混沌の廃墟にて -81-

時の過ぎ行くままに

1989-10-13 (最終更新: 1996-03-08)

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最近、つまらない事に気がついた。DynaBook(*1) のディスプレイは、軽い発信音が する。これが気になる人もいるだろう。私はあまり気にならないのだが。気がつ いたのは、バックライトの輝度を暗くしてからだんだん明るくしてゆくと、ある 輝度の時に若干音が小さくなることである。ただし、これが何を意味しているの か全くわからない。

DynaBook の時計が進む。当初はあまり話題にならなかったが、最近この症状が 有名になってきたようだ。仕事で使っている EWS は、一週間あたり 30 秒程度遅 れるが、DynaBook のはもっとひどい。それにしても、千円程度の腕時計でも月数 秒とか数十秒の誤差ですむこの時代に、なぜコンピュータの時計はこのように狂 うのだろうか。EWS の時計が遅れるのは、ベンチマークの値をよく見せるためだ と思っていた。つまり、同じ命令を実行する時間が見かけ上短くなる訳である。 :-)

EWS というとマルチウインドウだから、当然時計を表示するツールが用意され ている。なぜかマルチウインドウに時計を表示したくなる習慣があるから不思議 だ。私の場合、時計を表示するプロセスが結構メモリを食うことを知っていたの で、その代わりにクオーツの時計を買ってきて、デスクに置いてある。これが偶 然だとは思うが非常に正確である。殆ど誤差がない。ここ一か月、日本標準時か ら1秒進んだ状態が続いている。

ビデオの時計は進むようだ。ビデオの時計というのは毎週録画の設定にしてお くと気になるもので、例えばだんだんずれが大きくなってくると、番組の前半を 取りのがしたりすることがある。

どの程度進んでいるのか確認しようと思ったが、この前の土曜日に停電があっ たらしく、時刻表示が 0:00 で点滅している。最近録画もしないので、セットす る気にならない。

    *
サマータイムを検討するという話を聞いたが、サマータイムというのは私の感 覚では全く理解できない。時刻というものは一直線上にずっと連続して単調に増 加するべき座標軸で、季節の都合でいきなり不連続点を作るというのは面白くな い。だいいち、身の回りの時計を一斉にずらす作業だけでも非常な労力である。 時計にあらかじめ機能を持たせる手はあるが。

夏の日中時間を有効に利用したい気持ちは理解できないでもない。それなら、 勤務時間を一時間ずらせて、例えば9時始業の会社なら夏の間8時始業にすれば それでよい話だと思う。時計に触らなくてもよいだけ手がかからないような気が する。時間軸というのは私にとっては神聖なもののようだ。

夏の時間にこだわらず、政府レベルで企業に対してフレックス制度を積極的に 推進してもよい時期になってきたような気もする。そのために法律を整備できる 部分はないだろうか。一週間単位で決められた労働時間を満たしていれば、自由 に勤務してよいというのは法的に可能だろうか。一か月や半年単位ならどうだろ う。

ひょっとして、サマータイムを実施するのが、労働を増やすためというなら話 はわかる。コンピュータの時刻調整や、サマータイム対応にソフトウェアを組み 代えるだけでもSE・プログラマーは残業増加になりそうだ。

    *
昔から不思議だったのは、「今日は時間がたつのが速い」などという表現だ。 速いとか遅いというのは、速度の問題である。時間の進み方が一定であるかどう かは知らないが、とりあえず速度というのは時間で微分したものを言うのである。 時間を時間で微分すると何が残るか。今日の時間の進み方は、「2分/分」でし た、なんて言うわけはない。しかし、感覚的にはやはり、早い/遅いがあるので ある。これは感覚時間である。

よく、集中している時にはいつの間にか時間が経っていると言われる。また、 真剣になっていると短時間で多くの作業ができ、まるで時間が遅くなったような 錯覚を持つこともある。例えば、オリンピックの 100m 走を見るときは、たった 10 秒程度の時間がずいぶんあるものだ、と思ったりする。

今月こそ、電話代を節約せねばと思う。駆け足でダウンロードして最後に bye を入力する時、利用時間が表示される。これが、意外に時間が進んでいないので 驚いたりする。2400bps だと、3 分もあればログインしてから目的のフォーラム に行って、作成しておいた発言を登録し、ついでに若干ログを取る程度のことは できてしまうのだ。最近はもっとセコいことを考えている。課金は分単位だから、 できるだけ 50 秒代で終わらせるように狙うのである。例えば、1:59 とか、2:59 になればその日は一日気分がいい。しかし、3:01 とか表示されると、その日はき っと良くないことがあるような気がする。(*2)


補足

(*1) J3100-SS-001

(*2) 当時はNIFTY-Serveは分単位で切り上げて課金していた。現在は30秒までき切り捨て、31秒以上を切り上げて、分単位で課金している。従って、分単位の階段状の課金となる現象は存続している。できるだけ得になるようにスケジュールを調整する 機能は自作の通信ソフト「魔王」において実現した。このソフトを使えば、 例えば残り時間が30秒ある場合、適当なフォーラムに入って数個の発言を読み、時間が残り10秒程度になってから切断処理に入るという指定ができる。毎回1分30秒でアクセスすれば、10分相当の課金で15分使うことができる。


    COMPUTING AT CHAOS RUINS -81-
    1989-10-03, NIFTY-Serve FPROG mes(4)-202
    FPROG SYSOP / SDI00344   フィンローダ
    (C) Phinloda 1989, 1996