第1話:黒いガンダム

#カミーユがジェリドに殴られるだけで第1回終了。
 普通、第1回と言うとそれなりに背景情報を詰め込むものだが、このZシリーズは
 そんなこと全然おかまいなし。

「病欠です!」(カミーユ)
  記念すべき初登場シーン。部活をサボっていきなり殴られるカミーユ。
  が、殴られた勢いをそのまま利用しての回転受け身はなかなか見事。

「その過信は自分の足を救うぞ」(クワトロ)
  「自分達はマニュアル通りの訓練などはやっておりません。それで1年戦争もくぐり抜けてきたんですから」
  とのっけからいきなり猛るロベルトを諌めるシャア…じゃなくてクワトロ。

「この感触…アムロ・レイ? ララア・スンか…」(クワトロ)
  カミーユの波動を宇宙から感知するシャア…じゃなくてクワトロ。相変わらず尋常でない。
  それにしてもまだララアにこだわってンのかよ。そのロリっぷりも相変わらず尋常でない。

「女の名前なのに…なんだ、男か」(ジェリド)
  希代のかませ犬キャラ:ジェリド・メサの初出。
  この不用意な一言が、ジェリドの今後の悲惨極まる運命を決定的づけてしまう。

  


「舐めるなッ!」(カミーユ)
「カミーユが男の名前でなんで悪いんだ!俺は男だよ!」.
  ジェリドの最初の不幸は、上記の不用意な発言からおよそ5秒後に発生。
  この一言ととも痛烈なアッパーをみまわれる。
  それにしても放映当時の年代背景を鑑みるに、カミーユのこの切れやすさは時代を先取りしすぎ。
  
「言っていいことと悪いことがある!俺は!」(カミーユ)
「カミーユ君だろ?何を言ったンだ、俺が?」(ジェリド)
「男に向かって、なんだはないだろ!」.
「そうか、そういうことか。なら、男らしく扱ってやるよ!」.
  サッカーボール・キックが顔面に!これは痛い!
  出だしから殴られるわ蹴られるわと、カミーユの今後がおもいやられる。

  


「やってみるさ」(クワトロ)
  シンボルカラーである赤のリックディアスを駆り、グリプス内部に侵入するクワトロ。
  ファーストにおける初回のサイド7侵入が思いおこされるような1シーン。

  


<次回予告>
  カミーユ・ビダンは黒いガンダムに乗った。
  それが、グリーン・オアシスからの別れの歌だ。それを追うもう一機のガンダムMK2。
  ガンダム同士の戦う異常な光景は、新しい時代の幕開けか。
  次回、機動戦士Zガンダム「旅立ち」。君は、刻の涙を見る…!




第2話:旅立ち

#第2話にして、カミーユ駆るガンダムが遂に大地に立つ。
 殴られた腹いせにガンダムMK2を奪って、そのままエウーゴにバックれる。

「連邦軍はいつになったら、ここが地球と地続きでないってことがわかるんだ!?」(クワトロ)
  スペースノイドにまるで関心を払わない地球連邦、
  いわゆる「重力に魂をひかれた人々」に対する嫌悪感
隠しきれないシャア。

「どうせ隕石粒がコロニーに穴でもあけたんでしょ?」(ジェリド)
「地球から上がってきたばかりの貴様に、何が判断できるか!」(ブライト)
「エウーゴが攻めてきたとでも?」(エマ)
「分からん。対応しろと言っている!」
  おっと、ブライト初登場。
  「なにやってんの!」に代表されるブライト節は少しも衰えちゃいない。

「アムロの再来だ…もしあいつが操縦しているのなら…」(ブライト)
  そんなブライトの期待を他所に、いきなりとんでもない行動を取りはじめるカミーユ。
  こともあろうに生身の人間に向かってMK2のバルカン掃射
  さらには「一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか!」と高笑い。
  ホンモノだ… ホンモノのキチガイさんだ…

  


「一般将校は黙っていろ!(ボコりつつ)
 ここはティターンズの拠点である!正規の連邦軍とやり方が違う!」(バスク)
「ティターンであろうとも、同じ連邦軍であることには、変わりないでしょう…!」(ブライト)
「ここはジオンの残党と手を組んで、反地球政府の運動をやるエウーゴを倒すための中心基地だ。.
 コロニーの先住民のスペースノイドの都合を考えて作戦ができるか!」
「基地化を進めれば進めるほど、逆に反地球連邦組織を育てるだけです。.
 何故それがお分かりにならないのです」.
「大佐は黙れと言っている!(ボコりつつ)(カクリコン)
「貴様、上官に向かって…」.
「ここはティターンズだと言った、一般の軍律は通用しない!(ボコりつつ).
「反感を育てておいて何を言うか!」.
「一般将校は黙っていろ!(ボコりつつ)(ジャマイカン)
  強引にガンダムのMK2のテストを行って居住区に被害を与えたことを抗議するブライト。
  ティタンーズの皆様によってたかってボコにされるその脆弱っぷりに、女子は思う存分濡らすといい。
  個人的にはその様を一瞥だにしないバスクと、ドサクサにまぎれて2回殴ってるカクリコンに萌え。

  


「こちらは当たらずに…なんで相手のほうが!」(ジェリド)
「こんなはずは…こんな…!」.
  
うん。そら、お前が下手だからだな。
  クワトロ率いるリック・ディアスにメタられる(メタメタにされる)ジェリド。
  流石はガンダム史上、希代のやられキャラ。その情けなっぷりは他の追随を許さない。

<次回予告>
  
戦艦アーガマにティターンズのエマ・シーンがやって来た。
  彼女が持ってきた手紙は、卑劣な内容であった。カミーユは激怒し、混乱した。
  その行動が、カミーユに最も悲惨な光景を目撃させる。
  次回、機動戦士Zガンダム「カプセルの中」。君は、刻の涙を見る…!




第3話:カプセルの中

#今までのガンダムシリーズを全て振り返ってみたとしても、この回を超える酷さの話には、
 そうそうお目にかかることはない筈。そのくらい悲惨、あんまりな回。

「ライラ、いいな。足を止めて臨検をするんだ。沈めるのが目的ではないからな」(ボスニア艦長)
「分かっています。そんな戦争好きに見えますか?」(ライラ)
「ふん…見えるな」.
「では、いつかご期待に応えましょう」.
  ジェリドの最初の師匠、ライラ・ミラ・ライラ登場。
  真紅のガルバルディβをさっそうと駆り、アーガマ迎撃の為、出撃す。

  


「赤いMS? 赤い彗星?まさか…あの赤い彗星が…?」(ライラ)
「赤い彗星が相手だったと思いたい。でなければ立場がない…!」.
  クワトロvsライラ部隊。結果はライラ部隊の惨敗。
  部下を一人失って、その恐るべき戦闘能力に恐怖するライラ。

「キャプテン、ノーマルスーツをお付けください!」(レコア)
「やられるつもりはない!着るものか!」(ヘンケン)
  シャアにでもなったつもりかヘンケン君。
  この後ララア…じゃなくてブレックス准将に「着るのだ」と諭されあっさり装着。
  全体的に陰鬱なストーリーが続くZにおいては、彼の存在がどれ程の救いになることか。

「なんと破廉恥な…!」(ブレックス)
  バスクからの手紙を読んで怒りにうち震える准将。
  カミーユとともにガンダムMK2を返還しない場合はカミーユの両親を殺すとの内容を見て
  全身をワナワナさせつつ、あまりにレトロちっくなこのステキワードを呟く。

「これは軍隊のやることではありません!」(エマ)
「そうだ! ティターンズは軍隊ではない。私兵だよ。「わたくし」の軍隊なのだ」(ブレックス)
「しかし、地球連邦軍であることには変わりがありません!」.
「私は…いえ、自分は、バスクの私兵になった覚えはないのです…」.
「バスクの、ではないよ中尉。もっと大きなものだ。地球の引力に魂を引かれた人々の私兵なのだよ」.
  そんなバスクのやり方を聞いて、本来ならティターンズ側である筈のエマまでもが激昂する。
  それにしても「地球の引力に魂を引かれた人々」ってな実にナイスなフレーズ。
.
「(いつもそうだ‥いつもそうだ‥いつもそうやって…)」(カミーユ)
「貴女はなにやってんです!そんなところで!」.
  う‥宇宙のお散歩でーす、なわけがない。
  透明カプセルに入れられて宇宙空間上に放りだされた母を救うべく出撃したまではいいが、
  その中でオロオロしてる母の姿を見た瞬間、今までの彼女に対する鬱憤が思わず爆発してしまうカミーユ。
  と同時にジェリドのハイザックがそのカプセルを狙撃、眼前で母は宇宙の塵と化す。
  素直になれないだけならまだしも、そのうえ救いはゼロ。なんだこのシビアさは。

  


「なんだ…!いったいなんだというのだ、この不愉快さは!」(ジュリド)
  うん。そら、お前がカミーユの母さん、ブチ殺しちゃったからだな。
  知らずとはいえ、カミーユの母を殺してしまったことに対し、何かを感ずるジュリド。
  が、遅い。全ては遅すぎた。ニュータイプとしての素質を持ちつつも、その感度があまりに
  鈍であるが故に、彼の周囲の人間はみんな不幸になっていく。

<次回予告>
  
アレキサンドリアに戻ったエマ・シーンはバスク・オム配下のティターンズの行動に疑問を抱いた。
  それがエマの第2の目覚めの始まりだ。カミーユにとっても、彼女は年上の新しい恋人か。
  次回、機動戦士Zガンダム「エマの脱走」。君は、刻の涙を見る…!




第4話:エマの脱走

#バスクの卑怯なやり口に我慢できなくなったエマ、遂にエウーゴへの投降を決意する。
 みどころはカミーユのその触るものみな傷つける的ガラスの10代っぷり。

「カミーユ・ビダン、やめなさい!男のヒステリーはみっともないわよ(エマ)
「目の前で…目の前で親を殺されたんだぞ…よくもそんなことが言える!」(カミーユ)
  目の前の光景に逆上し暴走するカミーユを一喝するエマ。
  そのピシっとした物言いにはどうも抵抗感を感じるなあ。

「見れば分かるでしょ!」(カミーユ)
「…3号機の指を見れば、分かるでしょ」.
  エマからカプセルの中に何があったのかを聞かれて。
  当然MK2のハンドには血がべったり。その妙なリアリティが実に生々しい。

「フフフフフ… これで若い恋人とうまくいくね。マルガリータとかってさ」(カミーユ)
  無気味に笑いながら、父に母の死を嫌味ったらしく報告するカミーユ。
  そのあからさまな自律神経失調症っぷりが怖すぎる。この頃から既にキチの片鱗はあったンだなァ。

「まだおっぱいが恋しい年頃だったんだものなあ…」(ジュリド)
「殴ってもいいんだぜ?いつかの空港のときみたいにな」.
「そうだな…軍人の宿命だものな。軍人は事態の善悪など分からずに、上官の命令に従うんだものな。.
 許してやるよ!」(カミーユ)
「僕は貴男が操るハイザックを抑えてみせた。それでもこうなってしまったのは、軍という組織の性だ。.
 そういう組織を憎むことを、僕は今日、覚えたんだ!」.
  知らずとは言えカミーユの母を殺してしまった罪悪感の裏返しからか、無駄にカミーユを挑発するジェリド。
  その挑発に素直に応じてやらないところに、このZシリーズの底意地の悪さの根底が伺える。

「なにがあったのかね、ティターンズで… いや、違うな。君の中でだ」(クワトロ)
「別に… 私は自分が信じるように生きていたいというだけで、何も変わってはいません」(エマ)
  エウーゴに投降したエマへ、その心変わりの理由を問いただすクワトロ。
  相変わらず芝居がかったセリフが、よく似合う男だ。

「今は…どういうときだか分かんないんですか…!」(カミーユ)
  技術者バカの父がリック・ディアスを見て「いいMSだな、これは…」と呟いたのを見て。
  自分の中にあるどうしようもない苛立ちを抑え切れないカミーユ。

<次回予告>
  
子供の心を分からない親がいた。
  カミーユの父、フランクリンはシャアのリック・ディアスを奪い、アーガマを脱出した。
  カミーユは最後の血の繋がりが宇宙に散って行くのを見つめるしかなかった。
  次回、機動戦士Zガンダム「父と子と…」。君は、刻の涙を見る…!




第5話:父と子と…

#第3話に続いて今度は親父が昇天。
 たったの5回で肉親を両方とも失ってしまったカミーユの葛藤と、それを抑えようとするクワトロの
 トーク合戦が見どころ。

「機械屋には機械屋の勘というものがある。それがまるで駄目な連中じゃないか」(フランクリン)
「ああっ…そこのレーザートーチの使い方は困る…!」.
  自らの立場をわきまえず、ガンダムMK2の整備に口を出しまくる技術馬鹿の親父。
  その場の読めなさ加減になかなか好感が…と思ったともつかの間、しっかり策略練っていやがった。
  ホント、Zの登場人物ってステレオタイプの駄目大人ばかり。

「戦果をあげれば、こっちのものってね」(ジェリド)
  どこかで聞いたようなセリフだな、おい。
  チョンボを取り戻そうと独断で出撃はいいけど、同じようなセリフ言ったジーンがどうなったかを考えるに、
  この後の彼を待ち受けるその不幸な運命に、ただただ同情するばかり。

「知っているかね?赤い彗星と呼ばれた男を」(ブレックス)
「自分はア・バオア・クー会戦の時、後方のサラミスにいました」(ヘンケン)
「ほう」.
「しかし、あのジオングというのは見ていません。.
 ですが…何と言いますか…赤い彗星の力といったものは感じましたし、今も感じますね」.
「誰にだ?」.
「クワトロ・バジーナ大尉にです」.
「なるほど…彼はジオン・ダイクンの意思を我々スペースノイドに伝えようとしている…」.
  既に正体がダダもれまくってるというのに、なおもクワトロ・バジーナを演じきろうとするシャアの真意は、
  この時点では皆目見えてこない。

「撃つのか!親を!」(フランクリン)
「私だって親の勤めは果たしてきた。それを!私の立場も考えずにお前は!」.
「子供の言い分だってあるんだ!」「あなたは…!」(カミーユ)
「来るなー!」.
「やめなさいよ!」.
  赤ディアスをまんまと盗みだすも、乱戦に巻き込まれ、そのボディをブチ抜かれてしまうカミーユの親父。
  が、コクピットは頭部で命拾い、良かったね。かと思いきや、その爆発による爆風でアボーン。
  カミーユの「馬鹿野郎!」という叫び声だけがただただ虚しく響く。
 
「あんなの親じゃありません!あんなの!」(カミーユ)
「いけませんか、こんなこと言って! でもね、僕は両親に親をやってほしかったンですよ!.
 そう言っちゃいけないんですか、子供が…」.
「父は前から愛人を作っていたし、母は父が愛人を作っていたって、仕事で満足しちゃって、.
 そんな父を見向きもしなかったんです」.
「軍の仕事ってそんなに大切なんですか!エウーゴだティターンズだって、そんなことじゃないんです!」.
「…子供が無視されちゃ、たまんないんですよ…」.
「よく分かる話だが…」(クワトロ)
「死んだ両親のことは、言うなというのですか?」.
「そうだ」.
「そして、次の世代の子供達の為の世づくりをしなくてはならん」.
「僕にそんな責任があるわけないでしょう…」.
あるな.
「大尉は僕のなんなんです?.
 目の前で二度も親を殺された僕に、何かを言える権利を持つ人なんて、いやしませんよ…!」.
「…シャア・アズナブルという人のことを、知ってるか?.
「…尊敬してますよ。あの人は両親の苦労を一身に背負って、ザビ家を倒そうとした人ですから。.
 でも、組織に一人で対抗しようとして敗れた… バカな人です」.
「正確な評論だな。が、その言葉からすると、その人の言うことなら聞けそうだな」.
「会えるわけないでしょ!」.
「その人は、今のカミーユ君の立場と良く似ている」.
「彼は個人的な感情を吐き出すことが、事態を突破する上で、一番重要なことではないのかと感じたのだ」.
「聞けませんね!僕にとっては、エウーゴもティターンズも関係ないって言ったでしょ!.
 大人同士の都合の中で死んで言った、馬鹿な両親です。でもね…僕にとっては親だったんですよ!クッ」.
  カミーユとクワトロの10代喋り場パート1。
  この回での軍配は、試合放棄でどうやらクワトロにあがった模様。
  この後のカミーユの逆襲はなるのか? 第2回:「そんな大人…!」に御期待ください。

  


「あんなことを持ち出して説得するだなんて、上手じゃありませんね」(レコア)
「そうだな… 俗人は、ついつい、自分はこういう人を知っていると言いたくなってしまう、.
 嫌な癖があるのさ…」(クワトロ)
 
 俗人レベルの嫌な癖ならまだしも、本当に当人そのものだからむしろ始末が悪いったらありゃしない。
  この性格の悪さに加え、ロリコンときたもんだ。
  何故、世の中のオタ婦女子がコイツを支持しているのか皆目見当がつかない。

<次回予告>
  
アーガマはレコア・ロンドを地球に投下しなければならない。
  その隙をついて、ライラとジェリドの強襲がかかる。
  「あの人を守ってあげたい」 その衝動が、カミーユを引力に引かれる戦闘に駆りたてる。
  次回、機動戦士Zガンダム「地球圏へ」。君は、刻の涙を見る…!




第6話:地球圏へ

#ジェリド、ライラに弟子入りするの回。
 そいやこの回でアムロがチラ程度に姿を見せる。

  

  
右:運動不足解消の為、狭い艦内をランニングする兵士と、それとすれ違うカミーユ。
  当時は分からなかったけど、今見るとこういう細かい生活描写がそこら中にさりげなく挿入されて
  いることに改めて気づく。

「慰めてもらいたいだけならば無駄よ。貴男と私は、恋人でも何でもないんだから」(エマ)
  両親を目の前で二人とも亡くしショボーンとしてるカミーユ君を、あっさりと突き放すエマ。
  もろに図星を突かれて狼狽しまくるカミーユの惨めさったらない。

「出戻りのジェリド中尉と言ったら、もう有名だ」(ライラ)
  度重なる失敗をこきおろされついでに、小バカにされまくる屈辱ジェリド君。

「気持ちは分かるけど、無理だね」(ライラ)
「恥を上乗せしにくるなんで、律儀だね…」.
「宇宙(そら)は地球と違うって、どうして地球人には分からないんだい」.
  逆上してライラに殴りかかるも、あっさり返り討ちにあうジェリド。
  そればかりか言葉責めまでくらう始末。哀れなことこのうえない。

  
.

「適正と、対応するってことは違うね」(ライラ)
「新しい環境、新しい相手、新しい事態にあえば、違うやり方をしなくちゃならないんだよ」.
  何故エリートたる自分がこうも軽々とあしらわれるのかを問うジェリドと、それを説くライラ。
  ライラがジェリド最初の師匠となった瞬間。

「宇宙(そら)の真空中に、己の気を発散させる…か」(ジェリド)
  ライラ最初の教え「MSの装甲越しに殺気を感じろ」を自分なりに解釈するジェリド。
  ま、到底理解できているとは思えないが。

「レーザー回線を開け。リックディアス隊に照準を合わせるンだ」(ヘンケン)
「無理です!」(クルー)
「やってみてから言うンだよ!!」.
  ミノフスキー粒子濃度に手を焼くクルーに檄を飛ばすヘンケン。
  石器時代レベルの熱血節でもって、ミノフスキー粒子もろとも吹き飛ばそうとでも言うのか。

<次回予告>
  
ライラは、絶対有利な立場で戦うつもりであった。
  しかし、サイド1・30バンチの悪夢がライラを死に招き寄せた。
  ガンダムMkIIの必殺の銃撃がライラを撃ち抜いた。そして、カミーユはライラの鎮魂の歌を聞く。
  次回、機動戦士Zガンダム「サイド1の脱出」。君は、刻の涙を見る…!




第7話:サイド1の脱出

#冒頭でのシャワーシーンによるサービスカットの余韻を残しつつ、ライラ散る。

  


「ニュータイプなど、ビデオ屋の創造物だ」(ジャマイカン)
  アーガマとカミーユに脅威を覚えるライラの意見を一笑にふすジャマイカン。
  ビデオ屋ってところに時代背景を感じるなあ。もしかしてベータ全盛だった頃かな?

「他に食べる方法を知らんからさ。だから未だに嫁さんも貰えん」(クワトロ)
  カミーユに「なんで軍人をやってるんですか」と聞かれて。なかなかに味のある答え。

「ライラ… 今度会ったら、ゆっくり酒でも飲まないか?」(ジェリド)
「…考えてもいい」(ライラ)
「ありがとう!」.
「いい男になってくれれば、もたれかかって酒が飲める。それはいいものさ…」.
  それはマクベの壷なみにいいものなのか? 是非とも教えてほしかった。
  「いい男になれる素質はあるんだよ、あんたには」 そう言い残し出撃するライラ。  
  だがその思いを託された男が、希代のかませ犬キャラ、ジェリドでは… あまりにもライラが哀れ。

「なんで死体を放っておくんです…」(カミーユ)
「数が多すぎる」(クワトロ)
「何故!こんなふうに人を殺せるんですか!」.
「直接、刃物を持って殺さないからさ。手に血がつかない人殺しでは、痛みは分からんのだ」.
  密閉されたコロニー内部への毒ガス注入攻撃により、住民全員がカサカサのミイラと化した30バンチ。
  その悲惨極まる描写表現は、実にトミノらしいとも言える。

  


「人間は地球の回復力を助ける手助け以外はしてはいけない。.
 そして、人は全てコロニーで生活すべきだというアピールをしただけなのに…」(クワトロ)
「地球連邦の人々は、宇宙という新しい環境を手に入れて、そこに適応していこうとする.人間を怖れたのだ」.
「ニュータイプになるから?」(エマ)
「そうだ、ニュータイプをエスパーのように考えているから、.
 いつかそのニュータイプに主権を侵害されるのを怖れているのさ」
「それだけの為に、人を殺せるのですか!」.
「殺せるさ。ちょっとした借金の為に人を殺すより、よほど理性的な行為と言える」.
  30バンチの悲劇が起こった原因を哀しげに語るクワトロ。
  この時のこのセリフとその思いは、そのまま逆シャアへと繋がっていく。

「僕の勘が当たった… できる人だ…!」(カミーユ)
  ライラと接触して、一瞬でその戦闘能力を感知するカミーユ。
  まだ序盤にして早くもアムロ並に強まりつつある。

「あんな子供に!あんな子供なのに!」(ライラ)
「私は正規のパイロットだ!あんな子供に負けられない!」.
「大尉!貴女は逆上しすぎてる!」(カミーユ)
 
 カミーユに翻弄されまくり、そのあせりからか徐々に自分を見失っていくライラ。
  「MSの装甲越しに殺気を感じろ」ってな例の教えはどうなったんだ。

「そうか…私が今あの子のことをただ者じゃないと言った、.
 この分かり方が無意識のうちに反感になる…」(ライラ)
これが…オールドタイプということなのか…!.
  散り際に際して、自らのオールドタイプ属性となりうる要因を正確に把握し、
  それをジェリドに伝えようとするライラ。
  一見無骨者に見えるも、その実、細やかな気配りに溢れた繊細な人であったとも思う。合掌。

  


<次回予告>
  
ライラの恨みを晴らそうとするジェリド。
  そのガルバルディが、月の重力の中、ガンダムMK2と死闘を展開する。ジェリドの衝撃の戦いにカミーユは激発する。
  その一方、エゥーゴは局面打開のために、大きな作戦を進めようとしていた。
  次回、機動戦士Zガンダム「月の裏側」。君は、刻の涙を見る…!




第8話:月の裏側

#ガンダムシリーズにおけるマスコットキャラ:ハロがこの回で登場。
 他の見どころとしては、ライラの仇を撃たんと発奮するジェリドの風車っぷり(カラカラと空回り)と、
 クワトロの私室にある一枚の写真。

  


「汗を流せばいい」(クワトロ)
  ライラとの戦闘で多くを感じすぎ、やたらとピリピリしているカミーユを心配して、こう一言。
  暗に自慰を促しているとしか思えない。

「貴様はライラを知らんだろうが、俺にとっちゃ師匠なんだ!」(ジェリド)
「自分だけが特別だと思うな!あの人が喜ぶものかよ!生き返るのかよ!!」(カミーユ)
「知ったふうなことを!」.
  ライラの敵討ちとばかり、ガルバルディβを駆って、月の裏側でカミーユのMK2を襲撃するジェリド。
  が、当然のごとく返り討ち。「戦友の仇も討てないのか俺は…ぬぐゥ…!」とコクピットに抱きついて
  身悶える羽目になる。

<次回予告>
  
シャアの指揮の元、ティターンズの戦艦を奪う作戦が実施された。それはカミーユにとっては不本意な作戦だ。
  しかしエマ・シーンの危機を察知したカミーユは、アンマンでエマを救出する。カミーユの新たな素質の発現である。
  次回、機動戦士Zガンダム「新しい絆」。君は、刻の涙を見る…!




第9話:新しい絆

#マラサイ/百式など、続々とニューモデルが登場する回。その作画も実に細かい。
 ハイザックのモノアイ内部メカ描写シーンには特に注目してほしい。
 
「まっすぐに走れ」「曲がったら撃つぞ!」(カイ)
「ジャングルの中で、真っすぐ走れるもんかー!」(兵士)
「木は避けてもいい!」.
  ジャブローに潜入しようとして見張り兵に捕まったレコアを助けるカイ。
  兵士を銃でおどすカイと、その兵士とのやりとりが面白いシーン。

  


「カイ・シデンっていう。フリーのジャーナリストってさあ。.
 いつバチカンに取材に行くか分からないだろう?」(カイ)
  おどけた調子でレコアに自己紹介をするカイ。
  そのキザなセリフ回しといい、芝居がかった身振りといい、相変わらずニヒルな感じだ。

  


「甘ったれるな!」(ウォン)
「つべこべつべこべと!何故ごめんなさいと言えんのだ!」.
  ハロをアーガマに持ち込んだだけで、これ以上ないというくらいボッコボコに修正されるカミーユ。
  力弱く「暴力は…いけない…!」と言い訳し、さらにボコの上乗せをくらい、あたかも蚊のごとく鳴くことになる。

  


「殴られたくなければ、自分のミスを無くせ」(クワトロ)
  軍隊の理不尽さを分からせようと、わざと厳しく当たるクワトロ。
  だけどそれは余計なお世話というものだ。案の定これを根にもたれ、後日、自らが修正される羽目になる。

「僕は見込みありません…自閉症の子供なんだ」(カミーユ)
  ウォンの真意を説明してくれるエマに対して、プイっと横を向いてすねてしまうカミーユ。
  それにしてもこの居直りようといい様はひどい。
  そら「自分の都合で大人と子供を使いわけないで!」とエマに言われても仕方がない。

  <使用例>:
  会社で上司に諭されているときなど。
  「なあ。もっとしっかりしろよ。お前はやればできる奴なんだから!」
  「僕は見込みありません。自閉症の大人なんだ!」
  顔面の形がかわるぐらいで済んだら超ラッキー☆

「エマさんを虐めたな!」(カミーユ)
  
「あの小僧、後ろに目がついているのか?」とカクリコンに言わしめる
  ほどの戦闘能力を発揮して、エマ搭乗リックディアスの窮地を救うカミーユ。
  相手がエマでなければ、ここまで頑張らなかったんじゃないか?

<次回予告>
  
グラナダを脱出するジャマイカンはアンマン攻撃をした。
  カミーユは1機のモビルスーツの力が大規模攻撃に無力であることを知る。
  そしてメッサーラのシロッコの追撃を振り払ったとき、カミーユはファ・ユイリィの姿を見た。
  次回、機動戦士Zガンダム「再会」。君は、刻の涙を見る…!




第10話:再会

#前回に続いて逆襲のジェリド君パート2。
 この回ではカクリコンとタッグを組んで、JST並の時間差2重攻撃を仕掛け、カミーユを追い詰めようとする。
 (失敗するけど)

「軍人は大きな声が出せれば、それでいいからな」(ジャマイカン)
  アナハイムのコウモリっぷりを揶揄して呟くジャマイカン。
  こういうアイロニーの利き加減こそガンダムっぽいセリフ回しなんじゃないかと個人的には思っている。

「モビルスーツの蚤ごときに…!」(カクリコン)
  ウォン率いるプチモービル隊に苦戦させられ苛立つカクリコン。
  それにしてもコクピットむきだしの頼りないプチに乗って、前線に自ら突(と)っこむ
  ウォンはなかなかやる。口だけの大人じゃない。

「クワトロ・バジーナ、百式、出る!」(クワロリ)
「使えればいいが…」.
  クワトロ、百式で初出撃。同時にメガバズーガも初出。
  メガ・バズーガーランチャーの推力を利用した飛行シーンと射撃体勢に入るまでのアクションの
  格好よさには、妙にカタルシスを感じてしまう。

  


「あれに乗っている男のプレッシャーか?」(クワトロ)
  「木星帰りの男」の通り名を持つ、Z最大のボスキャラ、パプテスマ・シロッコ初登場。
  自ら設計開発/カスタムハンドメイドした可変MAメッサーラを駆り、単機、ブライトが操船する
  テンプテーションを強襲してくる。

  


「また船を失う艦長をやってしまいました…」(ブライト)
「ハッハッ、ホワイトベースのことを気になさる必要はありません。あれは地球連邦軍にとって…」(クワトロ)
「いやいや、沈んだことには変わりはありませんよ。クワトロ大佐…」.
「私は大尉です。ブライト中佐…」.
  グリーンノア・オアシスから脱出してきたテンプテーションの乗客を全員受け入れるアーガマ。
  そこでブライトとクワトロ(シャア)は初めて顔をあわせることになる。
  クワトロにカマをかけた風のブライトとそれをやんわりと否定するクワトロとの、互いの腹のさぐりあいが面白い。

  


<次回予告>
  
カミーユはファとの間の幼馴染みの感覚を嫌悪していた。
  しかし、その感傷を突き崩すように、シロッコのメッサーラがエゥーゴの大気圏突入を阻止する。
  その戦いでカミーユはファと別れ、カクリコンの死を見るのだ。
  次回、機動戦士Zガンダム「大気圏突入」。君は、刻の涙を見る…!



[ MenuNext ]