[MySelf]


月31日

<和歌山>

日本中の地形的に尖ったところへ脈絡なく行ってみたい欲求を満たすべく、
去年の2月頃に行ってきた和歌山県、久々に更新意欲が湧いてきたので
その旅行記をちょっと書いてみました。てことで今回の先端フィールドはこちら。



まーな、これを先端と認めちゃったらもう何でもアリだろ臭がプンプンだけどな。
あ、でもちょっと待って。ボストーロルが持ってる棍棒みたいな形状してるこの紀伊
半島をもうちょい拡大してみると…?



ほうら、尖ったところがこんなにも!的なこじつけが無事終了したところで、
まず降り立ったのは近畿指折りのマイナー空港として名高い南紀白浜空港。
とにかくアクセスが悪いと言われる和歌山県内にあって、その西方深部にいきなり
アプローチ出来る辺り、もうちょっと評価されても… と思わなくもないような。



てことで愛媛の道後温泉、兵庫の有馬温泉と肩を並べる日本三大古湯の一つ、
ここ「南紀白浜温泉」付近の景勝地巡りを開始することに。
まず向かったのはここ南紀白浜のシンボルとして親しまれている「円月島」。
打ち寄せる荒波が何百年もかけて造り上げたこの海蝕現象アートをしばし堪能後、
あのやたらと目立つ穴っぽこを実際に通るべく、そのサービスを行っているという
グラスボート乗り場へ向かうも時化のせい欠航とか、のっけから幸先が悪いとしか。



気を取り直して次に向かったのはその抜けるような白さが代名詞の「白良浜」。
そこそこ晴れているんだけど何処か薄暗いという微妙な空模様のおかけでいまいち
その純白っぷりが目立っていないのは残念。あとあれですな、やっぱ季節が厳冬期
だとどんなに綺麗なビーチでもどこか物悲しい感がただよっちゃいますな… 



ふと感じてしまった哀愁フィールをますます強くしてしまったのがここ「千畳敷」。
てか風・強!更に寒!この奇抜な海蝕系アートを生み出す海風と荒波の強さというものを
自前の肉体でもって思う存分味わったところで、もはや加山雄三的な生物でもない限り、
この荒涼とした海からのプレッシャーを受け止めきれるものではないと判断した我々は
速やかに撤退することに。



自ら好んで真冬コンディションに来ておきながら「あれ、なんか南紀微妙じゃね?」
とか考え始めてしまったミーの曇天気分を一気に晴れ晴れとしたものに変えてくれたのが、
ここ「三段壁」。そうそう、見た目一発系の分かりやすい景勝地ね、こういうのを望んで
いたんすよ。ちなみにこの場所、かの東尋坊ほどじゃないにしてもそれなりに名の通った
ダイビング&ダイイング・ポイントだそうで。



この荒々しさ全開な大岩壁の下の方には洞窟があって、エレベーターでそこまで行けると
いうことなので、1300円というなかなかに観光地設定な閲覧料を払ってすかさずイン。
…と、おおー、これはかなり見応えあるんじゃ…!
太平洋側から押し寄せてきた荒波が徐々に狭まっていく洞窟壁によって更に加速し、
最深部の奥壁にぶつかって砕け散る様は夏目さんはたいてでも見る価値アリじゃないかと。



加えて洞窟内部の岩壁の色がこれ絵具で塗りたくってんじゃないの?ってくらい鮮やか。
他にも岩の隙間から時折噴泉のように飛び出してくる水流が見られたりで、ホント随所に
見どころアリ。この手の洞窟系は割とハズすことも多いんですが、ここは当たりでした。



ここ南紀白浜観光の仕上げは、やっぱり高所からの展望プレイっしょ、てことで
白浜一の高台とされる標高131mの「平草原公園」は平草原展望台から先程観光した
白良浜一帯を俯瞰で存分に眺めることに。
そして推し景勝地である浜の周囲を取り囲むようにリゾートホテルが立ち並んでいる
様を見ているうちに、なんだか無性にシムシティがやりたくなったり。



ここで最初の大規模移動開始、目指すは南紀白浜から35キロ程離れた「すさみ海岸」。
今目標である他の先端ポイントと比べちゃうと少々地味らしいけど、ローカル的には
すさみ八景」と景勝名が付くレベルで海岸線美を楽しめる場所らしいとか。



んでまず向かったのはそのうちの一つ「稲積島」。日本書記に出てくる神武東征において
食料庫に使われた場所という逸話があるらしく、今でもこの島から石や草木などを持ち帰ると
災いが降りかかるという言い伝えが残っているんだとか。



周参見駅近くまで来たついでに「Myself;Yourself」というドマイナーアニメの巡礼を
少しばかり。つってもこのシーンだけなんスけどね。
ちなみに右端で見切れかかってるのが主人公。少々キチ入ってるヒロインに双子兄弟の
近親プレイとかなりトンデモ設定な作品だったけど、OP曲がかなり良かったのでそれ
聞きたさに見てた記憶が…



あと駅舎内の待合室に置いてあった水槽の中身が結構な勢いでインパクト大。
こういうところにある観賞用水槽の中身って普通グッピーとかの小型熱帯魚なんじゃ?
見ていて全然心落ち着かないけど、このワイルド感は嫌いじゃないかも。



次に赴いた「すさみ八景」ポイントがここ、「沖の黒島・陸の黒島」という岩礁帯。
激しい海流が二つの黒島に当たって砕け散る様が見どころなんだとか。
うーん、逆光のせいで写真がかなり残念なことになっちゃってる上に、景勝的にも
今ひとつ地味な感は否めず…か? 




んで次に向かった八景ポイントがこの「江須崎島」だったんですが、わりと断崖寄りな
半島先端から橋を渡って行くといういかにもな奥地感に加えて、宗教的な意味合いを
濃く匂わせる朱色の橋といい、島の入口にドデンと屹立する鳥居といい、内地と隔絶された
秘島臭を感じさせるオーラが出まくっていて、のっけから期待させる空気がありました。



島の先端へ近づくにつれ徐々に狭まっていく山道を抜けたその先にあったのは灯台。
ヒョイとその裏に回ればそこは断崖絶壁、そして眼下には何か観光名所的な命名をされて
いてもおかしくないレベルの巨岩が。



更に巨岩の向こう側を仰ぎ見れば…お…まあ、悪くないんじゃね?



この場所、一般観光客にはほとんど知られていないけど、そこそこ冒険テイストの感じられる
散策をお手軽に楽しめちゃう上、ここに到る半島入口にはエビとカニ専門というマニアックな
水族館があったり、周囲の遊歩道から見られる海岸線美もなかなかだったりと、かなり見応え
ありました。故にここすさみ海岸近辺のイチオシ観光地として挙げておきます。
(追記:エビとカニの水族館は、新たに建設される「道の駅すさみ」の敷地内に2015年秋、
 現在の三倍規模でリニューアル移設となるそうです)



ここらで海岸線を離れて近畿屈指の険しさとされる和歌山山地の観光ポイントを見てみっかと
これまたすさみ八景ポイントである「雫の滝」へと向かうも、何とコレモンでしたわ。
ちょい前の台風で滝に至る山道が崩壊しちゃったので現在絶賛工事中ですと。
後で知ったのですが全国レベルで見ても気候的に厳しい地域とされる和歌山県山間部に
おいては、このような場所がそこら中にあるそうで、いや旅行前の事前チェック、マジで大事
っすね。はい撤収、撤収ー


<二日目>



ほい、和歌山行、二日目〜
本日の出っ張り探索ポイントはココ、紀伊半島の最南端部であると同時に本州最南端でもあり、
日本でも有数の台風襲来地帯として名を馳せる潮岬半島&紀伊大島の目ぼしい景勝ポイントを
総ナメしちゃいますよ、ってことでまずは半島先端部とおぼしき場所にポツンと見えているここ
潮岬のシンボル、潮岬灯台を目指すことに。



…の筈がまだ開館前なので30分後にまた来てください…だと…?
なのですぐ近くにある「潮岬観光タワー」へと。



そこからまだ入れぬ潮岬灯台をじっと凝視して時間潰し。
なんか地球って実は丸くね?的なことを存分に感じさせる空間でしたねここは。



そして改めて「潮岬灯台」にイン&クライム。
さて、日本の灯台50選の一つにして、国内に15ある「登れる灯台」の一つでもある灯台界のエリート、
その展望部からの眺めは如何に?



…あ、うん、…ぶっちゃけ先程のタワーからの眺めの方がインパクト度合高くね?、とか
少し思ったりもしちゃいましたが、眼前に広がる太平洋の雄大さをより体感したいならやっぱ
こっちの方しょ…!と、半ば無理やり気味にテンション高めて自分を納得させることに。



でもって次は近日公開予定「海難1890」の元ネタ、トルコ軍艦エルトゥールル号遭難事件の
現場にもなったと言われる「樫野崎灯台」にて再び眺望プレイ。



まずはその荒々しい形状が特徴的な紀伊大島の東端海岸線を舐めるように眺めた後で…



改めて正面を見れば、はい、太平洋がドーン! なにここ、メッチャ気持ちいいんですけど。
ここ和歌山の先端眺望においては、今のところここがベストかも。



んじゃいよいよ本命いってみるかってことで、ここ紀伊大島のラスト眺望地「海金剛」へ。
……オーケー、今回は和歌山に来て良かったわ… と思わせてくれるに充分足る大眺望。
流石は青森の下北や石川の能登、はたまた千葉の房総や静岡の伊豆と並ぶ本州有数の
ド先端といったところでしょうか。いわば「日本の出っ張り」と言っても過言ではない
特別な場所に相応しい風景が見れてかなり満足。



紀伊半島の先っぽ探索を無事終えたところで、再び海岸線ルートに戻って、
ここ和歌山内じゃトップ5には間違いなく入るであろう景勝地「橋杭岩」を観光。
とてつもない大昔にマグマが冷え固まって出来た堆積岩群に、これまたとんでもなく
長い年月をかけて荒波に浸食されたことで造り上げられた全長850mもの奇岩群は、
かなり引いた位置から撮っても全体がカメラのフレームに入りきれない程の大スケール。
濃い青と薄い青がまだらになった複雑な海の色と相まって、その眺望感は更にアップ。
そりゃみんな観に来るわけだわー



そのまま海岸線を北上して今度は和歌山の最東端ポイント、勝浦町へ。
そこで観光船に搭乗して湾内の奇岩巡り、通称「紀の松島巡り」を楽しむことに。



半島の崖上にまず見えてきたのは、ここ紀伊勝浦の温泉宿代表格「ホテル浦島」。



このホテル、ただでさえ立地が抜群すぎるところに加えて、その崖下には「忘帰洞」
という洞窟があってその中に温泉が湧いているとか。なにそのチート・ロケーション、
これはもう泊まりたすぎるとしか。というわけでここには近年中に戻ってきそう。



んでもってこれがたぶんこの遊覧船ツアー、最大の見どころ、巨大奇岩群。
まあ岩ってか、既に島レベルの大きさなんですけどね。釣り人とか普通に渡ってるし。



更にその中でも一番の景勝ポイント、鶴島の海蝕洞がこちら。
そのまま船ごと洞窟内をくぐってくれるのかと思いきや、普通に横からパスして裏側へ。
むーん、ちょっと残念。


<最終日>



はい、最終日。
えー、場所的にいきなり真反対側へとワープしておりますが、その空白期間は
ただでさえ秘境とされる紀伊半島の中でも選りすぐりの奥地を熊野古道中心に巡って
きたので、そのことについてはまた別の機会にでもアプろうかと思ってます。
てことで今旅ラストの先端地がこちら、白崎海岸&日ノ御埼。



まずは二億五千万年前の石灰岩で形成された海岸線の美しさが「日本のエーゲ海」
と称されているらしい「白崎海岸」へ。



そして締切寸前の漫画家ならほぼ失神間違いなしなその白さをあますことなくフル満喫。
これは本当に「うおっまぶしっ」な奴だわ。



次は最終目的地の日ノ御埼へと向かう道すがら、エロゲ全盛時代の泣きゲー代表格とされる
「AIR」アニメ版の舞台探訪に興じることに。
んでここは6話で往人が歩いていた線路 …の筈だけど、ここから先は既に廃線とのことで、
レール自体が撤去されている模様。



ここは1話、往人と美鈴が田舎町をそぞろ歩きしつつ、賑やかな場所を探している所。
このシーンはほぼ完全に一致な感アリ。



こちらは5話のリア充爆発しろ感満載な夕暮れシーン。



んでもってここが劇中でしばしば重要な役割を果たす神社ね。
この鳥居をくぐって更に先へと行けば…



「AIR」ファンなら思わず胸熱になっちゃうこと必至、
作品のイメージショットに使われてる海岸沿いの堤防に到着。
てことはこの堤防を越えれば…




キター!「もうゴールしてもいいよね…」の海岸、「煙樹ヶ浜」やー
じんわりと作品に対する想いを噛みしめていたところでふと後ろを振り向けば、
どっかのオタが先程の堤防上で両手を広げつつ美鈴ちんウォークの真似らしき所業を
されていたので、ドロップキック辺りでもれなく叩き落としてやりたい気分に駆られました。
はい撤収撤収、とっとと先行くよー



まあ先いうてもここが終点なんすけどね。
というわけで紀伊半島の最西端地点である「日ノ御崎」に到着〜
ここのシンボルの大風車を眺めつつ、そのまま後ろを振り向けば…



先程まで居た煙樹ヶ浜一帯がほぼ全て見える大眺望をゲッツだぜ!
はい、そんなこんなで紀伊半島の先端旅行、終了〜 乙っしたー


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