混沌の廃墟にて -242-

TP230苦労話

1996-02-10 (最終更新: 1996-03-12)

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昨年中に公開したかったが、予想通り予定が狂ってホームページの公開が今年 にずれこんでしまった。しかも、FPROGのホームページは暫定公開の状態である。 スタッフ紹介など、一部が未完成のままだ。年表というのは、一応割とよいアイ デアだったと思っている。実は、年表を公開しているページは他にもたくさんあ る。ただ、FPROGの年表のレベルまで破壊的なのは少ない。

とりあえず、個人URLは次の通りである。公開数週間で、やっと参照者100名を 達成した。中身は、C Magazine連載中のC言語のQ&Aとエッセイ、それとFPROG連載 中の「混沌の廃墟にて」から手当たりしだいに、面白そうなものから登録してい るという所だ。

http://www.st.rim.or.jp/‾phinloda

stというのはリムネット東京ドメインで、私が入会した頃は大変だったが、最 近は03地域での入会制限が解除されていて、入りやすくなったという噂だ。リム ネットは、2/13〜2/26の間に入会希望者を“紹介した会員”に対して割り引きキ ャンペーンというのをやっている。つまり、具体的には、online signupの時に、 リムネットを何で知ったかという質問があるので、そこで「お友達」(なんか変 ^^;)というのを選択すれば、メールアドレスを入力するモードになるので、そこで

phinloda@st.rim.or.jp

と入力すれば、私の基本料金が一か月分無料になるという仕組みになっている。

    *
ホームページの作成だが、比較的低級な環境でやっている。HTMLはVz Editorを DOS環境下で使う。問題はviewerで、DOS環境で表示するためのツールが見つから ない。LYNXというブラウザがあるが、文字にしか対応していないのでちょっと困 る。仕方無いのでWindowsを使っている。この上でNetscape 2.05b試用版を使って、 表示を確認しながら作業をするのである。

今のところ「フィンローダのホームページ」には画像データが全くないのだが、 実はNetscapeを使うと、画像データを表示した時点で一般保護例外が発生し、 Netscapeが異常終了してしまうことがあった。例外発生箇所は、IBMの配布してい るMS-Windowsのディスプレイドライバ256_62X5.DRV内となっている。そこで、試 しに、システムの設定でVGAの標準ディスプレイドライバに置き換えてみると、 Netscapeが落ちることはなくなるが、色が滅茶苦茶になってしまう。

これではどうしようもないので、「はてなプロジェクト」で質問したら、即座 にコメントをいただいた。

さて、この中で一番簡単なのはドライバーをダウンロードして置き換えること だと思ったので、GO FPCUWINで探してみた。このフォーラムはNIFTY-Serveにして は珍しく一時利用でデータライブラリが使える設定になっている。ちなみにFPROG もそうなのだが。

ただ、LIB 3を探しても、それらしきドライバーが見当たらないのである。

そこで、次に考えたのは、とりあえずパッチを当ててみようということである。 パッチファイルはかなりデカい。1MB強のファイルが二つある。こういう時はROAD 5からアクセスしたいものだが、残念なことにその時使っていたモデムは14,400bps なのだ。ちなみに、WWWもこのモデムからアクセスしていた。

流石に精神的に我慢の限界を超えたため、現在は28,800bpsのモデムを使ってい る。びっくりしたのは、ROAD5の速度だ。どうせROAD4の倍程度だろうと思ったの だが、魔王のsyslogを見ると、

 >  (104593 bytes, 3169 bytes/s)
こんな速度が出ている。結構速いのだな。ただし、busyの嵐のため、リダイア ルに30分程度は当たり前という状況である。(*1)

WWWの話に戻すと、VOPなどでも、「28.8Kのモデムでも画像データを見るのは遅 くて使い物にならないぞ」と何度か書いたが、14.4Kとなるとまさに言語道断。ど うしてくれよう、という世界になりそうなのだが、実はこれが結構使えるという ことが分かった。あるいは、インターネットは想像以上に使えないということが。

どういうことかというと、要するにネットワークが大渋滞になっているのか、 あるいはボトルネックがどこかにあって、とてもじゃないが14.4Kなんて速度は出 ないのである。瞬間的には出ることもある。14.4Kでも、圧縮がかかるので、20K overの速度が出ることはざらにある。だが、例えば「1KBのテキストデータを受け 取るのに30秒待たされる」ようなことが結構あるのだ。回線接続までに時間がか かるというのは、混雑しているということだろう。

つまり、インターネットの現状はこういうことである。インターネットを高速 道路に例えてみよう。快適に使うには、100km/h以上で走れる車が必要だ。しかし、 現状では利用者が使っているのは10km/hが最高速度の車である。これは人力車と いうあたりか。しかも、10km/hが出るかというと、大渋滞になっているため、全 く先に進まないのである。実効速度が2km/hになってしまう。現実は厳しい。

1/24から、NIFTY-Serveの会員がダイヤルアップIP接続のサービスを使えるよう になった。この混雑した状況に、さらに利用者が増える。どういうことになるか 興味はつきなかった。しかし、何も心配することはなかったようだ。なぜなら、 電話は繋がっても、PPPの接続まで行かないでhost busyで接続拒否されるからで ある。私はまだ一度も接続に成功したことがない。

もちろん、時間さえ選べばそう悲観することはない。また、画像データは、そ れが目的でなければオートロードではなく普段は無視するような設定にしておけ ばいい。少し話が逸れるが、WWW上のポルノデータに対する規制は相当厳しくなり つつあるようである。アクセスすると「訴えられるリスクがあるので残念ながら 公開を中止した」とか、「掲示できるプロバイダを探している」といったテキス トに置き換えられているホームページがいくつもあった。別にそういうのばかり 探しているわけではないが。

話を戻す。とりあえずパッチを入手して、ディスクを作成し、パッチを当てた。 Windowsを起動して、画像データを表示してみる。Netscapeは落ちる。状況は変化 していない。

つまり、ドライバーは元のままだったのだ。これはドキュメントにその種の記 述がなかったことから予想していたのだが、その通りだったわけだ。ということ は、次に取るべき手はCIRRUS社のftpサーバーから直接ドライバを持ってくるとい うことになる。

まず、CIRRUS社のホームページがないだろうか。ftpサーバーがある位だからな いわけないだろうと想像したが、Yahooから検索したら簡単に見つかった。適当に Webをたどっていくと、Japanese MS-Windows 3.1用のドライバというものがあっ た。これを手に入れればよいわけだ。早速入手してみる。

ところが、この内容が取り出せなかったのである。アメリカでは、この種のソ フトウェアの殆どはZIPで、あるいはgzipでアーカイブされている。unzipを使っ ても、中身がないという警告が表示されてしまいのだ。そこでよく見てみると、 内容が120KB程度しかない。ftpでディレトクリ表示すると、1.2MBとなっている。 かなりデータが間引かれてしまったのだろうか。なぜそのようなことが起きるの だろうか。一見、ftpは正常に終了しているのだ。(*2)

ここでまず立往生という所だが、ここで一つだけ情報が増えた。目的のデバイ スドライバの名前が、k62x5-d3.zipであるということだ。そこで、最後に「困っ た時のfilefind」という格言の通り、filefindで同名のファイルを検索してみた のである。すると、FIBMJのライブラリに、K62X5-D3.LZHという名前のデータがあ ったのだ。

> 1 SDI00798 95/10/18 1056845 168 B K62X5-D3.LZH GD-6235用ディスプレイドライバー (*3)

どうもそれ風である。しかし、ダウンロード数が168と少ないのが気になる。と はいえ、他に手は尽きているのだから、ダウンロードしてみる。中身を取り出す と、K62X5-D3.DSKというファイルができた。何だこれは? ログを見るとLOADDSKF .EXEを使ってフロッピーに復元するように指示がある。なお、原文は「フロッピー 」ではなく「ディスケット」という表現だった。流石はFIBMJだ。

しかし、LOADDSKF.EXEというものが手元にない。LOADDSKFを入手する必要があ るということだ。ここまで来たら後に戻れないので入手した。実行すると、空き フロッピー上にアップデート用のファイルが展開された形で入っている。中に、 INSTALL.EXEというプログラムがあるので、何も考えずに条件反射に従い実行して しまう。Windowsから起動しないとダメと表示される。

    *
で、Windowsを起動して、ファイルマネージャから再度INSTALL.EXEを起動する。 やたらたくさんのドライバがコピーされていく。こんなにたくさん必要なのかと 一抹の不安を感じつつ、とりあえずディスクの空き容量は問題ないので放置して おく。100%のインストールが終了した、と思った所で「エラーが発生しました」 というパネルが出る。

とりあえず無視してドライバを再設定してみてから、Windowsを再起動しようと したら、終了処理の途中で「エラーが発生」である。何のことか分からないが、 とりあえず何のキーを押してもどうしようもない状態になったらしい。電源を切 るしかない。

再起動してから、問題のドライバの日付を確認してみた。更新前の内容は、次 の通りなのである。

 >  256_62X5 DRV     134,064 94-05-11    0:30
ところが、現在は、こうなっているのだ。
 >  256_62X5 DRV     135,152 94-02-18   14:34
 こういうのもバージョンアップと言うのだろうか? 日付が後退してしまったよ うだ。もちろん「動けばよい」わけで、バージョンが古いとか新しいというのは 二の次というわけだが。とりあえず、もう一度Windowsを起動してみる。先程は Windows実行中にディスプレイドライバを置き換えたのが悪かったのかもしれない、 と、あまりありそうもないことを考えたりしたが、画面が出るまでは不安だった。

さて、これで話は終わりである。これでNetscapeで画像を表示しても落ちなく なったのだ。目出度い。

    *
で、画像を表示しても落ちなくなったはずなのだが、まだ希に変なことがあっ て、画像表示中で応答がなくなった後に、dns entryが見つからない、というエラー が発生することがある。これが発生すると一旦回線を切って、Windowsを起動し直 さないとダメである。ただし、その手順を踏めば、なんとかなる。原因はよく分 からないが、NEWTが保護例外発生というエラーを出すので、TCP/IPの方に問題が あるような気がする。(*4)
    *
ところで、このTP230Csは、T-Zoneでプリインストールされたものを購入して、 そのまま使っていたのである。ここにNetscapeを入れると、上記のようなパッチ を当てないと使えないわけだ。プリインストールというのは、買った状態で使え るのだ、と思っていたら大きな間違いだということが再認識できた次第である。 私でもこれだけ大騒ぎである。「パッチって何?」というレベルのユーザーが Netscapeを使える状態に自力で変更するのは至難の技だろう。情報がなければ、 販売店のサポート担当も困るかもしれない。もちろん、今回の例なら、早い話が デバイスドライバを更新するだけで解決するのだが、それが分かっていないとど うなるか分かったものではない。「新しいマシンを買った方が」と店員に言われ たら納得してしまうかもしれない。

念のためまとめておく。TP230上のNetscapeで画像を表示すると落ちるという問 題は、結局、次の手順で解決できた。

  1. NIFTY-Serve FIBMJ LIB 6から、K62X5-D3.LZHをダウンロードする。

  2. LOADDSKF.EXEを入手する。

  3. これらを使って作成したフロッピーを使って、Windows 3.1からinstall.exeを 実行する。

    (この間、Windows 3.1のパッチを当てているが、影響があったかどうかは不明。)


補足

(*1) 最近はここまでひどくなくなったようだ。数分のリダイアルで大抵OKだ。

(*2) ftpがテキストモードになっていたか、あるいはトラブルで途中が抜けてしまったのでないか、という指摘があった。しかし、全く同じ設定でもう一度転送したらうまくいったのが不思議だ。

(*3) 実際は「ディスプレイドライバー」はshift-JISの1バイト片仮名文字になっている。

(*4) これを書いている時はまさかそんなことはないと思っていたのだが、どうもRIMNETのセンター側にも問題があったらしい。なお悪いことに、こちらの環境にも問題があったような気がする。ただ、ここ最近は全くこの現象が発生しない。243回も参照。


    COMPUTING AT CHAOS RUINS -242-
    1996-02-10, NIFTY-Serve FPROG mes(6)-128
    FPROG SYSOP / SDI00344   フィンローダ
    (C) Phinloda 1996