混沌の廃墟にて -15-

トゥーレの王様を語れない

1988-10-16 (最終更新: 1996-03-15)

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FPRG の電子会議はかなり前から一時利用者にもオープンしてある。しかし、愚 痴を発散させるには少しは閉鎖的な場所の方がよいかもしれない。と考えると、 電子会議は会員だけが読めるようにした方がよいという考え方もできる。もっと も、誰でも会員になれるから全く意味がないのだが、気分の問題である。しかし、 もっと良く考えてみると殆ど発言する人がいなければ考えるだけ無駄である。こ れを読んで「電子会議を非会員が読めないようにして欲しい」と思った人がいれ ばアクションを起こしてほしい。(*1)

そして、データライブラリは夏あたりから一時利用者にオープンした。これは、 私の SYSOP でない時の ID でライブラリからデータを読みだすチェックを行なっ たからである。この ID は FPRG に入会していない。その方が、一時利用者のた めのテストを簡単に行なえるからである。例えば「フォーラム概要」は入会して しまうと見ることができない。最近フォーラム概要はかなり変更した。お知らせ も変更した。

変更の理由は、オープニングメッセージを利用者にかかわらず簡略化する方針 としたからである。一時利用者のオープニングが長いのを何とかしましょう…と、 うっかり書いてしまったので何とかしないわけにはいかなくなったのだ。:-)

簡単な方法であるが、オープニングメッセージは「初めての方はお知らせをお 読みください」とだけ表示し、ぐちゃぐちゃした内容は「お知らせ」にまとめる ことにした。これだと入会しなくても割合楽に読める。しかし、入会しないと電 子会議をどこまで読んだか記憶されないので、会員に比べるとかなりハンディが ある。

「お知らせ」には書いたつもりだが、VOPやVONPの発言の中から残して おきたいものをデータライブラリへ転送することがある、と断っておいた。 今まではVOPやVONPの発言は原則として残さない、と明言していたので… 原則と書いたのが ずるくも逃げ道なのだが…残そうと思えばやはり一言あるべきだと考える。その ため、発言者へ一応メールを出しているが、結構大変なので教訓になったわけだ。

しかし、発言をピックアップすると同時にメール用にヘッダーだけ抜き出すプ ログラムを作ってしまったので、使わないわけにはいかない。とにかく全発言転 送ではないので、転送した発言の発言者へメールで連絡するのは止めないつもり である。ただ、発言者が非常に片寄っているため、「…を転送させていただきま した」というメールの送り先が集中することが気になる。似たような文面のメー ルを何本も読まされるのはかえって迷惑かもしれない。かといって、「**テン ソウシタ、フィン」のように電報のようなメールを出すわけにもいかない。

    *
「時よ止まれ、おまえは美しい」というセリフを以前使ったが、言うまでもな くゲーテのファウストである。と解説したのは明らかに蛇足である。いきなりで あるがマルガレーテが着物を脱ぎながら歌う歌があり、その中で王様が杯を海に 投げ込んでしまう。着物を脱いでいる所で歌う歌にしては歌詞が何だか変だが、 流行歌なのだろうか?

いずれにしても着物を脱いでいる所をのぞき見るのは悪趣味である。それはと もかくとして、「トゥーレの王様」というタイトルをドイツ語で書いてやろうと 思ったのだが、再び石になってしまった。

ドイツ語では、王様という単語は、K(oウムラウト)nigと書く。ウムラウトというのは、 oの上に¨というのを打てばよい。インターナショナル配列のタイプライターを 使う時には、ウムラウトやアクサンを先にタイプすれば、カラムが先に進まない で次の文字を上書きすることになる。従って特にウムラウトのアルファベートが 一つのキーに相当するわけではない。この方式はなかなか便利なので、ワープロ ソフトでも採用してほしい…と思ったのがつかの間、文字コードがないのだ。こ れはどうしようもない。

ところで、いきなり独語の話になったからと言って、SYSOP の教養の賜物だと 思ってはいけない。実はたまたま必修科目の独語で当てられた箇所がちょうど「 トゥーレの王様」だったので覚えていただけだ。独語は好きだがかなり苦手な部 類に入る。頭の中に記憶されているのは「こんにちは」程度で、残りの部分は再 フォーマットして利用してしまったのだと思う。

ロシア文字もギリシア文字もJIS第一水準に定義されているのに、独語、フ ランス語が第二水準があってさえ使えないのはどういうことなのだ、と言いたか ったのである。ワープロによっては独自にコードを割り当てていることもある。 無節操だと言ってはいけない。喫茶店でちょっとしゃれたメニューを作ろうとす ると、すぐにアクサンが出てくるのである。(*2)

考えてみると、JISの漢字コードは利用者の都合をほとんど考えずに作られ た行儀の悪いコードのように思えてくる。「廃墟」のキョは第二水準であるが、 こんな語を頻繁に使うのは私くらいだから許せるにしても、完璧、牛丼が第一水 準にないのは納得できない。「モラルを考える」という電子会議のコメントを考 えていると、ふとそのような感じがしたのである。


補足

(*1) 結局、そのような要望はなかった。

(*2) その後、補助漢字を使ってoウムラウトは表現可能となった。しかし、補助漢字が使えるシステムは事実上希である。Cafe(eにアクサン)さえ表現できないマシンが大半なのだ。


    COMPUTING AT CHAOS RUINS -15-
    1988-10-16, NIFTY-Serve FPROG mes(?)-276
    FPROG SYSOP / SDI00344   フィンローダ
    (C) Phinloda 1988, 1996