FOO FIGHTERS.


2008年4月13日: 幕張メッセ>

ロックシーンにおける歴史の1ページを綴った、グランジの寵児「Nirvana」、
そしてその落とし子、ニルヴァーナの元ドラム、デイヴ・クロ−ル率いる「Foo Fighters」。
本来ならメタルを衰退に追いやったこの憎きジャンルに属するバンドのライブを見に行くなど、
10年前なら考えもしなかった話なのですが、ここ近年、メタル以外にもパンクやハードコア、
はたまたUK系やオルタナ系に属するバンドなどなど、様々なジャンルのライブに足を運ぶように
なりまして、今じゃかつてのアレルギー反応はすっかり払拭…どころか、むしろそっち系の方が好きに… 
いやいやいや、全身これメロスパー、と同時にキモスパーでもあるミーがメタルを捨てるなど
ありえない話なのですが、しかしまあそれ以外のジャンルも聞くようになって、いい意味での音楽的
横幅が広がったんじゃないかと勝手に思ってる昨今、今じゃグランジ・オルタナ系の代表格といっても
差し支えないほどまでに成長した「Foo Fighters」のライブは一応おさえておかなきゃなと、幕張は
メッセまで意気揚々と出向いてきた次第でありまして。

…の筈が。ホール前に到着した途端、眼前を埋め尽くす人・人・人の群れを前にしてまず唖然、
え、これ物販の列でしょ?と思いきや、いやこれが入場待ちの列ですと聞かされて更に愕然。
そもそも17時開演な筈なのに17時半でこの有様とは一体全体なにごとかと1人呆然、その場に
立ち尽くす羽目に。


<以下、某掲示板によるリアル実況>

 558 :****** :2008/04/13(日) 17:38:00
 メッセ内すさまじい人!
 これクロークの行列なのか物販の行列なのか入場の行列なのかで客がパニックになってるぞ!

 566 :名盤さん:2008/04/13(日) 17:52:59
 こりゃ19時開演だな。凄まじい入場の列

 567 :****** :2008/04/13(日) 17:53:22
 お〜お〜大パニックだ。なんかどんどん雰囲気が殺伐としてきたぞ。こりゃ開演遅れるな。

 568 :名盤さん:2008/04/13(日) 17:53:44
 これいったいなんの列だよ。入り口グルグル回ってるぞ

 572 :名盤さん:2008/04/13(日) 18:01:26
 薄着でこのクソ行列。死ぬ。係員の仕切りがクソすぎる。

 576 :****** :2008/04/13(日) 18:10:47
 長蛇の列の原因報告
 ホール内にクローク、物販、ステージがあるため。
 クロークがホール内だからみんな手荷物持つ。
 ↓
 ホール内に入るのに手荷物チェック1人1人にやってる。
 ↓
 全然列進まない。
 ↓
 長蛇の列と化す。

 834 :****** :2008/04/14(月) 13:00:12
 案内が全くないから昨日の長蛇の列は「クロークの行列」「ステージ入る行列」「物販の行列」
 なのか会場に来た客は大パニックになって殺伐としてたし長蛇の行列に痺れを切らして売店で
 ビール飲みだした外人は暴れだすし。なにより案内ないからパニックになるんだよ。


というわけでスマッシュ係員の仕切りは確実に完全に完璧にクソでした。
そいや同メッセ内で行われた「UNDERWORLD」イベ時も屋台系の数と配置がわりかしおウンコだったし、
今回はこの有様だったしで、今後はもうちょっと考えてほしいかなァ…って。
今やウドーを追い越してクリマンと並ぶ呼び屋の2大筆頭格なんだからこの辺の脇の甘さはもう少し
なんとかしてほしいと如実に思わされたライブ前のひと時でしたね。

そんな不快指数マキシマムの強制イベントはさておいて、ライブの方はどうだったかといいますと、
出だしの"Let It Die"にて想像していたより生々しさ2割増しの渾身シャウトにグっとのめりこまされた直後、
"Pretender"後半のサビ直前における爆縮的寸止め効果からの絶唱にて更にコテンパン、まずこの開幕2曲に
滅茶苦茶アガらされました。
それ以降のミー的昂ぶりをより高めるのに一役買ってくれたのが"This is a Call"の中間ソロ。
爽やかなメロにさりげなく内包されたけだるさとそれが演出するブルースのりに合わせてブラブラ体を
揺らしてたら、ホール前半分を占めるAブロックのド真ん中をブチ抜いて作られた花道エリアにいきなり
デイブとクリスの両名が出張ってきてメタル風のソロ応酬をやりだすという脈絡なしのサプライズが炸裂、
元来主戦場が鋼鉄系なミーはこれ見て当然のごとく大喜びですよ。
またこの直後の"Stacked Actors"における歯切れの良さと鋭さが醸しだしていた、これぞソリッドロック!的な
グルーヴや、この中間部に挿入されたテイラーさんのドラムソロ、手数や速さよりタイミングの妙で魅せたいぶし銀
プレイのそれも実にグーでしたね。

そんな序盤から中盤にかけてのラッシュモードでわりかし満足してしまったミー、この後に続くピアノと
チェロ追加によるアコースティックセットは流し聴きモードでぞんざい対応し、むしろこの間に買い損ねた
Tシャツをゲットしちまおうと、一旦会場の外へと向かうことに。
この時、会場後ろ半分を占めるBブロック最前に陣取ったせいで長時間仕切りに押しつけられすぎてゾンビみたいに
なってる皆様の眼前を優雅に闊歩しつつの勝ち組気分を存分に味わったわけですが、実際最前近くこそカオスなものの、
後方はわりとスカスカ、ステージも楽にちゃんと見れるわ、花道サプライズはあるわでかなり至れり尽くせりだった
Aブロックに比べ、その後方Bブロックの悲惨さたるや、ちょっとその内情を挙げただけでも、

 ・Bブロックいたが…見えないわ無法地帯だわで最悪だった

 ・Aに比べてBの悲惨さといったらない。遠いわパンパンだわ音悪いわで最悪。

 ・Bにいたオレの印象。シンプルにいえば こんな感じ。
   ・A前列・・・観る、聴く、踊る
   ・A後列・・・じっくり観る、じっくり聴く、やや踊る
   ・B前列・・・観えない、やや聴く、暴れる
   ・B後列・・・観えない、ヤケクソで暴れまくりと諦めでシラケ組の両極端。
 
 ・これで同じ8000円?


とさんさんたる有様だった模様。
今後、幕張でのライブはA以外取っては駄目だということをよく学ばされた一件でした。

さて、のんびりとTシャツを買ってBブロックの混沌っぷりを尻目に悠々と戻ってきて以降、チェロ姉さんの
履いてるブーツとミニスカが顕現せしめた広めの絶対領域に視線釘付けになったり、デイブいわくロックライブ史上初、
サポートのドリューによる「ファッキン・トライアングルソロ」にユルく笑わされたり、わりかしダラダラ気味に続く
メンバー紹介に若干辟易しつつ、でもその都度デイブが見せる屈託ない笑顔に和まされたりと(本当にいい顔で笑いますね
この人)、フーファイ流のヒーリングをふんだんに堪能した後は、いよいよフィナーレへ向けてのたたみかけパート開始。
切なさと疾走感が同居するメロコア系の良メロが場の温度を一気に再上昇させた"Everlong"から、後半の渾身シャウト
連発とその異常なテンションが圧巻すぎた"Monket Rench"を経て、分厚いリフとメガトンビートによる波状攻撃が更なる
昂揚を沸きあがらせた"All My Life"へと至った流れと、それから一番のお目当て曲"Best Of You"におけるデイブと
観客の掛け合い大合唱はやっぱし最強かつ最高の二言に尽きました。
だけどこの印象、ゆったりじっくり見れたAブロックにいたからこそであって、もしBブロックで見てたら全然違ったん
だろうなァということを思うにつけ、いつも以上に「鑑賞位置の大切さ」というものを痛感させられたライブでもありましね。


<今日の一枚>

 「IN YOUR HONOR」 / Foo Fighters

2005年リリースの5枚目にして彼等の最高傑作… であるかはともかく
最重要作であることに疑いを唱える余地はほぼないほどの完成度を誇る名作。
良質のグランジロックとイージーリスニングなアコースティックをふんだんに
聴きたければ迷うことなくこれを選ぶが吉。


<今日の無駄T>



#デザインはともかく生地がメチャぴらっぴら。
 厚手のメタルTに慣れたこの身にとって、この薄さは正直キツいです。



<セット・リスト>

01:Let It Die
02:The Pretender
03:Times Like These
04:Breakout
05:Learn To Fly
06:Cheer Up, Boys
07:This is a Call
08:Stacked Actors(Include Drum Solo)
09:Skin & Bones
10:Marigold
11:My Hero
12:Cold Day in the Sun
13:But Honesty
14:Everlong
15:Monket Rench
16:All My Life

17:Big Me
18:Long Road To Ruin
19:Best Of You


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