The Get Up Kids.
<2010年3月7日: 赤坂BLITZ>
エモーショナル・ハードコア。
通称「エモ」と呼ばれるパンクロック系ジャンルにおいては「Jimmy Eat World」と並ぶ
代表格バンドの一つ「The Get Up Kids」のライブを見に、赤坂ブリッツまで行ってきました。
もう3月の中旬だと言うのに、この日は朝からシトシト雨で寒いのなんのって。
だけど行動性を考えたらホール内へコートや荷物持ったまま入るわけにゃいかないから、
全部ロッカーに預けてほぼTシャツ姿で、さて中へと思いきや前座の「Comeback My Daughter」
時点でフロアは扉が閉まらないくらいの超満員。しゃーないのでドア外側でブルブル震えながら
待機する羽目に。だからこの季節のライブは嫌なのよね。音楽的リビドーとは別視点でこんだけ
開幕が待ち遠しいライブもなかなかないんじゃないかと思いました。
しかしまあいざライブが始まって体を動かし始めちゃえば、そんな寒さも気にならなくなって
くるってもんで。しかも開幕ナンバーがエモ系の中じゃ特に名盤と言われる「Something To Write
Home About」からの"Holiday"に"I'm A Loner
Dottie, A Rebel"の合わせ技コンボときたもんで、
そりゃ盛り上がるだろと。やーこの出だしは最高でしたね。
で、最初の波が引いて少し落ち着いたところで、じっくりメンバーを見やれば、当時はあれだけ
若々しかったフロント陣がすっかりメタボ中年へと変化を遂げていまして、ふと月日の残酷さを
思い知る羽目に。あ、ドラマーのライアンだけ未だスリムでカッコイイ体型でしたね。
あとは今回欠席したベーシストのヘルプを務めていた人がやたら自信なさそげに弾くところとか
時折ドラムの方向いて必死にタイミングとってる姿とか妙に面白かったもんでガン見してました。
あとで某掲示板みたら「ベースの人、不安そうな顔するたびに小島よしおに見えた」と書かれて
いたけど確かにそっくりだったかも。本来は「Waking Ashland」ってバンドの人らしくて、後で
少し聴いてみたらこれが結構よくて、思わぬところに良き音楽との出会いは転がってるもんだと
思いましたね。
で、初っ端に続くセカンドウェーブが"Martyr Me"・"Mass Pike"から"Stay
Gone"への流れ。
メンバー同士の絡みが醸し出す和気藹々テイストも手伝って、この辺りのハッピーフィールは
ただ事じゃありませんでしたね。また直後に"Campfire Kansas"のようなしっとり曲を演って
場内の空気を一旦リセットさせる辺りにも、一辺倒エモの勢い押しだけじゃない懐の深さを
感じました。まあ、この一連の流れの中で一番オモロかったのは「サケサケサケサーケジーム」
というジムの酒好きをはやし立てる即興曲だったりするんですけどね。他のシーンでもなにか
間が空く度に即プレイしていたところから察するに、これネタ曲として既に定着してるんじゃ?
その他の着目どころとしては本編終了前、"Red Letter Day"〜"Don't
Hate Me"という、
どう考えてもこれは盛り上がって当然な流れから、あえて締めに"Walking On a Wire"という
ちょっと旋律が「キュアー」っぽい感じのしっとり系を持ってきた展開が、ミー的には非常に
ツボでしたね。これやらなきゃ絶対おわれないっていう"Action & Action"で盛大にアガり
まくったフィナーレも良かったけど、メリハリや余韻という意味ではコレの方が上だったかも。
<今日の一枚>
「Something
to Write Home About」 / The Get Up Kids
「GUK」のセカンドにして出世作、また「エモ」というジャンルの象徴作にもなった名盤。
ベースのポップパンクをニューウェイヴで割って更に甘ったるくしたよーな婦女子が頼む
カクテルみたいな音作りにもかかわらず、ギターがブ厚いせいであまり軟弱に聞こえない
ところが、ミーみたいなパンク系からのフォロワー組には一番の押しどころ。
あと「Eudora」というコンピ版に入ってる"On With The Show"は本家のモトリーが霞む
くらいの絶品だと思うので、こちらも機会があれば是非。
<今日の無駄T>
#Lサイズなのに妙に小っちゃく感じる上に、すぐしわしわになっちゃうT。
デザイン以前に質に問題がありすぎると思うのだけれど、それでも購入に至っちゃうという
ファンの性そのものが一番の問題?