PUNK SPRING 07.


<2007年4月1日: 幕張メッセ>

海外からは「Living End」「MxPx」「SugarCult」「Zebrahead」「The Academy Is...」
などの勢いある若手から、今をときめく「Panic! At The Disco」、そして「311」
「Bad Religion」などの地力あるベテラン勢を、
邦楽においても「Polysics」「Beat Crusaders」「ELLEGARDEN」などの実に魅力的な
ラインナップを集めて昨年春、見事に大成功を収めたパンクの祭典「パンクスプリング」。
その好評を受けて今年も開催されるというので、これはどう考えても行くしかないだろと
時期はずれのピーカン照りな中を、幕張はメッセまで行ってまいりました。


マキシマム・ザ・ホルモン



で、着いた途端に取るものも取りあえず見たのがこの「マキシマム・ザ・ホルモン」

〜参照情報〜
 メタル、パンクにミクスチャーともう何でもござれの悪食サウンドと、日本語であるにも
 かかわらずまったく意味を解さない独特の言語感覚でもって人気を博す東京は八王子出身
 の4人組。

おそらく今、邦楽勢の中じゃ最も勢いのあるバンドの一つじゃないですかね。もはやパンクと
いうジャンルを悠々と飛び越えた感のある(いや、ハナっからその枠の中にゃ入ってなかったか)
その「何でもアリ」なサウンドでもって、並居るパンクキッズどもを軒並みKO。
まだ開始から2分も経っていないと言うのにみんな飛ぶわ跳ねるわ暴れるわと前方ゾーンは
もう大変なことに。実際、僕自身"What's up, people"における曲後半の疾走パートでヘドバン
しすぎて、いきなり首の筋を痛める羽目に。

ただ別の友人に聞いたところによるとフロア中腹以降の客はわりと「( ゜д゜)」な感じ
だったようなんで、初見の人にはその「ごった煮」感があまり受け入れられなかったのかも。
まあパンク聞きに来ていきなりデス声くらったらそら確かに面食らうかもですね。勢いだけ
でゴリ押ししてんのかと思いきや、よくよく聞いてみりゃメタル的にクレバーな音の重ね方
してたりするところが僕はかなり好きなんですが。

ただ、フェスみたいな初見客が多い状況下で、いつも通り「麺固こってり」(思いきり体を
反らした後、一気に体を前方へ突き出してこう叫ぶことを客に強いる一種のお約束、ちなみ
にほぼ強要)やるってな正直いかがなものかと思いました。ってか、それやってる時間ある
ならもう1曲やれるじゃんって。ま、舞台はけ直前の「もっとー」ってコールに対しての返し、
「うるさい!この後はもうアイアンメイデンしか演奏しません」が文句なしに面白かったんで
差し引きチャラで許容しますけども。

 01:What's up, people!?
 02:包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ
 03:絶望ビリー
 04:ぶっ生き返す!!
 05:恋のスウィート糞メリケン
 06:恋のメガラバ


DEAD TO ME



〜参照情報〜
 「NOFX」のファットマイクが携わるPUNKレーベル「FAT WRECK CHORDS」の秘蔵っ子。
 「STIFF LITTLE FINGERS」や「BUZZCOCKS」からの影響を受けたといわれるメロディック
 臭強めのパンクサウンドが売り。

出だしの「ボク、チキン、ニワトリデース」という妙なMCを聞いた時、こいつら本当に
大丈夫?と思わず考えこんでしまった、そんなミーの偏見をまず1曲目の"Don't Lie"で
成層圏の彼方まで吹き飛ばしてくれたその瞬発力はなかなかのもの。加えてストップ&ゴーが
顕著なホッピー感強めの曲調は文句なしに気持ちいいし、良いパンクバンドの必須条件である
「腰を落としてのダウンピッキング」もしっかり様になってる辺り、こりゃ存分に大化けする
可能性ありかと思いました。まだ単独は難しいだろうけど、何かのフェスでもう1回見てみたい
バンドかも。

 01:Don't Lie
 02:Something New
 03:Visiting Day
 04:Splendid Isolation
 05:Writing Letters
 06:Special Professional
 07:Still Heartbeat
 08:By The Throat


The Summer Obsession



〜参照情報〜
 2004年結成。フロリダ州はジャクソンヴィル発のメロディック・エモ系パンク。
 その音楽的ルーツは、Police、Blink-182、Foo Fighters、Doorsなど実に多種多様。
 2006年8月にリリースしたデビュー盤が目下ヒット中の要注目新人。


事前予習の際、これいい曲だわーと思っていた"Death Said"を1発目にもってこられた
時点でもう気分はすっかり前のめり。だけどそのノリは思ってたより遥かにアクティブで
しかもかなりラフ。その上、演奏があってないにもかかわらずそのまま強引に力押ししたり、
おもむろにズボン脱いで「チンチン!」と吠えたりなど、ほぼ2歳児ばりのプリミティブ
っぷりをもいかんなく発揮し始める始末。というわけでアルバム試し聴き時点じゃもっと
エモくてスタイリッシュな感じの今時青春パンクとばかり思っていたそのイメージを出だし
10分ですっかり覆されることになってしまいました。

ま、個人的には綺麗かつ繊細にまとめられるより、野性味溢れる感じにはみだしてくれた方が
はるかに好みなのでこの方向性は全然アリ。終了間際で演奏そっちのけにベースを放り投げて、
そのまま脈絡なく客席ダイブかましていったベースの人の野生児っぷりも合わせて気に入って
しまったので、今後ともホーミングしていこうかと思います。

そいや勢いだけで突っ走ってた他の二人に比べて、妙にドラムだけが洗練された感じの
技巧派だったのがちょっと気になってたんで、後で調べてみたら、なんか元グッド・シャーロット
にいた人みたいですね。フロントの素人二人を必死に支える孤軍奮闘のプロ1人といった
その構図が生み出す演奏のアンバランスっぷりが妙な味を演出していたと思うので、しばらく
この構成のままでいってほしいかなと。


Better Luck Next Time

〜参照情報〜
 各方面より絶賛された1stで06年メロパンク・シーンの話題を独占したLA出身の5人組。
 ケタ外れの超一級メロディーとスピード感抜群の爽快サウンドを併せ持つ独特のセンスに着目。


もろに時間がカブってる「THE RED JUMPSUIT APPARATUS」とコレとどっちを見るか事前に
ずっと迷っていたんですけど、結局、より青春パンクっぽい瑞々しさに溢れている「BLNT」
の方をチョイスすることに。メイン裏手にある隔離ステージでのプレイだったんで客入りが
若干心配だったんですけど、フロアは予想以上に多くの客で賑わってましたね。

で、登場するやいなや大量のステッカーを撒き散らすと同時に演奏スタートという入り方が
最高に見栄えが効いていたのに加えて、"Motionless"や"Carry On"を始めとするファストで
メロディックな曲調がメロコア好きパンクス達のハートをもろ直撃ーって感じでもう開幕から
ダイブ&モッシュの雨あられ。そのドサクサに紛れて中央スペースでたった1人ハードコア
野郎と化してテコンドーやウインドミル連発してた勘違いお兄さんにゃ笑いました。しかも
よくよく見たらお洒落タトゥだとばかり思っていた背中の模様がまごうことなきモンモンだし。
テコンドーかと思いきや、実は本当のヤクザキックだったというオチに身を戦慄させつつ、
しかしそんな彼をまるで避けようともせず一緒に盛り上がっている周囲のパンクキッズ共に
頭を垂れつつ(気づいていなかっただけという話もある)、ともに一体感満点のステージを
満喫しまくった時間帯、音楽は職業を超えるという事を確かに信じられた30分でした。

 01:Without You
 02:Motionless
 03:Dear Paige
 04:T.G.I Goodbye
 05:Carry On
 06:Anything Less Than The Best
 07:Days Like Today
 08:Second Chances
 09:Tomorrow, Maybe
 10:Shoebox Memories


The Toy Dolls



〜参照情報〜
 今年バンド結成26年、オリジナル・アルバムとしては14枚目の新作も完成。
 いつの時代もポップでコミカルな音楽を貫くスタイル、一度聴いたら忘れられない
 インパクト、アンサンブルに裏打ちされたポップでコミカルなパンク・ロックは、
 メロコアの元祖といった評価もある英出身のキング・オブ・ビート・パンク。

さて、いよいよ本日2番目のお目当てであるところの(一番はNOFX)「Toy Dolls」登場。
「Final CountDown」のコミカル版とともにオルガが箱の中から飛び出してくるという実に
彼らっぽい登場シーンから始まって、独特の甲高い声で「オヒサシブリネ」と挨拶かました
かと思えば、あの人をくったようなおちょくりサウンドをいきなりテケテケ刻み始めるという、
このどこを斬っても「トイドールズ」節な掴みに場内はまず騒然。

更にはパンクを名乗るにしちゃ少し巧すぎるだろと突っ込まざるをえない程の卓越した
演奏力といい、腰をかがめたコミカルスタイルでステージ左右をダックウォークという
奇抜なアクションといい、グーバー&ダンカンの「ニワトリだろ!」と被せたくなるような、
とことん気負いを感じさせない赤モヒカンといい、本当どこをとっても面白すぎるその
ステージングに場内はもうアゲアゲ状態。

その上、中盤辺りでオルガがストリップやったり、巨大シャンパン持ち出してきて「ノドガ
カワイター!」の一言とともに先端から花火をパーンやったり、ラストの"Wipe Out"じゃ
ギターを風車のごとく回しはじめたりと、そのエンタ精神まで際立ってるときた日にゃもう
楽しくならないわけがない!というお話なわけで、従来のファンのみならず初見さん達をも
その魅力でグイグイ惹き込んでガッツリ虜にしちゃってた辺り含めて文句のつけようがない
本日のベストアクトだったかなと。これはどう考えても単独いかなきゃ駄目でしょ。9月に
来るらしいので今のうちからマスト印打っとこうと思います。それまでにネリーさん踊り
覚えとかなきゃ。

 01:Dig That Groove Baby
 02:Barry The Roofer
 03:Bless You My Son
 04:My Girlfriend's Dad's A Vicar
 05:Fisticuffs In Frederick Street
 06:The Lambrusco Kid
 07:Toccata In Dm
 08:Glenda And The Test Tube Baby
 09:She Goes To Fino's
 10:Nellie The Elephant
 11:Wipe Out!


Dropkick Murphys



〜参照情報〜
 荒ぶるパンク魂に、バグパイプ/マンドリン/ティンウィッスルなどのアイリッシュ
 民族要素を融合させて、今日もパンクシーンの先頭を突っ走るボストン出身の7人組。


「Toy Dolls」で使い切った体力を充填すべく最後方で胡坐かきながら健さんのステージを
流し見した後、そろそろ頃合かなとマーフィズ待ち連中の群れに入ってみれば、そこでは
一部外人がとんだ奇行を繰り広げていたというわけで、
 ・まだ左側で健さんの演奏が続いているにもかかわらず、「Let's Go Murphys!!」
 ・その後、J-CHAIRなる環境保護団体が説明を始めても、「Let's Go Murphys!!」
 ・司会が出てきて「この後はおまちかねエルレです!」 完全シカトで「Let's Go Murphys!!」
まだ始まってもいないというのに僕は早速、すげー外人無敵すぎるわー、と心底思わされる
こととなりました。ってか、いくらなんでもお前ら先走りすぎだわ。

開始前からそんなんでしたからね、1曲目"For Boston"が始まった瞬間のアガりっぷりっと
きたらぶっちゃけ筆舌に尽くしがたいものがありました。なにせ即モッシュに巻きこまれたかと
思えば、何故か隣の人と強引に肩を組まされて、そのままコサックダンスに興じさせられる羽目
と相成るというね。そこへ、両隣が二人とも女の子な上、彼女らの方から積極的に肩を組んできて、
しかも体を密着させてくるという、ミーのようなキモオタ属性にゃ普段は到底考えられないような
スペシャルでハニーバニーな事象が重なり、僕はすっかり嬉しくなってしまいました。
よもや知らぬままで終わる筈だったフォークダンス的青春の幻影を、そしてその甘酸っぱさを、
こんなところで堪能できることになろうとはとは夢にも思っていませんでしたよ。パ、パンクは
キモヲタを救う! ちなみに肝心の音の方は微塵も聞いていませんでした、実際それどころじゃ
なかったもんで。

そんなわけで帰宅後にヘビーローテ。パンク・ミーツ・ケルト的な手法が面白いところへ加えて、
本来なら民族要素が色濃く持つライト・ニュアンスを微塵も感じさせない漢臭さ満点のシャウトが
如実に魅力的かなと。もう一度、あの多幸感を満喫してみたいので再来日希望アゲで。

 01:For Boston
 02:The Legend of Fin MacCumhail
 03:Heroes From Our Past
 04:I'm Shipping Up To Boston
 05:Citizen C.I.A.
 06:Sunshine Highway
 07:Captain Kelly's Kitchen
 08:The Gauntlet
 09:Never Alone
 10:Your Spirit's Alive
 11:Black Velvet Band


Jimmy Eat World



〜参照情報〜
 アリゾナ州メサより94年にデビュー後、甘く切ないメロディと厚みのあるギターサウンドを武器に
 定評を博し、01年の「ブリード・アメリカン」でその人気を不動のものとしたエモーショナルコア
 の筆頭格。


「Murphys」でまたもや尽きた体力をリカバリーさせるべく、再び最後尾へ下がっての「JEW」観戦。
初っ端から彼ら最大のキラーチューン"Bleed American"を投入したかと思えば、続けて疾走ノリの
"A Praise Chorus"、更にはエモ色全開の"Work"と出だしから一切出し惜しみなしの完全勝負セット
でもっていきなり畳み掛けられりゃ、そら盛り上がりもしますわなってお話なわけで、ステージング
自体はほとんど動きなし、演奏にひたすら注力な地味目のスタイルであるにもかかわらず、まあ観客の
テンションの上がること揚がること。当然のごとくフロントはダイバー続出のモッシャー跳梁跋扈により
遠目から見てもあそこだけにはいたくないと思わせるような煉獄と化すことに。

そんな貫禄たっぷりのショー、最大の見せ場はやっぱし"Sweetness"でしょう。ただでさえ美メロ
であるところへ加えて哀愁度満載ときてますからね。特に曲後半のハミング「U〜U〜U〜UU〜♪」の
大合唱における涙腺の刺激っぷりね、これかなりヤバいものがありました。実際、真横の女の子なんか
熱唱しつつガン泣き一歩手前レベルでチョチョ切れまくりでしたからね。なるほど、これがモテかと。
直情パンクとはまた異なる、哀愁エモの底力をじっくりと堪能させてもらった50分でした。

 01:Bleed American
 02:A Praise Chorus
 03:Work
 04:Futures
 05:Big Casino
 06:The Middle
 07:Get It Faster
 08:The Authority Song
 09:Blister
 10:Sweetness
 11:Pain


A New Found Glory



〜参照情報〜
 グリーン・デイに触発され1997年に結成されて以降、「BLINK182」とのツアーから人気を
 集めだし、2002年リリース「Sticks & Stone」にて遂にブレイク。今やメロディックパンク
 の中堅代表格として世界中のパンクキッズから熱い視線を浴びるフロリダ出身の4人組。

トリの「NOFX」へ向けてエネルギーを蓄えるべく、先ほどの「JEW」と同じように、そのまま
最後尾でウォッチモード状態のまま「NFG」を連続観戦することに。

これまた出だしからモッシュ&ダイブによる前方付近のカオスっぷりが「JEW」の時にも
増して大変なことになっていましたが、僕自身、演奏している曲自体にはそれほど魅力を感じ
ませんでした。いや、確かにエモいしメロディックだしスピード感もあるんだけど、それぞれの
要素が突き抜けきれていないとでもいうか、バランスが取れすぎてて面白みがないとでもいうか、
またメロディの良さにおいては「JEW」、疾走感においては「BLNT」という、それぞれの「極」
を既に体感済みだったのが重なったこともあり、そのステージングにおいての「激しさ」は評価
に値すると思うけれども、それ以外はどこか薄っぺらい印象しか感じられませんでしたね。

そいや終わり間際に「He is KONISHIKI--!!」とコールされてたハート様級のデブのベースが、
図にのって客席ダイブ敢行してましたけど、下敷きになった人は大丈夫だったんでしょうか?

 01:Understatement
 02:All Downhill From Here
 03:Hold My Hand
 04:Forget My Name(tokyo only)
 05:Better Off Dead
 06:Truth Of My Youth
 07:It's Not Your Fault
 08:Hit or Miss
 09:Something I Call Personality
 10:Coming Home
 11:Intro
 12:My Friends Over You


NOFX



〜参照情報〜
 グリーンデイ、ランシド、バッドレリジョン等と並び、パンク第2世代と呼ばれる80年台
 より現在に至るまでシーンに多大なる影響及び衝撃を与え続けている米パンク・ロック界の
 重鎮。そのメロディー・センスや、政治的な姿勢、スタイルなどに影響を受けたバンドは
 数知れず。

ラストを飾るはお馴染み「NOFX」。このときの為にと蓄え続けたこの体力、微塵の余力も
残してなるものかとばかり、これまでのウォッチモードを解除し、完全バトルモードへと
シフトオン。いざ戦場へと位置取り完了したところで、ステージ背後に飾られてる「NOFX」
のバックドロップが、これまで出演してきたバンド達のそれに比べてあまりにも小さすぎる
ことに、いや、バックドロップというよりほとんど一杯飲み屋の看板レベルであることに
気づいて思わず苦笑することに。こういう人を食ったようなセンスとかそこから漂うそこ
はかとないパンク臭も「NOFX」の魅力の一つかなと。

でもって開始早々、"Dinosaurs Will Die"・"Stickin In My Eye"と、耳障り抜群のリフ
に屈指の疾走感をも併せもつキラーチューンを連弾で叩きこまれた場内はアイドリング抜きで即、
絶頂状態へ。その勢いたるや、中盤よりやや後ろ辺りの位置でさえ前方から派生してきたモッシュ
の波に無理やり巻き込まれてもみくちゃにされるというぐらいのもの凄さ。
この出だしの勢いを加速剤として更に畳みかけてくれるのかなと思いきや、そんな当たり前の
展開を良しとしないのが界隈一のねじくれもんである「NOFX」流なのか、その後、曲間毎に
井戸端めいたグダグダMCを入れまくって、せっかく掴んだいい流れを自らブツ切るわ、放り
投げるわと、早速、別の意味での「らしさ」を全開発揮しはじめるというね。

何せ「いきなりだけど今日のランキング発表〜 1位、トイドールズ、2位、マーフィーズ、
3位?俺たちー、イエー!」ですからね。「東京は世界で一番の場所だぜ!」と叫んで皆を
一旦喜ばせておいてから「ま、今日はエイプリルフールだけどな」と、こうですからね。この
適当感というかナメきり度合というか、仲良くやっていこう、みたいな姿勢一切なしなところが
彼等を米利堅有数のパンクバンドたらしめている最大の要因だろうと僕は勝手に思っているわけ
ですが、まあ合わない人にはとことん合わないだろうなーって。

ま、だけど、ほら、そういう部分は確固たる実力あってこそのご愛嬌みたいなもんですからね、
当然キメるべきところじゃしっかりキメてくれていましたね。特に現「Toy Dolls」旧「Snuff」の
ダンカンを交えて"Arshole"をプレイするという、パンク革命期を彩った米英2バンド夢のコラボ
合戦から、至高の名曲"Linoleum"へと繋げた流れとか、出だしにおける印象度抜群のリフをポロっ
と弾いて場の「溜め」を作っておいてから一気に曲へとなだれこんだ"Separation Of Church…"
とかね、ちょっとアドレなすぎて訳わかんなくなるぐらい興奮しましたね。また、そういった
タテノリ系疾走曲の後に"Franco Un-American"とか"Eat The Meak"だとかの中期クラッシュ
的なレゲエ色濃いナンバーで横ノリを演出する「抜き」の時間を作れるのも、引き出しの多い彼等
ならではの強みだなあって。

というわけで音づくりにおける表、そのパフォーマンスにおける裏部分ともに楽しさ満載の
1時間(人によるけど)だったわけですが、本編終了後のアンコールぐらいはまともに応えて
くれるのか思いきや、"I Wanna Be An Alcoholic"というアホみたいに短い曲をいかにも
「ついで」っぽくプレイしてから、尻にマイク当てて放屁かましつつさようならー、これまた
どうしようもなく最低で最高の幕退きというね、最後の最後まで徹頭徹尾「らしさ」が光った
ステージだったと思います。

 01:The Decline 〜 Dinosaurs Will Die
 02:Stickin' In My Eye
 03:Franco Un-American
 04:She's Nubs
 05:Murder The Government
 06:Perfect Government
 07:The Brews
 08:Arshole(Vo:Duncan(Snuff))
 09:Linoleum
 10:Eat The Meek
 11:Seeing Double At The Triple Rock
 12:Bottles To The Ground
 13:What's The Matter With Parents Today
 14:Bob

 15:I Wanna Be An Alcoholic


<今日の無駄T>



#本日「NOFX」前までで、一番最高のステージを見せてくれたトイドールズのTシャツを
 リスペクト買い。とことん黒ばっかな普段のメタルTと違って、青配色ってこれまた新鮮ー
 しかもギリギリ着れなくもな… うーん微妙〜


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