逆襲のシャア(中編)
#遂に落下をはじめたアクシズを全力で阻止しようと奮闘するロンド・ベル。
それを潰そうと躍起になるネオジオン。いよいよ各キャラの因縁にもケリがつけられはじめる。
「これにも核ミサイルが一発だけ…? やるなブライト…!」(シャア)
ラーカイラムからの第2波を凌いで、シャア一息。
ちなみにこの「やるなブライト…」は「やるなロンドベル!」に続く「やるな」シリーズの第2弾。
第3弾まである。
「さらに30秒間援護射撃をする」(ナナイ)
「マメなこった…」(レズン)
「各員の検討を祈る!」.
「あいよ」
レズン出撃。無頼風のそっけない言い方がいかにもって感じでいいよなあ…
「第6波!本命を叩き込め!」(ブライト)
満を持しての核ミサイルが遂にアクシズに向けて放たれる一瞬。
「ふッ、ロンドベルは鈴を鳴らしてりゃいいんだよ!」(レズン)
ああ、レズン様っ! とかそんな感じっスわ、もう。
このセリフ聞いて痺れない奴はエセだね、どう考えても。
「ええい…ファンネル達、一番熱量の高いミサイルだ…! 当たれえええええええ!」(ギュネイ)
強化人間ギュネイ、大覚醒。
ブライトのお宝ミサイル集中砲火を、この一言とともに、ファンネルで全部撃破。
「大佐!ナナイがあたしをぶったのよ!」(クェス)
「(すごく優し気に)暴力はいけないな。ナナイには言っておく。…クェス!?」(シャア)
この後、よりにもよって宇宙空間をノーマルスーツなしで遊泳するクェス。
百戦錬磨のシャアでさえ「クェス!パイロットスーツもなしで!」とうろたえまくり。
この時点でクェスの爆弾度は、ララアの電波度を完全に凌駕しているといえよう
「この左上のプレッシャーはなんだ!」(ギュネイ)
「間違いない!あれはガンダムだ!あれをやれば大佐だろうが総帥だろうが!」
あの1年戦争から10年を迎えた現在でも、未だ巨大なるブランドとして君臨し続けるアムロとガンダム。
その重みがギュネイのセリフから伝わってくる。
「ニュータイプだ強化人間だって、艦隊の足を止められなければさあー」(レズン)
「な、なんなんだこの力は! 私が直撃を受けている!?」.
そしてドカーン。やけにあっさり死ぬレズン。直前のカッコつけセリフのみが虚しく残る。
やたらアクが強いキャラだった癖に、只のラーカイラムからの機銃掃射のみで撃墜、ってのはどうなんだろう?
撃墜の瞬間に光るチェーンの腰のサイコフレームにも注目したい。
「飾りをやられただけなんだからさあ!」(ケーラ)
「突っ込みが足らない!」.
「まだもう一撃できる!アクシズを!」.
何としてもアクシズの落下を止めんと、その核ノズルに向かって、一心不乱に突進しまくるケーラ。
しかし健闘虚しく、ギュネイのヤクトドーガに捕捉されてしまう。
「来たなプレッシャー!」(ギュネイ)
ケーラを人質にとってガンダムを奪おうとするギュネイ。しかしMSのアームで人を直に掴むとは。
このシーンをクェスが見ていたならば間違いなく「ギュネイ!あんたちょっとせこいよ!」とのたまわったことだろう。
「サラダを一緒に…食べるんじゃなかったのか…!」(アストナージ)
ノシイカになってしまったケーラを見て慟哭するアストナージ。
直前の「アストナージ!こないでくれ!」「見ちゃ駄目だ!」というアムロの叫びが痛々しく響く。
「奴を仕留めなければ‥死にきれるもんじゃない!」(アムロ)
「そんな不吉なこと言わないで!」(チェーン)
「覚悟を言ったまでだよ…」.
「シャアの‥存在…」
泣き崩れるアストナージを見て。呻きながらその怒りの鉾先を全てシャアに向けるアムロ。
ここから先、物語の展開はその悲壮さをさらに加速させていく。皆殺しトミノの面目躍如?
「意地悪い言い様に聞こえるな」(シャア)
「クェスが何かいいましたか…?」(ナナイ)
「そりゃあ、真面目すぎるナナイは嫌いだ、くらいは言うさ」
αアジールのテストに関して「クェスにやらせればいいでしょう」と冷たく言い放つナナイに対して。
しっかし今回のシャアのジゴロっぷりは半端ない。アメとムチを使い分けて年増とガキを完璧にコントロール。
でもロリコンなのな、ぷぷぷ。
「クェス、大佐がナナイと仲良くしている理由を知らないのか?」(ギュネイ)
「大佐は。ジオンの1年戦争の時に使ったパイロットの、ララアにとりつかれてるんだぜ!」.
「けど大佐は、総帥らしく見せるために、ナナイなんかとも付きあってさあ。ロリコンじゃないかって。.
ニュータイプ研究所の連中はみんな知ってるんだぜ?」.
「だからって何よ!昔のことでしょ!」(クェス)
「大佐のララア・スンって寝言を聞いた女は、かなりいるんだ!」
(ここでクェスぶち切れ、ギュネイを平手打ち)
「あたしがナナイとララアを追い出すんだから!」(クェス)
「ララアをアムロに取られたから、大佐はこの戦争をはじめたんだぞ!」(ギュネイ)
「そんなこと言うから若い男は嫌いなんだ!」(クェス)
クェスさん、ごもっとも。確かにギュネイの言い様はちょっと了見が狭すぎる。
だけど君が惚れてるシャアはもっと了見が狭い男なのだよ、それに気づくんだよッ!
「すまんが、みんなの命をくれ!」(ブライト)
アクシズ阻止作戦、最終局面。
我が身もろともの玉砕作戦に全員死を覚悟する。何回見てもついつい泣けてきちゃうシーン。
「これと大尉のサイコミュが共鳴して、未知数の機能が引き出されるかもしれないって話、信じます?」
「お早いお帰りを…」(チェーン)
再度出撃するアムロ。それを見送るチェーン。なんて健気なんだ。
ちなみにサイコフレームうんぬんの下りの説明的セリフは、この後の伏線とリンクしている。
「私、ララアの身代わりなんですか!?」(クェス)
「誰に聞いた? いや、なんでそんなことが気になる?」(シャア)
「私は大佐を愛してるんですよ!」.
「困ったなあ」.
「何故!? 私は大佐のためなら、死ぬことだって出来るわ!」.
「分かった。私はララアとナナイを忘れる」.
「なら、私はαで大佐を守ってあげるわ!シャア!」.
たくさんの兵士が詰めているメインブリッジでいきなりこんなこと言われたら、そらシャアでなくとも焦るというもの。
クェスの計算勝ち。しかもこれを天然でやっちゃってるところが凄すぎる。あげくの果てに呼び捨てだ、マジ最強。
クェスのすっごくいい笑顔と対照的に、死ぬほど不機嫌なツラしてるシャアにも注目。
「私がクェスに手をだすと、どうして考えるのだ?」.
「私はネオジオンの再建と打倒アムロ以外、興味はない。ナナイは私に優しいしな」(シャア)
「嘘かまことかすぐに分かるさ!」(ギュネイ)
でもシャアの方が上手だった。クェスとのことをネタにして、逆にギュネイを炊きつける。
その効果絶大ナリ。シャアが去った後、両手を叩きつけて上記のセリフを呟くギュネイ。
あまりにも単純すぎる。ま、若いということか。
「エヘヘッ来る来るッ!」(クェス)
「やることがいっぱいあるでしょ!」
シャアにいい子いい子されて御機嫌クェス。
ニュータイプ専用MA:αアジールにて、遂に出撃。
「敵意が無邪気すぎる。シャアじゃない、あの男でもない…」(アムロ)
「子供につきあっていられるか!」
クェスvsアムロ! と思いきやアムロの方はクェスをまったく相手にせず。
シャアと違って、ロリコンではない、ということか。
「邪魔すんじゃないッ」(クェス)
「落っちろ!落っちろ!落っちろ!」
νガンダム追撃中に後方から射撃を受けてムキー!
「受けられるか!」(ギュネイ)(ギュネイ:ファンネル発射)
「大佐のところには行かせないよ!」(クェス)
「邪気が来たか!」(アムロ)
「やられる!?」
フィン・ファンネルでバリアを張って、ギュネイとクェスの同時ファンネル攻撃を防ぐアムロ。
過去の神技に勝るとも劣らぬそのテクニック、やっぱ半端じゃない。
この後、軽々とギュネイを撃破。何一つ印象に残らないほどあっさりとしたその死に様に合掌。
(断末魔ひとつなかった)
「そんなんで、大佐を困らせないでよ!」(クェス)
フィン・ファンネルを使いこなすアムロに手も足も出ないクェス。
むしろ困ってるのは自分自身。
「援護モビルスーツはどうなってんの!」(ブライト)
「ニューガンダムだけ、前に出過ぎです!」と言われて飛び出たセリフ。
「なにやってんの!」に続く第2弾、「どうなってんの!」
「罵りあっているだけじゃいけないよ! クェス!それじゃ駄目だよ!」(ハサウェイ)
戦場のみんなの思念を感知して憤るハサウェイ。やはりニュータイプなのか?
この後よりにもよってジェガンで出撃。ブライトに言われた通り、じっとしておればいいものを。
「そこか!」(シャア)
の一言でブライト最後のお宝核ミサイルをコナゴナにするシャア。
その攻撃を逃れたミサイルがアクシズの端を直撃、それを見てシャアさらに一言↓
「ブライト…やるな!」(シャア)
ここに「やるな!」系三段活用が完結。
「やるなロンドベル!」 「やるなブライト!」 「ブライトやるな!」
試験に出るので、よく覚えておくように。
「クェスだろ!これに乗ってるの!」(ハサウェイ)
「馴れ馴れしくないか、こいつッ」(クェス)
「サイコミュがひっぱってくれるから、逃がしゃしないよ!」
アムロを猛追するクェスのαアジールに、やっとの思いでとりつくハサウェイ。
それに対してクェスのカウンター口撃炸裂。幾ら何でも手厳しすぎる。
「駄目だよクェス!そんなんだから敵だけをつくるんだ!」(ハサウェイ)
「あんたもそんなこと言う!だからあんたみたいの生んだ地球を壊さなくっちゃ、救われないんだよ!」(クェス)
「クェス、そこにいるんだろ?分かってるよ、ハッチを開いて!」.
「顔を見れば、そんなイライラ、すぐに忘れるよ!」.
「子供は嫌いだ!図々しいから!」
もう無我夢中のハサウェイ、泣きながら答えるクェス。
ハサウェイとクェス、本音のぶつけあい。そこへチェーンのリ・ガズィが乱入し…
「ハサウェイ、どきなさい! その娘は危険よ!」(チェーン)
「いやな女!お前がいなければ、アムロのところにいられたのに!!」(クェス)
そのリ・ガズィから放たれたグレネード・ランチャーは、無情にもハサウェイとクェスの間へ…
(2007/6/7:ボンバーさんより指摘を頂き、赤文字部分の間違い箇所を修正)
「直撃…!?どきなさいハサウェイ!!」(クェス)
そしてクェス逝く。合掌。
その気性の激しさ、純粋であるが故の脊髄反射っぷりは、ガンダム史に燦然と名を残す名キャラであったと思われ。
「チェーン? …チェーンか、やったのは!」(ハサウェイ)
「やっちゃいけなかったんだよ!そんなことを分からないから大人って地球だって平気で消せるんだ!」
ハサウェイ逆噴射。よりにもよって味方である筈のチェーンを撃破。
その爆発の最中で彼女の腰のサイコフレームは紫色に光り、その思念はアクシズ全宙域へと拡散していく。
「おい、ロンドベルは援護がいるんじゃないのか?」.
「ゲタで発進。戻りは気にすんな、安心してロンドベルを援護しろ!」.
「命に従ってアクシズに向かわれたし!」.
「アクシズに直進すりゃあいいんだよ、間に合わせろ!」.
「本当に拾ってくれるのかよ?」「行けってよ!」..
その光を見た各艦隊のパイロット、まるで呼応したかのように次々とアクシズへ向かう。
「飛べれば、宇宙に行けるのにね…」(チェーミン)
地球上より、その光を感じとるチェーミン。
美しいが、それ故にあまりにも哀しい名場面。