UNDERWORLD.


2007年11月25日: 幕張メッセ>

一昨年からのパンクブーム再来に続いて、ここ最近、第2次テクノブームなるものが
僕の中だけで始まりだした模様です。
ちなみに第一次は今から20年以上前。「YMO」「Kraftwerk」を聞き漁って"Cue"の
カッコ良さや"Neon Lights"の情緒的ビートに心底悶絶するも、その良さを周囲と共有
するまでには至らず、結局のところ部屋の隅で膝抱えて、珠玉の名盤「BGM」を幾度となく
聴き返しながら自分の殻の中に閉じこもるしかなかった、そんな暗くて不毛で、だけど根拠
のない自信だけには満ち溢れていた少年時代…

今年のフジロック最終日、大トリの「Chemical Brothers」を遠方から眺めていたら、
そんな当時の思い出がなんとなくフラッシュバックしてきちゃいまして。その時ふと感じた、
「そういや大昔はテクノ好きだったなー」みたいな郷愁がね。その後もなかなか消えてくれない
もので、じゃいっそのこと、その領域に少し踏み込んでみようかなと。
方法としては、その手のジャンルで今一番売れてるグループを体感してみて、今一度
テクノと向き合えるかどうかを試してみようかなと。そう思い立ったが末の「UNDERWORLD」、
そして12月初めの「Daft Punk」だったというわけです。今テクノ御三家と呼ばれる彼等
の来日が年末に集中していたというタイミングの良さも大きかったですね。

ちなみに今公演は「UNDERWORLD」のみならずDJを含む他アーティストをも招聘しての
フェス系式、しかもオールナイト公演だったので、今や完全にわか状態の僕には多少敷居高め
だったんですが、まあその雰囲気も同時に楽しんじゃおうとポジティブに考え、「UNDERWORLD」が
始まるまでの時間、ホール内周辺をブラブラして暇つぶしすることに。(以下、タイムテーブル)

 21:00-22:00 120 DAYS
 22:00-23:00 ANDREW WEATHERALL - Nu Skool set (←今ココ)
 23:00-00:00 SIMIAN MOBILE DISCO
 00:00-01:00 ANDREW WEATHERALL - Dub set
 01:00-03:00 UNDERWORLD            (←ここまで暇)
 03:00-04:00 ANDREW WEATHERALL - Indie/Dance set
 04:00-05:00 THE ORB
 05:00-06:00 ANDREW WEATHERALL - Old Skool set
 
で、まずは上着を預けようとクロークへ向かったらそこがものすごい混雑っぷり、
こりゃ駄目だと早々諦め、じゃ軽く飯でもと今度はホール内のフードコーナーに行ったら、
そこも鬼のようなごった返しっぷり。せめて酒ぐらいはとドリンクコーナーを顧みれば
その近辺にて「酒買うのに1時間待ちかよ!」とキレてるカップルを早速発見してしまい、
その場に完全凝固する羽目に。結局、唯一空いてたソフトドリンク売り場にてエビアンを
入手し、ホール片隅にてそれをチルチルすすりながら、付近の壁一面を使って行われていた
アートライブに見いるより他ありませんでした。なんでしょう、このクソ運営っぷりは。




あ、でも映画コーナーがあったのにはちょっと驚き。へー、なかなか渋いアイデアじゃん、と
感心しながら中に入ってみれば、よりにもよってそこだけ完全野外、寒くて映画鑑賞どころじゃないよ!
結局、20分程でホールへとって返すこととなりまして、予定よりかなり早めにメインフロアへと
赴くことになったわけですが、この選択が大正解。
この人数規模にしては異常なくらい真っ暗なフロア内に、蛍光シールや電飾で全身飾り付けた
人々が揺れたり踊ったり跳ねたり飛んだり蠢いたりしてる様がもう面白いのなんの。
一万人規模の馬鹿騒ぎを見るほど楽しいこともそうはないと再実感した瞬間でしたね。
中には蛍光フラフープを腰周りで狂ったように振り回してるエロ姉さんや、顔面に携帯貼り付けて
ライトセーバー片手に四方八方切りつける真似してる奇人がいたり、はたまた隅っこの方にて煙草
らしからぬ妖しい何かをプカプカやってる外人集団や、辺り一面に漂うお香のような甘ったるい香り
が気になったりと、ホント周囲のもの全てが物珍しくて、仕方なかったです。

それから程なくしていよいよ「UNDERWORLD」のライブがその口火を切ったわけですが、
開始直後の狂乱に乗じたフロア攪拌を除けば、序盤はわりかし予定調和的な盛り上がり。
体を動かす隙間もない前方をわざと避け、スペースに空きのあるフロア中盤より後ろで軽やかに
ステップを踏んだり、カールのVX(手・腕全体をクネクネさせるダンス)の物真似をしたりと
純粋に踊ることを楽しんでる周囲の人々を見て、あ、この人達は音を「聴きに」というよりも
「浴びに」きているんだなと、妙なところで納得させられたり。
メタル系ほどガツガツしていないその心の余裕というものにも少し感銘を覚えましたね。

そんな和やかな雰囲気がガラっと変わったのは、新譜お披露目が終わった辺りから。
「エブリシィン」のリバーブ連続による焦らしからエレクトロポップ弾けとぶ動パートへの移行で
フロアの熱狂を一気に引きずり出した"Cowgirl"から、そのまま息継ぎなしで代表曲"Rez"へと
繋がった瞬間の盛り上がりたるや、フロアを取り囲むように設置されたスクリーン映像によるVJ効果や、
とてつもなく大規模な照明演出による「光の洪水」効果もあってか、そこら中が

       *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *   「もうどうにでもな〜れ」
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚

状態に。ふと気づけば先程まで華麗な足捌きをみせていた筈の連中が、ほぼ全員バタリアンに
出てくるゾンビみたいになっちゃてるのを見て、



と心底思わされることに。


その後、叙情感・寂寥感ともに印象度抜群な"Beautiful Burnout"のサビメロや、そのタイミングに
合わせて天井からグルっと回転しつつステージをピンク一色に照らした何十もの照明美にいたく心を
震わされたり、"Two Months Off"の軽快ビートや"Rowa"の上げ下げループに合わせてステージの
あちこちから延びてきたニョロニョロのデカいやつが7色に光ったり赤黒く点滅したりするのを眺めて
えらく興奮したりと、着実かつ確実にアガらされる周囲とミー。

 (ニョロニョロ)

そんな周囲の絶頂度がいよいよ飽和領域に至ったところで繰り出された"Born Slippy Nuxx"、
そのたった5秒程のイントロ一発のみで15000人もの観客全員を即刻KOへと導いた瞬間、
それが訪れると同時に明るく照らし出されるフロア、それによって示され、天井へ向かって徐々に、
かつ高々と掲げられていく30000本もの腕とこれら全てが指し示す光景は、究極の陶酔美と
いっても差し支えなかったほどでした。

 

また終盤においても、"King Of Snake"中の「キュキュキュキュ」という破裂音に合わせて、
数多もの照明が線香花火のごとく点滅する様や、台風をイメージさせる渦巻き型照明の点滅に
合わせてうなりをあげていく"Pearls Girl"のブレイクビーツ、徐々に高まっていく上昇フレーズの
臨界とともに訪れた絶頂ゾーンの伸びが異常な盛り上がりを作り出した"Moaner"と、最後の最後まで
そのテンションが下がることはなかったです。

なるほど、テクノがもたらす一体感も悪くないと教えられた夜。いや、本当に楽しかった…!


<今日の立つ鳥、後を濁しまくり>

  67 :TR-774:2007/11/25(日)
  今帰ってきた。おまいら乙でした。
  何はともあれ、帰りの京葉線で脱糞したやつちょっと来い

  71 :TR-774:2007/11/25(日)
  >>67
  脱糞kwsk

  74 :TR-774:2007/11/25(日)
  >>71
  詳しくもなにも、そのままだ。
  車内に人糞がぶちまけられてた。周りには異臭が立ち込めてた。
  せっかくいい気分だったのに、まさかシメが糞とはな



<今日の一枚>

 「071124Live From OBLIVIONBALL@MAKUHARI」 / Underworld

家に帰るやいなや、そのままアマゾンで即注。
いや、あのゾーンを一度体感しちゃったら、そら買わざるをえませんわってお話。
あの音と映像と光のシンクロ美やニョロニョロが舞い踊る様を思い出しつつ、聴き浸ろうと思います。


<今日の無駄T>



#黒基調なところはよくあるメタルTと同じなれど、肝心のデザインが根底そのものから違いすぎ。
 インナー用レパートリーとして使用の予定です。



<セット・リスト>

01:Nu Train
02:Crocodile
03:Boy, Boy, Boy
04:Cowgirl 〜 Rez
05:Beautiful Burnout
06:Glam Bucket
07:Two Months Off
08:Rowla
09:Born Slippy Nuxx
10:Shudder / King Of Snake
11:Pearl's Girl
12:Moaner

13:Jumbo


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