第21話:Zの鼓動

#この回から遂に初お目見えするZガンダム。
 ジェリドとマウアーの操る新型可変MSガブスレイ2機とのいきなりの交戦は見もの。

  


「月の裏側に拠点があるからと言って、地球連邦政府を恫喝する材料にはならん。.
 それがスペースノイドには分からんと見える」(ジャミトフ)
  この人、そのツラからしてすっごく悪玉のように見えるけど、実はシロッコやハマーンなんかより
  よっぽど地球の未来のことを真剣に憂いている1人だったりする。
  そんな彼の「地球人口削減による地球環境の保持」という考えは、この後、シャアの隕石落としに
  より実際に実行されることになる。

  


「サインだけでは、信憑性がありません」(シロッコ)
  ジャミトフに似非の忠誠を誓うシロッコの誓約状。御丁寧に血判入り。
  実際の文面は以下。
   
YOUR EXCELLENCY JAMITOFF HYMANN
   YOU EXCELLENCY
   I PLEDGE MY LOYALTY TO YOU
   IF EVER I VIOLATE MY PLEDGE.
   YOU MAY TAKE MAY LIFE

  意味は「閣下に忠誠を誓います。違約あらば命を差し上げます」かな。

  


「口数が多いんだから。トーレスの奴、トーストにしてやる…!」(カミーユ)
  トーレスに細かいことを色々言われてブーたれるカミーユ。
  アーガマ帰還後、この件で殴り合いのケンカとなり、トレースともども仲良く自習室入り。
  作品全体にギスギスムードが漂うZにあって、ちょっと微笑ましくなる1シーン。

「自分がさみしいからって、他人に八つ当たりをしない!」(エマ)
「寂しい?僕が?」(カミーユ)
「鈍感なのね。だから他人に噛み付くのよ」.
「本気で言っているんですか?」.
「自分のことも分からないくせに、偉ぶるのではなくてよ!」.
  トーレスとケンカの次は、エマさんにお説教くらうカミーユ。
  「地球で恋でもしてきたんでしょ」とまで突っ込まれ、マジ切れる。
  それにしてもこの顔!そしてこの髪型!更には「ではなくてよ!」って語尾! 
  た、たまらんー、もっとなじってー
  
  


「失礼を承知でお聞きします。シロッコ大尉は何が狙いで?」(ジェリド)
「私の使命は、重力に魂を引かれた人々を、解放することだと思っている」(シロッコ)
「それは、エウーゴの目的です」(マウアー)
「違うな、宇宙宇宙と騒ぎ立てながら、エウーゴだって地球圏に縛られている点では、連邦の人々と変わらん」.
「御自分は、ニュータイプだとおっしゃるのでしょうか?」.
「私は、私がいなければ、時代は変わらないと感じているに過ぎない」.
「ジャミトフは、地球に引かれている人を根絶やしにする為に、地球連邦軍をティターンズにした」
「戦争を起こして、地球の経済を徹底的に窮地に追い込めば、地球上の人間は餓死をしていなくなる」
.
「それでは、表面的には、エウーゴの目的と同じように見えますが」.
「問題はその後だ」.
「戦争の後で、誰が人類の支配を握るかで、地球圏はどうにでもなる」.
「そのときに、地球圏を治める天才が必要だと、思えんか?」.
「それをアンタが?」.
戦後の地球を支配するのは、女だと思っている.
  表面上はあくまでフェミニストを装いつつ、しかしその内面は全て己のエゴで埋め尽されている
  シロッコのゴーマニストっぷりがよく伺える1シーン。
  が、この自信を支える確かなる実力、そしてその先見性からして、性格に多少難ありとは言え、
  確かにシロッコが一代の英傑であったことは間違いないかと。

「男って、戦争になると元気で、頭も回るようね」(エマ)
  ジェリドのガブスレイの存在を勘のみで察知するカミーユ。
  その事でエマに注意を促したらすかさず嫌みを言われて、思わず「あんた、俺の姉さんじゃないだろ」
  とブンむくれる。

「大人には大人の男が似合うものだ。小僧を相手にするのが好きなら別だが…」(シロッコ)
「君の野望を叶えられる男は私だけだよ、君に野心がある限り、それだけは忘れない方がいい」.
「なんて男…!」(マウアー)
  至極あっさりとシロッコに小僧扱いされるジェリドのぞんざいっぷりが際だってる1シーン。
  それにしても、フェミ・エゴ・ゴーマンに加え、ナルシスっぷりまで見せてくれるシロッコ。
  いくら何でもキャラが濃すぎやしないか?

<次回予告>
  
カミーユはファに冷たかった。ジェリドは、シロッコとヤザンを意識して、戦闘に身を晒した。
  しかしアーガマの新しい戦力の前に苦戦をする。それを見つめるパプティマスは、何を考えているのかしれない。
  次回、機動戦士Zガンダム「シロッコの眼」。君は、刻の涙を見る…!




第22話:シロッコの眼

#初戦闘におけるサラの空回りっぷりと、それに輪をかけて空回りしてるジェリドの無惨っぷりに注目。

「何故、やりませんと言えん!」(ブライト)
「いいじゃありませんか、あれはレクリエーションですよ、レクリエーション」(エマ)
  パイロットになる・ならないでファと口論しはじめたカミーユを叱るブライトと、それを取りなすエマ。
  レクリエーションって言葉の使い方がトミノっぽくていいと思う。
  ガンダムシリーズの良さってこういうセリフ回しの中にこそあると思っているのだけど、最近のシリーズ
  にゃこういうセンスが全然感じられなくて、そういう点に関しては少し寂しいなと思ったり。

「私が言ったら余計に駄目でしょう」(エマ)
「カミーユは本能的に私を好きですから」.
「それは…」.(ブライト)
「うぬぼれで言っているのではないのです」.
「つまり、カミーユのマザーコンプレックスに、手を貸すのが怖いんです」.
「そうかな」.
「私、カミーユの母親代わりにはなれませんよ」.
「困ったな…」.
「突き放して、カミーユの自覚を待つ以外、ありません」.
「まったく、図体ばかりは一人前な癖に!世話のやける子供だ」.
「軍隊では父親役が兵を育てるんでしょ?」.
「…分かった、ったく!」.
  「本能的に私を好きですから」って、もはやうぬぼれを超えて居直りに近いレベル。
  しかもこれがその通りだったりするから、なおかつタチが悪いというお話。
  やみくもに背伸びしたがってるガキと自分を大人と勘違いしてる子娘のサンドイッチになった
  ブライトが一番可哀想だ。そりゃ「なにやってんの!」とも言いたくなるわ。

「しかし、この手だよ…まだけ汚れを知らないこんな手で、人殺しが出来るのか?」(ジェリド)
「私は人殺しはいたしません」(サラ)
「じゃあ何でMSのパイロットだ!」.
「戦争は、人をよりよく活かすための必要悪ですから。その為に戦うだけです」.
「戦闘局面であっても殺さないで済む敵なら殺しません」.
「そんなことでは…敵に殺されるぞ!」.
「私はまだ死にたくありません」.
「なら、なんでパイロットになった!」.
  シロッコが選んだニュータイプ候補生サラとチドレ、いきなりジェリドにいびられるの図。
  彼女等が足りない頭を懸命にフル回転させつつどうにかひねりだしてる小理屈を1ミリたりとも
  聞こうとしないでただ「なんでパイロットになった!」を繰り返すジェリドのナチ式尋問術が実に素晴らしい。
  男子たるものかくあるべきだと心の底から思う。

  


「中尉のあの直線的なところは、信じていい人だと思っている」(チドレ)
  戦果をはやるジェリドの指揮に対して、疑問をもつサラ。
  が、意外なことに同僚のチドレは彼を支持。
  その信頼はものの見事に裏切られ、Zの攻撃によりあわれチドレは宇宙の塵と化す。
  断末魔は「アーッ」。ジェリドを信じたばっかりに…合掌。

  


「なにやってんの!ファが出る!?」(トーレス)
  あ、この「なにやってんの!」ってトーレスも使うんだ。それともブライトのがうつったのかな?
  で、このファ出撃のとばっちりは結局のところ、アポリーにいくことに。
  ブライトに面倒を見ろと言われて「なんでです?」と聞き返したら逆ギレされて「出るんだよ!」。 
  質問の答えにまるでなってないところが軍人っぽくてステキだと思う。

「出てこなければ、死なずにすんだのに…!」(サラ)
  ファ駆るディアスの弾切れを見て、思わず相手に同情するサラ。
  自分も同じ未熟者のくせして余裕見せてる場合かっつの。
  この後、案の定、Zにポカスカくらって「敵の意志が固まって私を襲う!」などと意味不明な言い訳
  たれつつ、尻尾巻いて退散する羽目になる。
  ところでこセリフってよくよく考えたら12話でイヤイヤしがら敵をブチ殺しまくってるカミーユの
  それと同じなんだね。

「しかし、人間は感情の動物です!」(ファ)
  カミーユとうまくいかないイライラもあってか初戦闘で気負ってしまい、
  結果、チームワークを乱してしまうファだが、この言い訳セリフは実に彼女ッぽくてよろしい。

<次回予告>
  
シロッコが先導する艦隊は、フォン・ブラウン市に襲いかかった。
  そしてアーガマの防戦をくぐり抜けた、ドゴス・ギアは、強行着陸をしたのである。
  その思いもかけない強行軍に、アーガマは沈黙した。
  次回、機動戦士Zガンダム「ムーン・アタック」。君は、刻の涙を見る…!




第23話:ムーン・アタック

#アーガマvsジャマイカン/シロッコ連合軍。
 月軌道上において、フォンブラウン市争奪戦。

「戦争などは、所詮はその前後の戦術の優劣によって決します。.
 我々の判断の正しさに自信を持ちましょう」(クワトロ)
  攻撃を受けてからでは遅すぎると先手必勝を唱え、ウォンと議論になるクワトロ。
  流石は「当たらなければどうということはない!」「戦いとはいつも2手3手先を考えて行うものだ」等々
  独自の戦術論を展開した名指揮官らしい、重みのこもったセリフ。

「考えてみれば…男の戦場にこんなにまで女性が前に出てくることは、異常だ」(カミーユ)
「世界が変わってきている…」.
  レコアとファがメタスの整備をしているのを見て、ライラ、ロザミア、フォウなど、
  過去に刃を交えてきた敵パイロットのことを思い浮かべるカミーユ。
  そいやこれまでのカミーユのライバル・パイロットって、ブランとジェリドを除けば、ほとんど女性だね。

「動け!止まっていては!」(クワトロ)
  戦闘慣れしていない味方機のネモを見て思わず舌打ちするクワトロ。
  もちろんそのネモはきっかり2秒後、宇宙の塵と化しました。

「時代は変わったんだ、オールドタイプは失せろ!」(ジェリド)
  むしろお前自身がオールドタイプだよ! そう全力で突っ込みたい場面ナンバーワン。

  


「この不快感は…」(カミーユ)
「こ、これは…この不愉快さはなんだ…! この感覚…あの男か?」(クワトロ)
  独断先行でフォンブラウンに降下するシロッコのドゴスギア。
  エウーゴのみならず味方のジャマイカンをもまんまと出し抜き、見事都市部の制圧を果す。
  ちなみにフォンブラウンは、人類が月に初めて降り立った地点だそうで、
  「フォンブラウンを制するものは宇宙(そら)を制する」との格言まである程の重要拠点らしい。

「決められた役割を演ずるというのは、難しいものだな」(シロッコ)
  嫉妬したジャマイカンにケチを付けられた上、張り手を食らうシロッコ。
  だがそれをもあっさりあしらって彼が去った後、叩かれた頬をさすりつつポツリとこの一言。
  このナルっぽさがいいというファンは多いみたいね。

  


<次回予告>
  
カミーユは、フォン・ブラウン市に潜入をした。
  ジェリドとマウアーに出会ったカミーユは、反撃を開始したアーガマと合流する事に遅れた。
  エゥーゴは、フォン・ブラウン市を奪還できるのか。
  次回、機動戦士Zガンダム「反撃」。君は、刻の涙を見る…!




第24話:反撃

#フォンブラウンに潜入調査するカミーユの活躍と、
 メタス駆るファが繰り広げるコロニー内でのMS戦が見どころ。そいやこの回からOP変更。

  

  
都市外殻破損により、壁から飛び出してくる酸素マスク。
  こういう細かい設定まできっちり描写してある辺りが、ガンダムワールドの真骨頂だと思う。

「君には…世の中を動かす一人に…なってもらいたい…」(ブレックス)
「…君がエゥーゴの、指揮をとれ… シャア・アズナブル…!.
  エゥーゴ総司令ブレックス・フォーラー准将、スペースノイドの未来を案じつつも
  ティターンズ刺客の凶弾により倒れる。享年58才、合掌…

  


「コイツ、さっきと動きが違う… 少しは骨があるようだ」(ヤザン)
「貴様、遊びをやっているつもりか!」(カミーユ)
「子供か!」.
「子供なものか!」.
  歴代敵キャラの中においても、しぶとさ・図太さともに文句なしでナンバーワンと思われる、
  あのヤザン・ゲーブルが遂にカミーユと初戦闘。
  自分が不利とみるや「また会おうぜ、坊や」と捨てセリフを残して、すかさず逃げをうつ辺り、
  流石、百戦錬磨のエース級パイロットと言うべきか。

  


「今日の都合で魂を売った人々の決定などは、明日にも崩れるものさ」(クワトロ)
  フォンブラウンにおける議会により、地球連邦軍がティターンズの管轄下に置かれる法案が
  決定する瞬間を眺めて。シャアらしいアイロニーに満ちた捨てセリフだと思う。

<次回予告>
  
シロッコの部下、サラはジャマイカンのコロニー落とし作戦をアーガマに密告した。
  ブライトは、その言葉を信じて、コロニーの落下するコースに向かう。
  グラナダを火の海にすることは、エゥーゴの敗北を意味するからだ。
  次回、機動戦士Zガンダム「コロニーが落ちる日」。君は、刻の涙を見る…!




第25話:コロニーが落ちる日

#エウーゴに奪回されたフォンブラウンを取り戻すべくコロニー落としを謀るティターンズと、
 それを阻止しようと奮闘するエゥーゴ、両陣営の意地の張り合いに注目。

「…しかしな、君が赤ちゃんを生めんようにでもなったら…」(ヘンケン)
「あ、あたし、結婚… 考えていませんから」(エマ)
  核パルスによる放射能汚染を気づかうヘンケンと、その好意に戸惑うエマ。
  気晴らしに食堂のおみくじを引いたら、今度はその結果が「近々縁談あり」で、思わず天を仰ぐ。

  


「カミーユは良くやっています、ファに噛みつかれながらも」(レコア)
「ああ、直感と用心深さを持ち合わせはじめた。しかし、まだ若すぎる」(ブライト)
「ニュータイプに年齢は関係ないのでしょ?」.
「まだニュータイプとは思えないな」.
「すぐカッとなるからですか?」.
「ああ、私と同じだ」.
  アムロの時と同じく何かと理由をつけて若手の成長を認めたがらないブライト。
  その芝居がかったオーバーアクションも含めて、一番成長してないの、実はコイツかも。

  


「市長、アーガマもラーディッシュも勝つよ。.
 でなければ地球は滅び、ティターンズもエウーゴもなくなる!」(ウォン)
「それはそうだが…」(フォンブラウン市長)
「だから今はエウーゴが勝つのだ。そう、私は信じている。.
 だから市民を避難させて、エウーゴへの不信感を育てるようなことだけはやめてくれ…!頼む」.
「…死ぬときは…一緒だというのか…」.
  刻々とフォンブラウン市にせまるコロニー。
  市民を避難させたいと言い張るグラナダ市長と、パニックを怖れて情報隠蔽を主張するウォンとのぶつかり合い。
  このオッサンの無駄に熱くてガキっぽいところは、結構好きかも。

  


「ターゲット確認。主砲、分かってんの!」(トーレス)
  トーレス、完全にブライトがうつったか。
  ただその貫禄はまだまだのようで、相手に「こっちも子供じゃない!」と言い返される。

「まだ、子供の間合いだな!」(ヤザン)
  一気に間合いを詰め、Zガンダムの懐で変形するという戦法で、カミーユを窮地に追い込むヤザン。
  が、ギャプランの弱点である真下からの死角を突かれて、前話に続き、再度尻尾を巻いて逃げ出す。 
  ところで大人の間合いってどれくらいなんだろう?
 
  

「貴男、優しいのね。会えて嬉しかったわ…」(サラ)
「え…(蹴落とされて)あっ、アー」(カツ)
「皮肉じゃないのよ、カツ。好きよ」.
  サラにまんまと騙されて、ハイザックのコクピットから蹴落とされるカツ。
  「あの女!あの女!」と言いながら悔し涙を流すところも含めて不様極まりない。

「人間って、そんなに信じられないのか…」(カツ)
  挙句、サラを逃がしてしまった咎により、反省室でこれ以上ないくらいきっちりと
  正座の刑に処せられる負け犬カツ。
  ここまで己の阿呆っぷりを晒けだしといて「人間ってそんなに信じられないのか」って
  悔し涙まじりに呟かれてもなー、あまりに説得力に欠けすぎる。
  これが例えばエマとかなら、正座マニアである自分にとっては堪らないものがあったのだが…

  


<次回予告>
  
ヤザンは、徹底抗戦の火蓋を切った。その戦闘空域に紛れ込むのは、かつてのジオン公国の戦艦である。
  カツは、そこでヤザンのモビルスーツを撃破する武器を発見した。人々は、ジオンの亡霊に追われているのか。
  次回、機動戦士Zガンダム「ジオンの亡霊」。君は、刻の涙を見る…!




第26話:ジオンの亡霊

#巨大デブリと化した戦艦内での、カミーユとヤザンのMS接近戦に注目。
 ちなみに、この回に出てくる旧ジオンの戦艦:グワジンに対しての考察は非常に面白いので、
 コアなファンは一応チェキっておくといいかも → 


「グエッ、中隊長どの!」(アドル曹長)
「縮んどるぞー!まだ出撃前だ、しっかりせい!」(ヤザン)
  ジャマイカンを亡きものにしようと画策し、計を仕込むヤザン。
  それにしても決めてとなるのがキンタマ・ニギニギとは。コレ、万国共通の殺し技みたいね。

  


「戦場では、ビビった者が死ぬんだ、覚えておけ!」(ヤザン)
  初戦闘に慣れないアドルを励ますヤザン。
  こう見えて、なかなか面倒見のよい男でもあるのだ。

「似ているな…アムロ・レイに」(ブライト)
  エマのピンチを勘だけで感じ取って、出撃許可を求めてきたカミーユを見て一言。
  ニュータイプとしての素質はともかく、そのひねくれ度合は確かにクリソツ。

「使える…」(ヤザン)
  ゲルググのビームナギナタを手にして一言。そんなもん、使えるわけねーだろ。
  この3秒後、案の定カミーユに「そんなものー!」で一蹴され、デュワーと悲鳴を上げつつ、
  またまた尻尾巻いて逃げることになる。

  


「…このままで、終わらせるつもりはないんだよ」(ヤザン)
「いい子だ、ちゃんと追い付いてくれよ」.
「撃てよ、ガンダム… 狙いを外すな…!」.
  やられてもタダでは転ばない男、ヤザン、そこがジェリドとは大きく違う。
  逃げたふりして、エマのMK2をアレキサンドリアまで誘導することにまんまと成功する。
  
「ヌォォォォォ…ンガァー!(ジャマイカン)
「…ここは戦場だからな」(ヤザン)
  自機とアレキサンドリアとの配置を同一線軸上にとり、エマ機の放ったビームを直前で避けるヤザン。
  ビームはアレキサンドリアのメインブリッジを見事に直撃し、哀れジャマイカンは宇宙の藻くずと化す。
  その中途半端な悪役っぷりと完膚なきまでな俗物っぷりがわりと好きなキャラだったけれど、たぶんこの先
  生きていても、シロッコにやられるかバスクに見捨てられちゃうかの2択辺りがせいぜいだろうと思われる、
  ので、まあ、ストーリー的にも人物的にも、ここらでの退場が妥当というところだろう。

  


<次回予告>
  
シャアのシャトルを回収するために、衛星軌道上から動けないアーガマ。
  それに、ジェリド、マウアー、サラが強力なメガランチャーを装備して接近をする。
  その防戦の中、カミーユは冷静な敵の眼を感じた。
  次回、機動戦士Zガンダム「シャアの帰還」。君は、刻の涙を見る…!




第27話:シャアの帰還

#宇宙に帰還するシャアのシャトルを巡る、敵味方入り乱れての攻防戦。 
 家族からのビデオレターを見て、頬を涙に塗らす「なにやってんの」おじさんの姿には
 ちょっとジーンとくる。ちなみに、画面の男の子はのちの「ハサウェイ」。

  


「ファ、カンジョウセン、タカイ!タカイ!」(ハロ)
  カミーユとまたもや口ゲンカ、遂にはハロにまで小バカにされはじめたファ。
  この一件を聞いたアポリーによると、
  「レクリエーションもいいが、ヘンに悩み事を抱えている少年の顔はよくないぞ」だそう。
  ちなみに、それを伝え聞いたブライトのコメントは、
  「
私には、とてもカミーユの父親役は出来そうもないな(溜め息)」だそうで。

  


「俺の乗る船には、旧式な人形も、その半端な戦闘人形なんかも、載せておきたくないのさ」(ヤザン)
「私が戦闘人形?」(サラ)
「そうだろ?」.
「文句があるならZガンダムを倒してから言え!そうすれば聞いてもやろう」(ジェリド)
「その言葉、本気にするぞ?」.
「男に二言はない!」.
(ヤザンに手袋ではたかれて)貴様…!」.
「せいぜい、その強化人間って奴と一緒に頑張るんだな」.
  「こんなオンボロで戦おうって考えには耐えられん!」と、滅茶苦茶な理論を振りかざし、
  ハイザックを力づくでも放り出すといって聞かないヤザンに対し、相対するサラとジェリド。
  それぞれの「格」というものがハッキリと表れている1シーン。
  凄まじい勢いで成長しているとはいえ、実力・貫禄・役者っぷり、全てにおいて、ジェリドは
  まだまだヤザンに遠く及ばない模様。

  


「君の背景の事情などはいい」(ジェリド)
「今、眼に見えている時代を突破すれば、いつか背景にある事情も変わってくる…」.
  シロッコよりもジェリドを選んだマウアーに対し、男を見せるジェリド。
  良い悪いは別にして、これだけフォーカスを当てられるってな、実はジェリドって相当幸せな
  キャラじゃないだろうか?
  もはや、彼はカミーユと表裏一体の関係にある、Zの裏主人公といってもいいかも。

  


「段取りを考えていたら、味方に出し抜かれるってことでね」(ヤザン)
  アレキサンドリア新任艦長であるガディの命令を無視して、勝手に先行出撃するヤザン。
  が、ジェリドにZの足止め役として利用された上、ZもろともサラのHMランチャーの標的に
  されるという憂れき目にあう羽目に。
  「味方に出し抜かれるってことでね」とかホザいといて、本当に味方に出し抜かれてりゃ世話ないわ。

「ファ… もう僕等がいがみあっていられるときじゃないんだよ」(カミーユ)
「いつ死んでもおかしくないときなんだ」.
「僕にだって悪いところはあるだろうし、それはいくらでも謝る」.
「…でも、ファだって、ちょっとばかり甘えすぎだな」.
「お互い、子供じゃないんだから…」.
「…分かっているわよ、カミーユ」(ファ)
  
ここにきて、ようやく元の関係を取り戻しはじめた両者。
  にしても、いくらなんでもカミーユが若年寄りすぎる。
  まだ17才なのに、そんなに達観しちゃって、この先どーやって生きていくんだ。

  


<次回予告>
  
アーガマは、謎の動きをするジュピトリスに、偵察を放った。その役目は、レコア・ロンド… 
  その彼女にカミーユは、危険な香りを感じた。そして、レコアはジュピトリスで、シロッコと会う。
  次回、機動戦士Zガンダム「ジュピトリス潜入」。君は、刻の涙を見る…!




第28話:ジュピトリス潜入

#自らスパイ志願して、シロッコのいるジュピトリスに潜入するレコア。
 宇宙漂流者を装おう際に使った機体のレアっぷりに注目。

  


「ブライト艦長、何故カミーユを出したんです? レコア少尉、一人にすべきでした」(ファ)
「作戦上からいえばZの後方支援は無駄かもしれん。だがレコア少尉の安全を考えれば、.
 ブライト艦長の措置は正しい」(クワトロ)
「違います!男の都合で考えないでください!.
「ここは軍隊だぞ!男も女もない!」.
「でも、軍人である前に、レコア少尉は一人の女性です」.
「そんな考えは平和になってからするものだ!」(ブライト)
「……失礼します!」.
  カミーユが憧れているレコアに対しての牽制策としてこんなこと言い出してんのかと思いきや、
  これ実際には、シャアにほのかな恋心を寄せているレコアの気持ちを思い遣っての行動らしい。
  そらブリッジで「なにやってんの!」って怒鳴ることぐらいしか能のないオッサンにゃ、その辺の
  女の子の微妙な心理なんて分かるわけもないだろうけど、とか思ってたら…

  


「…ファの言っていることは正しいな」(クワトロ)
「ん?」(ヘンケン)
「女の子は、女の子だよ」.
  とか思ってたら、ここにしっかり分かっている奴がいたよ。
  おま、そこまで全て読んでいながら… 
  鬼子や、セイラの言った通り、やっぱしアンタ鬼子や。あとヘンケンは童貞や。

  


「名前を聞かせてもらおうか、それと所属だ」(シロッコ)
  レコアの不審行動を咎めるシロッコ。
  言い訳の間すら与えずいきなり1発はって、その後でおもむろにこのセリフ。
  これで惚れるってんだから女ってな本当に意味不明。
  アレか、目か、ポイントは。いかにも小動物とか痛ぶり倒してそうな、その爬虫類っぽい目がエエのか?

  


「レコア・ロンド、良い旅であることを祈る。もっとも帰ることが出来たらの話だがな」(シロッコ)
  そしてムチの次にアメ。これか、これがモテの秘訣か。
  よし、今度好きな子が出来たら、早速ためしてみよう。
  おおむろに一発ひっぱたいてから、慰めればいいんだなー(よーし)

  


「あの女…… 好きになれそうだ」(シロッコ)
  レコアをスパイと見切りながらお咎めナシで帰した後、頬杖つきつつこのセリフ。キモッキモッ

  


「精一杯やりましたが、パプティマス様とは違う、強い思念を感じまして‥」(サラ)
「分かった、もういい。お前は十分すぎる程、よくやった」(シロッコ)
「パプティマス様…」.
「もう、おやすみ、サラ… お前には、次の働きをしてもらわねばならん」.
「は、はい…!」.
  新しいオモチャ候補であるレコアに思いを馳せた後は、Zに迎撃されてショゲてるサラを
  やさしーく慰めてあげるシロ様。お前どこまで転がし上手やねんって話だ。

  


<次回予告>
  
アレキサンドリアは、サイド2のコロニーにガス攻撃を仕掛けた。
  コロニーの、何百万もの命の危機…。エマは、ガスボンベに向かって突進する。
  その背後に、大人達の暗い葛藤があった。
  次回、機動戦士Zガンダム「サイド2の危機」。君は、刻の涙を見る…!




第29話:サイド2の危機

#ティターンズ、25話のコロニー落としに続いて、今度は旧ジオンばりのガス攻撃。
 あとこの回はファのポロリあり。それ見たカミーユのアホ面に注目。

 


「すごい迫力だ、ファ」(カミーユ)
「どういう意味?あたしがパイロットに向いてないってこと?」(ファ)
「そのパワーなら十分パイロットになれる。うん、そう思う」.
「…なにさ! あたしだって、パイロットなんですからね!」.
  シンタとクムを一喝するファの姿を見て、妙なところに感心するカミーユ。
  うんうんと分かったように頷いて、ファの逆鱗に触れる羽目になる。

  


「1バンチ・コロニーから、話しあいたし、の伝聞が入りました」(通信兵)
「降伏させるわけにはいかん。.
 ティターンズに歯向かうことの恐怖を知らせんと、この戦争は終わらん…!.
 これは1基のコロニーの問題ではない」(ガディ)
「しかし…」.
「ミノフスキー粒子が厚く、受信ができなかったのだ。そう思え!」.
「は、はっ」.
命の尊厳を賭けての戦いなのだよ…これは!.
  バスクやジャマイカンに比べると滅茶苦茶に知名度の低いこのガディだが、
  大儀の為ならば何でもやってのけるという姿勢とその意思の強さからは、なかなかの強者ぶりが伺える。
  実際、かなり優秀なレベルの戦術家でもある。

  


「この距離から敵艦に?」(レコア)
「当てるんだよ!」(カミーユ)
  サイド2にガスを注入直前のティターンズ部隊と、それを阻止せんとするエウーゴ。
  刻々と迫るタイムリミット、みなぎる緊張感。一つのミスも許されない状況下、カミーユの神技が冴え渡る。

  


「貴様がいなければ!こんな嫌な作戦はやらないで済んだんだぞ!」(ジェリド)
  これまたとんでもない責任転嫁。
  17才のガキに勝てなかったから言うて、まさかそれが1000万人からの市民を皆殺す動機になるとは。
  大儀を重んじて苦渋の決断を下したガディとはドえらい違い。お前どこまで小学生なんだ。
  そんなガキの理論で生命の危機に晒されなきゃならないサイド2の市民が可哀想すぎる。
  こんなガキの為に、ひたすら体投げうって献身してるマウアーはもっと可哀想すぎる。

  


「運を呼びこむ為には、我慢の時もある…!」(ジェリド)
  自らの身を犠牲にしてでもZを落とそうとしたマウアーを制止するジェリド。
  随分と御立派なセリフだが、もともとコイツ自身にあと少しのこらえ性があればこんな泥沼な事態に
  ならなかったのでは?と思うにつけ、ジェリドの存在自体、本末転倒な気がしてならない。

  


<次回予告>
  
ジェリドは、命を張って戦いに臨んだ。
  その背後には、彼を守ろうとする人々の力が込められていた。
  マウアーの援助は、ジェリドに力を与えたものの、その明日は見えない。
  次回、機動戦士Zガンダム「ジェリド特攻」。君は、刻の涙を見る…!




第30話:ジェリド特攻

#中盤屈指の名エピソード。マウアー…!

「俺はカミーユを倒さない限り、一歩も先に進めない男になっちまった…!.
 あいつは…俺にとって、壁なんだ!」(ジェリド)
  でもお前が壁って言ってるその相手、まだ17歳のセックスしたこともない童貞小僧だぜ?
  嗚呼ジェリド、なんたる器の小ささか…!
  が、その欠点こそが、本来なら単なる一介のヘタれキャラに過ぎない筈の彼をここまで魅力
  あるキャラに仕立てているとも言えるので、ここではあえて不問とする。

「終わりだな、アーガマ!」(ジェリド)
「MSを呼び戻せ!前方、弾幕薄い!」(ブライト)
「砲撃手、なにやってんの!」.
  ヤザンの陽動によりZをも含む頼みの綱のMS隊がアーガマから引き離されたところへ、
  ジェリド&マウアーの挟撃をくらい、あせりまくるブライト。
  ここでの「弾幕薄い」と「なにやってんの」は、他の場面のとは重みが違う。

  


「マウアー!」(ジェリド)
「Z!」(マウアー)
「じ自分の体を盾にするのか!」(カミーユ)
「お、おい、マウアー!」.
守ってみせるって言ったろう…ジェリド.
「マウアー!!」(ジェリド)
「カミーユ、貴様ァ!」.
なんでお前はいつもォ!.
  歴代ガンダム・ヒロインズの中でも飛び抜けたダメンズ度を誇るマウアー、
  最後の最後までダメンズとして矜持を押し通し、自らの体を犠牲にしてまでジェリドを守り抜き、
  これまた実に満足げな笑顔を残して、表舞台から去っていく。
  覚悟のススメ的に言うなれば、死に際に微笑んだものは生まれ変わると信じたい。合掌…

  


「ジェリド、貴男は決して負けない…」(マウアー)
「貴男は、世界を正しい方向へもっていくことが出来る」.
「そんなことはいい、俺はただ…この手に全てを掴みたいんだ!」(ジェリド)
「生き延びること、戦うこと、貴男にとって今はそれが正しい」.
「なのに…お前までいなくなっちまうなんて…」.
  死してなおジェリドを見守るマウアーの魂。
  ここまで期待をかけられて、しかし結局、最後まで駄目なままで終わってしまうという、
  その救われなさ、このやりきれなさこそが、Zという物語の全てだと個人的には思っている。

  


(マウアーの幻影に腕を握られて)…マウアー」.(ジェリド)
…よし、マウアー! いけるぞ!!.
  マウアーの幻影に導かれ、失った気力を取り戻して、再度操縦桿を握りしめるジェリド。
  そのままアーガマへ向かって特攻していくその様は、Z屈指の名場面。

  


「エマ!」(カミーユ)
「まだ来る?」(エマ)
「あれは普通じゃない!」.
「分かってます!」.
  だが、現実は厳しかった。「ぐあっ、マウアー、駄目だー
  おめおめと生き恥を晒しつつ、そのまま静かに宇宙を漂流していくジェリド。
  が、あのカミーユに「なんで、あんなに、もったんだ… ジェリド、メサ…」と
  フルネームで名前を呟かせたことは、十分評価に値すると思う。

  


「死んでいったものは、涙はないんだよ…」(カミーユ)
  互いに抱き合って号泣するファと子供達(シンタ、クム)を見やりつつ一言。
  脳裏によぎるは、最後の最後まで鬼気迫る奮闘っぷりを見せたジェリドと、その力を引き出した
  マウアーの散り際。こうして彼は前にも増してスクスクと屈折していくのである。

<次回予告>
  
シロッコの密命を受け、サラ・ザビアロフは、フォン・ブラウン市に潜入した。
  運命の悪戯は、カミーユとサラを再会させ、その間にも、アーガマ近くに仕掛けられた時限爆弾が、時を刻む。
  次回、機動戦士Zガンダム「ハーフムーン・ラブ」。君は、刻の涙を見る…!



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