逆襲のシャア(前編)

#ガンダム・サーガ完結編。おそらくガンダム・シリーズの最高傑作。
 英雄叙事詩と呼ぶに相応しい仕上がりだと思う。


「宇宙に100億の人が住んでいるのよ。.
 お父さん達はそれを地球から見上げて、分かってるつもりで…そのほうがおかしいのよ!」(クェス)
  シャアの地球寒冷化作戦を阻止できなかった連邦政府とその高官である父を責めるクェス。
  この青臭さがたまんねえっス。

「なんでこんなものを地球に落とす!?.
 これでは、地球が寒くなって人が住めなくなる! 核の冬が来るぞ!」(アムロ)
「地球に住む者は自分達のことしか考えていない! だから抹殺すると宣言した!」(シャア)
「人が人に罰を与えるなどと!」.
「私、シャア・アズナブルが粛正しようというのだ、アムロ!」.
「エゴだよそれは!」.
「地球がもたんときが来ているのだ!」.
  使いやすさ抜群の名セリフ:
「エゴだよそれは!」 別バージョンもあり。
  5thルナが地球に落下していくのを横目に、シャアのサザビーとやりあうアムロ。
  しかし性能差はいかんともしがたく、シャアに
「そんなものでは!」と一蹴される。

  
 (シャア専用MSサザビー出撃。やっぱ赤いね)

「あなたは男の子よ。宇宙を体験するのは遅いくらい」(ミライ)
  ミライ、昔よりぜんぜん綺麗になってないか? プチ整形とか?

  


「この2年間、全部のコロニーを調査したんだぞ。.
 なのに何故シャアが軍の準備をしているのが分からなかったンだ!」(アムロ)
「地球連邦政府は地球から宇宙を支配しているが、これを嫌っているスペースノイドは山ほどいる。.
 ロンドベルが調査に行けば、一般人はガードしちまうのさ…」(ブライト)
  お約束的バックグラウンド説明セリフ。
  自らのふがいなさを恥じるが如く、絞り出すように言うブライトの苦悶の表情が実によい。

「これでは道化だよ」(シャア)
  シャア、演説シーン。もしくは羞恥責めシーン。
  ホログラム投影にて、その恥ずかしさ満点の格好がMS格納庫内に全開で晒される。
  そら、こんな辱め受けたらこうも言いたくなるわな。実際 僕だったら舌噛み切ってます。
  
  


「若いのさ」(シャア)
  ギュネイの精神状態を危ぶむ側近の「強化しすぎではないのか?」という一言に対して。
  ちょっと大人な感じ。でも実は一番若い、というかガキなのはコイツ自身だったりする罠。

「任務ですから」(ギュネイ)
  連邦政府との裏交渉に向かうシャアの護衛任務につくギュネイ。
  シャア側近に私服姿を「似合うじゃないか」と誉められるも、そっけなくこう返す。愛想ねーにも程がある。
  でも、よくよく考えたらこの年代の男共ってみんなこんな感じかも。
  
「戦闘ブリッジ!はやく開くの!」(ブライト)
  
いかにもブライト!っつう感じのセリフ。やっぱブライトにはあたふたとやきもきがよく似合う。

「なんて作戦だい!モビルスーツは白兵戦がメインだってのに」(レズン)
  ロンデニオンに向かうシャアを援護する目的での陽動作戦にブーたれるレズン。
  この後「発進だぞレズン!」と管制塔に言われて
「分かったよ!」とふてくされたように一言。
  いかにも女豪って感じのキャラ。ブスなんだか美人なんだか良く分からない微妙顔もわりと好き。

「こういうときに数を減らす!」(レズン)
「見ィーつけた」
  ラーカイラム捕捉。レズンおねえたま大いに猛る。その微妙顔もどんどん色っぽくなる。

「なんだよ、よ、あの光! あれあれ!」(整備士1)
「よけろよけろ! 戦争やってんぞ!」(整備士2)
「ありゃ! …アポジモータの修理ができなきゃ、このまま突っ込むぞ!」(船長)
「そんなああああああ!!」(整備士2)
  クェスとハサウェイを乗せたシャトル、ただいま戦闘空域を漂流中。

「何やってんの!ジェガン部隊は!」(ブライト)
  出た!元祖「なにやってんの!」
  レズン等のギラドーガに取りつかれて、やきもきするブライト。ジェガン部隊は何もやっていない。

「シャアと僕を、一色他に自分のものに出来ると思うな!」(アムロ)
「意識が永遠に生き続けたら拷問よ。私は貴男たちをみたいだけ」(ララア)
「そりゃエゴだよ!」.
「私は永遠に貴男たちの間にいたいの…」.
シャアは否定しろ!.
「彼は純粋よ…」.
「純粋だと!」
  そして夢オチ。ララアの幻影に翻弄されるアムロ。
  「また同じ夢を見るようになっちまった!」 アムロ凄まじく苛立つ。
  それにしてもアムロは「エゴだよ!」が好きすぎる。

  


「どうしたんだろう…怖い怖い」(チェーン)
  
夢オチの絡みでアムロに八つ当たりされるチェーン。こんなに健気なのに…可哀想。
  ちなみに下の名前はアギ。こ、この女、オラのもんだ、僕と一緒にアギアギー

ニュータイプはものとか人の存在を正確に理解できる人のことだよ?.
 
それもさ、どんなに距離が離れていても、そういうのが分かるようになるの」(クェス)
「ああ、人間って地球だけに住んでいたときは、頭の細胞の半分しか使っていなかったんだろう?.
 それが宇宙に出て、残りの頭の部分を使うようになれば、テレパシーだって予知能力だって、高くなるよな。.
 じゃないと地球とコロニーで暮らしてたら、家族だなんて思えなくなっちゃうもの」(ハサウェイ)
  夕陽をみながら語り合うクェスとハサウェイ。。
  ちょっとロマンチクックなムード漂う中でのニュータイプ論。
  人類の革新を感じさせる1シーンだった筈なのに…

「貴女こそ何でここにいるの?」(クェス)
「え?なんでって… 自分はこの船のメカニックマンよ」(チェーン)
大人の言いそうなことね。.
 私が聞きたいのはそういうことじゃないわ。アムロ・レイとの関係よ!」
  チェーンvsクェス。
  MS格納デッキに入ったクェスを注意しようとしただけだったのに、もう、とんでもないことに。
  あげくの果てに邪魔者扱い。
「あんた私にとってそういう人よ!あんたこの船から降りなさいな!」とまで言われ、
  薄幸女の名を欲しいままにするチェーン。ま、こういう尽くし系は得てしてそうなりがちなものだが。

こんなのを見れば人が革新できるって信じられる!(クェス)
「ザビ家が独立宣言をした気分って分かるよなあ…」(ハサウェイ)
「お父さんはこんなもの知らないで地球から宇宙に住む人を支配してるのよね」.
「だからさ、シャアは一度は地球の味方をしたけど、今度の作戦で、地球を潰してしまおうってんだからな」.
「その話分かるよ!地球の人って頑固で変わンないくせに、自分の奥さんや旦那さんだけは変えるでしょ?.
 だからシャアは色々やってみせてさ?人の可能性を見せようとしてんのよ」.
  ラーカイラムからサイド1ロンデニオンを望むクェスとハサウェイ。
  コロニーの内側に町や湖があるのを見て大感動する二人。この時点でクェスには既にシャアへの傾倒が伺える。

「ブライト・ノア艦長か… ミライさんとうまくやっているのかなあ…」(カムラン)
  出た!希代の眼鏡飛ばされ男、カムラン!。相変わらず眠たいことホザいてやがる。
  だからお前は駄目だというのだ!

  


「いつもはこうして優しいのに、時々 怖い声だしますね」(チェーン)
「そうかな?」(アムロ)
(すねたように)そうですよ」
  アムロが穏やかな時をねらって、逆襲しかえすチェーン。
  トミノ風にいうならば「待ってるだけの女じゃない!」といったところか。

「そうか…それは問題だな?」(シャア)
  連邦政府とのアクシズ売却交渉場面にて。
  兵士達の仕事がなくなってしまうのでアクシズ輸送作業をこちら側に任せてほしいと提案する
  ネオジオン高官のフォローの為、実にわざとらしくこのセリフを使うシャア。白々しいもいいところだ。

「俗物共が!」(シャア)
  アクシズ売却交渉終了後、帰っていくアデナウアーや連邦高官達の車を見ながら。
  相変わらず潔癖性の男だ。あ!…だからか?だからなのか?(トミノ風)

「アムロ…私はあこぎなことをやっている… 近くにいるのならこの私を感じてみろ!」(シャア)
  
いくら何でも無理すぎる。とか思ってたら↓

「なんでここにいるんだ!」(アムロ)
「私はお前と違ってパイロットだけをやっているわけにはいかん!」(シャア)
「俺たちと一緒に戦った男が、なんで地球潰しを!?」.
「地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの、重力に魂を縛られている人々だ!
  本当に遭遇しちゃったというわけ。
  それにしても6年ぶりの再会で、いきなり殴り合いとは随分心が貧しい人々だ。

  


「地球は!人間のエゴ全部を飲み込めやしない!」(シャア)
「人間の知恵はそんなもんだって、乗り越えられる!」(アムロ)
「ならば、今すぐ愚民共すべてに叡智をさずけてみせろ!」.
「(そうだ…それができないから…)」(クェス)
「貴様をやってから、そうさせてもらうッ!」(アムロ)
「アムロ!あんたちょっとせこいよ!」
  小洒落たトークをかわしつつお互いをボコりまくるシャアとアムロ。
  両者の言い分とも綺麗すぎるくらい純粋ではあるが、あまりにも極論すぎるがゆえに起こる対立の図式。
  で、アムロが優勢なところへいきなり乱入のクェス。アムロに銃突きつけつつ上記のセリフ。アムロ唖然。
  セイラといいララアといい、げに恐ろしきは何時の時代も電波娘ということか。

「なんで、私に興味を持ったのだ?」(シャア)
「貴男、人の魂は地球の重力に引かれるっていったでしょ?あれ、私の実感なんだ。.
 
でもさ? それが分かる人って、不幸な人じゃないかって。気になったの…」(クェス)
  おいおい、こんな子娘に同情されてるぞシャア。
  いつものシャアならば「この私が同情されているッ!?」とかなんとか言いそうなものだが。

「総帥に」(乗客)
「ジーク・ジオン!」(腰の曲がった婆さん)
  スウィートウォーター内では英雄も同然のシャア。花をもらって軽く会釈。
  このシーン、すげえ好き。バックに響く曲も最高。

  
(妙にかわいいクェス)

「アクシズを地球にぶつけるだけで、地球は核の冬と同じ規模の被害を受けます。.
 それはどんな独裁者でもやったことがない悪行ですよ?それでいいのですかシャア大佐?」(ナナイ)
「今さら説教はないぞナナイ。私は空にでた人類の革新を信じている。.
 しかし、人類全体をニュータイプにするためには…誰かが人類の業を背負わなければならない」(シャア)
「それで、いいのですか?」「大佐は、あのアムロを見返したいために、今度の作戦を思いついたのでしょ?」.
私はそんなに小さい男か?.
「アムロレイは優しさがニュータイプの武器だと勘違いしている男です。.
 女性ならばそんな男も許せますが、大佐はそんなアムロを許せない…」

  
 (ちょっと大人ーンな感じ)

  「アムロを見返したいだけなんでしょ?」 凄まじく痛いところを突かれるシャア。
  「私はそんなに小さい男か?」 この後の回想ですぐにその答えはでる。

「ララア… 私を導いてほしかった…なまじ人の意志が感知できたばかりに…」(シャア)
  10年前のことを未だにこだわりまくってるシャア。もう人間が小さいなんてもんじゃない。

「ジオン・ダイクンの名を受け継ぐ覚悟が、大佐を変えたと思いたいが…」(ナナイ)
「くそッ!あんな子娘に気をとられて!」
  さて、いよいよお待ちかねのめくるめくベッドシーンかと思いきや、あっさりと部屋を出ていってしまうシャア。
  あまりにも図星を突かれたことへの嫌がらせだろうか? 
  当然ナナイは御預けくらってプンプン。持っていたグラスを床に投げつける。


「地球の人は荒れるだけでしょ。シャアは純粋すぎる人よ」(ミライ)
  シャアの本質を誰よりもよく見抜いていたのは、実はこのミライだったのかも知れない。
  ところで何下にチェーミンが美人。将来が楽しみだ。

  



<シャア、一心不乱の大演説>

「このコロニー、スウィートウォーターは、密閉型とオープン型を繋ぎあわせて建造された、
 極めて不安定なものである。
 それも、過去の宇宙戦争で生まれた難民の為に、急きょ建造されたものだからだ。
 しかも、地球連邦政府が難民に対して行った施策はここまでで、容れ物さえつくれば良しとして
 彼等は地球にひきこもり、我々に地球を解放することはしなかったのである。
 私の父、ジオン・ダイクンは、宇宙移民者すなわちスペースノイドの自治権を地球に要求したとき、
 父ジオンはザビ家に暗殺された。そしてそのザビ家一行はジオン公国をかたり、地球に独立戦争を
 仕掛けたのである。その結果は諸君等が知っているとおり、ザビ家の敗北に終わった。それはいい。
 しかし、その結果、地球連邦政府は増長し、連邦軍の内部は腐敗し、ティターンズのような反連邦政府運動
 を生み、ザビ家の残党を語るハマーンの跳梁ともなった。これが難民を生んだ歴史である!」

「私、みんな知っていたな…」(クェス)
  乳臭い子娘風情がえっらそうに。ま、そこがリビドーの源なのだが。

「ここにいたって私は、人類が今後、絶対に戦争を繰り返さないようにすべきだと確信したのである。
 それがアクシズを地球に落とす作戦の真の目的である!
 これによって地球圏の戦争の源である、地球に居続ける人々を粛正する!」
「諸君! 自らの道をひらくため! 難民のための政治を手にいれるために、あと一息!
 諸君等の力を私に貸して頂きたい! そして私は、父ジオンのもとに召されるであろう!!」


  


「これで地球の敵は本物の宇宙人ぐらいになったな」(アデナウアー・パラヤ)
「我々に新しい職業がありますかな?」(連邦士官)
地球には海岸掃除の仕事が山ほどあるよ
  ネオジオン艦隊の武装解除発進を見て呟くアデナウアーと今後の心配をする連邦士官とのやりとり。
  リストラ親父の怒りが、いま、容赦なき鉄槌と化してアデナウアーに襲い掛かる!(直前でヘタれるけどな)

  


「ガキが実戦に入るのかよ!」(レズン)
(レズン隊と揉めてるギュネイを見て)ギュネイ、よしなよ、普通の人を相手にするなんて」(クェス)
  これを聞いてすかさずスパナを投げつけるレズン。それを軽々とよけるクェス。
「ホント、普通じゃないみたいだね」.
「そう思うよ」.
「かわいいよ」
  
 (レズン、怒りのスパナが容赦なくクェスを襲う)

「ばかな!条約違反だ!」(アデナウアー・パラヤ)
  トミノ風に言うならば「そういうことではないのだよ、もはや」といったところか。
  この後、コイツは実の娘にブチ殺されることに。哀れナリ。

「なんで…こんなに…気持ちが悪いの…」(クェス)
  
親父ブチ殺したからだな、そりゃ。 
  ま、お互いその事実に気づかなかったということだけがせめてもの救いか。

「何やってんの!?」(ブライト)
  ラーカイラム格納庫ハッチのアラートに対して、お得意のセリフ炸裂。
  でも、この原因をつくったのは息子のハサウェイだったりするのだ。

「ようし!これで自分一人でシャアを叩きつぶせる!」(ケーラ)
「そーゆうのやめてください!中尉に…怪我をされるのが、心配で…」(アストナージ)
「アストナージ… 言ってくれちゃって!」
  整備されたリガズィの前で意気盛んのケーラ。それをなだめるアストナージ。
  戦い前のほんの僅かな憩いの一時。

  


「あんな女… 嫌いだッ!」(クェス)
「大佐に取り入ってニュータイプ研の所長と戦術士官の地位を手に入れた女なんだから…!」(ギュネイ)
「それを大佐に確かめるッ!」.
(ハッチを追い出されるギュネイ)大佐には近づくなって!」.
あんたの焼きもちなんか聞けないよ!.
「違うって…」.
「ハッチ開けろッ!」
  ナナイにひっぱたかれてご機嫌斜めのクェス。
  子娘とヒステリーと恋ボケのジェットストリームアタック。もう手がつけられない。

「ミサイルの中に核があった…? やるなロンドベル!(シャア)
  ラーカイラムからアクシズへの第1波をファンネルで軽々と叩き落としてこの一言。
  流石に役者が違う。

「クェスの感じすぎる才能が、シャアに利用されているんだ、無理だよ」(アムロ)
「利用だなんて、そんなッ!」(ハサウェイ)
「あの娘の才能は強化されて、今はシャアの道具に成り下がっている」.
「そんな…」.
「人の死にのった世直ししか出来ないのがシャアだ。.
 そんな男に利用されるクェスも、死んだものの力に引かれて悲惨な結末に…」.
「クェスは死にません!その前に取り戻します!そのためにMSの操縦だって習ったんです!」.
そんなことじゃあ、ハサウェイだって死人に引っ張られるぞ!!
  このやりとりの終了とともに、次々と戦場へ身を投じていく戦士達。
  シャアが。クェスが。ギュネイが。レズンが。 連邦側からはケーラと、そして遂にアムロが。
  身震いもんの血液沸騰シーン。

「ケーラ! とっておきのサラダ、作っとくからな!」(アストナージ)
「愛してるよ…」(ケーラ)
「なんてった!?」
  ケーラ、華々しく出撃。しかし彼女がそのサラダを食すことは遂になかった…

「アクシズ、いけッ! 忌わしい記憶とともに!」(シャア)
  ケーラの次はシャアのアップ。ここが中盤のクライマックス場面。
  遂にアクシズ点火! 

  



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