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ようやく、かなりリーズナブルな価格になってきたので、DynaBook に2MBのRAM を増設する決心をした。定価は5万円を割ったし、さらに1割引で買うことができ る。店員に品物があるかどうか尋ねたら、最初、値下げ前の価格を要求してきた ので、最近値下げになっただろうと追求してみた。確認してその通りであると納 得いったので、結局、品物がなかったのがネックになり、入荷したら連絡すると いうことになった。
これで、おおざっぱに計算してみると、DynaBook 本体とモデムと2MBのRAM増設、 これに約束違反で買ってしまった(一応、名目上は PC286U のソフトとして買っ たことになっているが)VZ Editor を加えると、ちょうど 30 万円程度になる。 これで、オンライン・コミュニケーションを行うには完全な環境ができるという のは、高いか安いか? もしこれが 10 万円程度の価格で揃えば、ネットワーカ ー人口が百万人(*1)も夢ではないかもしれない。もっとも、ホスト局にそれだけ の会員を扱う能力があれば、の話であるが。そして、もう一つ重要な問題がある かもしれないが…これはまたの機会に。
とりあえず何か始めようか、という人にとっては、30 万円というのは、かなり ためらう金額だと思う。せめて、20 万円を切らなくてはいけない。10 万円を切 ってくると、爆発的な効果があるかもしれない。
もう一つ、DynaBook で有名なのだが、技術者がもうこれ以上小さくできないと 言った時に、水を入れてみて、水が入るということは、隙間があるということだ、 それを詰めることを考えよう、と返事したという逸話がある。なかなか上手いこ とを言うじゃありませんか。なら私も一言いいたい。まだ DynaBook は持ち運び に、若干気がかりな大きさだと思う。また実際に入れてみたわけではないが、ど うも私の DynaBook に水を入れてみると、まだまだ水が入るような気がするのだ が…。東芝さん、もっと小さくしてください。(^_^) (*2)
*日経エレクトロニクスの '90 5/28 号に、東芝の溝口氏がパネルディスカッシ ョンに登場されている。氏は、DynaBook に関わった人として有名であるが、ソフ トウェアに関して、共有財産とすべきだと述べている。これは、米国で作ったソ フトが日本ですぐ使えて、逆に日本で作ったソフトが米国ですぐ使えるようにす べきだという主張で、私も全く同感である。
驚いたことに、これに対して非常に危険だと評した方もいらっしゃる。日本の ソフトが米国ですぐ使えるということは、日本人が漢字を使うのをやめろという ことだ、と主張するのである。こういう考え方があること自体に、ソフトウェア の将来への強い危惧を感じた。このような方々は、日本からソフトウェアを輸出 しようという考えは思いもよらないのかもしれない。
もちろん、私の感覚では、米国で作ったソフトが日本でも使え、日本で作った ソフトが米国で使える、というのは、漢字も使えるし英語だけでも性能を落とす ことなく動作することを意味する。
だいいち、日本語と英語だけでよいという発想が不思議だ。というのは、現時 点でもすでに言えるかもしれないが、これからのパソコンのマーケットとして、 非英語文化圏の影響は非常に大きいと思うからだ。ヨーロッパ・ソ連などの動向 も気になるが、私がもっと気になっているのが韓国である。韓国が日本をテクノ ロジーで圧倒する時代が、そのうちくるような予感がするのだ。(*3)
で、何を考えたかと言うと、韓国はそのうち日本よりも良質なソフトウェアを 作るようになるだろうから、そのようなソフトを期待したいし、日本語化が簡単 に可能なように工夫していただければありがたい、とか…。:-)
どうせ書きたい放題だから無茶を書かせてもらえば、これからは宇宙人でも使 えるパソコンを設計すべきである。宇宙人はちょっと極端で検証のしようがない から、「猫でも使えるパソコン」ならどうか。人間を猫レベルにするのは気に入 らない? これは失礼。
*パームトップ(*4)のカタログを見た。なかなかよさそうだ、しかし高い。値段 はさておき、やはり気になるのが入力速度である。確か、1 分に 30 文字だった と思う(10 分に 300 文字?)。つまり、2 秒に 1 文字である。「混沌の廃墟に て」が、30 文字×150 行とすると、4500 文字。これを入力するのに 2 時間半か かる計算になるが…。しかも、誤認識か、認識不可能な場合もあるのだから、も っと時間がかかりそうだ。
少し慣れれば、手書きよりはキーボードから入力する方が断然早い。これは多 分異論がない所である。速記パームトップ、が開発されても? 多分キーボード の方がまだ早いと思うのだが…。
会議中に、パームトップでメモを取っていて追いつかない、「ちょっと待って くれ、今認識中だから」というのは、かなり面白くない。しかし、現状ではキー ボードが付いたノートブック型パソコンは、割と大きいものだし、もう少したて ば 1kg 程度のものが、もしかすると実用化されるかもしれないが…やはりパーム トップよりは負けそうである。それに、会議に持ち込むのに最も気になっている のが、キーを叩くときの音である。これは技術的に改善できそうな気がするのだ が、どうだろうか。
そこで、私が考えたのが、指輪型のコンピュータ入力装置だ。とりあえず、フ ィンガートップとでも呼ぼう。フィンガートップは指にはめて、指の動きから加 速度を検出することにより文字コードに変換する。結果は微弱な電波になり、ワ イヤレスで CPU の組み込まれた超薄型の表示ボードに伝わる。フィンガートップ には、キーボードに熟練した人なら、キーボードを叩いている気分で指を動かす ことにより、全く再学習を必要とせず(?)移行可能であるという、強烈なメリ ットがある。
2つの指輪は、シフトとコントロールに、 8つの指輪は、文章入力のために、 一つは、仮名漢字変換のため、 一つは、異常時の緊急停止のために、 …さて、数名が会議室に集まった所を想像してみよう。まず、誰かが、全員集ま ったようだから、そろそろ始めようかと言う。うすっぺらな下敷きのような、表 示パネルを机に置いて、おもむろに全員が指輪をはめ始める。セットアップが終 わると、議事進行役がいきなり両手を前に出して、ぱたぱたぱた…と指を動かし ながら、「では、今日は例のプロジェクトの進捗状況について」…と話を始める。 他の人は両手を机の上、空中十センチあたりの所に、ほいっと掲げて、ぱたぱた ぱた…と指が空を切る。
笑っちゃいけない、会議をしている人達は真面目だったりする。魔法使いの集 団ではない。
ふと気づくと、町を歩いている人は、皆が皆、両手をキョンシーのように前に 出して、ぱたぱたぱた…と不気味なしぐさで歩いている。信号を待っている人た ち、駅で電車を待つ人たち、特にビジネスマン風の人物にこのしぐさが見られる。 このまま満員電車に乗ってしまうと、変な所で指を動かすと痴漢にされてしまう かもしれないので、両手をホールドアップしてぱたぱたぱた…と。
え、歩きながらどうやって入力を確認するのかって? 当然ウオークマンのよ うな機械があって、入力した文字を音声変換することにより、フィードバックす るわけだ。
とりあえず、日本の未来はキョンシーであるという、訳のわからない結論にな った。
(*2) これも、実現したようだが。
(*3) これも、そうなっていたりして。
(*4) ソニーの製品。あまりヒットしなかったような気がする。なぜだろう。な ぜザウルスは売れたのだろう。
COMPUTING AT CHAOS RUINS -121- 1990-05-29, NIFTY-Serve FPROG mes(5)-365 FPROG SYSOP / SDI00344 フィンローダ (C) Phinloda 1990, 1996