U.D.O..
<2004年6月6日: 渋谷クワトロ>
<問題>:ドイツが世界に誇るものを3つあげよ。
1:ビール
2:シュトロハイム
3:メタル
というわけで、その冷蔵庫然とした体型といい、兄貴度抜群の刈り上げまくりヘアーといい、
どこをどこからどう聴いても絶対メタルにしか聴こえないという漢度抜群のその声といい、
「彼の音は何年たっても絶対に変わらない」と評論家に言わしめる程の筋金入りの音楽性といい、
グランジ・オルタナから更にそれをラップ・パンクへと融合させたミクスチャー系にトレンドが
移りつつある現在のロックシーンにおいてもそんなもんクソくらえとばかり、50を過ぎた今なお
メタル一本でひたすら突き進むメタルバカ一代、あのバスタード主人公の名前のモデルでもある
通称メタル鬼軍曹ことウド・ダークシュナイダー率いるUDOのライブを見に渋谷はクワトロまで
行ってまいりました。
サイクスの時、前に行きすぎて圧死しかけた経験を踏まえ、今回は後ろの方で大人しく見ていよう
と思っていた僕ですが、オープニングナンバー"Thunder Ball"からいきなり疾走疾走また疾走、
突進突進また突進、突貫突貫また突貫の妥協なきメタル魂3拍子を全開全開また全開で見せられた日
にゃもう無理だー!というわけでローリングサンダーのやっちゃえポーズをやりまくりつつ僕も前の方
へ特攻特攻また特攻、前日のバーベキューで日焼けしまくってた肌をズタのボロにされまくり、またもや
死にかけましたクケー
ちなみに僕的ハイライトは、インチキ神父 っぽい衣装がチープすぎて笑えすぎた"Holy"と、その最高に
ドラマチックな展開に思わず身震いしてしまった"Independence Day"、そしてあまりの盛り上がりに
気が触れかけた前の方のキチガイ共ほぼ全員がやっちゃえマンと化した"I'm A Rebel"ね。
後はフロアに
突然乱入してのソロ弾きまくりとか、ウドとステファンの互いに頭突きしあってのソロ合戦とか。
何よりも印象に残ったのは、最後の挨拶で涙ちょちょ切れそうになっているのをぐっとこらえているかの
ようなウド軍曹のそのひん曲がったツラでした。
<なぜなにメタルマン〜>
突然だが、今日はライブにおける正しき腕の振り方について解説しよう。
利き足にほぼ全体重を乗せ、地上より約60度の前傾角度で、そのま前方へ腕を思いっきりイー!
これが全てである。後は練習あるのみ、イー!イー!イー!
ちなみにこの前傾角度が45度以下だったりすると、前方へ突き出されたアームがほぼ間違いなく
見知らぬ誰かの後頭部にヒッツし、意図せぬ阿鼻叫喚の地獄絵図をメイクドラマしてしまうことにも
なりかねないので、その辺りは充分注意するように。
次回は、正しきモッシュのやり方について講議する予定であるアデュー
</なぜなにメタルマン:ここまで>
それにしてもウド御大のパフォーマンスとそれを支えるファンのボルテージは素晴らしいの一言。
轟音で疾走するというに相応しい怒濤の鋼鉄リズム、それにシンクロするジャーマンメタルお家芸:
叙情ソロ、それら織りなす至高のメロディを全てブチ壊すかのごとく会場全体に轟きわたるウド御大
のダミ声。そのビートを燃料にどこまでも天井知らずで駆け上がっていくオーディエンス達のテンション、
今日ここの会場に来てる奴等はちょっとメタル好きすぎですね。正直、口からエクトプラズム吐くほど
アクメっちゃいました。(というか酸欠で泡吹いた) 過去見てきたライブの中でも間違いなく1、2を
あらそうほどの盛り上がり。いやーこれだからメタルは止められねえっス。
てなわけで今日の一枚。
THUNDERBALL / U.D.O.
30年間メタルバカ、「メタルしか出来ない男」ウド・ダークシュナイダーが渾身の力を込めて
放つ小細工なしのど真ん中。直線的なリズム・疾走するリフ・ノリノリの合唱ラウド、相変わらずの
ワンパターンぶり、これだけサウンドパターンが変わらなくて大成してるロックバンドってウドの他
にはもはやAC/DCぐらいしか思いつきません。トレンドの最先端を横目にどこまでも熱いその漢
っぷりを愚直なまでに見せつけているかのような一枚。
聴きどころは出だし、1曲目の"Thunder Ball"にウドおなじみのキャッチ”闘う男の為のメタル魂”
が全て込められています。コッチ系好きな奴はジューダスばりの洋式美イントロから繰り出される
疾走リフだけであっという間にノックアウトされる筈。ウドの曲は全部こんな感じ、故に1曲目聞いて
すぐさま超電磁ヨーヨーよろしく放り投げちゃうか、それとも果てしないメタル地獄へと堕ちていくか、
その選択するだけの為にでも買う価値あり。