって。
正直、ボーカルをとるロブのハゲデブ的なルックス劣化が著しかったので「おやおや〜?」と
思っていたのですがまったくの杞憂でしたね。むしろその声量と運動量がもはや猛獣を上回る
超獣規模すぎてとんでもなくカッコいいとすら思いました。あと時折ギターから片手を離して
ビールを飲むゲイリーの右手代わりにカッティングを担当したり、ワウを踏んであげたりと
そのサポートっぷりも素晴らしかったですね。ついでにその姿も逐一ユーモラスで素敵でしたね。
ライブは全編ハイライトと言ってもよかったんですが、その中でも「あえて」なポイントを
挙げるなら、ドイツの至宝「Scorpions」のカヴァー曲"Don't Make No Promises"にて、
「OVERKILL」のブリッツ&デイブが乱入してきて共演するシーンが一番盛り上がったような。
その勢いにのってのラスト曲"Good Riddance"における「ウォール・オブ・デス」の狂熱っぷり、
その阿鼻叫喚極まった渦の中へ仕上げとばかり超重量級のロブがフロアダイブを敢行する場面は
まさに今年のスラドミの熱さを象徴していたように思えましたね。てかフェス形式なのに演奏
時間が90分のフルセットって、手を抜かなすぎて完全にブラボー!
01:The Ballad Of Leonard And Charles
02:Beyond The Pale
03:Iconoclasm
04:Children Of A Worthless God
05:Piranha
06:Fabulous Disaster
07:Deathamphetamine
08:Blacklist
09:A Lesson In Violence
10:War Is My Shepherd
11:Strike Of The Beast
12:Bonded By Blood
13:The Toxic Waltz
14:Don't Make No Promises(SCORPIONS)
15:Good Riddance
<今日の無駄T>
#これまた一発でどのバンドのTから分かっちゃう、おバカ度全開の単純明快デザイン。
このバンドのTは前から一枚欲しかったんで、かなり嬉しかったり。