SUM41.


2008年4月29日: 国立代々木競技場・第一体育館>



若手パンク勢の代表格にして厨房パンクスの筆頭格「SUM41」のライブを見に、原宿は代々木競技場の
第一体育館まで(05年の「OASIS」以来)行ってまいりました。初日ラストに気合全開で見るつもりが
いざ蓋を開けてみたら「Travis」で淡々と和んでしまったサマソニ07の想定外スルー以来、リベンジを
虎視眈々と狙っていたわけですが、こんなにも早くその機会が来るとは思ってもみませんでした。

ちなみに客入りの方はあのデカい代々木競技場がアリーナのみならず、スタンドもほぼ全て埋まる程の
盛況っぷり。ここ最近陰りが見えてきたとメディアに叩かれつつも、ここ日本じゃまだまだその人気は
健在なりということを見事に証明してくれるような一幕 …と思いきや、最前のAから最後方のEまでに
分かれたアリーナの各ブロック内そのものは案外とスカスカだったり。おそらく前方に人が殺到しすぎて
怪我人が出るのを防ぐ為の措置だとは思うけど、もう少しブロック分け、おおまかでも良かったんじゃ? 
まあ、前にいけば驚天動地のモッシュを存分にエンジョイすることが可能な上、後ろにチョイと下がれば
ほぼ最前レベルなのに悠々と鑑賞することが可能という最高の条件をキープ済みだったAブロックの我々
にしてみれば、今回の細切れブロック分け措置は大歓迎だったわけですが、ちなみにこれもしEブロック
辺りだったなら暴動起こしてたかも。(そんくらい後方のロケーションは最悪だった筈) 
というわけで今ライブの為にクリマン会員になったという友人には超感謝ですな。

さて、ライブの方ですが、サムらしいホッピーな中速ノリが生み出す爽快感と持ち曲の中でも1、2を
争う疾走感が作り出す爆発感の相互作用によって最高の立ち上がりを演出した"Underclass Hero"〜
"Hell Song"に至る序盤の流れは文句のつけようもない出来。この途中に「ステージにあがりたいヤツ、
いるかー?」とふって、脳内から元気汁がダダもれてそうな連中をデリック自ら選んでステージ左右の
特別エリアに入れてあげた演出もそこそこマル。喜びのあまり一気に暴れすぎた連中が即バテバテに
なっていく無様さも合わせて妙に微笑ましかったです。
その後の"We're All To Blame"途中に客フリした「サクリファイス」コールに皆が思ったよりついて
こなかったことでその「いい流れ」が霧散しかかるも、すぐさま"Walking Disaster"による哀愁
グルーヴと疾走テンションの二段攻撃でもってその流れをすかさず引き戻したところなど流石の一言。
また曲最後に挿入されたスティーヴによるドラムソロも、このリズムこそが有象無象のパンクバンドと
サムとを存分に差別化たらしめている主要因なのであるとの説得力に満ち溢れていましたね。

サムが単なる厨房パンクス御用達バンドでないことを見事に証明してくれていた序盤の展開に比べ、
若人中心の客層には年代のズレがありすぎてお寒さまでをも感じさせてしまったプレスリーの真似とか、
フロア左右の客に別々の歌詞を交互に歌わせることで参加感を煽ろうとした客弄りの空回りっぷりが
グダグダの空気を生んでしまった感のある中盤以降の流れは正直褒められたものではありませんでした。
その中にて一過的ではあるけれども序盤に負けずとも劣らないエネルギーを生み出していたのが、
メタル成分とメロコアとの混合比が絶妙すぎた"Over My Head"から"Wellcome To Hell"への繋ぎ。
デビュー以来、一部アンチから延々ガキっぽいと言われ続けているサムですが、これみよがしな
キャッチーさがそれに当たるというなら今後とも堂々とその路線で突っ走ってほしいものだと大いに
思わされた時間帯でしたね。言いたい奴にゃずっと吠えさせときゃいいんじゃない?的な。
またそれまでの「Underclass」仕様バックドロップが突如ドクロ柄へ切り替わるとともにデリックと
スティーヴが互いのパートをチェンジ、と同時にメイデンばりのツインギターが鳴り響くという抜群の
掴みから、ビールをガブガブ飲みつつ満面の笑顔でシャウトするスティーヴの姿が場のヴォルテージを
どこまでもあげまくったアンコール・ラストの"Pain For Pleasure"にも相当漲りましたね。

"Bitter End"や"88"、"No Reason"といったかつてのメタル色全開な楽曲がどうしてセトリに含まれて
いないんだ的な小さい不満もあるにはありましたけど、厨パンクスの永遠のアイコンたるサムらしさは
存分に堪能できたんで、まあミー的には全然「アリ」なライブ内容だったかなと。


<今日の一枚>

 「CHUCK」 / SUM41

2004年リリースのサード。
過去2作それぞれの味を混ぜこぜにしたところへメタルのエキスをふんだんにブチこんだ
その内容はメロ、ソロ、グルーヴともに絶好、まさにメタラーをパンク布教する為にあるような好盤。
生粋のメタラーとして知られていたギタリストのデイヴが脱退したことによりその路線に傾いていた
この「CHUCK」時代の楽曲は今後のライブじゃあまり演奏されないだろうとの噂もあるけど、今はただ
それが間違っていることを祈るのみ。


<今日の無駄T>



#サムのTシャツを着てそこらを堂々と闊歩できるほど厨アピールに長けてるわけではないけれども、
 このデザイン自体はわりと気に入っていたり。



<セット・リスト>

01:Underclass Hero
02:The Hell Song
03:Motivation
04:We're All To Blame
05:Walking Disaster
06:Machine Gun 〜 Oh,Darling
07:King Of Contradiction
08:In Too Deep
09:Over My Head
10:Wellcome To Hell
11:Confusion And Frustration In Modern Times
12:Makes No Difference
13:Pieces
14:Attitude(Misfits)
15:Still Waiting

16:My Direction
17:Fat Lip
18:Pain For Pleasure


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