BEHEMOTH.
＜２００８年１０月２９日： 渋谷Duo Music Exchange＞
ただでさえ北にある北欧メタル界の中の更にとびっきりな極北ジャンル「ブラックメタル」、
それにブルータル含みのデス系風味を加えた最先端エクストリームメタル「BEHEMOTH」のライブを
観に渋谷は中央の柱レイアウトがウザすぎるせいでよくウンコホールと評されるデュオまで行って
まいりました。
突然の来日に加え、ある意味究極的といってもいいほどマイナージャンルであるにもかかわらず、
懸念されていた客入りはほぼ問題なし、デュオはそれなりに一杯でしたね。まあ相変わらず中央の
２本柱は邪魔でしたけどその間でモッシュが発生しまくって退避する人が続出したせいでデュオに
しては過去最高にステージが良く見えましたね、いや体はメッチャ痛かったけどねｗ
で、ライブなんですが、コープスペイントにトゲトゲ皮装備とヴィジュアル面におけるアピール度
抜群なフロント二人を差し置いてまず目がいったのはインフェルノのドラム、これ感嘆を超えて素で
笑けてきちゃうほどヤバかったです。ブラック系の有名どころじゃヘルハマー、タリム、フロストなど
いろんな凄腕ドラマー見てきましたけどその誰よりも衝撃度という意味じゃ上でした。これ見れた
だけでも十分元をとった気分、マジで。
さて、戦慄のドラムを存分に堪能したところで改めて演奏に聞き入ってみたわけですが、
彼らの音作りってブルデスの流れを汲むわりには「NILE」のような無機物的お経感は比較的少なく、
かといってここ最近のデス系にありがちなキャッチーさはほぼ皆無、むしろその攻撃的な面のみを
とことん突き詰めたような曲調なんで、そのノリは同系統のそれの比べてもかなり独特でしたね。
なんてーかメタルというよりは、スラッシュやハードコアよりのパンク的なグルーヴに近い感じが
あったりして、ゆえにヘドバンというよりとにかく暴れる系に特化しきってるというか。
演奏以外におけるパフォーマンス面においては右側に陣取るオリオンの巨躯が目をひきましたね。
しっかもムッキムキな体つきに加えて、下半身を固めるレザー系の装備がめっちゃごつくて、
なおかつ重心低めのプレイスタイルが重戦車みたいでキャラにぴったしハマってるわ、曲調展開の
タイミングをぴったり見計らったように繰り出すヘアストームは圧巻すぎるわで、下手すりゃ
シンガーのネルガル以上に存在感際立ってましたね。
でもって今ライブのハイライトですが、フロア前方のカオス度合がこの曲の盛り上がりとともに
マックスに達した感のあった"Conquer All"、「バソリーでヴェノムでモーターヘッドな曲だ！」
のMCとともに始まった"Pure Evil And Hate"の超絶的スピード感、それからスカンジナヴィアの
最終兵器にして唯一無二のデスパンカー、肛門花火パフォーマンスで名を馳せた「TURBONEGRO」、
よもやのカヴァーが飛び出した想定外ラストが、ミー的には特に印象に残ったパートでしたね。
あえて難点をあげるなら曲間ごとに袖に引っ込んで流れを切っちゃうところが若干残念でしたが、
まあ今回は自分達で機材管理やってたらしいので、これは仕方ないか。
＜今日の一枚＞
「At
the Arena Ov Aion: Live」 / BEHEMOTH08年フランス公演を収録したライブ版。
初期〜近年までの主要曲がほとんど収録されてる上に音質も上々（ブラック系のライブ版で
これはレア）、またライブならではの生々しさもきっちり感じられる「BEHEMOTH」ファンの
マストバイ・アイテム。聴きどころは「え？これがライブで？」ってレベルの鬼ドラム。
このテの音が好きなエクストリーマーにゃ身震いきちゃうはず。
＜今日の無駄Ｔ＞
＃これまたロゴでかめだけど、ブラックメタル特有のダーク感がデザインによく出ていて
なかなかに気に入ってる一枚。「SATYRICON」Ｔと並んでブラックメタル専用ライブＴになりそう。