Red Hot Chili Peppers.


2007年6月6日: 東京ドーム>

本来なら今年の3月に行われる予定だった筈がアンソニーの急性肺炎により延期となっていた
レッチリのライブを観に水道橋は東京ドームまで行ってまいりました。それにしてもドームとは。
元々レッチリに対してあんまし「凄い!」ってイメージ持っていなかったんで、ことさら凄い事
のように感じられましたね。だってここ4年で、ドームでライブを観たバンドって、せいぜいが、
 ・2004/07/20:エアロスミス 
 ・2006/03/24:ザ・ローリング・ストーンズ 
 ・2006/04/08:ボン・ジョビ 
 ・2006/11/30:ビリー・ジョエル
と、ほら、これぐらいですもん。

この豪華メンバーの中にレッチリ…?なにか違和感が… ま、ボンジョビも演ってるぐらいだし
アリっちゃアリか、などと妙な納得の仕方をしつつ、彼等の登場を今か今かと待っていた最中に
早速始まった導入のジャムセッション、すかさず前のめりになったところで聞こえてきたイントロ
があの"Can't Stop"という、ファンク汁ほとばしるテンションの中にほのかな哀愁感をも内包した
ミクスチャーロック最高峰をいきなり聴かされて、場内の空気は即レッドゾーンに。
またフリーのベースと動きが曲にすっごく合ってるんですよね。むきだしの脳に電極付けられて
ビリビリやられてる実験ザルばりな横痙攣が、このホッピー極まるリズムに妙にマッチしてて、
そこがまたキモおかしくて最高、みたいな。あとハチミツ見つけて小躍りしてる小熊みたいな
アンソニーの動きに、周辺女子の皆様がいきなり萌え狂ってました。

で、2曲目が去年みたフジ06の時と同じく"Dani California"だったので、こりゃほぼフジと
同じ流れでいくのかなーって(前日もそうだったみたいだし)、それだと正直つまらないなーって
頭の中でブーたれてたところへきたのがよもやの"Otherside"…!
すかさず頭の中で「━━━(゚∀゚)━━━!」を高速点滅させつつ、アリーナの方から聞こえてくる
シンガロングに合わせて、声も枯れよと「How long〜How long〜」の大合唱。どちらかといえば前期
のファンク全開路線よりも、その中に憂いを帯びた悲しげメロディーが混ざり始めた「Californication」
以降の後期路線の方が好きなミーにとっちゃ、これ最高の選曲でしたね。

その後、フルシアンテ節全開な上にお前ちょっとやりすぎだろって突っ込みたくなるくらい
弾きまくりだった"Fortune Faded"にて更にテンションを上げさせられたところへ、これまた
よもやの"Parallel Universe"くらって、ブンブンとうなりをあげながら刻まれるフリーの
ベース音とそれに合わせて徐々に加速していく曲テンションに、グイグイ引き込まれていく
自分をそこに再発見しながら、あれ?レッチリってこんなに良かったっけ?などと今更すぎる
所感を「照れ隠し」という名の客観視点から呟く羽目に。

ライブはそのままジョンのソロへと繋がっていったわけですが、気分的に荒みまくっていた
ところへクスリをブチこみすぎてほぼ廃人寸前だったといわれるソロ時代の狂態フィールを
期待してた自分にとっちゃ、いまいち無難というかありがちというか、若干退屈といわざる
をえない内容でここはちょっと期待はずれでしたね。けどその直後にプレイされた"Snow"が、
ただでさえリフが只事じゃないレベルで印象的すぎる上に、ここ最近調子を崩し気味と言われて
いたアンソニーの声も実にクリアかつ伸びやか、そこへこの日ひときわ高い存在感を放っていた
ジョンのコーラスサポートが絶妙なバランスで絡んで、尋常じゃないレベルの完成度を作り
だしていました。

そこから続いた中盤最大のハイライトが、スティーヴィーワンダー元曲をほぼ原型とどめなく
なるくらいレッチリ風に弄り倒した"Higher Ground"。たぶん今日全体を通してもここが
一番盛り上がってたんじゃないでしょうか。何せファンクこの上ない出だしのベース音が炸裂
した瞬間、アリーナはおろかスタンド席でさえ跳ねる人が続出して、普通に地面が揺れていた
くらいですからね。少しはっちゃけすぎた後ろの人のせいで頭上からビールが降ってきたのには
若干イラっとしましたが、そんなアクシデントを軽々「些細なこと」と思わせてくれるくらい
多幸感に満ち溢れていた時間帯だったかなと。そんな過熱っぷりを心地よくクールダウンさせて
くれた次曲"Strip My Mind"もまた、ライブの全体構成という視点において秀逸な繋ぎだった
と思います。

その後に続いた終盤戦においても、フリー変幻自在のバッキングから迸るグルーヴが極めて
個性的かつ印象的だった"Around The World"、疾走感みなぎるヴァイヴをくらって個人的
には一番アガらされた"Right On Time"、チャド&フリーのリズム隊コンビ叩きだすお遊び
感覚満載のツインドラムを前に楽しさ一杯の気分にさせられた"Hump De Bump"と、疾風怒濤
から一気呵成にたたみかけられたところで、お馴染みのあの曲…そう"By The Way"をくらった
日にゃ盛り上がらないほうがどうかしてるでしょ…!ってなわけで頭のてっぺんから足爪の先に
至るまでものの見事に仕上げられる羽目に。

いや、前日のセット見た時は「ほぼフジと同じじゃん」みたいな、僅かばかりの失望感が
ないでもなかったんですが、よもやここまでガラっと変えてくるとは思ってもみませんでした。
そしてレアとはいえラストの"Power Of Equality"にそれほど思いいれのなかったこの身と
しては、これでアンコールに"Under The Bridge"と"Give It Away"があればもう本当に言う
ことナシだったんですが、それはいくらなんでも贅沢すぎ? まあフジ06に参加したこの身と
しては、ほぼ曲カブりしないこの日のライブはメチャ当たり日だったと思います。


<今日の駄目な人>
 
777 :名盤さん:2007/06/06(水) 22:16:12
 誰か俺をなぐさめてください。
 今日振り替えだと知らずに家でごろごろしていた。
 チケット買ったのに しかも二枚   しぬかな


 #全俺が泣いた…


<今回のライブに絡んだレッチリ動画色々>
 ・出だしのCan't Stop
 ・前日公演のUnder The Bridge


<今日の一枚>

 Californication / Red Hot Chili Peppers

上でも書いたけど「Blood Sugar Sex Magik」以前のファンク全開路線よりも、それと哀愁メロが
同居し始めた後期路線の方が好きなミーにとっちゃ、これがレッチリ最上位アルバム。飛びぬけた
名曲はないけれど、とにかくハッピーで、相変わらずファンキーで、それでいてちょっとしんみり
くる「大人ロック」完成形の一つだと思われ。
繰り返し聴いても飽き難くて音疲れしにくいところもポイント高し。


<今日の無駄T>



#新譜のジャケをまんまプリントという面白みの欠片もない前面に比べると、
 背面の意味不明な渦巻きははっちゃけ度高くてなかなかナイスだと思います。



<セット・リスト>

00:intro(Jam)
01:Can't Stop
02:Dani California
03:Otherside
04:Jam 〜 21st Century
05:Fortune Faded
06:Warlocks
07:Parallel Universe
08:〜John Fruciante's Solo:(SOS)〜
09:Snow(hey oh)
10:Higher Ground
11:Strip My Mind
12:Around The World
13:Hey
14:Right On Time
15:Jam 〜 Hump De Bump
16:〜flea's solo:(Sunny)〜
17:By The Way

18:Drum Solo 〜 Flea's Trumpet Solo
19:I Could Have Lied
20:The Power Of Equality


[ MenuNext ]