Enter Shikari & マキシマム・ザ・ホルモン.


2008年1月11日: 新木場コースト>

メタルやハードコアの音楽性にテクノやレイブの要素を取り込んだ、ちょっと風変わりなUK出身の
ヘヴィロックバンド「
Enter Shikari」が、「銀杏BOYZ」や「POLYSICS」と並んでミーが追っかけてる
数少ない邦楽系バンドの一つ「マキシマム・ザ・ホルモン」とともに、ダブルヘッドライン構成で
日本縦断ツアーを組むと聞き及び、サマソニ07のステージを寝坊で軽々見逃しちゃってるこの身と
しては抑えておくが吉だろと、ホモの聖地は新木場のコーストまで尻の穴をギュイッ!とすぼめつつ、
サクサクと出向いてまいりました。

…の筈が仕事の都合で10分ほど遅刻する羽目に。まあおそらくマキホル→シカリの順だろうから、
それほどダメージはないっかぐらい思ってたら、ホールに入った途端いきなり愕然とさせられる羽目に。
ちょ、なんでシカリから演ってんのー!新人とはいえ一応外タレなんだからその辺気ィ使っとけて!
が、捨てる神あれば拾う神あり。ソールドアウトと聞いてたもんで、最早手のつけようがないほど
フロア内混み混みだと思ってたわりにゃ、マキホルファンがシカリ側に気を遣って礼儀正しく後方待機
してくれていたのと、中央付近に陣取っていたテコンドー野郎繰り広げる狂乱モッシュによりその周辺
にぽっかりと空いたスペース、通称「台風の目」の中へと運良く割り込めた好事が重なって、至極
あっさり好ポジションをゲットすることに成功し、ひとまずホッと胸を撫で下ろすことに。

しっかしまあ、こいつらの音作りは本当に何でもアリでしたね。
界隈の煽り文句じゃ「メタル・ミーツ・レイヴ」とか「ハードコアとテクノとの融合!」とか色々
言われてたみたいですが、実際にゃそれどころじゃなくて、メタル的なリフあり、ハードコア風の
シャウトあり、そこにエモ系の歌メロやメロコア的な疾走感までもが加わったところで、仕上げに
バックでテクノがピコピコですもん。正直なところ「新鮮」という域を軽々と超越して、あまりに
新感覚すぎてぶっちゃけギャグなんじゃないかと笑っちゃうくらいやりたい放題してる音なんですけど、
でも聴いていて確かに「面白い!」と思わせるだけの何かを持っていることもまた事実なんですよね。
先日、ラジオに出演した際「僕等の音楽は例えるならアイスだね。そういつまでも舐めていたい!」
とか、今俺うまいこと言った!みたいなテンションでホザいてたそうですが、あながちその言葉も
そんなに的外れではないんじゃないかって。その指先から色とりどりの「フィンガーライト」が
揺れ踊る様を眺めつつ、そんなことを感じちゃいましたね。

ライブ全編を通してのハイライトは"Mothership"の出だし。
テクノ的な電子音がフロア中に鳴り響く中、フロント陣全員が両腕を波打たせてのクネクネダンス
を踊りだしたかと思いきや、脈絡なく次から次へとステージ下へダイブしていく様には俄然アガら
されたり。本国じゃライブの度に怪我人続出で救急車が呼ばれることも度々あると言われるほど
ハードコア色の強いステージを連発しているそうですが、ここ日本でもその片鱗をしっかり垣間
見せてくれていましたね。まだ若いだけあってステージング全体にノリと勢いが満ち溢れていると
でもいうか。
もちろん"Sorry, You're Not A Winner"におけるシカリ名物「人間ピラミッド」も絶対はずせない
盛り上がりどころの一つ。普段は協調性の欠片も見られなさそげな強面の兄さん達が輪になって、
互いに協力しあいながらその場に即席のやぐらを形成していく様にも文句なく昂揚させられちゃいました。
そしてパン!パン!パン!と曲に合わせての拍手が鳴り響く中、どこぞの見知らぬ阿呆がその最上段から
仕上げのダイブ…!? アホ無限大すぎて、むしろソコこそが最高!みたいな。

というわけで、バンドと客がともに一体となって作り上げる姿勢が積極的に見られるショーに
はずれなしとの思いをますます強くしてくれた内容だったと思います。あえて苦言を呈すなら他の
パートと比べてやけにペラく聞こえちゃってたテクノパートを、音圧のバランス調整などで今後
どうにかしてくれればなと。

 01:Enter Shikari
 02:Feast
 03:Enarglser
 04:Anything Can Happen In The Next Half Hour...
 05:So you've come this far
 06:No Sssweat
 07:Johnny Sniper
 08:Mothership
 09:Acid Nation
 10:Sorry, You're Not A Winner
 11:OK, Time For Plan B


シカリ終了後、30分程のセットチェンジンを経て、「マキシマム・ザ・ホルモン」開始。
今日の本命はシカリの方だったんで、ホール最後尾のフェンスまで後退してそこでユルユル観戦。

しかしまあ某エルレといい某ビーグルといい、いつ見てもJパンク系のライブにおける盛り上がり
度合いはとんでもなさすぎるなと。実際、音楽ジャンルを問わずして結構な種類のライブを観てきた
つもりですけど、その中でも一番盛り上がるのって、やっぱしJパンク系ですからね。
ちなみに正統派のメタルよりになればなるほど、そのライブは意外と盛り上がらなかったりします。
テクに見入ったり音に聴き浸ってるってのもあるけど、そもそもファン層が皆いい歳ってのが一番の
要因だったりするんですよね、本音のところ。そういう意味じゃティーンズがファン層のほとんどを
占めるJパンク系ってなライブじゃ圧倒的な強みだなと。マキホル・ファン繰り広げる狂態の数々を
後方から悠然と鑑賞しつつ、そんな思いを更に強くさせたり。

というわけでライブ序盤は若人の勢いに圧されっ放しだったミーですが、何でもありはシカリの
専売特許じゃねえとばかり披露した"ロッキンポ殺し"、そのミクスチャー然とした闇鍋感とパンク系
の躍動感にノセられたのを皮切りに、重々しく響くリフの焦らしからメロコア的な疾走パートへと
繋がる流れにやられた"絶望ビリー"、お祭り万歳的なノリが四方八方に伝播したかと思いきや、
ふと気づけばナイス芳香を周囲に振りまきつつモッシュなどに興じられていた女の子集団の中へと
放り込まれて予期せぬこの世の至福を味わうこととなった"ぶっ生き返す!"を経て、確実に絶頂
へと導かれつつあったミーでしたが、1人の尋常ならざる汗だく男との邂逅を機に、その勢いは
途方もない急降下を辿ることになってしまったのであり。
ってか、ちょ、目の前で停まらないで…って、うわ!触れた側からその部分の生地がグショ濡れて!
その後15分以上にわたり、水を頭から被った直後でもこうはならないだろうというぐらいの発汗
っぷりを、我が意志にまったく沿わない物理的接触によりさんざ体感させられることとなったミーは
(最後尾なので逃げることも適わない)、音楽が持てる「一体感」という名のパワーを完全否定したい
気持ちに全力で駆られまくったのでありました。
度を超えた汗っかきさんを自覚してる人は、アンダーシャツぐらい着ましょうね。

 01:ロック番狂わせ
 02:恐喝〜kyokatsu〜
 03:生理痛は神無月を凍らす気温。
 04:ロッキンポ殺し
 05:ポリスマンベンツ
 06:絶望ビリー
 07:ぶっ生き返す!!
 08:チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロンヌルル レロレロ
 09:上原〜FUTOSHI〜
 10:恋のメガラバ
 11:握れっっ!!


<今日の一枚>

 「TAKE TO THE SKIES」 / Enter Shikari

売り文句は「メタル・ミーツ・レイブ」、もしくは「ハードコア・ミーツ・テクノ」。
ここまでやられたらもう笑うしか!というレベルのごちゃ混ぜっぷり、はっちゃけ度合いは
賛否両論別れるところだけど、レイヴやテクノが「主」なのではなく、あくまで「メタル」が
その土台である点に傾注。その食い合わせはともかく「確かに新しい」と感じさせてくれる
衝撃作であることに間違いはないので、音に新鮮さを求めたい人には確実にオススメ。


<今日の無駄T>



#えーと、痩せすぎのゴクウがスーパーサイヤ人化する三秒前?
 ただでさえ個性的なメタルTの中にあって、なお奇をてらいすぎたこのデザイン。
 いつ、どこで着ればいいというのでしょう…


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