[MySelf]


11月30日

<奄ちゃん>

今年の春先辺りに突如沸き起こった謎の離島ブーム、未だ冷めやらず。
というわけで8月の小笠原諸島に続き、今度は奄美大島に行ってきました。

うん、そう「奄美大島」、あの沖縄の北100キロほどの位置にあるアレ。
離島に限った面積順位としては沖縄・佐渡に続いて第3位であるにもかかわらず、
東シナ海域の島ニッチ的には沖縄本島や石垣、宮古島辺りの華やかどころに注目を
持っていかれていまいち目立っていないというか、人気がないわけじゃないんだけど
どこかパっとしない感のある島…に行ってきました。
そんな島だからこそ「私、気になります…!」的なツボを妙に押されるとでもいうか、
こういった第三軍的な存在、なんとなく好みなんですよね。てなわけで簡単に島レポ。


<初日>

羽田から奄美空港までは直通便があってその辺の利便性は大変よろしいのですが、
これが何故か14時着という、今から遊ぶには微妙に時間が足りず、でも宿に向かうには
ちょい早いだろ的な、むしろ悪意まで感じるレベルの中途半端っぷりをいきなりかまして
くれるもんだから、初日はそのテンションに引っ張られてこれまた中途半端なドライブに
興じることに。



というわけでまず向かった先は、ここ奄美じゃ夕日の綺麗な景勝地として名を馳せる
大浜海浜公園内にある「奄美海洋展示館」。とりま地元の海洋系知識を仕入れておこうと
いうことで。



入館後しばらくはここの一番の売りであるサンゴ礁水槽を吟味。
南海だけあってなかなかに派手な色合いの魚が眼前を右往左往する中、一番目立っていたのは
やはりこのウミガメ。



ちなみにこの水槽、2階部分から見るとこんな感じ。1・2階あわせてサンゴ礁の海底から
砂浜までを模したような構造になっていて、視る角度によりその深度毎の様々な生態系の様子を
楽しめるという、これはなかなか面白い趣向だなと思いました。
右の写真は2階砂浜付近にてジタバタしていたアオウミガメの赤ちゃん。



施設を出ると丁度日暮れ時、頃合いばっちりだったので、すぐ近くにある高台にて夕日見物。
圧倒的に綺麗… しかし一人でこういうの見ると無駄に感傷的になりますね。
「イントゥ・ザ・ワイルド」という映画の中で主人公が残した言葉「幸福が現実になるのは、
それを他の誰かと共有できた時」という一節のことをふと思い出したり。


<二日目>

はい二日目。
この日の午前は奄美中心市街近くにある「金作原原生林」という場所で森林浴を楽しむことに。



そもそもが原生林とは伐採や災害などによって破壊されたことがなく、またほとんど人手が
加えられたことのない自然のままの森林を指すそうで、ここのジャングルはその日本離れした
鬱蒼っぷりからあのゴジラやモスラのロケ地にも選ばれたことがあるとか。
写真はこの原生林を代表するシダ植物の「ヒカゲヘゴ」。



で、午後は奄美中央南部に位置する「住吉」という場所の汽水域にて、カヌー遊びしつつ、
これまた奄美を代表する自然資産の一つたるマングローブ湿地帯を見物することに。



なんていうか、まんまインディ・ジョーンズの世界がここに。当然のごとく少年マインド的な
探検心をむやみやたらと刺激された末、カヌーの制御を失ってそこらの枝に突っ込むこと数回。
いやこれマジで楽しいわー ただ意外と揺れるカヌー上で写真撮るのは結構難儀だったり。



ひとしきり童心にかえって遊んだところでふと空を見上げればもう夕暮れ、眼前には悠々たる
大河の流れとかね、なんかもう気分はすっかり野田知佑でしたわ。ちなみに通称「沈」こと
転覆の危険率は川べりでカヌーから降りるときが一番高いとか。もうね、ガイドの人にどこぞの
お嬢様ばりに手をとってもらいつつ、メッチャへっぴり腰で下船しましたわ。


<三日目>

この日は島の最南端まで足を延ばし、奄美本島から船で15分程のところにある「加計呂麻島」という、
面積的にはかなりボリュームのある島をのんびり見物することに。ただでさえ観光的には未開発地帯が
多いここ奄美にあって更に手付かずの場所がたくさん残っている島とのことで、そのキャッチフレーズは
「心ゆったり島時間」だそう。



まずは島の東部に位置する「安脚場」というところの展望台で、
奄美本島とここ加計呂麻島の海岸線が形作る自然美を楽しむことに。
ここ、父島の長崎展望台からの風景とタメはるくらい綺麗でした。



こちらはその道すがらで見かけた旧日本軍の機雷用格納庫跡。
奄美近辺においては直接的な戦闘はほぼなかったそうですが、備蓄防衛所などの軍事施設跡が
ここ加計呂麻島の何箇所かにほぼ手付かず状態でまだ残っているとか。



で、これは島のほぼ最南端にある徳浜海岸から見ることのできる「ライオン岩」。
こういう近似形体系の名称て、割と名前負けしてるところが多いんだけど、ここのはホントにホントにライオンやー



ここの沖合いではイージス艦と思わしき艦影も見ることができました。
船体番号「110」を後で調べてみたけど、それによるとたぶん艦名は「たかなみ」じゃないかと。



で、こちらは先述したライオン岩の近くにある諸鈍という場所の「デイゴ並木」。
いかにも南国的な海岸線とデイゴの連なる様が織り成す景観の美しさから、「男はつらいよ」最終作
「寅次郎紅の花」のロケ地にも選ばれた場所だとか。



ここデイゴ並木から最も目立っていた樹木を二つほどピックアップ。
左がここで最も大きいとされるデイゴの木。樹齢300年だそうだけど、このデカさからすると
むしろ短くね? で、右が中に入ると子宝に恵まれると言われている「デイゴの祠」、ミー的には
もはやビホルダーな印象を受けました。



で、こっちは島中央部にある通称「於斎のカジュマル」。
たった一本で「森?」的な印象を抱かせるほど、その成長速度と侵食度合には目を見張るものがあるとか。




最後に島中央部「呑之浦」という場所にて、山向こうに沈む夕陽が水面に反射する様を眺めつつ、
かの人間魚雷「回天」に並ぶ悲劇的特攻兵器として名を馳せる旧日本軍の「震洋」を見物。
面白いくらいに奥まった入江をなぞるようにして作られた遊歩道からの風景は、ちょうど時間的に
ベストタイミングだったこともあってかなり見ごたえありました。


<四日目>



そんなこんなで最終日。東京への直行便が一日一本しかない上にその出発時間が14時半という、
どこまでも観光客に優しくない奄美設定のおかげで、加計呂麻島の対岸上にある古仁屋港からの
水中観光船に乗っただけで最終日の観光は締め。



もうちょっと海の透明度高ければ良かったんですが、まあサンゴは大量に見られたし、
南国魚の代表格「ツノダシ」も見られたし、贅沢はいいっこナシってことで、奄美観光しゅーりょー。

都会の喧騒を忘れて誰もいないビーチとかでのんびりゆったりな時間を楽しみたい方には奄美、超オススメです。


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