Hanoi Rocks.
＜２００９年３月１３日： 川崎クラブチッタ＞
「LP07」でふと観たパフォーマンスが衝撃的レベルで最高だった
ヘアメタル創世記のフロンティア「Hanoi Rocks」が、2001年再結成からの活動を
遂に終えるとの話を聞き、これは是が非でもおさえておかねば！ということで、
川崎はチッタまで行ってまいりました。
開始から３０分は、マイケルのフロントマンとしてのオーラは別格レベルで
カッコ良すぎるということをひたすら再確認させられ続けた感じで、
マイクスタンドの独特な使い方から、かかと落とし風の足上げアクション、
はたまた客席から投げられたファーを空中キャッチしてすかさず首に巻きつけたり、
と思いきや、お次は余裕で２メートル以上あるスピーカーの上に脈絡なくよじ登って
周囲をヤキモキさせたりと、ホントそのアクティブ極まる動きにゃ、終始釘付けに
させられ続けでしたね。これ以上ないくらい分かりやすいロックスター像とでもいうか、
実際あのトレードマークのギョロ目と視線あったら、そらメスはみんなよろめくわー的な。
で、もう一人の看板であるアンディの方はというと、本人のみならずギターの音色
までもが酔っ払ってるような、イメージ通りのよれよれフィール全開な弾きっぷり。
でもってそれがまた素晴らしく格好いいというね、これだけ普遍的ワルの雰囲気を
常に匂わし続けていながらそれがチープに見えない存在感って、よくよく考えたら
キース・リチャーズやジョー・ペリーのような大物を除けば、今じゃかなり希少かも。
（そいやGNRのスラッシュ以降、そういった存在ってあまり出ていないような…）
そんなこんなで中盤の一部ダレを除けば、ほぼ全編が見所といっても過言ではない程、
楽しさフルブーストのライブだったわけですが、あえてハイライトを挙げるとするなら、
"A Day Late,A Dollar Short"の間奏にて、サックス抱えたマイケルとアンディ師匠が
二人揃い踏んで"Million Miles Away"のフレーズをハモったところでしょうか。
マイケル一人だと健康的に見えすぎて、このバッドボーイズロック的な退廃臭は出ないんですよね。
終盤の"Don't You Ever…"と並んでもっとも涙腺的にウルっときたベストシーン、
これがもう観れないなんてあまりにもったいなさすぎるだろと。
この後にプレイされた"I Can't Get It"から"Self Destruction Blues"へと
繋げた流れも「最高」という言葉が陳腐になるほど、突き抜けて良かったです。
この時、マイケルがロジャー・ダルトリーばりにマイクをグルグル回してたんですけど、
それが何時アンディに当たりやしないかとこっちはかなりヒヤヒヤ。
まあこの時には既にアンディ泥酔手前だったので、たぶんそうなっても気付きや
しなかったろうけど。
あとは定番中の定番でしょうけど、サビの手拍子と合わせて客がノリまくれる
"Malibu Beach Nightmare"から、「RATT」風のＬＡメタル臭全開なリフが
その勢いを更に加速させた"High School"を経て、本編フィナーレの"Tragedy"へと
雪崩こんでいった展開はもはやはずしようがない鉄板中の鉄板。
てかラストツアーのしんみりした空気は最初から最後まで皆無でしたね。
"Up Around The Bend"のバカ騒ぎノリ（横向きに跳ねながらの「トゥツッツーラ！」は
楽しすぐるー）でショウのラストを締め括ったその「らしさ」っぷりも含めて、
メタル者なら誰しもが文句なしに３重丸を付けるであろう至高の内容だったと思います。
＜今日の一枚＞
「Two
Steps From The Move」/ Hanoi Rocks「10年早すぎたデビュー」と言われる程、当時の界隈シーンにおいては圧倒的
華やかさを誇った当時の彼等の最高傑作にして、第一期ハノイのラストアルバム。
明るくて、楽しくて、でも決して健康的になりすぎず、普遍的不良テイストをも
きっちり混じえた上で、ちょっとホロ苦い切なさをも匂わす８０年代メタルの
歴史的名盤。この後、モトリーのヴィンスによる飲酒事故の巻き添えくって
ドラマーのラズルが死亡してしまったことにより、バンドは壊滅的ダメージを受け、
解散へと… もしもその事件さえなければ、彼等が最初の「ガンズ」だったかも。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃地味すぎず、かといってギリで派手すぎず、程良い感の自己主張がグー
とはいえ、ミーみたいな凡人にゃ、これ着こなすのは無理っぽいわー