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さまよえる宇宙船:スティーブ・ジャクソン



恐ろしい悪夢のセルツィア空間にすいこまれた宇宙船トラベラー号は、ブラックホールを
つきぬけて未知の宇宙に飛びこんでしまう。船長は君だ。船の命運は君の手に握られている。
出会った異星人や惑星の助けを借りて地球へもどることができるだろうか?
それとも星図にものっていない宇宙空間を永久にさまよい続ける羽目になるか?


F・Fシリーズ:初のSF編。

魔の星域であるセルツィア空間に点在するさまざまな惑星を旅して、元の空間に帰る為、
その座標軸と時刻を見つけだす、というのが今回の冒険のテーマです。

情報集めの舞台となる色々な惑星の詳細描写が面白さのキーなのですが、感覚的にいまいち
荒削りな感じは否めませんでした。
水の惑星や植物の惑星・病原体がはびこっている惑星など、各イベントはもりだくさんだし、
そのイベントを活かす為の惑星の特徴的描写も悪くないンだけどなあ…
選択ミスによる即死の確率が増加した事や、挿し絵のヘボさも手伝って、どうも総合的な面白さ
が希薄になっている作品です。

ちなみに今作では「部下」という概念が初めて登場します。
幹部クラスである科学官・医務官・技官・保安官に加えて、その他大勢の乗組員達が主人公である
船長に従事してくれます。各惑星を探検する時に誰を連れていくかが、クリアにおけるポイントに
なっており、この辺りのシステムづくりはさすがジャクソンという感じがします。




ギャラリー



バーはくらいうえに煙がたちこめていてあまりいい感じの場所ではない。
見たことのない異星人が数種族どぎつい色の酒を飲んでおり、君たちが入っていくとうさんくさそうに見つめる。
君たちは酒を注文するとすみのテーブルにつく。
となりのテーブルにいるのは黒っぽいいぼだけの皮膚と長い鼻を持ち、みんな同じに見える異星人の一団だ。
1人が君にぶつかってきて脅すようにうなる。君の部下たちは君をかばおうと立ちあがる。
売り言葉に買い言葉で、とめるひまもなくどちらも頭に血がのぼってけんかになる。

異星人その1。
姿形的にかなりアレだ。
少なくともこンなのとは絶対ケンカしたくない。




君が事務所にあらわれるとイ・アベイルは迎えに進み出る。
あたりのようすから見てこの社会はたしかに時代の最先端をいくもでであり、君の故星をはるかに
上まわる科学技術を持っているらしい。机の天板は宙に浮いており、異星人自身もそのうしろのなにもない
空中に腰をおろしているように見える。かけてくれと言うが、椅子はどこにもない。
慎重にイ・アベイルがしているように腰をおろすと、なにか目に見えないものが体重を支えてくれる。
壁のぐるりにはホログラムが、地球の重役室に絵がかけられているように飾られている。
机の片側にあるスクリーンにむかって異星人は言葉を発する。すぐに別の異星人が飲食物らしいものを
乗せた盆を持ってあらわれる。イ・アベイルはその者を紹介し、食べ物と飲み物を君に勧める。

異星人その2。
造形はますますひどくなる。額のどまン中に***とかそンな感じだ。
少なくともこンなのが勧める飲み物は絶対飲みたくない。




君は感知器が情報収集できるように普通速度で航行する。
数千キロさきからこちらへむかってくる小さな物体が感知される。君は慎重に船を進める。
距離が5キロに縮まると物体は停止する。君も同様にする。
感知器の報告ではD級宇宙巡洋艦なので、君は防衛膜を作動させて万一に備える。
メッセージが入ったのでスクリーンに映してみる。
爬虫類を思わせる顔があらわれる。軍服からいって高い地位にあるらしい。
翻訳機の波長があい、メッセージ内容がはっきりする。
「私はガンジグ帝国連邦のムク・マル司令官だ。貴船は無届けで帝国領域を侵犯している。
 身元と目的を明らかにせよ」
君はなんと答えるか?

異星人その3。
ひどいを通り越して、もはや投げっぱなしだ。
少なくともこンなのには、なにも答えたくない。




君は栄養価分析装置を使って食用になる植物をさがす。
着陸した地点からそうはなれていないところに、みずみずしい葉と大きな実と芋のような根を持つ
植物群を発見する。君は植物を刈り取って、ビームで船に運びこめるように山積みにしはじめる。
とつぜん、なにかが足を引くので見おろし、ふくらはぎにツタ状の植物がまきついているのを知る。
ツタは締めつけてくる。君がツタをふりほどこうとしていると、別の植物の葉が頭の上から降りてきて
君の体に貼りつく。君はもがくが植物は意志を持って自分の身を護っているらしい!

そして少し油断するとこうなる。植物は大切にね☆



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