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トカゲ王の島:イアン・リビングストン



火山島に住む恐ろしいトカゲ男たちの軍団に連れ去られたオイスター・ベイの若者たち。
奴隷にされた彼等は飢えと死の恐怖にさらされている。
彼等を支配するのは黒魔術とブードゥ魔術を駆使する危険なトカゲ王だ。
苦しんでいる囚人たちを救いだせるのは君だけだ。
だが、君にはこの危険にみちた使命に挑戦する勇気があるか!


世界観重視の作家 イアン・リビングストンが放つアランシア・ワールド冒険ストーリ第6弾。
今回の冒険はオイスターベイという漁師町の近くにポツンとある火山島の中で繰りひろげられます。

本書の一番の特徴として、ストーリー全体に、閉鎖色の強い地域が持つ独特のおどろおどろしさが
漂っていることがあげられ、これが実に上手い具合にハマっていてグーな感じに仕上がっています。

物語の進行とともに展開される舞台も実に豊かで、ヒドラやカニの化け物が巣くう湿地帯や沼地をようやく
抜けたかと思えば、トカゲやトロールの巣窟になっている山岳地帯が行く手を塞ぎ、そこを突破した後も
インディジョーンズよろしく鉱山の中でトカゲ男相手に大立ち回りを演じたり、妖しげな呪術師の試練に
挑戦させられたり、トカゲ王率いる軍勢との戦争に巻き込まれたりと、とにかく冒険の展開が速くて豊富です。
そういう点に関してならばおそらく本書が一番でしょう。

今回の敵キャラのメインをはるトカゲ軍団なる集合体も非常に面白くて、圧倒的な力を持つボスの下で
無規律・無秩序のモンスター達がそれぞれ勝手にやっている、というのが今までの敵の主な構造だとするならば、
上下関係のヒエラルキーがきっちり存在し軍隊としての秩序が確実に保たれているというところが、なかなか
面白い上に、実に多彩な種類のトカゲ男達がそれぞれの個性をきっちりと主張しているところもポイントが高い
と思います。(特にラスボスのトカゲ王の設定は秀逸)

ストーリー展開が速すぎて少し浮ついた部分も見受けられるけど、それでも自信を持ってお薦めできる1冊に
仕上がっていると思います。




ギャラリー



怪物はきゅうに立ち止まると、いぶかしそうに肩ごしに君を見る。
その大きな口からは、さきがフォークのようにふたまたにわかれたピンク色の舌がとびだしては、
またくるんと巻きあがる。目は大きく悲しそうだ。

その悲しみにみちた表情にもかかわらず、ときとして軽はずみな旅人をだまして人を食べる沼地の
怪物達のすみかへ案内し自分はそのおこぼれにありつくらしい。要は単なるハイエナ君。
で、ついていったら↓に遭遇した。ギニャ〜!




足もとの地面がどんどんやわらかくなり、ついには一歩進むたびに膝まで泥につかるようになってしまう。
歩き続けるだけでひと苦労だ。君は心配になってくる。
あたりの景色は、ときどき水面からのぞく葦の茂みのほかは、見渡すかぎり水でおおわれている。
それでも君はかたい決意のもとに歩き続けるが、黒い泥水のなかから君の目のまえに出現した触手のために
視野がさえぎられる。
なにやら腕のようなものがあらわれたかと思うと、濃い緑色のいぼだらけの見るもいやらしいタコのような怪物
が水面にあがってきて、その6本の腕をゆっくりと空中にのばすのだった。

スライム・サッカーなる怪物。
見た目のインパクトは極めて大だが、実はそれほど強い奴でもない。見かけ倒し。
当然3秒でブチ殺す。オラオラオラァ!




君の仲間たちがトカゲ王の狂信的な軍団の猛攻撃のまえにつぎつぎと倒され、
戦闘は君にとって分が悪くなる一方だ。
敵の軍団のうしろでときの声をあげ、兵士たちを戦わせているリーダーが見つかる。
鎖かたびらを着こみ、強烈な戦闘用の斧を持っているサイクロプスだ。

イヤー!

君は仲間たちを勇気づけるために、この怪物をうち負かさなければならない。

ムリー!




階段をのぼりつめたところに木の扉がある。とっ手をゆっくりとまわし、ほんの少し扉を開ける。
そこは外の胸壁の上へと続き、あの悪名高きトカゲ王が、胸壁をまたぐようにして立っている。
トカゲ王は彼の軍団にむけて握りこぶしをふりあげ、大声をあげている。
奇怪な黒いライオンがトカゲ王のそばに従順にすわっているのだが、君を震えあがらせるのは
トカゲ王の頭の上にいるゴンチョンの姿だ。

うわあ、強そう。
でもサルが苦手という、わけのわからない弱点をお持ちの我らがトカゲ王。
トカゲ王自身を倒しても その死体をそのままにしとくとエイリアンよろしくゴンチョンが
額めがけてばひゅんとジャンプ。ピトっと貼りつかれたらジ・エンド。



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