Earth, Wind & Fire.


2009年12月12日: 東京国際フォーラム>

産まれて初めて買ったアルバムは…おそらく山下達郎の「MELODIES」。
じゃあ初めて貸しレコード屋で借りたアルバムは?
これははっきり覚えています、「EW & F」の「黙示録」です。
というわけで去年の「The Police」、今年の「Rod Stewart」に続きまして、
ベストヒットUSA世代ならではの懐メロを楽しむべく、有楽町は国際フォーラムまで
行ってきました。あ、流石に年齢層は高かったですね、というか今年行ったライブの中じゃ
一番だったんじゃ?

ライブの方は名曲中の名曲"Boogie Wonderland"からイン。
このリズム、そしてこのビート、基本ジャズっぽいのにオケっぽい空間の広がりをも
感じさせちゃうこのダイナミズム、もう初っ端から勝手に体が動いちゃう状態でしたね。
あと序盤の中じゃ"Sing A Song"・"Shining Star"辺りのプレイ風景も面白かったです。
かなり即興性があるようにアレンジを加えてるわりに、ステージ上から伝わってくるのは
スリリングな緊迫感じゃなくて、肩の力が抜けた感じのリラックス感なんですよね。
しかも弾きながらの動きが体を上下左右に動かすラテンのりで、ホントこのアクションは
眺めてるだけでも楽しくなってくるというか、特にヴァーダイン・ホワイトのベースは
そのアクティブさも含めて最高でした。

中盤から後半にかけてのハイライトとして真っ先に挙げられるのはフィリップ・ベイリーが
VOをつとめた"After The Love Has Gone"。フィル・コリンズとのデュエット"Easy Lover"が
大好きだったフィリップびいきのミー的には、その中域の太い往年の美声に思わずジーン。
それから"In The Stone"ね、何十回となく聞いてるフェイバリット曲なだけに壮大な出だしを
聞いただけで既にアガりきってる状態に。
ビートルズのカバーであることがもはや信じられない程、ブラック的にバカはまりしていた
"Got To Get You Into My Life"のモータウン・ビートも良かったですね。

それから「EW & F」持ち曲の中でも最たるメジャー度を誇る"Fantasy"ね。
もしジャンルを問わないレベルで名曲を選ぶなら、ミーの中ではビートルズの「In My Life」と
肩を並べるほどの超々名曲だけに、最高なのが分かりきってる前提のハードルが上がりきってる
状態で聞いて、やっぱり当然のごとく最高だったという。イントロからして特別な曲であることを
伺わせるオーラに加えて、サビに持っていくまでの尻上がりな高揚感、そしてこのサビでの開放感、
何度聞いても名曲はやっぱりド名曲であるということを証明しきってくれた至福の時間帯でした。
で、これ演っちゃったんじゃ流石にこれ以上はないだろと思っていたら、まだとびっきりのが
残ってましたよ、そう"September"。ドラム以外のメンバー全員がステップ踏みながらステージ上を
いったりきたりの超お祭りテンションに引っ張られたか、ふと周囲を見ればオッサンら皆その場で
ツイスト状態というね。どちらかといえば「ノる」ことに照れを感じちゃう筈のアラフィフ世代に
ここまでさせる完全無欠のエンターテイナーっぷりには、もう心底おそれいったとしか。

で、振り返ってみればほとんどMCなし、休みなし、アンコールなしのノンストップ状態で
一気呵成にエンタし尽してくれたという印象。セトリ的には当時「黙示録」と並んで聴きまくってた
「創世記」からのナンバーも欲しかったところだけど、それは流石に贅沢というもの。
いやもう最ッ高に楽しかったです。これをフジの野外とかで聞いたらもっと楽しいだろうなー、
ということでスマッシュさん、チャンスがあったらトリ級で検討よろー


<今日の一枚>



 「黙示録」/ Earth,Wind & Fire

1979年リリースの9枚目にして、人気絶頂期の終盤を飾った伝説的アルバム。
ダンサンブル極まってる上にフュージョン色豊か、その上バラード系も秀逸という
充実しきりの内容は、当時のディスコブームと相成って世界的ヒットになったとか。
初期ファンには商業的になったということで、あまり受け入れられてないようだけど、
「EW & F」の入門編としてはほぼ最適じゃないかと。


<今日の無駄T>



#エレメンタル要素をイメージした前面デザインと、
「ともに夢を始めましょう」とプリントされているバック面、
 このバンドの「共有」テンションが感じられる、かなりオキニーな一枚です。



<セット・リスト>

01:Boogie Wonderland
02:Jupiter
03:Serpentine Fire
04:Sun Goddess
05:Sing a Song
06:Shining Star
07:Kalimba Story
08:〜 Percussion Battle 〜(Philip vs Ralph)
09:Evil(including trumpet solo of "Sunny")
10:Brazilian Rhyme
11:That's The Way Of The World
12:After The Love Has Gone
13:Reasons (including "Betcha By Golly Wow")
14:In The Stone
15:Devotion
16:Got To Get You Into My Life
17:Fantasy
18:September
19:Let's Groove
20:Mighty Mighty


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