HELLOWEEN.



<2004年2月6日: 渋谷AX>

公演2週間前に確認したらまだチケットあるってンで、思わず勢いでキープしちまいましたよハロウィン。
まあカイ・ハンセンもマイケル・キスクもいない今のハロウィンを見に行って一体何の意味があるのかという
疑問がないでもなかったンですが、1回どうしても生で"Power"聞いてみたかったンで、ついつい。

で、ハロウィンといや、スコーピオンズ・アクセプトと並んでジャーマンメタル御三家に例えられるドイツ
の至宝ですが、正当派ハードを地でいった前述2バンドとは多少異なるメロスピ路線を突き進んだバンドでも
あるので、当然のごとくその音徴はベタ&ハイスピード。いわゆるアニソン的なカッコ良さに例えられること
もある彼等の音に、最近すっかり落ち着いてしまった(プログレに走りがち)感のある僕が果してついていける
のだろうか?という不安もなきにしもあらずだったのですが、オープニングアクトのトワイライトニングがそんな
僕の不安を一瞬にして吹き飛ばしてくれました。

やーやっぱメロスピいいわー!力強いリズム&リフを刻むドラムとベースの隙間に割り込んでピロピロと疾走
しまくるギターのジャム音聞いてるだけで両足は重低音ストンピング、両手は光速バイブレーション、脳みそ
は高速シェイキング、精神はそのままアッチ側の世界へ?ってな感じでこのままだとトリのハロウィンこいつら
に食われちゃンじゃないかと思うくらい高密度パフォーマンスを見せてくれていたトワイライトニングですが、
同時にメロスピ系の致命的な弱点をも晒けだしていましたね。つまり最初のうちはその高速ドライヴ感におさ
れまくるけど耳が慣れてきちゃうと曲調がみな同じに聞こえてしまって飽きてくるという、まあ僕はこれを
ストラト症候群と呼んでいるんですが、それがもろに露呈してましたね。ま、要はメロスピ系はよほど飛び
抜けたメロディ曲を多数ストックしておかないとネタにつまってアジャパーになるといういい見本だという
ことで。それを差し引けばなかなか良かったですよ、トワイライトニング。

で、肝心のハロウィンなんですが、流石にヴァイキー・アンディ時代以降からの選曲が多いンだろうなァと、
まあ"Power"が聞ければいいやそれで…ぐらい思ってたところへいきなり出だしから初期ナンバーの
"Starlight"をかまされて死ぬほどたまげたのを皮きりに。3曲目にも"Keeper Of The Seven Keys"
ブチかまされてダーシュの七鍵守護神くらったアビゲイルのごとくヒョーってなびっくりツラ晒しつつ
体中から魂という魂を抜き取られる羽目に。他にも初期ハンセン・キスク時代のナンバーが出るわ出るわ、
"Future World"・"Eagle Fly Free"と立て続けにやられたところで、こらこのままいくと弾ァ打ちつく
して後半尻つぼみになるンじゃないかナァと嫌な予想立てたが運の尽き、案の定プシュルシュルってな風船
の空気が抜けていくようなショボ展開を目の当たりにしてしまう羽目に。一瞬本気で帰りかけました。
てかお前ら前半に切り札使いすぎ。観客も観客で新譜と旧作ナンバーの反応に温度差ありすぎ。ついでに
言うならアンディ・デリスはしょうもない下ネタやりすぎ。そらデリヘルと呼ばれても仕方ないわー

そんなこんなでこのままヴォルテージ下がったまんま終ってしまうのかなーと思っていたら後半一気にキましたね。
"Dr Stein"辺りから再びテンション急上昇。そして遂にお待ちかねの"Power"が!このメロディを、この高揚感を、
どこまでも駆け上がっていくようなこのグルーヴを、僕らは待っていたンだー!WE HAVE THE POWER〜さささ最高〜
ってな感じで僕チンすっかり気持ちよくなってイキかけたところで突如曲がストップ、すわ何事ですか?と思いきや
なんと曲中にオ〜オオオ〜オオオ〜ってかけるかけ声の説明なんぞが呑気にも始まっちゃいましてね。もう、ええ〜
って感じ。お前等せっかくつくりあげた流れをブチ壊してまで本当にそれやる必要あったのか?みたいなことを
小1時間問いつめたい気分で胸が一杯になると同時に、その絶頂ハイテンションも地球の芯を突き抜けてアルゼンチン
付近まで超速フリーフォール、後に残されたるはつくり笑いを顔にはりつけつつモッシュのなか息も絶え絶えになって
死にかけてる虫ケラのみでありましたとさ、あ〜あっと。正直あそこは流れのまんま押し切ってほしかったなあ、
そんなんだからお前等超一流になれないンだよ、ぐらい思っちゃいましたが、その辺りの手際の悪さというか不器用さ
もよくよく考えればハロウィンらしいっちゃらしいのでまあ良しとする。メロスピの元祖たる超一流のB級メロディは
フル堪能できたンだし贅沢いいっこナシってことで楽しかったっス。


てなわけで今日の一枚。

 
Keeper Of The Seven Keys Parts 2 / HELLOWEEN

80年代前半にかけてのカテゴリーという意味での”ヘヴィメタル”を好きになれるかなれないかという
ことへのリトマス試験紙にも使えちゃうハロウィン屈指の名盤。とにかくメロよしノリよしスピードよしと
3拍子揃ったこのアルバムに魅了されてメロスピに傾倒した北欧勢は数知れず。まあ、このアルバムを
超えるものを未だに作れないのが今のハロウィンの悲劇でもあるのだけれど、個々の曲の出来具合に
関しては、今でもその辺の速いだけで魂こもってない系クソバンドとは一線を画すものを持っていると
思うので、コレ聴いてみて気に入ったという方は他のアルバムもチェキしてみたりすると良いかも。
(2枚目にはPOWERが入っている
THE TIME OF THE OATH がオススメ)



<セット・リスト>

01:Starlight
02:Murderer
03:Keeper Of The Seven Keys
04:〜Guitar Solo
05:Future World
06:Eagle Fly Free
07:Hey Load
08:Forever And One
09:Open Your Life
10:Dr Stein
11:If I Could Fly
12:Back Against The Wall
13:Where The Rain Grows
14:Power

15:Sun 4 The World
16:How Many Tears


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