FALL OUT BOY .
＜２００９年２月８日： 新木場コースト＞
ミーにとっちゃ昨年1月に見た「MxPx」と同じくサマソニ０７時の鑑賞とりこぼしバンドの一つであり、
今アメリカじゃ最も勢いのある中堅ポップパンクバンドの一つでもあると思われる「Fall Out Boy」の
ライブを見に、新木場は毎度おなじみのコーストまで行ってきました。
ま、実際のところ寒風吹きすさぶ悪天候のおかげで、正直テンションはかなり低めだったんですけども。
そんな中、半袖Ｔシャツ姿で全身ガクブルさせながらもそれを耐え忍びつつ開場待ちしてる女子二人組、
ってなとんでもなく無茶なる存在を目の当たりにしてしまい、俄然やる気出ちゃいましたね。
空気読まず＆読めずの暴れたいだけモッシャーや、音にノりきれずして雰囲気だけで乗ってる似非ダイバーが
跳梁跋扈してる昨今、お前らはその若さにしてもうライブスピリッツというものをここまで「分かって」
いるのかと少々嬉しくなっちゃったり。うむ日本のライブーシーンは案外と明るいのかもしれません。
そんな彼女らのやる気パワーが周囲の相乗効果を生ん…だかどうかは不明ですが、ハナから凄い盛り上がり
だったことだけは確かです。しかもそのほとんどがティーン境界世代に加えて女子比率も多めときたもんで、
正直アラフォーの足音が聞こえ始めたミーとしては場違い感アリアリすぎて思わず笑っちゃうほど。
まあそんな彼女らが前の方に密集してくれていたおかげで普段よりその背丈ぶん視界がクリアだったという
瓢箪からコマ的なラッキー事象もあったし、ムッサい汗だくメンズらと密着するよりは一億倍マシなので、
当方としてはむしろ大歓迎だったんですけれども。
だけどパンク系のライブにしちゃ何かが足りないような…周囲もアガっちゃいるんだけどどこかこう…
的なもやもや気分にとらわれていたミーの脳内視界を一気に晴らしてくれたのがファンお待ちかねの
"This Aint A Scene,It's An Arms Race"、この溜めて溜めてドーン！的な爆発的開放感たるや…！
というわけで探し求めていたその答えは「ダイブ」でした。それに付随する予期せぬ角度からの踵落としは
死ぬほどムカつくっちゃそうだけど、やっぱしなかったらないで寂しいもんなんだなと改めて実感。
まあ頭上で暴れる阿呆は容赦なく昇竜拳、それも「強」の方で撃ち落とんですけれどもね。
その後に続いた"I Don't Care"サビ部分のリズムに合わせてフロント三人のギター＆ベースがピカピカ
光る演出も実にグーでした。曲前にステージ上までもが完全に暗転したので一瞬トラブルかと思ったけど
こういうことだったのかと。この１曲のためだけに用意された特注楽器って辺りに彼らのステージへの
こだわりを強く感じたりも。まあその後の"Beat It"はギャグでやったにしても客層が若すぎて案の定
スカり気味だったんですけども、こういった空気読めない不器用さもＦＯＢらしいっちゃそうかなって。
その他のハイライトとしては、パトリックの伸びきった声によるエモパンらしい上昇感表現が秀逸な
"Headfirst Slide Into…"＆"The Take Over…"の両曲による高揚連鎖固め、
それから彼らのテーマ曲ともいえる"I Slept With…"演奏中に突然ローディの１人が乱入してきて
スクリーモ的なシャウトをしまくるという脈絡のなさすぎた演出も彼のルックス的なダサさとのギャップが
相まって非常に面白かったし、パンクというよりもＵＫ的な香りプンプンの"Dance, Dance"でお洒落
チックなテイストをふんだんにバラまいた直後、ベッタベタ・エモの"Saturday"で締めくくった辺りの
新旧コントラストなラストも非常に良かったですね。まあ少し短かったけどピシっとまとまったライブ
だったと思います。
＜今日の一枚＞
「Infinity
On High」 / Fall Out Boyノリ良し・キレ良し・フック良しと感覚系に訴える要素が三拍そろった上にメロディまで
素晴らしい０７年リリースの出世作にしてエモ・パンクの枠を飛び越えた音楽的バリアフリー作。
なんとなくウレセンすぎるからという理由で敬遠している人にこそ素直な気持ちになって聞いて
みてほしい一枚。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃これまたなんの面白みもないＴシャツ。
パンク系のそれは結構ハジけてる奴が多い筈なんですけど、いくらなんでもこれはフツーすぎだろと。