第20話:泣き虫セシリア(前)

#ZZ版「カイとミハル」な回、前編。
 トーレスの幼なじみセシリアを利用して、アーガマを乗っ取ろうとするゴットン。
 そしてグラナダを舞台に繰り広げられる諜報戦&MS戦。

  


「あなた方は全て理屈だけで片付ける。生死をともにした船への愛着は分かってくれない!」.
「分かってどうなる!?」(ウォン)
「パイロットも兵も、チェスの駒にしか考えていない!」(ブライト)
「……カミーユのことか」.
  アーガマ地球降下作戦を唱えるウォンとそれに反対するブライト。
  カミーユのことを話題にされると、流石のウォンも思うところがあるようで。

「大人はいきなり人を殴っていいのか!」(ジュドー)
  修正の名を借りたウォンお得意の鉄拳制裁炸裂と思いきや、よもやのカウンターをジュドーから
  食らって目を白黒させるウォン。どうやらジュドーはカミーユほど扱いやすくはなかった模様。

  


「子供の言うことを全て信用するのだな、大人気ない!」(ウォン)
「ニュータイプの存在を待っていらっしゃる方が、.
 なんで子供達のビビッドな感受性を信じようとなさらないんです!.
 あの感覚こそ、ニュータイプの始まりだと思いませんか!」(ブライト)
  流石はニュータイプ発掘名人ブライト、良く分かってらっしゃる。
  それに比べ、Zの頃からまったく変わってないウォンさんはまさにオールドタイプそのもの。

「ここでやられたら、ママの御飯、食べられなくなるゥ〜」(クレーユ)
  こんな命乞い、流石に聞いたことない。
  ゴットン一番の部下だけあって、どこか命乞いの仕方まで似ているような。
  ついでに出っ歯全開なその顔つきの方も相当ひどい。

  
 

<次回予告>
  やっかいなことを抱えこんだら、決着をつけなくてはいけない。
  しかしゴットンはセシリアに爆弾を渡したんだ。でもね、真空の宇宙では簡単に捨てるわけにはいかない。
  セシリアはトーレスの為に頑張るんだが、間違った頑張り方はいけないんだよ。鞄は捨てるんだ!
  次回、ガンダムZZ「泣き虫セシリア(後)」。今日の続きで辛いよー

 

第21話:泣き虫セシリア(後)

#ZZらしくはないけれど、でも非常にガンダムらしくはある回。つまり切ない。
 そしてゴットン…中途半端な悪者が本気で悪党やろうとするからあんなことに…

  


「トーレスが行っちゃったら、私…」(セシリア)
「神様にでもすがれよ!」(トーレス)
「いや…!神様はいつも私に意地悪するから… 私にはトーレスだけなのよ!」.
「俺は自分のことしか考えない泣き虫はキライだ!」.
「家族がいればいいだろ!」.
「あたしにはその家族が重荷なのよ!」.
  自分のことしか考えていない、というより他の事に頭を回す余裕がまるでない、というのが正解か。
  ZZのキャラらしからぬセシリアのジメジメした物言いには、確かに見ていてイラっとくるものが。
  だが家族の事情を出されると、流石に同情を禁じえなかったりも… なんか今回の話は妙に重いな。

  


「トーレス…私だっていつまでも泣き虫じゃないよ、トーレス」(セシリア)
「怖くないよ。怖くなんか…!」.
「自分のことしか考えない子は、トーレスが嫌いだって言ったのよ!」.
「泣いてないよ、絶対に… 弱虫じゃないもの、私…」.
「やめろー セシリアさん、アンタのつもりが分かったぞ!」(ジュドー)
「セシリアさんだろ?降りろ、受け止めてやる!」.
「そんなこと出来ない!トーレスに嫌われちゃう!あたしだって全部弱虫じゃない!」.
「トーレス…(爆発).
  ゴットンに持たされた爆弾の存在に気づき、それを破棄しようと一人奮闘するセシリア。
  結局、ネルのガ・ゾウムに取りついたまま、ゴットンの搭乗する輸送船へと突っ込んでいって、
  ともに自爆の道を歩む、合掌… あ、ゴットンは自業自得。

  


「なんて…なんてことを… 自分勝手な判断だけで…」(ジュドー)
  セシリアが最後の一言を洩らした10秒後にその爆発光を見て、
  「敵は勝手に爆発したようです!ハハハ、俺たち運が良かったなあ」
  「セシリア、運が向いてきたんだよ。嫌なことは忘れて、コロニー行ったら頑張れよ…!」
  と彼女にエールを送るトーレスの笑顔と、全ての事情を知ったジュドーの苦悩との対比が
  ただただ切なくて痛々しい。

  


<次回予告>
  エウーゴの参謀本部は、戦場にいないから、なんでもかんでも命令しちゃう。
  静止衛星軌道に展開をしているハマーンの艦隊の数は多いし、死ぬのはこっちなんだ。
  だったら、こっちが勝手にやったって、文句いわれる筋合いないでしょ。
  次回、ガンダムZZ「ジュドー、発進」。ハマーンさん、きれい…
            (↑タイトルコール間違いのある貴重な予告)



第22話:ジュドー・出撃!

#この回にてハマーンとのお肌とお肌の触れあいによる一次接触のみならず、
 互いの精神を感応させあっての4次元接触をも果たすジュドー。う…羨ましい…!

「金色のMSだ!」(イーノ)
「オッシャレー!」(エル)
「クワトロ・バジーナ大尉が乗っていた百式よ。モデルチェンジはしていないようね」(ルー)
  Zにおけるかの名機「百式」が、このZZでも遂にロールアウト。
  エルに向かって「あんたはマーク2の方がお似合いよ」とか言ってるルー専用になるのかと思いきや、
  実は一番多く乗ることになるのはビーチャだったり。

  


「栄光あるネオ・ジオンの兵士達よ。.
 かつて我々を暗黒の世界に押しやった者どもは、今、我々の足下にいる。.
 愚かなる人間達に思い知らせるときが来たのだ。今や地球圏は我々ネオ・ジオンのものだと!.
 機は熟した、ともに戦おう、ネオ・ジオンの為に。ネオ・ジオンの栄光の為に!」(ハマーン)
「ネオ・ジオンばんざーい! ハマーン様ばんざーい!」(兵士達)
  宇宙空間にホロスコープを投影させての演説を行い、部下の志気を高めるハマーン。
  そういやこの形式は、この後のネオ・ジオン総帥たるシャアも使っていたっけ。

  


「二人で話したかったのだ、少年」(ハマーン)
「…ジュドーだ。俺はジュドー・アーシタ!」(ジュドー)
「ジュドーか。なるほど。お前と私は互いに引き合うものがあるようだな」.
「え?」.
「プレデッキでお前を見てそのことが良く分かった。お前には分からんか?私達が同じ人種だということが」.
「…同じ人種? 勝手に決めるな!リィナはどこだ!?」.
「リィナなどはいないよ」.
「騙したのか?」.
「お前には分かっている筈だ。何か引かれるものがあるからこそ、お前はこの船に来た。違うか…!」.
「違う!」.
「ニュータイプならば私に従うべきだ。そうだよ?ジュドー・アーシタ」.
(以降、精神感応を用いての会話)
「(…なんか、不思議な感じだ。それに、いい匂いがする… おかしいな、コイツは敵じゃないのか?)」.
「我々が敵対する理由など、なにもない。我々は同じニュータイプなのだから…」.
「さあ、私とともに来るのだ」.
  リィナを餌にまんまと誘き寄せられ、その強大なる魅力の前に危うく陥落させられそうになるジュドー。
  正直、空気の読めない兵士が乱入してこなかったらアウツだったかも。
  しかしこの物言いを見る限り、ハマーンの真の目的はニュータイプによる人類の革新などよりも、自分と同種、
  つまり共に分かりあえる人種を探すことこそにあったのではないかとも思ったり。要するにそのメンタリティは
  友達が欲しくて仕方ない寂しがりやの女の子と同義? そう考えると、なにか無性に萌えてきたりも。
  そんな彼女に対する
「構ってくれるのはありがたいけど、アンタは怖いんだよ!」というジュドーの
  物言いは、あまりに女性の気持ちを分かってなさすぎると一刀両断せざるをえない。

  


「どけー!」(ジュドー)
「やだね!」(ラカン)
「受けられるか!?」.
  ZZにおける数少ないマジ・キャラ、ラカン・ダカラン初登場。
  搭乗MSのドライセンが持つビーム・ナギナタは、カプセル戦記じゃメチャ強力な武器として有名。

  


<次回予告>
  ハマーンの艦隊はまだ地球に降下していない。地球制圧工作の時間を稼いでいたのだ。
  実直なブライトさんはアーガマ一隻で、なんとしてもサダラーンを撃沈するつもりだ。
  しかし、大気圏突入を予定しながらの戦闘はつらい。ええーい、プルまでが…
  次回、ガンダムZZ「燃える地球」。プル、離れるな!




第23話:燃える地球

#大気圏突入直前のサダラーンに攻撃をかけるジュドー達。
 見どころはグレミーに洗脳されちゃったプルと、大気圏突入を考慮してZZではなくZで出撃したジュドーとの絡み。

「戦う理由を見出せないんですよ、僕達」(モンド)
「地球を護るというのは理由にならんか?」(ブライト)
「僕達はスペースノイドですからね」.
「私だってそうだ。しかし我々を生み育んでくれたのは地球だろう。.
 ならば、宇宙にも出ないで地球を汚している連中を追い出すのも、義務というものだ」.
「乱暴なようだが、生き延びたいなら戦え。後戻りはできない」.
  未だ戦う意義を見出せずにいるビーチャとモンドを大人らしく諭すブライト。
  ここのところすっかりギャグキャラ化していた彼だが、久々に「らしい」ところを見せてくれた。
  だがこの直後、ジュドーのことを心配しすぎて、エルに即「おじさま的心配はやめなさい」などと
  突っ込まれてしまっている辺りを見るに、まだまだ完全復活とは言いがたい。

「出撃できない?」(トラジャ)
「ビビってるわけじゃない!納得できないだけなんだ!」(ビーチャ)
「大人達が勝手に始めた戦争に、なんで子供の俺達が戦って、尻拭いしなきゃならないんだよ!」.
「リィナを助ける為に戦うってんじゃ理由にならないの?リィナもジュドーも私達の仲間でしょ!」.
「嫌な奴だねビーチャ! いつまでたっても頑固なだけでさ…!自分勝手でさー!!」.
「お前は気に入らないけど、悔しいがお前の言う通りさ」.
「女子供を戦争に駆り出すなんて、俺達は最低の大人だよ」.
「どうすんの!?」.
「百式は俺が乗る。俺だってMSがどうすりゃ動くかぐらい知ってる!」.
「トラジャさん… そりゃ駄目だー!」.
「百式は、俺のですからね。パイロットが悪くちゃMSが良くても、意味ないでしょ!」.
「素直じゃないな、お前」.
  
エルの涙とトラジャの意地が、ブライトでも駄目だったビーチャの心を決めさせる。
  この時点でビーチャ→エル確定。だけどエルは現時点じゃジュドーなのよね。

  


「プル、チョコパフェを食べたくないのか!?」(ジュドー)
  この一言でプルの洗脳を解こうとするジュドーは無茶を通り越してむしろ凄い。
  が、それが通用しちゃうプルはもっと凄いと思う。

「お、おい!これが本物の引力だよ…! 俺達、落ちてるんだぜ!?」(ビーチャ)
「なんてバカでっかい水玉なんだ、地球って…!」.
  スペースノイドの子供から見た地球のファーストインプレッションがこれ。
  素直な驚きが伝わってくる感じで好印象。

<次回予告>
 
 いかにも素直そうな人の裏にもアクシズの動きがあった。
  タマンとアヌの兄弟だって、戦争の犠牲者かもしれない。
  しかし最後は、自分の責任で決着をつけなくてはいけないこともある。
  俺にできるのか?タマンのように…
  次回、ガンダムZZ「南海に咲く兄弟愛」。えへへへ!




第24話:南海に咲く兄弟愛

#ZZ、遂に地球へ。そして長い長いアフリカ編の始まり。
 妹を食べさせていく為、MSの操縦を覚えてアーガマを襲う地元の猟師と、
 それを止めようとするジュドー。だがZZでの水中戦はあまりに無茶がすぎる。

「極地戦用のMSを、なめてもらっては困るな!」(ネオジオン兵士)
  宇宙世紀における水中MSの最終進化系「カプール」登場。
  が、海を知らないスペースノイドが作った水中用MSということでその評価は低い模様。
  そして非常に残念ながらZZにおける登場はこの回だけ。活躍の続きは1万年後の「∀」で!

  


「私には分かるの。ジュドーがどんどん遠くへ行っちゃう…」(プル)
「ニュータイプって、そういうの!?」(エル)
  ニュータイプ同士の感応を理解しきれないエル。普通の女の子っぽいその反応にゴロゴロー

「誰が好きでこんなことをやってるものか…!」(ジュドー)
「戦いはつらいだけだって、見てて分からないのかー!」.
「他人に頼るから、こうなるんじゃないか。自分の出来ることを最大限にやりゃあ、.
 他人に利用なんか、されるもんかー!」.
「利用してたんじゃなくて、利用されていた…?.
 こ、この俺がか? そんなことあるもんかー!」(タマン)
「そんなことない! あるもんかー!」.
  ジュドーに戦いの空しさを説かれる地元の猟師タマン。
  よくいる寄り道エピソード専の雑魚キャラかと思いきや、手をワナワナと震わせて「この俺が…!」
  ときたもんだ。地形設定がアフリカというだけでクロンぼキャラにされるというぞんざいな扱いを
  受けといて、その器にそぐわない自己主張とは百年早い。

  


<次回予告>
  プルのおかげで悲惨になっているところに、もっと悲惨な人が出現した。
  ずーっと昔から砂漠で頑張って、打倒ガンダムだって。
  信じられない話をマジにやってくれるから、危機一髪の連続。敵のチームワークは抜群。
  次回、ガンダムZZ「ロンメルの顔」。ひとごとなのに、涙でちゃう…!




第25話:ロンメルの顔

#アフリカはダカール編その2。旧ジオンの生き残り部隊と遭遇するジュドー達。

「8年間… この日をどんなに…!」(ロンメル)
「時は来た! ザビ家に歯向かう勢力を叩き、ミネバ様の元に馳せ参じる!」.
「ジークジオン!」.
  ダカール郊外の砂漠地帯に8年間身を潜めて時が来るのを待っていた旧ジオンの
  中佐ロンメルとその配下達。8年って… しかも今さらジークジオンって… アンタどんだけ…

  


「いいよ、別に」(プル)
「あたしはジュドーだけに好かれればいいんだ!」.
  熱波の中、1人だけメガライダーの中に閉じこもってシャワー使いまくるわ、その癖「いいじゃん人のことは」
  と非常に利己的だわ、前にも増してやりたい放題なプル。ジュドーに「そういうとこ良くないよ」「直さないと
  みんなに嫌われるからな」と諭されてもこの返事。でも、でも一途で健気で可愛いので許しちゃうー

「この程度か?新型!」(ロンメル)
「間合いが甘い!まだまだだ!」.
「なにを偉そうにィー!」(ジュドー)
  虎の子のドワッジとその改造版の2機で、ジュドーのZに奇襲をかけるロンメルとキャラハン。
  型落ちの機体(ドムを砂漠仕様にしただけ)でZと互角に戦ってのける辺り、腕の方は確かなようで。
  ところで旧ジオン時代のこの手の軍人って、ガデムといいこの人といい、みんな間合い信者なのね。

  


「アーッ、もう駄目ですっ!中佐!速く援護を!」(ニキ)
「撃てェー!」(ロンメル)
「中佐ァ…!」.
「ああっ… 中佐ァー、私がまだおります!」.
「中佐ァ、私は味方のザクであります!」.
(完全シカトで)弾幕薄いぞ!」.
(弾幕の一つに被弾して)中佐ァー!」.
  奥さんにゃ貴男行かないでと止められるわ、そのことを中佐に咎められ「女房の教育がなっとらん」と
  なじられるわ、挙句にゃおとり役までやらされといて用が済んだらハイさよなら〜って、こんな使い捨て感の
  強いキャラ見たことない。咬ませ犬にすらなれなかったその働きアリっぷりがあまりに悲惨だったので、
  せめてここで取り上げてお前の戦いは完全に無駄ではなかったと弔ってあげる試み。いや無駄だったけど。 

  

  (左:援軍を見て歓喜、右:裏切られた瞬間)

「エル、なにやってんの!」(ビーチャ)
  あ、ブライトさんの癖がビーチャにうつった。

「私は、今日までロンメル隊を鍛えてきたんだぞ。ガンダムとはいえ、この程度の数を…!」.
「なにッ!正面のガンダムは… こ…子供だ…!」(ロンメル)
「やめろ!もう勝負はついた!これ以上戦っても無駄だ!」(ジュドー)
「こんな子供に… フッフフフ… ロンメル部隊が… 8年…!.
 8年の間に時代の流れに取り残されたというのか… 砂漠はまったく同じだったんだぞ!.
 
それなのに… こんな子供が…! ウオオオオオオオオオ!!」.
(特攻を止めつつ)…あ、アンタ、駄目だよ… 無茶やってさァ… 何になるのォ?」.
「無茶だと!私が無茶だと! 私は、待ったのだ…!.
 待って、準備をしていた…! それが無茶なことだと言うのか!(爆発).
「そ、それ見ろ… これが無茶でなくて、なにが無茶なんだよ!.
 結果が分かってから、分かるってのはホントに!」.
  ガンダムチームの圧倒的火力の前に味方全機を失って、かつてのコンスコンのごとく呆然自失となるロンメル。
  その上、戦っていた相手がまだ15に満たないガキとあっちゃね、そりゃ自嘲的に笑っての特攻も辞さないわって
  お話ですわな。ラストにてニキの死を知りすすり泣く奥さんのカットが切なすぎてもう…

  

<次回予告>
  いつまで続くの、この砂漠? その水の苦労が、俺達に次の戦士と出会わせた。
  女だって戦える、ではない。女だから戦えるんだ!
  そんなことを、哀しいまでに分からせてくれたのが、あの娘だ。赤いゲルググが砂に滑る。
  次回、ガンダムZZ「マサイの心」。雨よ、砂漠に降ってくれ!




第26話:マサイの心

#ダカール編その3。前回の旧ザクに続いて今度はゲルググと遭遇するの巻。
 あと、この回からOPがロマン歌謡の名曲「サイレント・ヴォイス」に変更。あ、EDもか。

「ぬるい…」(プル)
  水浴びで最後の水を一瞬にして使い果たしてしまったプル。
  そんな彼女に対して、いよいよ堪忍袋の緒を切らしたルーとエルのキレっぷりに注目。
  「穴掘って埋めちゃおう、こう首だけ出してさ」(ルー)
  「MK2の背中に乗せようよ、装甲が大分熱くなってるからさ、今なら目玉焼きが出来る」(エル)
  うーん、女同士のケンカはこわい…  

  


「ゲルググで倒せない敵はないんだ!」(マサイ)
  3年前に死んだ恋人タグの名誉を挽回すべく、ゲルググ1機でガンダムチームに立ち向かうマサイ。
  砂漠の特性を活かして、MK2、百式、Z等を次々手玉にとっていくその戦いっぷりは見事の一言。
  だけどゲルググ最強説は絶対間違ってる。

  


「タグ… あたし、今度… なにするの…」(マサイ)
  ジュドー等に敗れて放心状態となって、部屋の片隅にて1人呟くマサイ。
  「あのお姉ちゃん、可哀想… タグって人が死んで3年も1人だったんだよ… 
   なのに、これからは、もっと、ずっと1人なんだよ…」
  そう呟いて、その哀しみを代弁するようにさめざめと泣くプルの姿がただ切ない。

  


<次回予告>
  ダカールで見たものは、陳腐だけど大人達の堕落と腐敗だった。
  俺はリィナがハマーンの近くにいると分かって、一直線で救出に向かった。
  カラバだってダカール攻撃にでる。もちろんリィナとは会えたけど、後がいけなかった。
  次回、ガンダムZZ「リィナの血」。悪い予感…!




第27話:リィナの血(前)

#リィナ救出作戦、いよいよ大詰め。
 その最中、意図せぬハマーンとの直接対決を果たすジュドー。
 
「俺はこの戦いを見届ける。勝手な大人達に、一泡吹かせてやりたいんだ!」(ジュドー)
  リィナ救出後、ガンダムチームを抜けてどこかのコロニーでリィナと暮らさないかと
  エルにもちかけるジュドー。ジュドー自身はどーすんの?とエルに聞かれてこの返事。
  直後、「あたしはジュドーの側に…」と言い淀むエルが可愛いー

  


「こんなの違う!私はこんな大人になる為に生きているんじゃない!」(リィナ)
  ネオジオン主催の舞踏会にて、大人達の上っ面だけの処世術を垣間見せられて憤るリィナ。
  普段しっかりしてるせいでつい忘れがちになるけど、よくよく考えたらまだ10歳なんだよね。

  


「お前には分からないのか。.
 このパーティに駆けつけ、我らネオジオンに尻尾をふる大人どもこそ、.
 この地球を腐らせる根源なのだと」(ハマーン)
「だからって、貴女に正義があるとは思えないな!」(ジュドー)
「私はアステロイドベルトで、ぞっとするほど暗く冷たい宇宙を見続けながら、何年も生きてきた。.
 その間に、地球の愚かな人間達は何をした? 地球再建に奔走するあまり、地球の汚染を省みず、.
 あろうことか汚染を拡大させてきた!それを許すわけにはいかない!」.
「…フ、フフフ、私はお前といると、すらすらと本心を喋ってしまう…不思議なものだ」.
「そんなこと言っても、俺はアンタのものにはならない!」.
「分かっている。お前には確かにニュータイプの要素を感じるが、.
 
お前は流れに乗るということを知らなさすぎる。直感だけに頼っていれば、いずれ破滅するぞ!」.
「ニュータイプなんて知らないね!俺はリィナを助けるだけだ!」.
「このごに及んで私な感情で動くとは… 始めは私に期待を抱かせて、最後の最後に私を裏切る…!.
 ジュドー・アーシタ!お前もだ!」.
  珍しく本心を吐露しまくるハマーン様。
  「尻尾をふる大人」辺りのくだりから見るに、リィナが嫌悪する汚い大人達の、本来ならトップたるハマーン様
  自身が実は一番お子さまだったという罠。ついでに最後の「お前もだ!」の「も」が意味するところは、やはり
  アズナブル君あたりの置き土産なのだろうか?

  


「嫌いだね、そういうベタベタしたのは。続きは天国とやらでやるんだな!」(ハマーン)
  ジュドーを護ろうとするリィナを見て急に激昂しだすハマーン様。
  その後の取っ組み合いによってリィナを傷つけられマジ切れしたジュドー、殺意の波動を四方八方に
  まき散らし始める。その絶大なる威力、中でも大阪城をブチ抜いた味王様ばりのオーラ巨大化は外で
  戦っている筈のエルやビーチャ、ルーに巨大な不安感をもたらし、グレミーに「なんだ、この肌にまとわり
  つくような不快感は…」と呟かせ、あの豪胆なハマーン様をして生娘のごとく怯えさせるほど。

  


「この私にこんなにもプレッシャーをかけた… あれは危険すぎる…!」(ハマーン)
  怯えるあまり、ベッドにうずくまり、両手をプルプル震わせるハマーン様。
  ZZ全47話中、ハマーン様が唯一メスの弱さというものを垣間見せるシーン。

  


<次回予告>
  傷ついたリィナをプルに任せたのに、俺は二人の微妙な心理に気がつかなかった。
  どこかで調子にのってた。その二人のいる筈の建物に、こともあろうにグレミーの配下の
  MSが墜落してくれた。
  次回、ガンダムZZ「リィナの血」。情けないニュータイプ…




第28話:リィナの血(後)

#ダカール市街におけるリィナ救出作戦、後半。
 懐かしきFの戦士、あのハヤトもカラバ首領として久々に登場。

「私には親も兄弟もいないから、だからジュドーが欲しいんだよ!」(プル)
「なのに、リィナはいいよ。.
 アンタは黙っててもジュドーに可愛がられて、アクシズにきたってグレミーに可愛がられて….
 私なんて毎日毎日、ヘンな機械を頭に被らされて!」.
「ジュドーをちょうだい!ちょうだいよ!アンタは一杯幸せだったじゃない!」.
  ジュドーを独占したいあまり、胸の内にたまった思いを吐露しつつ、リィナとケンカしはじめるプル。
  この暴走モードのプルを頭ごなしに叱ることなく「みんなで兄弟になればいい!」と優しく諭したあたりに、
  ジュドーの精神的成長が感じられたり。

「分かったよ、ルー… ルーの思い通りにするがいい。君にやられるなら…本望だ」(グレミー)
「さあ、ルー!」.
「……………(躊躇している間に背後から砲撃を受けて)アッ!」(ルー)
「フッ、甘いな!」.
  グレミーの背後をとったものの、これまでグレミーをおちょくってきたツケをこの土壇場で返されて
  己の甘さを思い知るルー。後にやってくる再対決時の伏線にもなっているシーンなので要チェキ。

「私は、今まで一体何をやってきたのだ…! リィナを失い、プルまで造反する…!.
 血筋のおかげで、今の身分までのし上がってきたのではない筈だ!」(グレミー)
  ルーから一本とったまでは良かったものの、その後は散々なグレミー。
  この一件に思うところあったか、これ以降、より力を増したグレミーは、ハマーンのネオジオンと
  双璧を成すニュージオンの総帥におさまることに… なるのはまだまだ先の話みたい。

「感傷に溺れていると、今度は貴男が死んじゃうのよ!.
 それじゃリィナの死は無駄になるでしょ!」(ルー)
「アンタは頭で考えてる理屈を言ってる…! 人は理屈で動くもんじゃない!!」(ジュドー)
  リィナが行方不明になってしまった現場からテコでも動こうとしないジュドーと、
  そんな彼をわざと叱り飛ばすルー。この件を境にストーリーはこれまでのギャグ路線から一転、
  シリアスモードへと急転換していくことになる。

  


<次回予告>
 
 原因がルーにあるわけじゃないが、もっと我慢してくれなければ。
  アーガマで正規の訓練を受けたパイロットはルーだけなんだから。
  しかし、よりによってビーチャとモンドめ、ルーを楯にしてグレミーにせまるんだから。
  ルーは怒るし、グレミーはたじろぐ。
  次回、ガンダムZZ「ルーの逃亡」。ルー、カムバーック!




第29話:ルーの逃亡

#リィナの件で落ち込むジュドー、
 そんな彼を立ち直らせようとするあまり、ついつい厳しい言葉を浴びせてしまうルー、
 そして歪んでいくシャングリラ組との絆。

「ジュドーはリィナの存在が感じられなくなったんだよ」(エル)
「ジュドーはニュータイプ的になってるから、妹が死んだことを肌で感じとってるのよ…!」.
「ジュドーに、遠く離れたものを感じる能力があるっていうの?」(ルー)
「もともと人間が持ってる潜在能力よ。.
 それがテクノロジーに頼りすぎて、みんな感じなくなってるだけじゃないの!」.
「分かった分かった。でもね、ジュドーは完全なニュータイプじゃないでしょ?.
 自分の感情に溺れているだけの人でしょうが!」.
  リィナのことがショックでコアファイターに閉じこもってしまったジュドーを話の中心に据えて、
  ともにニュータイプ論を交わすエルとルー。エルの「ニュータイプ的」という物言いはちと新しいかも。
  あとさりげにエロくなってるエルの私服にも注目。

  


「いい!昔の人は、もっともっと理不尽なことで死んでいったのよ。.
 悔しかったら、もう一度戦う気力を取り戻したらどうなの!」(ルー)
  ジュドーを発奮させようと頑張るも、直情的すぎてどこか空回ってしまうルー。
  だが、すぐとはいかずとも、この言葉は確かにジュドーの心の琴線に触れることになる。

「我々を結びつけるザビ家の血の繋がり、忘れるなよ」(ハマーン)
  カラバを抑えるようグレミーに命じるとともに、結束面をも念押しするハマーン。
  グレミーから言わせれば「意外と。ハマーン様も甘いようで」といったところか。
  直後、1人ポツリと洩らした、
「ヴィーナスの成すがままに。さすれば彼女は、バルスを連れてくるだろう…」(グレミー)
  という一言にも、グレミーの微妙な心境の変化が示されている。

「たわけたことを。愛する者の為に死ぬなど、愚か者のすることだ。(オウギュスト)
 それが片思いであればなおさら… しかし、その方がこのオウギュストには好都合か」.
  前話より登場、グレミーの補佐役にしてドライセン隊の隊長、オウギュスト・ギダン、
  グレミーの「ヴィーナス…」の呟きを真っ向から否定している辺り、グレミーに忠誠を誓っていると
  見せかけて、実はハマーンとの両天秤にかけようとしている野心家か?

  


「人の悲しみを、土足で踏みにじるような真似をするからだ!」(ビーチャ)
  落ち込むジュドーにわざと厳しい言葉を浴びせるルーを、真っ向から批判するビーチャ。
  なんのかんのいっても仲間思いなのね。

「漢字付きのMSを叩くにゃ、いい方法なんだよォ!」(ビーチャ)
  この場合の漢字付きとはグレミーのバウ、そしていい方法とはルーをおとりに使うこと。
  ひどすぎる作戦だが、これが通用してしまう辺り、まだまだグレミーは甘すぎるといわざるをえない。
  そして文字通り砂にまみれたグレミーさん、そんな彼の反省の弁がこれ↓
「私は… 青春を… 青春を捨てると言いながら… まだ私は…!」
  駄目だこりゃ。色ボケは死ななきゃ直らんか。

  


「悲しみからは、何も生まれないわ、ジュドー」「戦うのよ、それが生きることに繋がる筈よ」
「悲しみに負けないで… ジュドー」
(ルー)
  遂にはビーチャ達の策謀によりブライトの誤解を受け、アーガマから放逐されてしまう羽目になるルー。
  弱り目に崇り目なこの状態にあってなお自分の身よりも先にジュドーのことを心配している辺りに
  彼女の芯の強さが垣間見える。こりゃ相当いい姉さん女房に… そういや本編終了後、木星でジュドーと
  くっついたって噂は本当なのだろうか?

  


<次回予告>
  ルーとグレミーは、砂漠の町に迷いこんだ。
  そこには深い運命を背負った民族が住み、宇宙に行くことを嫌った人々がいた。
  そして二人の間には敵味方という深い溝がある。
  次回、ガンダムZZ「青の部隊」。砂漠に青い風が吹く。


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