OASIS.


2009年3月29日: 幕張メッセ>

新譜「Dig Out Your Soul」を引っ提げて、フジロック前の肩慣らし的なタイミングで
3年振りの来日を果たした「OASIS」のライブを観に、幕張はメッセまで行ってきました。
ただ土日公演の2日目ということで、まあちょっぴり不安でしたね。
ええ、普通のバンドなら2日目の方が大概いいパフォーマンスするもんなんですが、
正直「OASIS」の場合、リアムが初日で飲みすぎて2日目ヘロヘロとかお約束ですからね。
そんな時、彼は大抵こう弁明するそうです。「2日公演なのを知らなかったんだ」

ちなみに今公演はブロック指定制のオールスタンディング仕様となっていたんですが、
幕張メッセのブロック分けに関しちゃ、A天国でBは地獄とよく言われていて、
今回のミーはその悪名高きBブロックだったことに加えて、前日公演の情報によると、

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         クリス   J
   ゲム アンディ リアム 兄
 -------------------------------------------
      越えられない壁
 -------------------------------------------<A>
 カオス カオス カオス カオス
 将棋倒し 将棋倒し 将棋倒し
 カオス 将棋倒し カオス 将棋倒し
 ややカオス ややカオス ややカオス
 まったり まったり まったり まったり
    後ろの人たち、可愛そう…
  ションベン・スーパノヴァ(おもらし)
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      越えられない壁
 -------------------------------------------<B>
 値段一緒なのに遠くて超必死
 超必死 超必死 超必死 超必死 超必死
 無駄な圧力 無駄に将棋 無駄な圧力
 やけくそモッシュ やけくそモッシュ
 ぜんぜん見えね 見えね 見えね
 カップル 地蔵 地蔵 カップル
 見えね 寝 1人モッシュ 見えね
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だったらしく、こりゃBである以上はもうどもこもならんと早々に諦め、
本日はとことん割り切っての最後方観戦を決めこむことに。まあモニターで表情や
動きは補完できるしね。

ライブの方は"Rock'n'Roll Star"の終わりで音をエコーさせつつ"Lyla"にインする
という演出が滅法ツボすぎた上に、新譜からの"The Shock of the Lightning"も
ライブでの音ノリがかなりレベル高くて、早々とエキサイトさせられる羽目に。

あ、機嫌が心配されてた弟は、時折手拍子あおったり、拳を振り上げたりと、
いつもの棒立ち&後ろ手組みから比べれば、多少サービスしてくれていたような…
いやこの程度がサービスになるのも凄いと思いますけど、そこはほら、悪童の名を
かつて欲しいままにしていたリアムだもの、大人しくライブやってくれてるだけでも
めっけもん、みたいな。じゃ兄貴の方は?ってと、"NOEL OR DIE"の看板を掲げて
彼をつけ回したとされる通称「ダイ子」の影響も特にないようで、こちらも機嫌良好。
というわけで、さながら競馬場におけるゴール前を体現するかのごとく、
「(機嫌)そのまま〜そのまま〜」を脳内でひたすら唱えつつ、このままライブが
無事終わることをひたすら祈ってるミーの姿がそこにあったといいます。

そんなライブのハイライトを挙げるとするなら、90年半ばのオエイシスが確かに
唯一無二の存在だったことを如実に示してくれた"Cigarettes & Alcohol"が
まずくるんじゃないかと。もともとビートルズがさりげに内包していたパンク色を
思いっきり前面に剥き出したようなこの曲においては、リアムのあの独特の歌唱が
光りまくってましたね。周囲にゃ色々言われてる弟だけどやっぱりこのバンドにゃ
必要不可欠な存在であることを再認識させてくれた時間帯でした。
それから"Slide Away"〜"Morning Glory"への流れは何度も聴いてますが、
やっぱり今回も神展開でした。イントロの一瞬で明らかにスペシャルなそれであることを
悟らせる程の極上曲が2連発とあっちゃね、ここサビの合唱と合わせて鳥肌ものでした。
あと後期のオアシスを象徴するかのような"Importance Of…"も良かったですね、
このギターの美旋律がマジたまらないとでもいうか。
あ、今ライブの目玉であり、ノエルいわく「日本で1番有名な俺の曲」である
ところの"Whatever"に関しては、正直ノエル歌うと清涼感ありすぎてミー的には
イマイチでした。ここはリアムのパンク声でとことん崩してほしかったかも。

その他の見どころとしては、アンコール以降の兄貴が特に印象的だったかな。
代表曲"Don't Look Back in Anger"のラスト、観客がノエルの声に合わせてハモる
部分のタイミングが合わず、時計見て時間を計って歌いだす素振りをしたりだとか、
"Champagne Supernova"演奏中、フロアの盛り上がりを満足げに眺めるついでに
演奏そっちのけで鼻掻いてたりだとか、普段のクールなイメージに似合わない
全開のお茶目っぷりがギャップ効果も相まって、なかなかに面白かったです。
後はラストの"I Am The Walrus"、これ、サビの間にフロアから沸き起こる
「フォー!」の掛け声が「え?地響き?」と思うくらいデカくて、ド迫力でホント
圧倒されましたね。というわけでバンドのパフォーマンスのみならず、訓練されきった
オアシス・ファンのパワーと合わせて、視聴環境の悪さをものともせすにきっちり
仕上げきられた90分でした。(いや、まさかこの5ヶ月後になんちゃって詐欺抜きで
解散しちゃうとはね、残念すぎる…!)


<今日の一枚>

 「Dig Out Your Soul」 / OASIS

2008年にリリースされた、オアシス7枚目のオリジナルにしてラストアルバム。
1〜3作目があまりに神曲連発だったが故、その時期と比べると若干地味に
聞こえるかも知れないけど、ギターの美旋律やサイケ調のクールな使い方などなど、
曲クオリティや全体の完成度は、初期のそれとほぼ肩を並べる程の出来。
また弟作曲の"I'm Outta Time"にも注目、ノエル色が全てを支配していた
これまでの路線から、「バンド」としての風味が存分に発揮されだした一枚。
ああ、この先が見たかった…


<今日の無駄T>



#「俺が!俺が!」的なフィールもないのに、ちゃんと自己主張しっかり、
 だけどメタルTほどゴテゴテしてないところがポイント。普通に普段着にしようと思います。



<セット・リスト>

01:Rock'n'Roll Star
02:Lyla
03:The Shock of the Lightning
04:Cigarettes & Alcohol
05:The Meaning of Soul
06:To Be Where There's Life
07:Waiting for the Rapture
08:The Masterplan
09:Songbird
10:Slide Away
11:Morning Glory
12:Ain't Got Nothin'
13:The Importance of Being Idle
14:Whatever
15:I'm Outta Time
16:Wonderwall
17:Supersonic

18:Don't Look Back in Anger
19:Falling Down
20:Champagne Supernova
21:I Am The Walrus


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