PAVEMENT.


2010年4月7日: 新木場コースト>

米グランジ・オルタナ系ロックを代表するバンドの一つ「Pavement」、
10年ぶりの再結成ライブを観に、新木場はコーストまで行ってきました。
正直この手の音楽はめちゃファンってわけじゃないですけど、でも「DINOSAUR Jr」
とかの影響で結構聴いてるのもまた事実だし、ローファイ系の始祖と呼ばれるその
音楽性は前々から気になってたもんで、とりあえず抑えとこって感じで。

開演3時間前、バンドの顔であるマルクマスの飛行機が遅れて30分押しになったとか、
そんな状況なんで当然リハなしだとかの穏やかならぬ情報を入手してしまい、
ただでさえそのライブのグダグダっぷりには定評があるバンドなだけに「こりゃ駄目かも
わからんね」的な先入観アリで臨んだライブだったんですが、そんなマイナスポイントは
開始15分で軽々と吹っ飛びました。いや音的にゃもっとこうユルくてアンビエント感覚な
イメージを持っていたんですが、生で聴いたら全然違いました。もうめっちゃアクティブ。
兎にも角にも驚異的に響きまくるマルクマスのギタートーンに聴き入りまくりましたね。
「DINOSAUR」Jの狂気じみたプレイとなんとなく似てるんですけど、あそこまで超絶技巧
じゃない筈なのに、そこから受ける圧力と要所の爆発力がマジ半端じゃないんですよ。
いやはやここまでパワフルかつエネルギッシュなサウンドとはつゆ知らず、音を使った
心の洗濯感覚で赴いた自分の無知っぷりをちょっと恥じました。
加えてサウンドのみならずそのアクションも超絶アクティブ。ジミヘンばりに後頭部で
弾いたり、メロにあわせてギターを振り回したり、あげく曲の終わりで後方に投げ捨てるなど
相当にやりたい放題で、その一挙一動がいちいちカッコいいという。

でもってこのマルクマスと並ぶもう一人のエンターテイナーが小太りオッサンのボブ。
後方で脈絡なくパーカッション叩いたり、ド下手なハーモニカを吹きだしたり、いきなり
スクリーモ系ばりにシャウトしたりと、正直、曲調的に見ればブチ壊しもいいところでしたが
ライブ的にみればマルマクスのマッドなアクションをより昇華させる刺激剤として非常に
いいアクセントになっていたと思います。

ハイライトを幾つか挙げるなら、脱力した感のある叙情メロが静かに染み入ってくる
感触が心地よかった"Range Life"、それからマルクマスの狂乱プレイが特に際立ってた
"Grounded"・"Summer Babe"辺りが目立ってたかなと。
ラスト間際に演った"The Hexx"から醸しだされる退廃的なグルーヴ感も「らしくて」
非常に良かったですね。とにかくCDから受けた印象と実際のライブとの落差がいい意味で
ダンチすぎて実に刺激的かつ衝撃的なライブでした。ただ一番聞きたかった"Fillmore Jive"は
なかったんですよね。そこだけが残念だったかな。まあサマソニで再来日が決定してる
らしいので、そこに密かな期待をかけようと思います。


<今日の一枚>

 「Crooked Rain Crooked Rain」/ PAVEMENT

94年発表の2ndアルバムにして、インディ枠から頭一つ抜け出た出世作。
アルバム全体から感じる「うねり」と「脱力感」、そして本来ならそれと矛盾
すべきこの得体の知れないエネルギーの内包性。だけどもそれが爆発しそうで
なかなかしないというこの不完全燃焼っぷりこそが、中毒性の根幹かも。
あ、純粋に美メロ・良メロが多いので、それだけでも存分に楽しめるかと。


<今日の無駄T>



#控えめ…というか地味すぎるデザインだけど、グランジの流れを汲むバックボーンの
 意味を考えれば、むしろこれで正解なのかも。とりあえず普段着として使っとこうと思いま。



<セット・リスト>

01:Silence Kit
02:Elevate Me Later
03:Shady Lane
04:Frontwards
05:Perfume-V
06:Two States
07:Gold Soundz
08:No Life Singed Her
09:Grounded
10:In the Mouth a Desert
11:Father to a Sister of Thought
12:Kennel District
13:Range Life
14:Unfair
15:We Dance
16:Cut Your Hair
17:Fight This Generation
18:Summer Babe
19:Shoot the Singer
20:Stereo

21:Date With IKEA
22:Trigger Cut
23:Stop Breathin'

24:The Hexx
25:Conduit for Sale!


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