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DMCにおけるサタニックエンペラーの考察.


えー、突然ですが皆さんは「デトロイト・メタル・シティ」という漫画をご存知でしょうか?

ポップミュージシャンとしてデビューすることを夢みていた気弱な青年がそれとは対極も対極な
音楽性を誇るデスメタルバンドのフロントマンとして祭り上げられてしまったところから始まる
この漫画、ヘヴィメタル特有の世界観を思いっきり斜め見た上でそれを明るく楽しく小バカにした
風味なドタバタ描写の面白さがあれよあれよという間に人気を博し、今や売り上げは250万部以上、
はたまた映画化に劇中バンドのCD化と、飛ぶ鳥を落とす勢いで大ヒット継続中だそうで、
かくいうミーにとっても「ハチワンダイバー」「闇金ウシジマ君」と並んでマイフェイバリットな
漫画の一つだったりします。

そんな大人気を誇る漫画だけあり、その見どころ・笑いどころをいちいち挙げていけば枚挙に
暇がなくなってしまいますが、あえて「ここ!」という場面を選ぶとするならミー的にはやっぱり
「DMC」4巻におけるデスメタルの祭典「サタニックエンペラー」及びそれの関連話ははずせない
ところです。
なにせ開催地が富士樹海の奥地ですからね、出場資格のふれ文句が「闇で活躍する凶悪なバンド
ですからね、当然のごとく出てくる奴らは凶悪のみならずそれに邪悪を足し合わせ、さらには最悪に
極悪を掛け合わせたような一騎当千のつわものばかり。さあいでよ、暗黒の覇者達よ!


まずは女性だてらに男以上のデス声を持つレイ擁するデスパンクの新鋭「パイパニック・チェンソー」。

 


美少年にまたがって演奏もせずにステージ狭しと駆け回るフランスのスラッシュメタラー「ポワゾン」、

 


究極の音楽と言われるメタルにこれまた究極の武器と謳われるウンコを掛け合わせた前代未聞の
スカトロメタラー「デズム」。

 


ブラックメタルの本場ノルウェーからはその黒歴史を凝縮したがごとき経歴を持つ魔の予言者「ヘルヴェタ」。

 


クラウザーさんいわくデスメタル基本概念である「死する者の絶望」を闇鍋でごった煮たかの
ごときこのハードコア感とカオティック感たるや、まさにデスメタルの魂そのものを感じさせて
くれるに十分足るメンツであると、核たる音なくともその描写のみで確信させてくれた作者の手腕は
まことに天晴れという他なく…!

しかしここまで衝撃を与えられてなおミーは思いました。
現実は小説より奇なり、そしてまた事実は空想を遥かに凌駕しえる可能性を持つ筈と。
「もし」ミーがこのフェスのオーガナイザーだったなら、想像上ではなく現実面において、
このメンツを更に超越しうるとびっきりのエクストリーマー達を集めることが出来たかもしれないと。
そう、これは「物語」という名の虚構解に対する現実界からの解答… 

というわけで、DMCがメタルをパロってるという前提を十分に踏まえた上で、
「もし本当にサタニックエンペラーが開催されたなら…」をテーマにつらつらと語ってみました。





さて「DMC」と聞けばまず浮かんでくるのが面白おかしくも奇天烈きわまるデスメタル特有の
世界観ですが、その界隈にはそれを楽しむ為の前提知識として知っておいておいた方がいい一つの
語り草があります。

それが北欧はスカンジナビア半島におけるノルウェーの「ブラックメタル」にまつわる伝説です。
まあ簡潔にいうならこれは過激なメタルを追求しすぎた余り、本来ならそれの付加価値でしかない
「悪魔崇拝」というギミックに勘違いしまくりな熱意まで注ぎ込んでしまったことによる本末転倒
ベクトルがさんざ転がった末、その狂気に踊らされた才能ある若者達が本当にやってはいけないことを
さんざやりまくってしまったというメタル黒歴史のことです。

ちなみにこの活動の中心となった「インナーサークル」という団体では悪いことをすればするほど
そこでの地位が上がるという、ウンコを見つけた直後の小学生やインコに言葉を教えてるガッツも
顔負けな頭の悪い度を誇るポイント制を導入しておりました。えー、具体的にどんなことをすれば
そのポイントがアップしたのかについては下記を参照ください。

 ・なにはともあれ悪魔崇拝

 ・顔面を真っ白く、目の周りだけ黒く塗って、珍種のパンダを気取る

 ・由緒正しき国宝級の教会にキリスト教撲滅目的でバンバン放火

 ・欝病をこじらせついでに猟銃で自分の頭をサクっと打ち抜く

 ・そんな友人の自殺現場を撮影し、その写真をアルバムのジャケットにしてみちゃったり

 ・ついでとばかり砕けた頭蓋骨は細工してネックレス、脳みそはスープにしておいしくいただいちゃう

 ・あと、しつこく絡んできたホモを興味本位でメッタ刺しとか

 ・そのホモをメッタ刺した奴よりも目立つ為、会のリーダーをナイフでメッタ刺して無期懲役

劇中における架空のバンド、ヘルヴェタのシンガー「シャーゼ」はこう宣っています。
この世は殺れる側と殺れない側の人間に分けられる」 と。
それはマーシャルのアンプを斧の一撃で真っ二つにしたクラウザーさんの凶行を目の当たりにする
ことで「だが奴はそのどちらでもない… 殺ったことのある側だ!」と結ばれるに至りますが、
その言葉を借りるなら上述したノルウェジアン・ブラックメタルの重鎮達もまたその資格を有す、
そうクラウザーさんと同じく「殺ったことのある側」だったわけです。

 

まあ、その大多数が音そのものと演奏面のみで勝負する方向へ切り替えた今となっては
流石にあまり過激なことはしなくなったと言われているノルウェーのブラックメタル勢ですが、
そんな風潮の中にあって今もなお覚醒当時の尖端思想を色濃く漂わせている唯一無二のバンド、
それがこの「ゴルゴロス」です。



そんじょそこらの中2病ごときにゃ絶対到達しえないこの創意的ファッション、
ち…超カッケー ついでに抱きつかれたらトゲトゲで絶対しねるー

もちろんその格好のみならず、ブラックメタル的な地位を示す武勇伝ポイントもばっちり。
ギタリストのインフェルヌス… いえ、インフェルヌス「さん」は友人のレイプを黙認した罪で
(本人否定)もろに実刑くらってますし、シンガーのゴール…いえゴール「様」もパーティに参加した
男性と口論になった末、鈍器で頭部を殴打のち蹴る殴るの痛打をくわえた挙句、「お前は生贄になるのだ、
お前の血を飲んでやる」とコップを手渡してその量が少なかったという理由だけで再度暴行をくわえるに
至ったという罪で(本人は否定)、同じく実刑を打たれていたりしますからね。

以上のことからも彼らが劇中最凶バンド「ヘルヴェタ」に勝るとも劣らない生粋のメタルモンスターで
あるという事実が十分にご理解いただけたと思います。
そんな彼らの貴重なインタビューシーンを06年公開「メタル・ヘッドバンガーズ・ジャーニー」の
中から下記に一部抜粋してみました。


インタビュアー:「ゴルゴロスの音楽を突き動かす動力源はなんですか?」

 グラスワインを悠然と回しつつ、黙考すること5秒…

  

インタビュアー:「サタンが表すものとはなんですか?」

 更にグラスワインを回しつつ、その5秒後に出てきた言葉が…

  

「サタン」と「自由」て。
すみません。あまりの突き抜けっぷりに、失礼を承知で笑っちゃいました。

しかし、しかしです。ここまで紹介しておいてなんですが、彼等最大の武器はその堂々たる犯罪歴でも
歯に衣着せぬ言動でもなく、悪魔崇拝主義を全面に押し出した圧倒的なまでのステージ・パフォーマンス、
それこそがゴルゴロスをゴルゴロスたらしめている必要不可欠な要素なのです。



まあファン自らが生け贄となって犯り殺されることを求めるDMCのパフォーマンスから比べればまだ
甘いかも知れませんが、それでも炎上するステージ上にてところ狭しと転がる羊の頭に全裸状態で磔られた
男女の狂態はインパクト絶大と評するに十二分。ちなみにこれは彼らの新作用PVでして、まあプロモ用
なんだからやりたい放題レベルのハードルは低い方だよね?と思いきや、彼等の本当に凄いところは7万人を
動員する世界最大級のメタルフェス「ヴァッケン」にて本当にこれをやっちゃってるところにあります。

  
 =特殊効果満載な生け贄の前にて御機嫌麗しいゴ−ル様(もろチン部分は修正しときました)=

勿論、特殊メイクをフル使用しての演出ですがそれでもここまでやってくれちゃうバンド、他にそうは
いないんじゃないかって。ここはそんな彼等の来日公演を是非とも期待したいところですが、あの銀杏の
峯田君がほぼ同規模を誇る日本最大級の邦楽フェス「ロック・イン・ジャパン」にて4万人の前でチンポを
丸出して熱唱したことにより心無い人から眉ひそめられついでに書類送検くらっちゃうというとても哀しい
事件があったのはまだ皆の記憶に新しいところなので、その程度で騒ぎ立てられちゃう日本のお国事情と
人種的メンタリティから鑑みれば、現時点での彼等の来日はほぼ不可能だと言わざるをえず… 

でも1回でいいから生で見てみたいなァー





さて「DMC」と聞けば次に思い浮かぶのが、その猟奇的なイメージを最大限に描写した
ジャッケットの絵柄です。

 

でも、あれ?うーん、改めてこうして見てみるとどこかチープな感じがしないでも…
そもそも彼らが前面に押し出している「デスメタル」スタイルがここからは微塵も感じられません。
こればかりは一言申さずにはいられない、あえて不敬を承知でクラウザーさん自身の言葉を借りるなら、

 

ってな感じです。それ以前にデスレコーズの女社長がよくこのジャケを通したものだなと。
普通なら見た途端、即コレモンの目に合わされてもおかしかないのに。

 


そこで奴らの出番です。そう、衝撃的ジャケならこのバンドの右に出るものはいねェ!
スラッシュメタル最大の売りである圧倒的な攻撃色にカニバリズム、ネクロサディズムなどの
ゴア的な付加要素をデコレートしたとされる新たなエクストリームゾーン、通称「デス」一筋20年、
そのジャンルでは最大級の商業的成功を収め、今もなお更なる猟奇性・暴虐性を追求中、
それがこの「共食いする死体」こと「カンニバル・コープス」です。




まずはこのバンド最大の特徴でもあり、そのせいで発売禁止に至ったことさえあるとされる、
そのグロテスク極まったジャケットのギャラリーを初級編からどうぞ。
まずは96年リリースの「Vile」と、99年リリース「Bloodthirst」より。

 

腐りかけた上半身のみのゾンビさんからマゴット君が大行進な前者の方は幼虫系が駄目な人なら
最悪ジャケ認定まちがいなし、
生首を優勝カップよろしく高々と抱え上げた描写が印象的な後者の方は早々に検閲NGくらって
すかさずジャケ差しかえの刑に処せられたそうです。

じゃ、そろそろ中級編いっときますか。
91年リリースの「Butchered At Birth」、92年リリース「Tomb Of The Mutilated」より。

 

「グロテスク内臓爆破、グロテスク脳みそ飛び散り、グロテスク流血噴射」といったDMC定番曲
「グロテスク」の歌詞さながらの究極描写はもはやグロを超越してアート認定してしまいたくなるほど。
ちなみに収録されている"Hammer Smashed Face"がデスメタル屈指の名曲なこともあり、後者の方は
デスメタル入門編としても最適な内容になっているので、興味ある方は是非とも!

さて、いよいよ真打ちの上級編といきますか。
90年リリースの「Eaten Back To Life」、04年リリース「The Wretched Spawn」より。

 

自らの肉体を貪り食いながら墓場を闊歩するゾンビという、ある意味究極のエコロジー生態系を
予見した前者の方はデビューアルバムからしてこの高水準!?と驚嘆せざるをえない程の凶悪度。
DMC屈指の名パフォーマンス「ギャ〜〜なぜ生まれて来やがった!」をまんま体現している後者の
ジャケ絵はとあるライターをしてアメリカン必殺ポーズとされる「OH〜」をとらしめ、なおそのまま
発禁ジャケ認定というピリオドの向こう側へと… 

 

あ、これまでは検閲無しバージョンが採用されてきたここ日本でももちろん音速レベルで差し変えられた
そうです当たり前だ

もちろんジャケのみならず肝心の音の方も、その音楽性から歌詞に至るまでどこを切っても筋金入りの
真正デスメタル。本当のデスメタルというものがどれだけアンキャッチーでどれ程の嫌悪感を煽るかを、
しかしそれでいてクサヤと同等レベルの病みつき的な嗜好性をいかに内包しているかを、そのパフォーマンスの
一端から垣間見ていただければ幸い… あ、原形のままだとアレなんでちょっとマイルド風味での紹介に
してみました。




えー、1テラバイトという膨大な容量のほぼ半分がこのような音楽のみで埋め尽されていた
ミーのハードディスクが先日ものの見事に御臨終なされました。もちろんバックアップなどない。
この途方もない喪失感たるや… うん、でもちょっとホッとした

で、つい先日のことですよ。
大量のロストデータを少しずつでもリカバリーするべく、渋谷ツタヤに行ったんスよ。
で、上述のカンニバルコープスほぼフルコンプ状態でレジに行ったら、そこにいた店員がなんと
ピアスも開けてなさそうなうら若きお嬢さん。気持ちを落ち着ける間もなく「中身の確認をしますので
少々お待ちクダサーイ」と言われてしまい、承太郎に両手でオラオラされる直前のダービー弟ばりに
中身の確認するんスかー!」と脳内で大絶叫。

 

店を出た後、とってもこんな気分になりました。





Xのエンドレスレインを切々と歌いたい気分になってきたところで、次にいってみましょう。

「DMC」と聞けばすぐさま思い浮かぶのが、資本主義の豚弄りにステージ上での首吊りショー、
48のポリ殺しなるレパートリーからは非情なるギター、国家権力沈没にマッポ割り、更には
クラウザーさんの華麗なる歯ギターからジャギさんの小粋なジャグリングショー、そして単なる
スカートめくりに至るまで、その斬新かつ鮮烈にして多岐にわたる内容においては他の追随を許さない
とされる豪華絢爛パフォーマンスの数々です。

 


あ、そういえばサタニックエンペラーの幕引きは、クラウザーさんがステージを炎上させた
ことによる、フェスそのものからその会場である富士樹海をも巻きこんだ大火災によるものでした。

 


しかし、こと「炎」となれば、流石のDMCもこのバンドには適わないかもしれません。
それがアクセプトやガンマ・レイなど数々の漢メタルを生んだ「鋼鉄大国」ドイツ出身、
大仕掛けなパイロを中心とする極大的ステージ効果とSMや食肉をテーマにしたエログロなパフォーマンス、
またシンガーのティルから寸断なく迸るマッチョイズムなどが人気を呼び、いまや押しも押されぬ
インダストリアルメタルの世界的代表格にまで成長した猟奇爆炎集団こと「ラムシュタイン」です。




まずはその圧倒的ステージング力を「百聞は一見に如かず」的な見地から存分に御覧頂きましょう。
最大の見せ場は2分12秒近辺の静寂パートから一気呵成にたたみかけるリアル「汚物は消毒だ〜〜!」。
聖帝先遣隊のモヒカンさんもびっくりな炎の勢いに御注目ください。




はい、続けていきましょう。
その肉体美が爆ぜる太股ドラム連打からDMCのお株を奪うがごとき鮮やかな「豚」弄り、
そしてその曲名「Buck Dich」を意味する「這いつくばれ!」連呼からのリアル「デスペニス」攻撃。
DMCよりはるか以前に「ブチこみ」スタイルを完成させていたその慧眼には心底感服いたします。
さあ、信者の皆様は敬意を込めて突っ立てたほうきヘアーをバッサバサ前後に振りつつ叫びましょう。

 ブチブチ込め、ケツにも口にも! ブチブチ込め、鼻にも耳にも!

 

そして3分10秒付近で「アッー」



ちなみにこのパフォーマンス、アメリカでは猥褻行為に当たると判断され、二人はごく普通に逮捕され
ちゃったそうです。何ごとも行き過ぎはよくないという教訓ですね。良い子の皆様はよく覚えておきましょう。

しかしそんなことくらいじゃまったくメゲないのが彼等のより凄いところ。
この他にもマイク燃やしたり、ステージ燃やしたり、鍋を燃やしたり、はたまた自分ごと燃やしたりと
もうやりたい放題。まさにドイツのメタルは世界一ィィィィィ!

 


そんな彼等の異質極まりないパフォーマンスの中でもミーが特に気に入っているのがこの演出。
2分45秒付近の出航から数万人規模による大玉転がし、そしてその後の帰港シーンに至るまで
その意味不明・正体不明さも含めて、あまりに楽しすぐるというしか。




ここ日本ではあまり人気がなく、まだまだ認知度も低いこのラムシュタインですが、DMC人気が
爆発している今だからこそ、せめて海外人気の1/3程度にはブレイクしてくれないかなと本気で
願ってやみません。





はい、そろそろお腹一杯なのは分かっています。
でもこのテキスト、実はまだまだ続いてしまうのです、非情に残念なことですね。

さて、「DMC」と聞けばすかさず連想されるのが、その下品にしてお下劣、悪魔的かつ鬼畜的にして
変態的にすぎると断じるにいささかの躊躇も持ちえないほどの特徴的「歌詞」。

 

あ、チャイ、これチャイ。 えーと、こっちか。

 

いやいや、心の底からホッとしますね。やっぱりDMCはこうでなくては。

ではここで「DMC」を代表する曲といっても過言ではないこの2曲の歌詞をじっくりたっぷり
吟味してみることにいたしましょう。

〜SATSUGAI〜

 俺は地獄のテロリスト
 昨日は母さん犯したぜ 明日は父さんほってやる
 俺には母さん父さんいねぇ それは俺が殺したから
 俺には友達恋人いねぇ それは俺が殺したから

 殺せ殺せ殺せ 親など殺せ
 殺せ殺せ殺せ 全てを殺せ

 サツガイせよ サツガイせよ 思い出を血に染めてやれー
 サツガイせよ サツガイせよ 未来など血に染めてやれー


〜あの娘をレイプ〜

 レイプレイプレイプ あの娘をレイプ
 レイプレイプレイプ あの娘をレイプ
 会ったその場でレイプレイプ
 手っ取り早いぜレイプレイプ

 レイプレイプレイプレイプ
 レイプレイプレイプレイプ レイプ〜

 レイプレイプレイプ あの娘をレイプ
 レイプレイプレイプ あの娘をレイプ
 誰でも構わずレイプレイプ
 気分しだいでレイプレイプ

 レイプレイプレイプレイプ
 レイプレイプレイプレイプ レイプ〜
 レイプレイプレイプレイプ レイプ〜


ん〜〜〜〜〜 …ん? んん〜?(アミバ顔でアナルに鉤型の人差し指を捻じこみながら)
うーん、歌で聴いてる時はそれ程でもないと思ってましたけど、改めてこう読んでみると、
いやいや普通に酷いかも。今はじめて気づきました。
特に後者の方のレイプ連呼は1秒間10回伝説を達成する為とはいえ、あまりにご無体、
この漫画が発禁処置くらわずして普通に流通している現状を鑑みるに、かの人情ほのぼの漫画
レイプマン」が未だに再販許可されない理由がさっぱり分からなくなってきました。
しかしそれでいて、その酷さこそを最高と思う自分もしっかりいたりして、
そんなことを鑑みるにつけ、いやはやメタラーという人種の業を感じずにはいられません。

…えーと、微妙に哀愁ムード漂ってきたところで続きです。
今度は数ある「DMC」鬼畜曲の中でも珠玉の出来を誇ると思われるこの2曲の歌詞を厳かに
朗読しつつ、その趣を味わい深く噛み締めてみましょう。

〜スラッシュキラー〜

 俺は生まれつきの殺人鬼 
 生まれた瞬間産婆を殺った
 ついでに殺られた親父が叫ぶ
 ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー (ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー)
 ギャ〜 駆けつけ殺られた警官叫ぶ
 ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー (ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー)

 俺の誕生がこの世の終わり 
 死人を置かずに殺人犯す
 背後に聞こえし断末魔
 ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー (ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー)
 ギャ〜 目が合い死神、俺みて叫ぶ (ギャ〜 なぜ生まれてきやがったー)


〜メス豚交響曲〜

 オレの前にひれ伏せ女ども
 オマエの下半身を突き出しな
 指輪も服も顔もいらねぇ 言葉も心も愛もいらねぇ

 下半身さえあればいい 下半身さえあればいい
 下半身さえあればいい 下半身さえあればいい

 女の前世は全て豚
 男の前世は全てがオレ

 下半身さえあればいい 下半身さえあればいい
 下半身さえあればいい 下半身さえあればいい

 メスは豚 メスは豚
 女は家畜でその主はオレ
 夢も希望も明日もいらねぇ
 絶望も恐怖も死もいらねぇ
 オマエの下半身を突き出しな

 下半身さえあればいい 下半身さえあればいい
 下半身さえあればいい 下半身さえあればいい

その酷さここに極まれり!な歌詞ですが、それ以上に哲学性すらも感じさせる程の一貫した
ラブヘイトな思想性、その展開における独創的な韻をも含めて素晴らしすぎると言わざるをえません。
ヤバい、クラウザーさん鬼才すぎる。

しかし世の中、上には上が。その鬼才レベルをも軽々と超越する程の奇才が存在するということを、
本日はここに証明させていただきたいと思います。

それが彼等、イギリスはその出身地を冠する「リヴァプールの残虐王」の異名を取り、
力押しのリフとブラストの攻撃力ばかりが目立つ傾向にあったデスメタルに、メタル旧来からの
伝統である叙情的なソロを盛りこんでメロディック・デスメタル、通称「メロデス」なる新天地を
満天下に知らしめた至高のメタル・フロンティアーズ、「カーカス」の皆さんです。



百聞は一読に満たず。
まずは医学用語辞典から使えるキーワードを選び抜いて作られたと言われる、その悪趣味きわまりない
曲名の数々を歴代アルバムからほぼノーカットでどうぞ。


 ■腐乱屍臭 - Reek of Putrefaction
  ×××をミンチに!、内臓大爆発、蛆の巣、腐敗(ドロドロシテル) 、炭化眼電球、
  狂乱バラバラ死体、汚れた尻、腐敗日、発酵したはらわた、くそったれ人生、膿汁、堕胎、
  電子妊娠料理、死体の宴、はらわた血だらけ、精神科医、焦熱地獄、拷問地獄、イボイボ尿道声明
  腐ったナイフ、粘液膿性排出物、悪性の下痢


 ■真・疫魔交響曲 - Symphonies of Sickness
  腐敗臭、餓鬼は屍体を貪り喰う、腐ったはらわた、はらわたの膿、屍体大好き、
  餓鬼は死産児を貪り喰う、保菌者の群れ、寄生虫の卵、××ゴロシ、ただれたはらわた、
  ×××をミンチに!2、肝組織発酵


 ■屍体愛好癖 - Necroticism - Descanting the Insalubrious
  屍体で花を咲かせましょう、人体ジクソー・パズル、疫魔交響曲第2番、由緒正しき屠殺場
  硫酸どろどろ何でも溶かす、肉体不協和音、リゼルジン酸による嘔吐、吐瀉物による洗浄
  若き臨床科医の肖像…



どうですか、このグロテスク度。
昔のメタルといえば、意訳の範疇を銀河レベルで飛び越えた突拍子もない邦題と、度を超えた大仰さを
誇るオビの煽り文句こそがむしろ中身そのものよりも売りになったりしていた時代が確かにありましたけど、
それにしてもこれは… これを担当した秋山幸子さんという訳者は一体全体なにものだったのでしょうか?

もちろん曲名のみならず、当然のことながら歌詞の方も「DMC」のそれを空気にさせる勢いで
マジぱねェグロ度を誇っていたりします。本日はその中の一つ「人体ジグソーパズル」をほぼノーカットで
御紹介いたしましょう。

 切開されてバラされて 臓ぬかれて大混乱
 満足げに分断された胴体 
 上等に切断され もがれた肢が動きを止める
 躯幹は血みどろ 毛の生えた断片をコマにして軟骨素パズルをやろうぜ
 こりゃ〜趣深いぞ。
 首はハネられ 体が残る。
 うめく塊 ずいぶん大人しいねぇ

 バラバラグチャグチャ お前の体をどんどん切開 
 流血戯画そのもの 不気味なジグソーがのたくり 断片はめるとピッタリ
 見当たらないピースはおまえから切り取って作るさ
 すっかりバラけた そぎ切り角切り上手だね
 おまえは人間てやつだったんだっけ
 肉と骨を切り刻み 頭蓋骨は迷惑千万
 何が何だかワカリマセーン…

 汁が出るまで殴りまくって大人しくさせる
 人間ジグソーパズルそのもの 昔はピッタリ合致してた 本気なパターン
 あやしい肉塊を互いに結合
 醜くバラバラ そぎ切り角切り上手だね
 肉と骨はごった混ぜ 脳みそ弱って迷惑千万。
 いやあ屈辱だねえ…
 
 止まらないゲーム 入念に仕組まれていく
 共生する肉の断片がどんどん積み上がるごとに…


えー、「『カモン、ベイベー!今夜は一緒にいよう!イエィ!ロックンロール!』って
歌詞は大嫌いだ!寒気がする!薄っぺらだ!大嫌いだ!
」と普段から青筋たてて力説しておられる
かのイングヴェイ大明神もこれならご満足いただける…わけないかー

正直、モニター前で苦虫噛み潰したようなツラになってる皆様の御機嫌をこれ以上損ねるのもいかがな
ものかと思ったのですが、非常に残念なことに、もう一つ報告しておかねばならないことがありまして…
その、なんというか、非常に困ったことにこの人たち、その曲名・歌詞をも更にブッチぎる勢いで、
そのジャケ絵が究極的に酷いということでも名を馳せていらっしゃる、本当に本当に困った人たちでしてー
(ニコニコしながら) …あ、じゃここらで一つ、お口直しの和み画像をどうぞ。

 

はい!すっかり心癒されたところで続きです。
そんなこんなで悲惨な死にザマ遂げた仏様ばっかりをコラージュして12×12のCD角にところ狭しと
貼り付けまくったデビュー作のそれは言うまでもなく発禁、そこから「学ぶ」ということを悠然と放棄して
わざわざ同路線で作成したグチャドロ地獄絵ジャケの2枚目も当然のことながら即発禁。
ここにきてようやく「ちぃ学んだ」らしく、じゃ有名人のそれなら大丈夫でしょ?と小首を傾げ気味に作った…
かどうかはともかくケネディ大統領の脳みそをもろバーンなジャケがどこをどうしたら発禁にならないとでも
思いましたかこのおバカー! というわけで彼等の初期ジャケを未だもって流通している法治国歌は
現時点じゃかなり少ないと思われます。
実は英語名でイメージ検索すれば簡単に発見できたりするのですが、上述のカンニバルコープスをまるで
意に介さないほどの過激描写を前に流石のミーも配慮せざるをえませんでした。
ここ日本でもありとあらゆるネットショップで「NO-PICTURE」表示になっている惨状を眺め、その裏事情を
静かに察するが正しき大人の態度というものでしょう。

そんな界隈きってのグロ魔神な彼等の世界観がとてもよく表現されている秀逸動画を見つけましたので、
せねてもの代わり的意味合いも含めた参照用として下記に貼りつけておきます。
激しい曲調の中に時折挿入される悲哀感たっぷりなギターフレーズが最大の傾聴ポイントかと。
あと詩音さんノリノリ場面は何度見ても笑うしか。



えー、先日行われたラウドパーク08にて奇跡の再来日を果たしたことは、我々メタラーの記憶にまだ
新しいところですが、その際も腐ったチンポ動画を2万人超の前にて大スクリーンに大写し、スリップノット
目当てのゴス女子達を真顔でドン引かせてました最高だ





さて、これまでは物語の主役である「DMC」を中心に話を進めてきましたが、ここらでそのフォーカスを
別バンドにずらしてみたいと思います。

その対象がこの「デズム」。
デスメタルの究極進化系「スカトロメタル」の看板を掲げ、ステージ上にて糞尿を撒き散らす(本当は泥水)、
更には排便・食糞を試みる(便秘で未遂)という過激スタイルを売りにDMCと並ぶ力を持つまでに至った
劇中の架空バンドであり、和式スタイルで力むシンガーの尻の下に滑りこんで、今まさにそこから迸らんと
しているおウンコ様を直でせがむ極限パフォーマンスでもその名を知られていたり。

 

が、これはあくまでパフォーマンスの域を出ないものであり、最終的には「やる」真似だけでそれを完結
させているという点、これをシャーゼの言葉に置き換えれば結局は「ヤれない側の人間」で終わってしまって
いるという部分にミーは前から不満を持っていました。どんな分野であれ、その踏み越えられない線から先に
あえて一歩を踏み出すことこそが「死せる者の絶望」ことデスメタル魂なのではないかと思っているからであり、
そうでもなければ「DMC」より前へ先んじれる筈がないと、そう強く感じていたからです。

…いや、でも、よくよく考えれば当たり前ですよね。
だってそれやっちゃったらパフォーマンスどころか、生とは何か?生きるとは何か?の輪廻転生レベルで
軽々とボーダーを飛び超えちゃうもの。

が、しかし、しかしです。
実はその領域に至ったバンド、というか、人物は本当の本当に実在していました。

あえて、繰り返し申し上げます。

 


それが、表舞台におけるパンクの象徴「シド・ヴィシャス」と相対するアングラシーンの代表格であり、
自傷、乱闘、ライブハウス破壊から公然猥褻、自殺予告、更には下剤を服用しての強制排便まで何でもござれ、
過激なステージをやらせたら誰にもひけをとらないとまで言われた米ハードコア・シーンのカリスマ、
「GGアリン」その人です。



その奇想天外ステージングたるや、何の前触れもなくのっけから全裸で登場、
その粗チンポコ様をあますことなくオーディエンスという名の信者に見せつけたかと思いきや、
次の瞬間、男性信者の1人を突き飛ばしついでに女性信者の髪を掴んでひきずり倒し、
更にはデズムよろしく「Bite It You Scum!」、つまりは「お前クソを食え!」と連続シャウト
しながら無造作に女性の顔面へ騎乗。 嗚呼、そして遂に、遂に…! 
盛るぜ〜超盛るぜー」感みなぎりまくりな世界の終末的座りっぷりをどこまでも誇示しつつ、
背後に踊る「ウンコキター」の弾幕とともに思う存分ムリムリムリー 本家みのりんもびっくりです。

普通ならここまでやればもう後には何も残らない筈。
…なのに、なのに、「だが一流にはこの先がある!」と言わんばかりにその尻から糞塊を
掴みとって顔面に塗りたくりながら、今度は観客に向かってそれを力一杯投げつけだします。
事ここに至ってようやく血相を変え始める客達、無慈悲に迫りくるアリン、涙目になりながら
四方八方逃げ惑う小羊、耳をつんざく咆哮と絶叫、しかして容赦なくなすりつけられるウンコ、
ふと気付けばホール内は無人状態に?そんな中、ウンコにまみれた床上にて1人のたうち転げ回る御大将。
これを阿鼻叫喚の地獄絵図と言わずして何をか言わんや! 
さあ天も地も御笑覧あれ!「DMC」なにするものぞ!
これが全身ハードコアといわれた「GGアリン」その人の体当たりパフォーマンスです。



それにしてもです。人類最古にして原始、元にして素、単純にして最強かつ最凶といわれる
「かのもの」をここまで使いこなした男が未だかつていたでしょうか!?いや、ない!ありえない! 
あえて言うなら洩らしたことを指摘されて逆ギレた末、先生の顔面にパンツごとそれを投げつけた
幼稚園年長組のユウジ君(仮称)ぐらいかと。

あ、そういえばお塩大先生ことかの押尾学さんも、アリンが志した音楽ジャンル「ハードコア」に
関しては「好きですね」「ハードコア系の自作曲がデビュー曲」など非常に好意的な反応を示しており、
ミュージックステーション出演時はタモリとの答弁においても、

 タモリ「音楽はいつから始めたの?」
 押尾「16歳ぐらいのときからですね」
 タモリ「どんな場所でライブやってたの?」
 押尾「米軍基地です」
 タモリ「べ、米軍〜?」
 押尾「ええ、軍人さんとかを相手にライブやってましたね」
 タモリ「それでどんな音楽をやってたの」
 押尾「ハードコアーですね
 タモリ「は、ハードコアねぇ…(呆れたように)」
 押尾「ええ、もう外人がみんな乱闘とか始めちゃうんですよね」
 タモリ「へぇ、乱闘」
 押尾「はい。その日ライブやったら次の日から声出なくなるぐらいで」
 タモリ「へぇ、そりゃまた激しいのやってたんだねぇ」
 押尾「ええ。ハードなことしか……できないんで
 タモリ「ええ……。それじゃスタンバイのほうよろしく。」
 押尾「はい。」

 「それでは聴いてください、押尾学ひきいるLIVで、『SOUL』!!」

 押尾氏、なにを考えたのか、いきなり女性100%の客席にむかってダイブ。
 ところが……。

 ストン。

 押尾のファン、ダイブを理解していなかった。
 なんと、興奮した押尾ファンがワラワラと群がり、押尾はステージに戻れない状態に!
 瀕死になりながらもスタッフの助けにより、なんとかステージに戻った押尾。

 押尾「テンキュウ(裏返った声で)」

 武内アナウンサー「押尾学さん、ありがとうございましたー。」
 押尾「ありがとうございました。」
 武内アナウンサー「びっくりしました」
 押尾「……」

と、かなりハードコアに傾倒していたような態度をとっていらっしゃいましたが、アリンのコレを
知っていたならこんなにも軽々しく「ハードコアが好き」とか絶対言い出さなかったんじゃないでしょうか。


そんな大偉人…いや、大異人たるアリンさんも今や土の下…
ヘロインを大量摂取したことによるオーバードーズで、その太くも短き生を93年に終えております。
その
追悼ライブでは、アリンの死体から取り出された脳がステージに飾られたそうです。
そんな彼の生き様をより詳しく知りたくば、フィルムとして残されていますので、興味ある方は是非とも。
あ、彼に何の思い入れもない普通の人が見ると鉄板で気分を害されること間違いなしなので、その点だけは
前もって忠告しておきたいと思います。



えー、その最大の売りでもある過激パフォーマンスばかりが注目されてしまった彼ですが、
パンク的には名曲といっても差し支えない楽曲の数々や、パンクの原理精神「反逆」をストイック
すぎるまでに体現したそのスタイルから鑑みるに、もっと音楽的な面で評価されてもよかったのでは
ないでしょうか。





はい、どうもお疲れさまでした。
というわけでこの「サタニックエンペラー考察」、いかがだったでしょうか?

このテキストを読了した方々の中でもし「DMC」でメタルという音楽ジャンルに興味を持った方が
おられたならば、かの少佐のお言葉の一節を拝借するなら少なくとも「天と地の狭間にはその哲学では
到底測り得ぬ、思いもよらないようなバンドが存在する」ことをその骨身・骨髄へ染みわたるまでに
お分かり頂けたことと思います。

メタルに何の興味もない方々からは奇抜・奇怪に見える彼等ですが、それぞれの志す音楽性の中には
とある共通項目、とある一つの一貫性があります。その手段・方向性はどうあれ、基準内・安全圏に
留まって上手く折り合いを付けることを良しとせず、より前へ、今より先へ、更に上へ進むことを常に
模索し続けるその姿勢および信念がそれであり、そのブレなさ及び思想性とそこから先に通じる彼等の
行動力を俗人たるミーは心の底から尊敬、と同時にこの先も応援したいと思っているものであります。
はい、ここまで長々とおつき合い頂き、どうもありがとうございましたー

  

そしてメタルよ、永遠なれ…!


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