EMIC SERIAL I/O S100

株式会社マックエイトの設計製造していたS-100 Bus用のシリアルインターフェースカードです。マックエイト社はS-100バス用のCPUからメモリや各種I/Oボード、筐体まで製造していた会社で、日本では特に早い時期にS-100に取り組んでいました。
 

MAC8 EMIC SERIAL I/O S100

中央のLSIはUARTのAY-3-1014Aが現在ささっています。もちろん、他のUARTも使用できますが。設計ではIM6402となっていて、私がIM6402を別回路で使いたかったので差し替えてしまったような。左半分弱を使用しているごちゃごちゃした回路は、カレントループインタフェースとRS-232レベルへのレベルコンバータです。当時はまだTTYなどにカレントループインターフェースが使用されていましたから、その対応がなされています。電流値は20 mA, 40 mA, 80 mAなどが部品の交換で選べるようになっています。UARTの上部にあるジャンパグループ3ヶ所は通信速度の決定用だったかな。UARTのすぐ右にあるジャンパグループはデータビット数やパリティの有無などの他の通信条件を決定するもので、基板右側のジャンパグループはアドレス割り当てを決定するためのもの。CPUから見てプログラマブルなところは一切ありません。その分、ポートの初期化もなしで受信データの空読みをするだけでいきなり使用できるし、通信条件が決まりきっていれば、楽なことは確かでした。ただし騒音の事情で普段はCRT端末を1200 bpsか300 bpsで使用しているけど、印刷が必要なときにはTTY端末を110 bpsで接続したいなんて場合には、あまり実用的なボードとはいえません。あと、これだけのサイズの基板で安くもなかったですけど、1回線分のインターフェースだけです。2回線必要な場合は、同じカードがもう一枚必要です(ジャンパオプションでI/Oアドレスを変更して同時使用可能)。ただ、そんなに端末も無かったのが当時の事情なのですけど。
基板の左下部に、割り込み設定用のジャンパがありますね。配線していませんが、ベクタードインタラプトの0番から7番までのどれかに、送信割り込みと受信割り込みを接続して、割り込み駆動のデバイスドライバを作成することが可能になっています。

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