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2.提供された情報は確実だったかもちろん、得た情報も、出した情報も、正しい情報もあれば誤報もあった。誤 報は回避できないと考えられるので、ここでは誤報の率を問題にしていると考え られる。さて、どう回答すべきか。
情報の信頼度は、その情報の提供者に大きく依存する。だから、あるリリース を参照すれば確実だが、ここはどうも疑わしい、というのが現状である。「情報 提供者に依存する」と回答したいのだが、しかしその選択肢はない。
3.身近な親しみを感じたかこれは何に対して感じたと想定しているのか想像できないため、回答不可能で ある。
4.意見に賛同したり述べているか賛同というのは、「同感です」とだけ発言して、自分の意見を述べない場合も 含むという意味なのであろう。と考えると割とシビアな質問なのかもしれない。 回答は簡単である。私の場合はYesに違いない。
6.仲間意識が生まれているかこれは何のことだろう? 例えばWWWで情報発信する人に対して仲間意識が生ま れるかどうか、ということが知りたいのだろうか? 電子メールで連絡を取り合っ た場合も含むのだろうか。質問が曖昧であるにもかかわらず、回答は簡単である。 いかなるコミュニケーションも仲間意識を発生する要因となることが考えられる からである。Yesである。
7.提供された質問に応えている方か「答えている」ならちょっと迷うが、「応えている」ならYesと回答したい。も しかするとtypoかもしれないが。「応えている」というのは茶茶入れまで含むよ うな感じのする表現で面白い。
8.適切なアドバイスがされているかこれも、何に対してアドバイスされていることを質問しているのか分からない のである。回答不可能だ。
9.自分の意見が支持されない場合沈黙するか私の場合、自分の意見が支持されない場合に沈黙することもあるし沈黙しない こともあり、また、自分の意見が支持された場合にも沈黙することもあるし沈黙 しないこともある。さて、どう答えたらよいのだろう。この質問は「常に沈黙す るか」ということを尋ねているのだろうか。「沈黙することがあるか」だろうか。 前者なら回答はNoだし後者ならYesである。日本語の解釈としては後者の意味と取 るのが自然だし、アンケートの設問としては前者と解釈するのが自然なので、判 断に困る。
10.提供された情報によって出かけたり買ったりしたことはあるかネットで見た情報を参考にして秋葉原にパソコンを買いに行ったことがある。 だから、この設問への回答は、多分Yesである。
しかし、この設問があるのだったら、Q3の選択肢に「ネット」と入れておいて もよいではないか。
*さて、次のテーマは「以前のイメージ調査からの質問」である。これ自体意味 がよく分からないが、とりあえず設問を見てみよう。
Q11:マルチメディアやネットワークの向上に必要だと思うものは「向上」という表現の解釈が難しい。例えば、利用者が増えずに現状程度の人数 で、ただし性能が上昇したり技術が進歩した場合は、向上したと言えるだろう か。言える。向上と発展は別の概念である。というように考えた上で選択してみ た。選択肢には特に問題はなさそうだが、例えば微妙な所だが、
6.回線料金や機器の価格などの価格破壊という選択肢への回答は、「向上」ならNoだが、「発展」ならYesと回答したい ところである。
次の設問がまた難問だ。
Q12:インターネットの利用の中で優位と思われるものをチェックしてください「優位」というのは、他に何かあって、それと比べて優れているという相対的 な評価に対する表現である。ここで、いきなり「インターネット」という言葉が 出てくるのである。ということは、インターネットと何かを比べて、インターネ ットが優れていると考える選択肢を抜き出せ、という設問なのである。ところが、 その「何か」が何であるかが分からないのだ。パソコン通信サービスのことか。 BBSのことだろうか。インターネットという表現も、このアンケートがNetnewsで 配布されていることから考えて、所謂世間で今騒いでいる「Windows95でインター ネットしよう」という、よく聞いてみるとインターネットというのはWWWのことだ った、というノリではないはずで、Netnewsやmailを含めた世界を指していること はまず間違いないのである。
そこで、この問題については、商用ネット等のメディアはインターネットとは 別の世界と解釈して、それに対して優位であるものを選択することにした。選択 項目は以下の通りである。なお、原文ではこのように縦に並べて書かれていない が、改行が欠落して見辛かったので、こうした。ちなみに、メニュー項目をこの ように並べるのはUIの基本技であって、かつNIFTY-Serveの場合はそれが守られて いないことを、かなり前に指摘した記憶がある。
1.地理的に離れた人とのコミュニケーション「Yes」と選択したのは、1/2/5/8である。これ以外はパソコン通信の方が優れ ている場合があると思ったのだ。「インターネット」でなく「ネット」に対する 回答であれば、7以外全部Yesとしたい所である。
2.多数対多数のコミュニケーション
3.面と向かわないため自由にものを言いやすい
4.議論ができること
5.電子メールの使いやすさ
6.双方向性
7.直接民主主義の可能性
8.距離感の変化
Q13:インターネットの利用の中の疑問点で賛成(好ましい)できるか否かもうこれは頭がくらくらするというか、日本語が全く分からない。何を尋ねた いのか分からないのだ。次の設問の中で同意できるものを選択しろ、という意味 だと強引に解釈してみたのだが。
1.ネット初心者(ユーザー意識の低い人)にはインターネットを利用させ ない方が良いここで既に「さらなる謎」が増える。ネット初心者というのは、例えば他ネッ トに参加したことが全くなく、NIFTY-Serveに始めて参加した状態の人、というよ うにイメージすることができる。しかし、「ユーザー意識の低い人」というのが 分からない。そもそも、ユーザー意識というのは何なのだろう。
ところが回答はできるのである。なぜなら、私見としては、いかなる他の理由 があれども、あらゆる人はインターネットを利用できる環境にいた方がいいと考 えるからだ。つまり、この選択肢の前半がどのような意味であれ、私のこの設問 への回答はYes以外にありえないのである。
2.文章の構成や誤字脱字の多用、道徳性の欠如による意識の低下や問題の発生これはお手上げだ。「文章の構成」がどこに係るのか、全く分からない。「文 章の構成の多用」というのは意味不明である。「文章の構成の欠如」というのも 変だ。構成のない文章というのは想像できないからである。「文章の構成による 意識の低下」だとさらに分からない。「文章の構成や、〜や、問題の発生」と並 列に書かれていると考えても意味が理解できない。
「意識の低下」というのも難解である。どういう意味だろう。気を失うという ことはまさかなさそうだから、自我を見失うということだろうか。それとも、 「パブリックな場に発言しているということへの自覚」のような限定された意味 なのだろうか。
3.一般の人が利用できるサービスが少ないこれは一見簡単な質問に見えるが、回答しようとした瞬間に「一般の人」とい うのが何なのか分からないということに気付く。
4.セキュリティが甘いこの設問は全く問題ない。ただ、回答者がクラッカーだと、これは望ましい状 況なのだろうな、やっぱり、とか思った。
5.大学、企業の利用がネットの画一化を進めているこれは何のことだろう。ネットの画一化という表現が、具体的に何を指してい るのか分からないのである。また、そのようなことが起きているのだろうか。意 味深長な設問である。
8.法的違反をした発信者が多いこれは「違法行為が多発した方がよい」という質問にYes/Noで答えろというこ とだろうか。だったらNoに決まっているのだが、何かもっと深い意味があるよう な気がする。
10.ウイルスなどが問題であるコンピュータウイルスに関しては、個人的には世間が騒ぐほどには問題にして いない。何度も書いたように、市販ソフトの方がよほどたちが悪い。私の環境に はウイルスはないが、Windows3.1は、ばしばしクラッシュしてくれる。 さっきもあるアプリケーションを終了させた途端にウィンドウが全滅して接続中 の回線が切れた所だ。
設問の「など」にWindowsも含まれるのなら、回答は断然Yesだ。
11.通信コストや情報にはコストがかかるのが必然これが、このアンケートの中で最も簡単な問題である。なぜなら「通信コスト」 に「コスト」がかかるのは誰がどう考えても必然以外の何物でもない。従ってYes である。この設問にNoと回答した人のデータを全て破棄するためのひっかけ問題 なのか、あるいは「通信コスト」は「通信」の誤りなのだろう。
12.ネットワークスピードが遅い通信回線の速度を問題にしているのか。システム全体のパフォーマンスを問題 にしているのか。それとも、電話回線等の物理的な速度限界を問題にしているの だろうか。とりあえず、何がどうであろうと「遅い」という点には依存ないので、 この設問にはYesと答えたい。
Q16:インターネットのブームはマスメディアによって起こされたか確かにブームである。これはマスメディアも加担しているが、コンピュータメー カーの宣伝、アメリカ政府のスーパーハイウェイ構想の影響など、全世界的な各 種要因によるものだと理解している。従って、マスメディアが起こしたというの はどうも語弊がある。従って、Noと回答したい。
(1.YES 2.NO)
Q17:インターネットやマルチメディアに次ぐブームは起きると思うか?これも漠然とした設問である。歴史を振り返っても、ここ千年とか二千年の間、 ブームというのは常に時代によって発生してきた。従ってYesという回答になるの だが、そういうことを尋ねているような気がしないのだ。質問の意図は何なのだ ろうか。
F3.コンピューターの使用暦(何年?)すこし前の質問、「文章の構成や誤字脱字の多用」という表現を思い出した。 思わずカレンダーを書こうかと思ったりして。もちろん「使用歴」のつもりらし いのだが…。
ちょっと気になるのは、このアンケートが卒論の資料として調査されていると いうことである。どんな卒業論文になるのだろうか。興味はあるが、ちゃんとし た結果が得られるかどうかが、こんなに難解な項目が羅列されていては、若干不 安である。とりあえず、メールを送って確認してみようと思っている。
COMPUTING AT CHAOS RUINS -245- 1996-02-23, NIFTY-Serve FPROG mes(5)-132 FPROG SYSOP / SDI00344 フィンローダ (C) Phinloda 1996