Brutal Truth & Converge.


2009年12月15日: 渋谷O−EAST>

「DOUBLE TITANS TOUR」と銘打たれたデスメタルよりのジョイント形式ライブの2回目に
カオティックとグラインド、それぞれのコアの雄が招聘されたことのことで、これはおいしいわー
とばかりに行ってきました、渋谷は「O-EAST」。
ちなみに08年1月に行われた初回時のメンツは「The Haunted」と「Dark Tranquillity」ね。


<Converge>

まず最初に出てきたのはカオティック・コアの先駆けにして、そのハードなステージングに
おいてはかなりの定評を得ている「Converge」。冒頭から"Plagues"に"No Heroes"といきなり
代表曲2連発をブチこんで、場を混沌の渦という名のモッシュ乱発地獄へと誘ってくれました。
しかしまあフロントをはるジェイコブさんの運動量は相変わらず抜けてますな。形容詞一つで
表すなら彼のステージングはまさに「衝撃的」、そのあまりの激しさにマイクのコードが常に
からまりまくって、客席を煽りまくってる本人と同じくらい、ローディの方々も大忙しな状況に。
もうここまできたら「Dillinger Escape Plan」辺りとツアー組んでハードコア界隈の最強かつ
最狂ステージング合戦とかやってほしいかも。ハードコアというパンク系のジャンルにしては
複雑極まるリフを更に加速させてプレイしていた楽器隊のパフォーマンスも安定してましたね。
あと今回は彼らにしてはスローな展開の曲が随所に挿入されていたので、その「溜め」効果で、
おなじみの暴虐ナンバーが前回見たとき以上に爆発力があったような気がします。
一番のハイライトはラストの"Wolverine Blues"かな。スウェー"デス"の重鎮「Entombed」の
カヴァーとかあまりに渋すぎて、メタル系のコアなファンは大喜びだったんじゃないかと。

 01:Plagues
 02:No Heroes
 03:Bare My Teeth
 04:Reap What You Sow
 05:Cutter
 06:Worms Will Feed
 07:Axe To Fall
 08:Eagles Become Vultures
 09:The Broken Vow
 10:Drop Out
 11:Hope Street
 12:Bitter And Then Some
 13:Last Light
 14:Dark Horse
 15:Heartache
 16:Hellbound
 17:Concubine
 18:Wolverine Blues(Entombed)


<Brutal Truth>

30分程のセットチェンジの後に出てきた「BT」勢は、なんか悪い意味で肩の力が抜け切ってる
というか、演奏にリラックスしきってるユルさが感じられて、序盤はどーにも緊張感がないステージに
なってしまっていたような… 「Converge」の後というのもあって余計にそう感じちゃったのかも。
まあ一番客を煽らなければいけない立場のシンガーたるケヴィンがドラム前にドンと置かれたクーラー
ボックス(!)から隙あらばビール取り出してグビグビやってんだから、これはしょうがないかなー
と思いきや、尻上がりでしたね。徐々に音圧という名の抑圧感が高まってきて、中盤辺りじゃそれに
プレイの苛烈さが加わりましたからね。バンドの花形ベーシスト、ダン・リルカの存在感も圧倒的、
その立ち振る舞いは全然派手じゃないのに、ただ寡黙に弾いてるだけで絵になっちゃうんですよね、
このヒトは。巨人スタイルとでもいうか、顔はブサイク気味だけど、やっぱカッケーなと。

ハイライトは終盤にプレイされた代表曲"Walking Corpse"でのモッシュ地獄と、世界一短いPV
言われてる"Collateral Damage"で、最前客を存分にアゲてからの"I Killed My Family"辺りかな。
メリハリある短尺曲を怒涛の勢いで次から次へと演奏して客をじわじわと押し切るスタイルが得意な
バンドだけに、序盤もうちょっと勢いよく演って欲しかった部分はあれど、全体的なまとまりから
見たらまあ総じて満足。
ということで、ただでさえ個性的なジャンルの中でも特に際立ったそれを持つ2大バンドの魅力を
存分に味わえた120分だったと思います。
 
 01:Sugar Daddy
 02:Turmoil
 03:Daydreamer
 04:Dementia
 05:K.A.P.
 06:Vision
 07:On The Hunt
 08:Fist In Mouth
 09:Get A Therapist
 10:Godplayer
 11:Turn Face
 12:Choice Of A New Generation
 13:Evolution
 14:Attack Dog
 15:Global Good Guy
 16:Branded
 17:Blind Leading The Blind
 18:Pass Some Down
 19:Kill Trend Suicide
 20:Itch
 21:Afterworld
 22:Lifer
 23:Birth Of Ignorance
 24:Stench Of Profit
 25:Time
 26:Collapse
 27:Walking Corpse
 28:Collateral Damage
 29:I Killed My Family
 30:Dead Smart
 31:War Is Good


<今日の一枚>

 「Need to Control」/ Brutal Truth

グラインドコアのフロンティア「Brutal Truth」の激烈極まるセカンド作。
その特徴をより際立たせる爆裂疾走曲を基本に、重々しく迫りくるドゥーム系があったり、
はたまたシューゲイザーともとれるノイズ系の曲があったりと、その引き出しはとにかく多彩。
加えて彼らを彼らたらしめてる要素、どこか垢抜けない不活性エネルギーの塊がやっと見つけた
出口に向かって禍々しく突き進んでいくがごとき強烈なアングラ臭はなお健在。
エクストリーム系の入り口的には必須の一枚と思われ。


<今日の無駄T>



#これまたいかにもなアクの強いデザイン。
 「グラインドコア・フォー・ライフ」って、そんな危険物を人生に関わらせちゃいけないんじゃ…


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