Gamma Ray & RAGE.


2010年4月15日: 渋谷O−EAST>

ガンマ来日とのニュースを聞くも、少し前に「HELLOWEEN」とのカップリングで観てる
こともあっていまいち食指が動かなかったんですが、特別ゲストが「RAGE」と聞いた途端、
すかさずチケをおさえちゃいました。いや実際、飛びぬけた演奏力と秀逸な作曲力を持ち
ながら、どこか突き抜けきれない感のある苦労性な職人的なイメージがなんとなく好みで、
「RAGE」は1回ちゃんとは観てみたかったんですよね。


RAGE

で、その「RAGE」。
ジャーマンメタル系のお家芸でもある重くて湿った硬質サウンドは想像通り絶品モノ。
でもってあまり名前は売れてないけど実は隠れ名手なヴィクターのギタープレイがね、
よくもまあそこまで右手と左手が器用に動くわって感じのタッピングが続出しまくって、
想像以上に凄いわけですよ。なもんで時間のほとんどはヴィクターの手元を見てました。
聴きどころ的にはまず新譜からの"Empty Hollow"かな。仰々しいまではいかない絶妙な
サジ加減の壮大なスケール感は相当良かったです。あとは"Medicine"から"Higher Than
The Sky
"へと繋いだお約束の盛り上げどころもはずせないところかなと。
でもって屈指のフィストバング&シンガロング誘発曲"Set This World On Fire"で
メタル魂を存分に昂ぶらせた直後の"Soundchaser"にて完璧に仕上げられましたね。
このソリッド極まったザクザク感に飛び抜けたメロディセンス、メタル的なカッコ良さ
という視点から見るなら抜群でしょうこの曲は。

正直いささか前座扱いな感が否めなかった今ステージ、メンバーのモチベーション的に
どうなのか少し心配だったんですがこれまったくの杞憂、最初から最後まで全力全開の
のびのびステージングだったと思います。次はきちんと単独で見たいかも。

 01:The Edge Of Darkness
 02:Hunter And Pray
 03:Into The Light
 04:Drop Dead
 05:Empty Hollow〜Strings To A Web〜Empty Hollow(Reprise)
 06:Medicine
 07:Higher Than The Sky
 08:War Of Worlds
 09:Set This World On Fire
 10:Soundchaser
 11:Down


GAMMA RAY

で、今回で3回目の鑑賞になるガンマ、約2年ぶりになるのかな?
05年来日時以来となる"Gardens Of The Sinner"からのオープニングは久々な
こともあってかなりアガりましたね。ただその後に続く矢がアッパー系な"Fight"
以外はイマイチ不発気味。新曲"No Need To Cry"にてVタイプのアコギ抱えて
熱唱するディルクなんてなレアな光景を見るまでは、わりと冷めたテンションで
ステージを眺めてる展開に。

だけどそこはライブの安定感にかけちゃ定評のあるガンマ、
壮大なスケールで迫りくる"Abyss Of The Void"、運動会じゃお馴染みのテーマ曲
「天国と地獄」に合わせた迫力ドラムソロにて流れを掴むやいなや、そこから一気の
怒涛押しにてきっちり場を仕上げきってくれましたね。
特にブライアン・メイっぽいソロといかにもカイ作曲っぽい複雑な転調が特徴的な
"Armageddon"、"Heavy Metal Universe"に続くガンマのニューアンセムとして
定着しそうな新曲"To The Metal"にて存分に高揚感を演出した後の"Man On A Mission"
による「アーライ!」炸裂にゃ思わずエキサイトしまくりました。
ついでにここでのヘンヨのプレイが相変わらずの凄さ、常にニコニコな表情と柔らかい
タッチも手伝って実にお手軽に弾いてるように見えるのに、スピーカーからは複雑
きわまるフレーズが次から次へと炸裂しまくるというこの矛盾、前述のヴィクターと
並んでミーの中じゃもっと評価されてもおかしかないギタリスト筆頭格なんですが、
キャラ的には現在のいぶし銀プレイヤーとしての立ち位置の方がハマっているのかも。
で、その後はいつも通り"Send Me A Sign"で〆て終了。ベタ度マックスだけど最上級に
カッコいいメロだし、なによりもサビで合唱しやすいのが良いですよね、この曲は。

というわけで終わってみれば"The Silence"も"Somewhere Out In Space"も
なかった筈なのにかなり満足したというね。今回は新曲&レア曲多めだったので
そういった意味での新鮮さもあったし、やっぱり何度見てもガンマのステージは
ハズさないなって、そう再実感させてくれた内容だったとも思います。

 01:Welcome 〜 Gardens Of The Sinner
 02:No World Order
 03:Empathy
 04:Fight
 05:Mother Angel
 06:No Need To Cry
 07:The Saviour
 08:Abyss Of The Void
 09:〜Drum Solo〜
 10:Armageddon 〜 Kai's Guitar Solo 〜 Armageddon
 11:To The Metal
 12:Rebellion In Dreamland
 13:Man On A Mission
 14:Send Me A Sign


<今日の一枚>

 「Soundchaser」/ RAGE

ドイツが誇る鋼鉄職人集団「RAGE」16枚目のフルレンス・アルバム。
「RAGE」というバンドのスタイルが全て詰まっていると言っても過言ではない
タイトル曲を筆頭に、硬質感溢れるリフ、日本人の心をくすぐる侘び寂びメロ、
そして要所を華美に彩る「疾走感」という名のメリハリと、多少ベタな傾向は
あるものの、その完成度は一級品。
メタル好きなら絶対避けては通れない「ジャーマン・メタル」というジャンルの
一つの完成系がここに。


<今日の無駄T>



#ガンマTは既に持ってるので、今回はレイジTをチョイス。
 新譜をあしらったフロントデザインは、正直ちょいキモいです。


[ MenuNext ]