逆襲のシャア(後編)

#いよいよクライマックス。
 アムロとシャア、最期の凄絶な戦いがフィナーレに華を添える。

「よけた!?」(アムロ)
「それでこそ私のライバルだ!」(シャア)
  
アムロの攻撃を間一髪でかわすシャア。なんか活き活きとしてるよオイ。

  


「アムロ!地球上に残った人類などは、地上の蚤だということが何故分からんのだ!!」(シャア)
  アクシズをところ構わず爆破しまくるアムロを見てブチ切れるシャア。
  この流れは、そのまま論争しながらのMS戦へと発展していく。

「ララアが死んだ時のあの苦しみ!存分に思い出せ!」(シャア)
「情けない奴ッ」(アムロ)
「なにがッ!」.「貴様こそ、その力を無駄に消耗していると、なんで気がつかん!」.
「貴様こそッ!」.
「パワーダウンだと!?」
  戦いはさらに激化し、遂にビーム・サーベル戦へ。
  ものすごい勢いでサーベルを振り回しつつ、アムロが下がったところを腰のメガ粒子砲で狙い撃ちするシャア。
  しかし既にエネルギーの使いすぎ、その機体はメガ粒子砲を撃てるだけのエネルギーを残していなかった。
  こんな初歩的なことに気づかないとは。相当興奮していたと思われ。

「世直しのこと…知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、.
 夢みたいな目標をもってやるから、いつも過激なことしかやらない!」(アムロ)
「四方から電波が来る!?」(シャア)
「しかし革命の後では、気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、.
 インテリはそれを嫌って、世間からも政治からも身を引いて世捨て人になる。だったら…」.
「私は、世直しなど考えていないッ!」「愚民共にその才能を利用されている者が言うことか!」.
「そうかい!」.
  
「ガンダムを捨ててでも、アクシズを内部から爆破しようってのか? させるかッ!!」
  というわけで今度はアクシズ内で、お互いの頭と体を使っての頭脳戦と肉弾戦が始まる。
  ”アムロとシャア最後の決着”と銘打つだけあって、戦いのヴァリエーションはとにかく豊富だ。 

「このくらいッ!」(アムロ)
「サーベルのパワーが負けている!?ンええいィ!」「なんと!」(シャア)
  
(サザビーの左腕をバッサリやられるシャア)
「シャア!」.
「貴ッ様がいなければッ!」.
「ズオオオオオオオオオオ!」
  再びアクシズの外に出てMS戦。
  互いに決め手のビームサーベルを失った両機は、遂にMS同志で殴り合いをはじめる。
  これ、おそらくガンダム史上におけるもっとも激しい戦闘シーンなのではないかと。

  


「何?戻れと言うのか!? ナナイ!男同士の間に入るなッ!(シャア)
  
νガンダムに圧されっ放しのシャアの窮状を感知? ナナイのその思念がシャアに届く。
  しかし、これをあっさりとはねのけるシャア。男の意地か、それとも別の理由があったのか?
  ともかく、そんな下らぬもののおかげでシャアは脱出ポッドことアムロに捕獲されてしまう。

「シャアの手伝いをしたのか…」(ブライト)
  アクシズを分断させる為の爆発が強すぎて、アクシズ後部が地球の引力に引かれて落ちることを知り
  顔面蒼白になるブライト。相変わらず不幸な役をやらせたらこの人の右にでるものはいない。

「フフフフフフ‥ はははははは!」(シャア)
「何を笑ってるンだ!?」(アムロ)
「私の勝ちだな。いま計算してみたがアクシズの後部は地球の引力に引かれて落ちる。貴様等の頑張り過ぎだ!」.
「ふざけるな! たかが石ころ一つ、ガンダムで押し出してやる!」.
「バカなことはやめろ!」.
「やってみなければ分からん!」.
「正気か!?」.
「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!」.
「アクシズの落下は始まっているんだぞ!」.
「νガンダムは伊達じゃない!!」.
  遂に炸裂、アムロ伝説の名セリフ。
  シャアの「行けアクシズ!忌わしき記憶とともに!」に並ぶ、最高の痺れどころ。
  熱血バカ一代アムロ・レイ、ここに至って遂にクライマックスを迎える。

  


「ラーカイラムでアクシズを押すんだよッ!」(ブライト)
「地球が汚染されるのを黙って見ているのか!」
  あーここにも熱血バカがいたよ。
  とはいえ、幾ら何でもそら無茶だブライト。

「命が惜しかったら、貴様にサイコフレームの情報など与えるものか!」(シャア)
「何だと?」(アムロ)
「情けないMSと戦って、勝つ意味があるのか! しかし…これはナンセンスだ!」.
「馬鹿にして…! そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないンだ!」
  アクシズの落下を、あまりにも無茶な力技で阻止しようと孤軍奮闘するアムロ。
  アクシズの岩壁に脱出ポッドごと埋め込まれて、何もできなくなってしまったシャア。
  いよいよ物語は最終局面を迎える。

  


「大佐の命が… 吸われていきますッ…!」(ナナイ)
  シャアの窮状を感知して遂に泣き出すナナイ。
  そんな中、どこからともなく現れてアクシズの岩壁に次から次へと張りつく連邦のモビルスーツ群。
  「なんだ?なにをしようってンだ?」(アムロ)
  ↓
  

  ↑”巨大隕石、みんなで押せば怖くない” たぶんそんな感じだと思う。
   その数はどんどん膨れ上がっていく。

「やめてくれ!こんなことにつきあう必要はない!下がれッ来るんじゃない!」(アムロ)
「ロンドベルだけにいい思いはさせませんよ!」(連邦兵)
  
(何気なく出したサインがカッコ良すぎる)

「ギラドーガまで…!? 無理だよ、みんな下がれ!」(アムロ)
「地球が駄目になるかならないかなんだ!やってみる価値ありまっせ!」(ジオン兵)
  
(遂にジオン兵まで? 自分等が落とそうとした隕石なのに?)

「しかし…爆装している機体だってある…」(とか言った途端に一機爆発)
「駄目だ!摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ!」(アムロ)
  その熱と摩擦に耐えきれず次々と爆発していくMS達。
  それを見て絶叫するアムロ。争おうとも協力しあおうとも、もはや悲しみしか生まれないのか…?

「もおいいんだ! みんなやめろォーーーッ!!」(アムロ)
「結局‥遅かれ早かれ、こんな悲しみだけが広がって、地球をおしつぶすのだ….
 ならば人類は、自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して、贖罪しなければならん….
 
アムロ…なんでこれが分からん!」(シャア)

  

  もはや涙なしには見てらンない。
  あまりにも純粋であるが故に破滅的な道しか選べなかった第一世代ニュータイプ、アムロとシャア。
  願わくば彼等に安らぎあらんことを…

「こ、これは!?サイコフレームの共振?人の意志が集中しすぎて、オーバーロードしているのか?.
 な何、恐怖は感じない? むしろ暖かくて、安心を感じるとは…」(シャア)
「何も出来ないで…ああっ!」(アムロ)
  アクシズの落下阻止という、その目的の為に一つになっていく皆の思念。
  もはや連邦もジオンも関係ない。その巨大なる思念エネルギーはアムロとシャアを中心に広がっていく。

  
(サイコフレームの共振ではねとばされるMS達)

「そうか…!しかしこの暖かさをもった人間が地球さえ破壊するんだ!それを分かるんだよアムロッ!」(シャア)
「分かってるよ! だから、世界に人の心の光を見みせなけりゃならないンだろ!」(アムロ)
「ふん、そういう男にしてはクェスに冷たかったな…えっ!」.
「俺はマシーンじゃない!クェスの父親代わりなど出来ない!…だからか?貴様はクェスをマシーンとして扱って…」.
「…そうか?クェスは父親を求めていたのか。それで、それを私は迷惑に感じて、クェスをマシーンにしたんだな」.
「貴様ほどの男が、なんて器量の小さい!」.
「ララア・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!そのララアを殺したお前に言えたことか!」.
「お母さん?ララアが…? うわっ!」.
  最後の最後まで喧嘩て。
  ま、その方がらしいっちゃ、らしいけど。

  
 「アクシズ!地球から離れますッ!」
  遂に地球から離脱しはじめたアクシズ。
  サイコフレームの破片は、その力を象徴するかのごとく、オーラを周囲にまき散らしつつ、彼方へと飛び去っていく。


  ・
アムロ・レイ: アクシズの落下阻止の際のエネルギーに巻き込まれ消息不明
  ・
シャア・アズナブル: 同上

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クェス・パラヤ: チェーンのリ・ガズイに撃墜され死亡
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ギュネイ・ガス: アムロ駆るνガンダムに撃墜され死亡
  ・
レズン・シュナイダー: ラーカイラムからのチェーンの機銃掃射により死亡
  ・
チェーン・アギ: クェスの死に逆上したハサウェイのジェガンに撃墜され死亡
  ・
ケーラ・スゥ: ギュネイのヤクトドーガに握りつぶされて圧死
  ・
アストナージ・メドッソ: ラーカイラムのカタパルトが直撃を受けた際に死亡

  主要キャラで生き残った者は、ブライトとハサウェイ、そしてナナイ・ミゲルのみ。



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