混沌の廃墟にて -254-

全てが動作しない場合

1996-06-22 (最終更新: 1996-06-24)

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TP230は修理から戻って来た。故障の内容は、電源を入れても起動しないことが ある、というものだった。ただし起動確率は0.0000000001%、という程でもないが、 異様に低かったのである(*1)。修理に持ち込んだ所でも簡単に再現したので説明し やすかった。

 修理担当者が「故障箇所を書いておかないとその他の調整はしてもらえないか ら、他に何か調子が悪い所があったら書いてくれ」というようなことを言ったの で、ついでに「SとかDのキーを押しても戻ってこないことがある」と書いておい た。キーを押して戻ってこないというのは、精神的なストレスにもなるし、指が 疲労する原因にもなっていたのである。

 さて、修理内容を見ると、まずマザーボード交換と書いてある。基盤全部交換 というのは一見勿体ないように感じるかもしれないが、該当ボードを修理すると いうのは手間も時間もかかり信頼性も落ちるのでコンピュータの修理だと、ボー ド交換ということは結構多いのである。また、キーボードに関しては、再現しな かったが、念のため交換となっていた。経験では、キーの下1/3あたりを引っ掛け るような感じで押した時に戻ってこない確率が高かったような気もするのだが、 そこまで細かいことを書かなかったのは失敗かもしれない。なんか押すとギシギ シした感じがしていたのだ。いずれにしても、キーボードも交換してもらって、 ギシギシがなくなって、随分快適になった。交換の効果はあったのである。

 さて、これだけかと思ったら、なんと「液晶の一番上のラインが表示されてい ないので交換」と書いてある。修理担当者の談とちょっと話が違うような気もす るが、このような食違いならむしろありがたい話で、もちろん全く文句はない。 実は「カラー液晶ってこんなものかな」と思って今まで使っていたのだが、私っ て結構いいかげん?

 ということは、このTP230Cs、マザーボードとキーボードと液晶が交換されて戻 って来たわけだ。残っているのはハードディスクと外箱と電源位ではないか。総 入れ替えに近い状況である。外箱は、見覚えのある傷が残っていたので、確かに そのままだが…これで保証期間内だから無料というのは大ラッキーのような気が する。保証期間がもし切れてたら…考えるだけでも恐ろしい。ちなみに購入時の 実売価格は10万円フラットである。有償時の液晶交換の費用は10万強と聞いてい る。

    *
 いやまあ、Netscapeをバージョンアップしようとしてハマった。setupを実行し た途端にハングアップして戻ってこないのだ。製品版だから困ったものだ。そう いえば、試用版をインストールする時も、デスクトップにインストールしようと した途端にハングアップしたので、TP230で一旦インストールして、それをコピー したのだった。試用版のバグで製品版では直っているだろうと思ったのは甘かっ た。

 ところで、NetscapeをTP230にインストールしてからデスクトップにコピーした のだから、これはTP230の方は消さないとマズいなと思ったのだが。もしかすると Turbo Cのように、同時に一台で使えばOKという条件だったっけ、と思ってLICENCE を確認してみると、まず、単一のコンピュータで使用すること、となっている。 つまり、単一ユーザーではなく、単一コンピュータの契約という形態である。

 さらにもう少し先を読んでいると、興味深いことが書いてある。同時に使わな ければ、もう一つの別のコンピュータで使ってもよい、という条件があるのだ。 ということは、2台にインストールしておいても、同時に使わなければ契約条件に 反しないことになる。というわけで、めでたくデスクトップ機とブックパソコン にNetscapeがインストールされた状態となり、アウトドアではブックパソコン、 自宅ではデスクトップという使い分けをすることになった。

 もっとも、アウトドアでNetscapeを使うことは殆どない。TP230でもNetscapeを 使えないわけではないが、なにしろ11MBしかメモリがない。大きな字を表示する 所でガラガラとディスクが回りだし、なかなか先に進まないという状況になる。 うっかりNetscapeを使いながらtelnetのウィンドウを開いたりすると最悪で、2分 程度反応が戻ってこない。スワップのせいだと思われる。デスクトップ機には64MB のメモリが入っている。こんなに必要ないような気もするが、愛嬌である。なお ビデオカードが1MBというのが何とも情けない組み合わせだ。買った当時は別にど うってことなかったが、最近はフルカラーの画像が増えてきたので見ることがで きないのは悲しい。

 とはいっても、どこでもHTMLを編集して内容を確認できるというメリットも捨 て難いので、TP230でNetscapeを全く使わないというわけでもないのだが。

 さて、とりあえず実行してみた。ローカルのデータの表示はOKのようだ。RIMNET 経由で外のデータを見る。文字が化け化け〜。なぜだ、自動識別になっているの に…。これはよく分からないが、フォントの設定で、漢字の設定パネルを表示し たら直った。設定を変更したわけではない。単に漢字のフォントを指定するパネ ルを出して、そのままOKにしたらよくなったというのである。何か気のせいなの かもしれないが…。

    *
 個人的には、WWWも一時の狂乱的アクセス状況は収まって、結構乗って来たとい うところである。最初は勢いに乗ってやたらどこにでもアクセスしてみるわけだ が、最近は的を絞ったアクセスだとか、何か調べる時に関連ページを見る、とい う使い方ができるようになってきた。なお、一般論ではなくて、私にそういう技 能が身に付き始めたということなので、念のため。

 で、やはり個人ページの方が、ハチャメチャで楽しい。企業ページは確かに金 がかかっているが、まあそんな所かな、という感じである。

 最近、tnnなどで、ホームページの支援します、のような広告を出している企業 (?)があるが、その中に、マルチポストならまだしも:-)、同じ内容を連続して何 度も何度も何度も投稿している人がいる。いや、私は別に構わないが、投稿を一 度でできないような技術力の会社にホームページの支援を依頼するという企業が あるのかどうかをぜひ知りたいのだ。それとも、あれは、わざとやっているのだ ろうか。何か逆効果のような気がするけど。(*2)

 ただ、特に個人ページは継続は難しいというのが実感できる。画像関係のペー ジなんかはどうだろう、毎日更新しようとすると毎日描かないといけないのだが、 そんなに時間があるものだろうか、あるいはそのようなペースで続くのだろうか。 例えば音楽関係だとどうだろう。私なら数日〜数か月で一曲というペースだから、 とても毎日というわけにはいかない。

 さて、毎日のように更新すると、これまた毎日のようにミスするのである。間 違ったことを書いてもずっとそのまま気付かないこともあるし、すぐにメールが やって来ることもある。ネットの感触を知っているから、何かミスしてもそう簡 単に指摘されないだろうとは思っていたが、ネットよりはミスの指摘メールは来 る確率が高そうだ。

 なぜ誤りを指摘してくれないのか不思議に思っていたのである。例えば、先日、 といってもこの春頃の話だが、某所の表記の意味が分からないと指摘したことが あった。ところが、これが無視されて、そのまま掲示されている。この掲示で誤 解して誤った行動をする人がいるようなので、訂正した方がよいと思うのだが、 なぜ無視という態度を取られるか分からなかったのだ。

 最近、やっとこの簡単なことが理解できたのである。fj.news.usageで次のよう な文章が投稿された。

  From: tsuji@sd.tokyo.fujifilm.co.jp (Hideyuki TSUJI)
  Message-ID: <tsuji-2903961851320001@sdmac12.sd.tokyo.fujifilm.co.jp>
  Subject: Re: Why is the non-re...less persuasi

 > 人間だれしも、間違いや矛盾を指摘されると「非常に不愉快」になるもの
 >ですが、…(略)…
 そうなの? 人間は間違いを指摘されると、だれしも「非常に不愉快」になるん だ。知らなかった。私は間違いを指摘されると感謝するのである。ということは、 私は実は人間でなかったのだ。ガーン。

 となると、間違いを指摘する度に相手が不愉快になっているわけで、もしかす ると私は世界中に敵を増やしていたことになる。待てよ、それにしては間違いの 指摘のメールに対して、割りと高い確率でお礼のメールをいただく。これはどう いうことだろうか。非常に不愉快だが、一応礼儀としてメールを書くということ だろうか。文面からはそうは思えないのだ。ということは相手も人間でないのか (失礼 ^^;)。インターネットはいつの間にか人間以外の生命体の活動の場になっ ているのかもしれない。そういえば、fjのAUP(って何?)にも「人間が使うこと」 などというポリシーはなかったはずだし。

    *
 とか書いたそばから調子に乗るのである。別に日本ネットスケープ社の担当者 の気分を害する目的で書いているわけではないので、念のため。Netscape NAVIGATORのライセンスの中に、次のような表現が出てくるのだ。
 >  お客様が本書の条項の全てに同意できない場合は、
 確か、これは「全て」という表現を否定すると二通りの解釈ができるという、 典型的な曖昧文である。つまり、この文章は「(条項の全て)に同意できない」と も読めるし、「(条項の全てに同意でき)ない」とも読めるのだ。条項が仮に10個 あるとすれば、前者の読み方は10個とも同意できない場合を意味し、後者は10個 のうち1つでも同意できないものがある場合を意味する。従って、お客様はどちら か自分の都合のよい解釈をして構わない…というワケがないのであって、常識と いう伝家の宝刀によりこの文章は「1つでも同意できない箇所があれば」と読まな ければならないのであるが、例えばこういうのはどうだろう。
 「やあ、この前SIMMを10本買ってたな、調子はどうだい」
 「全てに動作の確認ができないんだ」
 何か日本語が変だが、それはさておき、あなたは10本とも動かないと解釈した か、それとも1、2本だけ動作しないと解釈したか。え、私ですか? その日の気分 で変化するのである。

 実はもう一つある。Netscapeのユーザー登録葉書というのが。これは葉書2枚の 大きさで、切ってから片方を送って、残りを手元に残す、というものである。多 くのソフトに同様の登録葉書が付いていると思う。手元に残った側にも、ライセ ンス番号が書いてある。サポートを受ける時にはそれが必要になるらしい。

 さて、この登録書だが、2つに切って、投函する方を出した。手元に残った紙に は、確かにライセンス番号が書いてある。が、それがNetscapeのライセンス番号 だという情報がどこにもない。しょうがないから手書きでNetscapeとメモしたの だが、こんなのは初めてである。残った側にも何のライセンスなのか書いてある ものだと思っていたのだが…。

 って、こんな所に書いても仕方無いから日本ネットスケープ社に電子メールで も出してみようか。(*3)


補足

(*1) 起動確率はアニメ新世紀エヴァンゲリオンより。

(*2) これ、何なんでしょうね? まさか投稿してすぐに結果が反映されないので すぐにもう一度投稿してしまうとか。

(*3) でもまだ出していない。そのうち出すとは思う。


    COMPUTING AT CHAOS RUINS -254-
    1996-06-22, NIFTY-Serve FPROG mes(6)-148
    FPROG SYSOP / SDI00344   フィンローダ
    (C) Phinloda 1996