Hughes/Turner Project.


<2004年2月7日: 渋谷クワトロ>

理不尽大王リッチー率いるあのレインボーの後期を支えた名ボーカリスト:ジョー・リン・ターナと、
これまた唯我独尊天皇ブラックモア率いるディープパープルの3期を支えた名ボーカル兼ベーシストの
グレン・ヒューズ、この2名が組むユニットプロジェクト:HTPが、クワトロみたいな小さいハコで
ライブをやると聞いた日にゃあこら見にいかざるをえないわーというわけで、前日のハロウィンで足に
キたダメージを無理矢理おしてテクテク行ってきましたよ渋谷まで。

で、会場に入って周り見渡せば、まーいるわいるわオッサンどもが。一体全体どこから湧いてきたンだ
この不良中年ロッカー共は?ってか僕自身オッサンと呼ばれても全然おかしかない年に片足突っ込んで
るンであまりデカい口たたけない上にそんなこと言おうもんならブライト辺りに「なにを言うか!」と
怒号を浴びせられつつ鉄拳制裁くらった挙句のはてに「殴ってなにが悪いか!」(悪いに決まってる)
的に逆ギレされそうな気がするので、できるだけそういった差別発言はやらないことにしているのですが
今日は無理これは無理、だって平均年齢40くらいだよマジで。だけどそのヒートぶりはむしろ今日びの
若者をも凌ぐ勢い、ここまでいくと逆にカッコいいやね。まさに老いてなお盛んといった感じ。そんな
最高にクールなロック・ジャンキー供を眺めつつ、僕もこんな年の取り方をしたいナァと思いました。

で、肝心のライブなんですが、やっぱ1回は伝説目の当たりにしとくもんだなーって感じの内容でして、
まず左を見ればあのグレンが…おおー伝説だー、そして中央にはジョーリン!ぬおーますます伝説だー!
そしてその右には…グレンにジョーと来れば当然そこにはあの…あのリッチーが…!と思いきやなんと
そこには無脳症並のカエル面した梶山章が鎮座なさっていたというわけでありまして、それを見た途端
僕の顔はすっかりひん曲ってしまいました。やむなく僕は脳内フィルタをフル稼動させてそのカエル面
を無理矢理リッチーに変換しはじめたわけですが、こいつがまた無駄に客を煽る動きしやがって正直
ウザいったらありゃしない。こらリッチーはそんなに動かない、とりあえずお前のギターが上手いのは
よく分かったから、頼むから黙って憮然としながら弾いててくれ、そんな僕の必死の懇願がステージ上
のカエルに届くことは永遠になく、僕は最後まで延々と中途半端な伝説を見させられるのでありました。

それにしてもげに素晴らしきはグレンとジョーリンの両巨頭ナリ。
ヒョォォォォってなフィールで会場中に響き渡る、もはや超音波と聞き間違えんばかりのグレンの
ハイトーンと(振動波で頭蓋骨が割れかけました)、多少透明感は失ったもののそのぶん野太さが
でてきたジョーリンのシャウト(でも太りすぎ、インギみたいになってた)は流石に流石というしか。
そこへもってきて往年のレインボーやパープルの名曲やられた日にゃあそら親父共は失禁もんだわな。
実際、前にいた背の小っちゃいトッツァンの喜びっぷりというか、その飛び跳ねっぷりには確実に
常軌を逸した何かがありまして、その有り様たるや例えるならみの躍り?(背中に藁をくくりつけて
それに火ィつける拷問)もしくはせむし男のカンカン躍りとでも申しましょうか?僕は思わず彼に
ノートル君、もしくはダム夫という徒名をつけてあげたくなりました。そんな狂乱と錯綜状態の中、
グレンがヒョョォォォォ!と雄叫びをあげれば、ジョーリン負けじとショォォォってな超絶シャウト
ブチかまし、その右で無脳症のカエル面がギターをかき鳴らせば、ノートルダム悶絶のたうちまわる。
うーん、どこの精神病院ですかここは。僕は思わずドグラマグラーッ!と絶叫しつつ最後の曲"Burn"
とともに、自らもその狂気の炎の中で燃え尽きていくのでありました。

てなわけでセットリスト。

01:Hold On
02:You Can,t Stop Rock&Roll
03:Death Alley Driver
04:Losing In My Head
05:Alone I Breathe 
06:Mistreated
07:Street Of Dreams
08:Gettin Tighter
09:You Keep On Moving
10:I Surrender
11:Ride The Storm

12:Devil,s Road
13:Spotlight Kid
14:Burn

正直ヒューズ/ターナというバンドの未来を何も考えちゃいないだろ的懐メロにたよりすぎな
部分は確かにありつつも、そら、こんな夢のようなセットやってくれたら嬉しくないわけありません。
そして僕は心の底から伝説をフル堪能できたというわけです。やー良かった良かった。


さ、いよいよ明日は本命です。アイアンメイデンです。この日をどれほど待ち焦がれていたことか。
この日のためにメイデンのアルバム全部聞きなおしたし(ライヴ盤含めて全部で18枚あります)、
オープニング/セカンドアクトのソナタアークティカとアークエネミーもツタヤでCD借りまくって
完全予習したよ(全部で11枚あります)。とにかくね。もうね、すごくすごくすごく楽しみにしてた
んですよ、やーはやく明日が来るといいナァ、ライヴいい席だと良いナァ、そいや席どの辺だったっけ?
ちょっと確認してみようかな、確かこのコートの中に、と…ってあれ?あれ?あれ? ないぞ?ないぞ?
あれ?あれ?ない!ない!本当にない!?だ‥誰だ?誰だ?落とした僕のチケット持ってるのは誰だ?
誰だ?誰だ? あ、俺だった…!

聞かせてくれそんな話しを!.
(聞けませんでした)


ガチだー!ガチで落としちまったー!ウオー!


まだ寒い盛りの2月…
僕は渋谷センター街HMV近くの階段に腰掛けながらアギアギ?って呟きました。
いつまでもいつまでも呟いてました。

(挙句、女子高生っぽいのに「コイツ邪魔くせー」とか言われたわ)


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