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死のワナの地下迷宮:イアン・リビングストン



ファングの町の、暗く曲がりくねった大迷宮の奥深く、未知の恐怖の数々が君を待ち受ける。
悪魔的頭脳の持ち主、サカムビット公が考案したこの迷宮は、死を招くワナと血に飢えた怪物に満ち、
ここから無事に出られた者はいない。
5人の挑戦者と共にこの「迷宮探検競技」に挑戦した君は、生きて再び陽光を見ることができるか!


盗賊都市に続くアランシア・ワールド内でのシナリオ:第5弾。

今回のシナリオの探索は、ファングという街につくられた地下迷宮内で行われます。
背景にある”迷宮探検競技”という動機づけが実によく出来ていて、この競技という要素に
様々な伏線が絡み合い、実にやりごたえのあるシナリオに仕上がっています。

特にF・Fシリーズ初のイベントでもあるパーティ結成と、そこから培われていくほのかな友情の先に
待っている哀愁は、まさに少年ジャンプ路線そのもの。あまりにも日本人好みのこういうベタな展開
は外人の方もお好みなンでしょうか?まあいいや。

そンな情緒あふれるイベントがあるので、実は優しいシナリオなのかなと思いきや、
即死トラップは多いわ、運だのみの分岐点ばかりだわ、敵は強すぎるわ、そンな敵がやたらでてくるわで、
とにかく難易度は過去のシリーズと比較してもとびぬけています。

ちなみにもっとも最悪の敵キャラは表紙↑にもなっているブラッド・ビーストとかいう奴でして、
樽の中から一歩たりとも動けない、という笑える設定の割には、やたらめったらな強さを発揮して
プレイヤーを困らせてくれます。

ゲームとしてのバランスは悪いし、クリア条件もきつすぎるシナリオではありますが、
じとじとしたうす暗いダンジョンの中を恐る恐る探検していく、という独特の雰囲気が好きな方には
おすすめの1冊です。




ギャラリー



トンネルの左手の壁に大きなガラスのパネルがある。
パネル越しにのぞくと、むこうはたいまつが明るく輝く部屋で、ありとあらゆる種類の巨大な昆虫
で満ちている。蜜蜂・はたらき蜂・カブト虫・ダニなど。小ダニでさえ6センチ以上の体長だ。
すさまじい音を立てている。部屋の中央の小テーブルの上には、宝石をちりばめた王冠がのっている。
王冠のまん中にはめこまれているのは大きなダイヤモンドらしい。

ワナ:その1。
虫どもにアギアギされまくった上に、やっとの思いでとった宝石も無価値とわかった瞬間の虚脱感。
こンなことを繰り返しながらそれでも歩むよ人生を、とかそンな疑似体験を味わったところで
何も状況はかわらない。嗚呼、諸行無常。




君は用心しいしいワラを踏んで、洞窟の片隅へ向かう。そこにはどうやら浅い穴があるようだ。
その穴をのぞくと、うす青いうじ虫の大群がうごめいている。なかには体長50センチほどのもいる。
君は吐き気をもよおして立ち去ろうとするが、ふと、虫どもの波うつ体が1本の短剣のまわりに
群がっているのに気づく。短剣の切っ先は穴底の割れ目にがっしりはまっている。
柄はオパールをはめ込んだ黒皮で巻かれ、刃は君がこれまで見たこともない赤味がかった黒色の光沢の、
不思議な金属でできている。

ワナ:その2。
うじ虫がアギアギしている中に手を突っ込む勇気があるか?
実際には無害。お宝もゲット。見た目ほどインパクトはなかったりする。




トンネルは大きな部屋へ通じている。部屋の天井は数本の大理石の柱で支えられている。
部屋へ踏みこんだ君は、ふいに右手の方に奇妙な獣を見つける。
そいつはライオンの体に竜の翼を持っているが、その顔はひげを生やした老人の顔だ。

ボスその1、マンティコアさん。
技術点11(Max12)かつ、特殊攻撃ありの強敵。
今回のシナリオでは、こンなボス級のキャラが、少なくとも5体は出現する。




塀はのぼるにはつるつるしすぎているので、扉を開ける以外に道はない。
ひと息深々と吸って、君は把手を廻して砂に覆われた穴へと踏み込む。
むかい側の塀の両開きの扉の前に巨大なあと脚で立ちはだかっているのは、
体長10メートルもの恐竜に似た巨大な怪獣だ。
緑の斑点のある固い皮と、カミソリのように鋭い歯がびっしり並んだ口を持ち、
激しく顎をかみ鳴らしている。

ボスその2、地底怪獣さん。
技術点はついにMaxの12に達する。特種攻撃がないのだけが救い。
如何に今シナリオにおけるエネミーがインフレであるかをあらわす一幕。



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